随筆「東京モノローグ2002」(5−6月期)
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第115話 1200駅!〜「サポーターズ・パス」のサポートツアー / 第114話 禁煙席 / 第113話 アイスクリーム / 第112話 家電品の省エネ性

第115話 1200駅!(2002.6.15)

*これまで何度か鉄道ネタをご紹介してきました。今回はその積み重ねの一大通過点についての話題です。

 学生時代は時間の許す限り、動き回った。幼い頃から路線図を見ながら、あれに乗りたい、ここに行きたい、と思いを募らせながら、当時は自由に動けなかったので、その分思う存分、といったところである。

 JRは青春18きっぷもあればホリデー・パスもあるし、地下鉄も必ず一日乗車券があるので、何とでもなるが、首都圏の私鉄は一日乗車券がまず出ない
(出たとしても限定的)ので、バイトの稼ぎをちょこちょこ注ぎ込みつつ、こまごまと乗り継いだものだ。降りた駅からまた乗って、というのはあまり能がないので、わざわざバスで移動したり、時には延々と歩いたり、一筆書きのような経路になるよう設定しながら、その妙を楽しみつつ周遊する。

 どの駅がどんな地勢でどんなスポットがあるかなど、きちんと記録をとってきた訳ではないが、面白そうな光景や名物は写真に収めてきたし、駅前商店街の名前なんかもある程度記録するようにしたおかげで、駅や街の個性や違いは何となく頭に入っているようだ。第100〜103話の東京百景の構想もそれがベースになっていて、本当なら小旅行の足跡をひもといて、都内をもっと広範囲に探訪した結果として紹介するつもりだった程である。

 さて、首都圏と言ってもどの範囲までを含めるかは人それぞれと思うが、筆者的にはピッタリ2000駅を対象に、その乗り降り実績を積み重ねつつ小旅行を楽しんでいる。

*東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の全駅に加え、茨城県は常磐線で高萩まで、栃木県は宇都宮線で黒磯まで、群馬県は高崎線で横川までのエリア、山梨県は中央本線で甲府までのエリア(富士急行含む)、静岡県は東海道本線で沼津までのエリア(御殿場線・伊東線・伊豆急行含む)で括ると、ちょうど2000駅になる?

 横川〜高崎〜新前橋〜(両毛線)〜小山〜(水戸線)〜友部〜高萩の線でつないだ南側をローカル私鉄も含めて対象に(ただし、上毛電鉄・わたらせ渓谷鉄道・茨城交通・日立電鉄は除き、真岡鉄道は含む)、と言った方が早いかも知れない。 それと小山から北、宇都宮線の黒磯までを足す(日光線・烏山線を含む)訳である。ずいぶん沢山あるものだ。路線図参照)

 学生時代はもっと狭い範囲で、とにかく1000駅を目標に乗り降りしていたが、結局1000駅目(東京モノレールの天王洲アイル)に到達したのは会社に入って2年半経った1992年10月4日のことだった。この1000駅到達を境に、それ以降「○○駅は何番目」と履歴をとるようにしたが、実は1000駅まではその狭い範囲でのカウントだったので、過去に乗り降りした遠地の駅(日光、水戸、熱海など)は含んでおらず、範囲を広げて数え直すと、すでに1000駅はクリアしていたようだ。1000駅目以降は範囲を広げてからの駅も記録するようにして、2002年6月10日までの乗降履歴は1211駅に達しているが、上述の2000駅対象に記憶の限りきちんと数え直すと、何と1286駅
(乗降率64.3%)になっていた。従って、今回の「1200駅」というのは正直なところイイ加減な数字なのだが、一つの記念ということでご勘弁願いたい。

 都内や主要路線を動く分には、移動範囲も限られているし、駅間が短い上に、本数も多いので、駅数を稼ぐのは難しいことではない。しかし、中央部から放射部に向け、郊外・中距離圏の駅に足を伸ばすようになると、当然のことながらその逆で、駅間、運転間隔、乗り継ぎ等々不利になっていくので、駅数の積み上げも鈍くなってくる。学生時代の4年間は年に200駅なんてのは当たり前だったが、その200駅のペースがずいぶんと落ち、1992年10月の1000から10年近くかかってようやく1200駅に達した、という状態である。社会人になれば時間的制約も多くなるから、そう易々と駅数は増やせなくなる訳だが、郊外に向かうにつれての条件悪化も加味すれば、まあまあと言ったところだろうか。
(ちなみに、第89話で紹介した日数計算をしてみたら、1992年10月4日から2002年6月9日まで何と3535日だった。17.7日に1駅の割合で新しい駅を乗り降りしてきた計算になる。へぇ〜。)

 学生時代は、幼少時の思いを満たしつつも、ひたすら駅数を増やすのに没頭していた感があるが、社会人になり、未知の駅をたま〜に訪ねるようなパターンになってからは、駅数がどうの、と言うよりも、とにかく電車に揺られてフラフラというのが良くなって、「鉄道セラピー」とでも言うべく楽しみ(癒し?)を見出したようだ。ペースが落ちたのはそのせいでもある。

 もちろん当てずっぽうに動き回る訳にもいかないから、できるだけ主だった駅から足を運ぶようにしているのだが、諸事情あって地域バランスが崩れてしまうものである。

 東海道線は東京〜沼津までの全駅をクリアした。
(つい先月、早川と根府川に行って達成) 一方、宇都宮線となると、大宮の次の土呂はまだ。高崎線も大宮の先、上尾までは全駅行ったが、その次の北上尾はまだ、という状況で、運行本数の違いこそあれ、東京駅を基点にした同心円でのバランスから考えると、不本意な感じがする。常磐線は上野〜土浦まで全駅乗降。それに中央線を対比させるなら、新宿〜大月までOK、と行きたいところだが、実際は藤野までの全駅どまり(つまり、上野原〜猿橋の5駅はまだ)。まだまだなのである。

 全体的には、山手線を軸として西高東低の傾向が強く、京王線・小田急線・東急線は全駅、西武線も新宿〜所沢、池袋〜所沢の範囲内は達成したものの、京成線や東武伊勢崎線は県境を越えると途端に未知の駅になってしまうお粗末ぶり。
(ちなみに小田急線全駅達成はつい先月のことである。昔から筆者にとって所縁ある線だが、フリーキップが発売されないことがネックになって随分かかった。ラストは開成駅。実に1192番目である。)

 関西には「スルッとKANSAI」と称する各線共通、しかも広範囲で乗り降り自由の切符があるので、羨ましい限りだが、仮に首都圏で同様のパス
(つまりパスネットがそのままフリーキップになるようなもの)が現われたら、筆者は喜々として朝から晩までウロウロしてしまい、癒しのつもりが疲労になってしまうだろうから、ないことを良しとしよう。

 そろそろホリデーパスのシーズンかな、と思い、きっぷ情報などを見ていたら、ワールドカップにちなんで「サポーターズ・パス」という強力な助っ人乗車券が出ることを知った。サポーター向けと言っても試合とは無縁(申し込んだけど全く当たらなかった)なので、あくまで小旅行用として使わせてもらった。(こっちはパスに助けてもらったようなものなので、サポートパスと呼んでいる。)

 ホリデー・パスのエリアに、鹿島神宮までの区間がおまけでくっついて、2日間で3000円。ホリデーパスを2日分買うと2040×2で4080円だし、成田〜鹿島神宮はエリア外だから、おトクである。カシマ・さいたま・横浜でのサッカーの試合日に前後しての限定発売なので、ホリデーパスのように毎週末とはいかないが、逆に都合よく6月9日・10日の日曜月曜という、通常では有り得ない2日乗車券の設定ができたので、迷わずその2日にした。
(しかも窓口販売のみだから、カードで支払いできるし。)(^^)v

 6月9日、朝早くから成田線経由で鹿島線方面をめざす。カシマで試合がある日なら臨時列車が出るのでいいのだが、この日は通常ダイヤなので本数がとにかく少なく、要注意である。成田を10:19に出て、香取に10:56着
(1198番目)。いったん駅を出て鹿島線に乗り換えて、潮来には11:23着(1199番目)。潮来ではちょうどあやめ祭りの開催中(やっとこさ見に来れた)だったので、あやめ行楽用としてもこのパス、実に有効である。(ホリデーパスを使って潮来駅で精算している人を見かけたが、成田からの運賃650円を追加で払っていた。サポーターズ・パスを知っていれば余裕で元が取れたのに...)

 潮来を11:56に出て、12時ちょうどに着いた駅は1200駅目(!)、JR鹿島線の十二橋である。予め記念になるように設定したのだが、12時着は余興みたいなものである。お誂え向きの駅があったものだ。鹿島線の乗り降りがフリーだったのがポイントである。ありがたい限り。

 実際の十二橋(加藤州十二橋)は駅のもっと北側、利根川の近くにあるので、この駅の周辺は目立った物は何もなく、ただ見渡す限り田圃と水路と沼しかない。誰も乗り降りしそうもない駅だが、筆者が下りた時も何組か乗り込んでいった。電車が来る頃にはどこからともなくちらほら乗客が現われる。摩訶不思議である。

 さて、記念下車とは言え、何もないのでは仕方ない。当然無人駅なので、改札はなく、乗車駅証明書の発券装置がポツンと置いてあるだけ。1時間に1本以下のダイヤなので、次の上り列車が来るまでは70分以上ある。そこで再度、鹿島神宮方面に戻り、潮来の次の延方をめざすことにした。次の下り、鹿島神宮行きは12:18発。まあ程よいタイミングである。という訳でせめてもの記念に乗車駅証明書を出そうとしたら、1組の家族がやってきた。(いったいどこから?) 早速、発券ボタンを押している。「何だ時間がずれてるな」と言うので、筆者もその後ボタンを押し、よくよく見れば15分遅れ。12:12で打刻すればいいや、と思っていたので、この家族が教えてくれなかったら、つまらない証明書になるところだった。列車が来る3分前。十二橋で12時という記念打刻をすべく、12:15にボタンを押して出てきたのが、この乗車証明書である。

 思いつきで足を伸ばした延方だが、こっちの発券機の打刻はもっと狂っていて、最初に出てきたのを見たら25分遅れ。しかし、その1分後に再度打刻してみたら自動的に修整されて出てきた。どうなってるんだろう?

 1200駅の第一目的は果たしたので、この日は日本×ロシア戦を控えた横浜スタジアムの雰囲気を味わうべく、横浜方面に向かうのがもう一つの目的。延方から直通で新川崎まで一気に下る。途中、成田で連結、佐倉で特急通過待ちがあって余計に時間がかかったが、2時間40分乗り通しだった。一気に横浜まで行っても良かったのだが、新川崎15:44着だったので寄り道時間ができた。南武線の鹿島田まで歩き、めざすは未踏の川崎新町。下車して程なく逆戻りして、尻手〜川崎〜鶴見と乗り換え、さらにJR鶴見線へ。この鶴見線、なかなか利用しにくいものがあるが、このサポーターズ・パスのおかげで思いがけず足を運ぶことができた。鶴見小野、大川の2駅を追加。これで東芝社員専用の海芝浦を除き、鶴見線で未乗降なのは「新芝浦」のみとなった。感無量である。日曜ダイヤだったので、大川行きはまずない筈だったが、ちょうど大川17:26着、17:40発というのに乗れて、ラッキーだった。

 東神奈川からスタジアム最寄りの小机に向かう。18時過ぎの横浜線。最後尾の車両には何と警備員が乗っていた。菊名からはさぞ大量に乗ってくるかと思いきや、程々の乗り降り。新横浜では下りる客の方が多かった。それでも小机に着くと怒涛の人の流れができ、ホームから改札まで押せ押せ状態。警備も充実している。駅を出ると、ゲート別に誘導路が分かれていて、それに従って青い人波が黙々とスタジアムをめざす。直に観戦できる幸運なサポーター達だが、表情を窺うとどことなく緊張感が漂っていたのが印象的だった。人の流れはスムース、スタジアム周辺でも特にトラブルはなさそうで平静。これから本当に歴史的一戦が始まるんだろうか?といった様相だった。西陽が低くなってきたし、そこそこ臨場感は味わったので、人波に逆行して小机に戻る。人の流れが円滑なだけに楽々駅に戻れて良かった。

 この日は小机で折り返す臨時列車が走っていた。実に珍しい。快速が止まらない小机だが、快速運転は取りやめたのだろうか。鉄道マニアにとっても特別な一日になったことだろう。

 横浜に着くと、計ったように19:13発の湘南新宿ラインがやって来た。一日にして3000円分クリアの大移動旅行はこれにて完結である。
(翌日、6月10日のレポートは割愛します。) という訳で2日間でめいっぱい、何度も自動改札を通したものだから、パスには横線がいっぱい付いてしまった。ご愛嬌。

 さて、1300駅までの道程は一層遠い感じだが、当面の目標(JR線)としては、

中央線:

上野原〜猿橋
→新宿〜大月全駅達成

八高線:

北八王子、小宮、東福生、金子、毛呂、明覚
→八王子〜小川町全駅達成

高崎線:

北上尾、北鴻巣
→上野〜熊谷全駅達成

宇都宮線:

土呂、東大宮、白岡、新白岡、東鷲宮
→上野〜古河全駅達成

内房線:

長浦、巖根
→千葉〜君津全駅達成

 あたりだろうか。筆者近所を走る埼玉高速鉄道も何だかんだでまだ乗り降りした駅がないので、一日乗車券発行のタイミングを見計らって、早々に探訪してみたいと思う。(さいたまスタジアムでのワールドカップ試合に当たっていれば、浦和美園には行けたんだろうけど。)

 新しい路線や駅ができれば、悠々旅行どころではなく、かつての乗り降りモードで駆け足になることも多い。第81話で紹介した大江戸線レポートはいい例である。2002年12月に控えているりんかい線の延伸(天王洲アイル〜大崎)は、埼京線利用者にとってはダイヤの大幅改正につながる一大事でもあり、筆者としても当然目が離せない。特に大井町の変貌ぶりは大いに楽しみなところである。

第114話 禁煙席(2002.6.1)

 5月31日は世界禁煙デー。筆者は大のタバコ嫌いなので、世の中毎日禁煙デーなら言うことないのだが、そうはいかない。タバコから避けられる場所や可能性があるなら、できるだけそれをめざし、確保するようにしている。交通機関も飲食店も禁煙席指定である。

 これまでマナーシリーズ
第60話以降、15話刻み)でも書いた通り、タバコにまつわるイヤな思いはひとしおである。マナーが良くない例が目につく(=マナーの良い人はそもそも喫煙しない? いや、喫煙者の中でマナー差が拡がり二極化してるんだと思う)ものだから、益々タバコから逃げたくなる訳だ。駅ホーム上の無分別ぶりは目を覆うばかり。野放図な喫煙者が最近頓に増えてきているようだ。この間、横浜駅にいて、喫煙コーナーから離れたところで湘南新宿ラインを待っていたら、ぶっきらぼうに「ライター?」(単語のみ!)なんて訊いてきた不届き者が現われた。「ここで吸う気?」とこっちも負けじと強気の口調で聞き返し、喫煙コーナー行きを奨めた。納得いかない様子だったが、それはこっちの話。恐るべき不遜ぶりである。

 マナーは悪化しているかも知れないが、全体的な喫煙率は下がっている。JT調べでは、【1965年:47.1% → 
2001年:32.7%】とか。20代男性の喫煙率も【1965年:80.5%! → 2001年:56.9%】と、その減り具合は顕著である。が、気になるのは20代女性の喫煙率が、【1965年:6.6% → 2001年:24.1%】と増えていること。これは都市部では大いに実感できる数字だ。ファーストフード店にたまに行くと、狭い席に詰め込まれて、若い女性(一人客)が一線でモクモクやっている光景が目につく。(余計にイライラが募りそう...) 大規模なファーストフード店ではフロアごとに分煙されているケースが多いものの、ワンフロアしかない店だと、なぜか入口付近が喫煙席、奥まった方が禁煙席という分煙だったりするので、こうした若い女性のモクモクが嫌でも目に入ってしまう。注文カウンターまでモクモクの中をかき分けなければいけないので、実にいただけない。

 さて、どんぶり屋さんについては、第39話で紹介したが、単にどこにどんな店があるかを書いたまでだった。筆者地元の赤羽界隈では、相変わらず移り変わりが激しいものの、その後3年経過し、どんぶり店がそろってきた。第39話の追跡調査ではないが、傾向と対策などを交えて記しておく。

店名
(50音順)

概況
(○=完全禁煙)

コメント

ザ・どん


(11:00〜14:00は禁煙)

ダスキン系の丼専門店。顧客満足度はいま一つ。

てんや


(11:00〜14:00は禁煙)

赤羽には2店舗あるが、一方は完全禁煙のようだ。

なか卯

×

消毒用の塩素の匂いがひどい時もある。

ペッパーランチ

売りのペッパーの味と風味を楽しむために禁煙、とのこと。

松屋

24時間禁煙。

吉野家


(11:00〜13:00は禁煙?)

赤羽駅構内にある。手狭なせいもあるが、常時禁煙のような印象。

 ちなみに、お隣の十条にある「めしや丼」はかつて分煙も何もなかったが、つい最近、全面禁煙になった。いいことだ。

 ついでに今流行りの定食屋の状況を書くと

店名
(50音順)

概況

コメント

大戸屋

○(完全分煙)

赤羽にもやっと開店。手前が禁煙席なのでありがたい。

おはち

×

分煙になっていないのが玉にキズ。赤羽にはまだない。

ちゃぶぜん

○(完全分煙)

JR上野駅構内にある。肝心の料理の方は...?

 

 分煙されていない店に入るのは度胸がいる。空いている時はあまり気にしないが、程々混んでいる時は、煙たくなさそうな(灰皿が出ていない)席を見つけて、着席するようにする。店を出るまで、隣席に喫煙者が来なければラッキーだが、何故か喫煙者(しかもヘビー級)が来てしまうことが多いような気がする。(時には席を替えてもらうこともある。)

 若い女性が二人連れで隣りの席にやってきた時は警戒レベルがぐっと上がる。席に着くや否や無造作にタバコセットをポンと出す瞬間ほどおぞましいものはない。睨みつけはしないものの、煙の行方を目で追う仕草で、それとなく嫌悪感を伝えてはみるもののあまりに無力。他人の視線などお構いなし、である。

 居酒屋、中華料理店、焼肉店で禁煙席を設けている店は、赤羽においては残念ながらまずない。フランチャイズではない各種レストランもいま一歩。禁煙席を設けていない店は、提供する料理が煙に巻かれてもいい、つまりタバコが台無しにしても構わないような粗食?、と受け取られても仕方ないだろう。こっちは煙を食べに来た訳ではない。純粋に食事を堪能したい人、味や香りを楽しみたい人にとって失礼なばかりか、客であれ店員であれ、店にいる全員が不健康を被る。禁煙席が設けられないなら、灰皿を使う輩の席をできるだけ固めるよう促すなり、灰皿を有料にするなり、ひと工夫してほしいところである。

 分煙されてなければ利用しない! くらいの気構えがあればいいのだが、手軽に外食できる店は限られているし、和洋中いろいろなジャンルを喫食したいのは人の常。「せめて分煙、できれば禁煙」もっともっとスターバックス的な発想&顧客志向が広まっていいと思うのだが。

 夏場に向けて100円ショップではミニ扇風機が出回るようになる。つい買いそびれてしまっていたが、今年はいち早く入手して、分煙されていない店での食事にいつでも備えるようにしている。だが、さすがに勇気が要るもので、今のところまだ出番はない。扇風機抑止力、というか、我慢心を強くする効果があるようだ。

第113話 アイスクリーム(2002.5.15)

 5月9日はアイスクリームの日(起源についてはここを参照)。学生時代はちょこちょこ街に出ていたが、銀座でこのアイスクリームの日に出くわしたのは、偶然だったか、狙いすましてのことだったか、今となっては定かではない。どっちにしても「ラッキー!」なイベントである。松屋界隈で無料配布していたアイスをもらってニコニコしていたのを思い出す。(確か2度ほどもらって、1回はモナカ、もう1回はホームランバーだったと思う。)

 過去の記録帳によると、88年は5月8日(日)に松屋、91年は5月12日(日)に三越、であった。5月9日当日ではなく、昔からその前後の日曜日に無料配布をやっていた訳だが、今年は何と、ゴールデンウィークの最中、5月3日
(しかも松坂屋デパート屋上!)での配布だったものだから、連休中旅行していた筆者はまたしても行きそびれてしまい、今回予定していたアイスクリームネタを書くのに正直窮してしまった。

 まぁ、行きそびれたと言っても、ネタついでに行こうと思ってたくらいだから、もともと意気盛んだった訳ではない。近年はどんな品であれ、無料配布のありがたみがかなり高くなっているためか、「その日のニュース」などでこのアイスを求めて作る列の長さを見て、年々行く気が萎えてしまっていたのも事実である。

 という訳で、今回はアイスクリームの日の話ではなく、アイスクリーム全体の話題...

 ふだんアイスクリームと言えば、無料配布でも登場する100円系アイスキャンディー・アイスバーの類ではなく、モナカやソフトクリームなど、パッケージ以外のゴミが出ないものを選ぶし、従って、アイスクリーム専門店でもカップかコーンかと聞かれれば、容器ゴミが出なくて済むし、おトク感もあるので、間違いなくコーンを選ぶ筆者である。最近は専ら専門店通いだが、それとて「31」でおなじみのサーティワンアイスクリーム以後「31」とする)ばかりで、しかもその「31」に行く時は、31%OFFになる「サーティワンの日」に限られるので、年間でのアイスクリームに接する頻度はさほど多くなかったりする。

 とは言え、31日は年に7回ある。1年で5回は行くとすれば、5・6年も経てば実は結構な回数になる訳で、思い返せばずいぶんとお世話になっているようだ。

 その名の通り、常に31種類は常備してある訳だが、その月または期間限定のメニュー(フレーバー)がいくつかあって、毎月何種類かが入れ替わるようになっている。どんなに気に入った一品があっても、登場月が限られている場合はその月のうちに食べておかないと、1年後まで待つか、下手すると二度とお目にかかれなくなってしまう。本当に「31」好きな人は毎日でも通い詰めて、1日1種類ずつ制覇して、全メニューをこなしたりするんだろうけど、年に5回程度の筆者にとっては、限定モノ(シーズンフレーバー)を含め、いかに厳選・吟味するかが問われ、それがまた楽しみになったりする訳だ。

 ご存じの方も多いと思うが、31%OFFの対象になるのは、

 

コーン

カップ

シングル

×

×

ダブル

(340円→247円)

(340円→247円)

 である。以前はこれにレギュラーかジュニアかの区別もあったので、いわゆる下表にあるように、

 

ホット

アイス

コーヒー

ホットコーヒー

アイスコーヒー

紅茶

ホットティー
(ミルク OR レモン?)

アイスティー
(ミルク OR レモン?)

 紅茶についてはさらにミルクかレモンかを指定しないといけないのと同じくらいの煩わしさがあったが、今では至ってシンプルなもので、筆者の場合、「ダブルのコーン」と言えば済むようになった。料金は、340×0.69=234.6円、ここで切り上げて235円。これに消費税がかかるので、246.75円。ここでまた切り上げ?で、247円である。シングルの場合は270円なので、「サーティワンの日」はダブルに限る、ということになる。(ちなみに、シングルのアイスは、ダブルの1コの大きさの1.6倍ある。シングルはレギュラー扱い、ダブルの場合の1コはスモール扱いになるので、

レギュラー(シングル):スモール(ダブルの1コ)

= 1.6 : 1

 である。さらに、アイス1コあたりの金額を対比させると、

270円:340円

= 1.6 : 2

 の式から、1コ 170円計算となり、シングルもダブルもほぼ同じになる。よくできたものだ。)

 さて、ダブルのコーンの場合、下に来る方のアイスがコーンに余分に収まることから、より好む方を下にするのが通らしい。ミニスプーンで1口分の試食もできるので、新しくお好みを開拓する時などは、まず試してみて、良さそうだったらそれを下にしてもらうといいだろう。

 「31」通の方に言わせればまだまだだろうけど、ここ数年で固定しつつある筆者好みのフレーバー
(除くシーズンフレーバー)を挙げるなら、

1.

ラムレーズン

:ラムの香りのアイスクリームに大粒のレーズンがたっぷり

2.

大納言あずき

:コシあんをたっぷり練り込んだ風味豊かなアイスクリームに、北海道・十勝産の粒よりの大納言あずきがふんだんに入った本格派

3.

ベリーベリーストロベリー

:よりすぐった香り高い苺がいっぱい

 の3つ。これらはどれが上に来ても下に来ても大差ないので、シーズンフレーバーで強力なのが来ない限りは、この3つを適当な順番で告げて、どれが下に来るかは店員さんに委ねることにしている。

 「31」では一般的かつ単色のアイスももちろん豊富だが、やはり複雑系でトッピングまじりのメニューの方がプレミア感があるし、風味や触感を楽しめる分、ベターだろう。
(もっとも、トッピングにも良し悪しがあって、個人的にはクッキー、ナッツ、ミントなど甘みがないのはどうもいただけない。果肉やチョコチップは歓迎だが。)

 シーズンフレーバーだったがために、気に入っていたのになくなってしまったのもいくつかある。(おそらく時季によって復活することもあると思うが。)

 例えば、ブルーベリークリーム、ドルチェビータの2つ。昨年お気に入りだった品で、2001年6〜8月のリーフレットには載っていたが、今年5・6月のリーフレットからは残念ながら姿を消している。「カプチーノエスプレッソコンサート」は、シーズンフレーバーだが、昨年の今頃から何カ月か続いた後、いったん姿を隠し、今年6月から再登場の見込みである。良かった良かった。(再登場を記念してか、名前が「カプチーノエスプレッソコンサート」に変わるようだ。)

 「31」のホームページに載っているメニューは最新情報だけだし、店内に置いてある「FLAVOR MENU」のリーフレットも当月分しかない
(過去の分は処分してしまう、とのこと)ので、このメニュー顛末は筆者手持ちのリーフレットからの情報である。メニューやフレーバーは提供者側の都合を優先せざるを得ないと思うが、お客の声を取り入れるのなら、「FLAVOR MENU」の履歴や登場早見表のようなものは欠かせないだろう、と思う。

第112話 家電品の省エネ性(2002.5.1)

 2002年最初の環境ネタです。関係筋からの依頼原稿を書いていたら、いつものことながら大幅に字数を超えてしまったのですが、ボツにするのも何ですし、ここに記す文章がそろわないと趣旨が十分に伝わらないこともあるので、ホームページのメリット(字数制限なし)を活かし、この場を借りて綴っておくことにしました。専門家ではないので、筆足らず、考察足らずな面も多々あるかと思いますが、一つご参考まで。


 家電製品は日々進化を遂げています。不況だからこそ、いかに売れる商品を作るか、がメーカーにとっての命題のため、(1)従来通り、とにかく売れ筋となる新商品を開発、(2)環境、健康、福祉など差別化できるコンセプトで市場を開拓、といった傾向が顕著ですが、それが進化の原動力になっているようです。グリーン購入法や省エネ法などの対象となる家電製品は、環境を売りにする、というよりもトップランナー製品に追随せざるを得ない状況になっているため、差別化としての環境配慮(主に省エネ化や使用素材の工夫)については一息ついた感があります。特に、省エネラベリング制度とグリーン購入法両方の対象製品であるエアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビについては、環境情報も豊富な上、環境配慮型製品を探そうと思えば、容易に探し出せるようになった、ということが言えるでしょう。

 一方、時代の流れを受けてか、個人の生活や欲求に直結する製品
(美容、健康、防犯、水や空気(清浄器)、癒しなど)や時間短縮製品(食器洗い乾燥器、洗濯乾燥一体型洗濯機など)も増えてきています。ただし、こうした新しいコンセプト製品や、関連法の対象になっていない製品については、環境配慮が二の次になっている(または伏せている)ようです。客の購入動機に環境面が直結しにくい場合は致し方ないとも言えます。(先行製品の技術を応用して、実はさりげなく環境配慮している商品も多いので、見極めが必要でしょう。)

 法や制度が製品の環境配慮を二分しているような観がありますが、どんな製品であれ、環境面を重視して損することはありません。

 買う前に考慮しておきたいことがあります。製品を作って売るだけの発想から一歩進んで、リースしたり、使用時間に応じた料金を徴収したり、といった新サービスを追求する動きが出てきたことです。(メーカーが、モノではなくサービスを売る会社に変容する方向性を示していると思います。)

 スウェーデンのElectrolux社の"Pay per Wash"プロジェクト(洗濯機を販売する代わりに洗濯時間を販売する)は有名です。リースならメンテナンスも含まれていますし、用済みになった時の処理も手軽です。そして一定期間ごとに新機能による便益を受けられる訳ですから、メリットは大きいと言えます。

 こうした動向は、家電品を持つことがステイタス、という生活感覚を見直すきっかけになるかも知れません。

 さて、それでも家電品を新たに買う、または買い替える、ということであれば、環境配慮面に注意しつつ、特にエネルギーや使用コストを重視するなら、省エネ家電を選びましょう、となる訳です。

 代表的な家電製品について、省エネ型に替えた場合のポイントや2002年4月現在のカタログの状況、参考情報としての統計値を表にしてみました
(ここんとこ何かと表を多用してますが...)

 実際にカタログを見ると、表紙でこそ省エネをアピールするものは少ないものの、カタログ文中では、省エネラベリングに関する表記が全て載っていました。達成率はタイプによって基準が異なるため、かなりの開きが生じていますが、単にどの家電製品の省エネ対応が進んでいるかは一望できると思います。

 同型で同じ達成率でも、消費電力が異なる場合があります。つまり、達成率が高くても、年間消費電力量が大きければ、全体的には省エネになりませんから、達成率が高い=省エネが進んでいる、と考えるのは早計になる訳です。また、テレビやエアコンなど、部屋の大きさに左右される製品は、まずどういったタイプが最適かを考慮した上で、達成率と消費電力量の両方を見る必要があります。

パソコンやプリンタなど、家庭で使うOA機器にも国際エネルギースターなどのラベリングがありますが、OA要素がない一般的な家電品に付くラベルは、今のところ省エネラベリングのみです。こうしたラベリングについては、環境省のデータベースなどで、意義や違いを吟味し、単なるお墨付きラベルと混同しないよう賢明に商品選びすることが求められるでしょう。

 廃棄時の環境負荷を考えると、今使っているものはできるだけ長く使うのが望ましい、と言えますが、買い替えした方がメリット大、ということであれば、製品の各種環境情報を考慮しながら、買うか借りるかの選択肢に進む、ということになるでしょうか。

 そして使う時は、せっかくの省エネ効果がムダにならないよう(省エネ性能を損ねない)よう、合理的に使いましょう。
(参考:RUPISUの環境志向のページ

 なお、新技術的な話題、例えば、

 ・燃料電池やソーラーバッテリーで動く家電
 ・消費電力量がひとめでわかる家電品
 ・エネルギーコントロールができる情報家電
 (IPv6インターネットやBluetooth(TM)による無線ネットワーク)

 といった事例については、割愛します。


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