第1話 米の量り売り('97. 9.15)

 ご飯が好きなわりには、自宅で炊いて食べることが少なく、去年の夏休みに一ノ関に旅行した際に、知人にすすめられて買った宮城県米5kgがこの間やっとなくなったばかりという有様である。そろそろ買わなければと思い、赤羽駅に隣接する商業ビルの地階にある米屋を訪ねた。

 前から通りがかる度に気になっていた店だったが、実際に中に入ってみるといろいろと面白い工夫がされていて好印象を持った。どこの県でとれたどの銘柄か(有機米かそうでないかも)が書かれた大きな米桶がいくつか並んでいて、2kg、5kg、10kgの3通りの量り売りというスタイル。客はどの米を何kgと指定して、精米機にかけてもらうのだが、精米にレベルがあって、玄米 白米で好みの粗さ細かさが調整してもらえる。米桶には、籾殻が付いたままの生の米が入っている訳である。さすがにそのまま炊く訳にはいかないので精米は必要だが、必ずしも真っ白にする必要もないことがわかった。何より客の好みでカスタマイズできる点が優れものである。

 とれたてと言われ、茨城県産のコシヒカリを2kg分、頼んだ。どうやって精米機まで運ぶのかと思ったら、簡素なバケツを持ってきて、ざっと汲んで、米桶の足元のデジタル計で量っている。何と一発で2.1kg余りを指している。そのまま精米機に汲みあけて、レベルはどうしましょうか?と訊く。何回か調整してもらいながら、結局玄米と白米の中間くらい(と言っても白米が目立つが)でお願いした。何で2.1kgでかけたのかと尋ねると、極端な例で10kgで白米度が一番高いレベルにすると、糠(ぬか)が出て、1割程度目減りしてしまうからとのことで、多少上積みすると丁度よいのだそうである。最初から精米して量って売るのと違う難しさを感じた。

 袋がまた良くて、お米のことを考えたというだけあって、クラフト素材のコンパクトなものだった。ヒモで縛ってはい出来上がり、である。今度行く時にまた使える設計になっているのだと思う。ちなみに値段はkgあたり均一で、2kgで999円(税込み)だった。

 茨城県産でも具体的にどのあたりか尋ねたら、古河や結城の方に、「さしま」というところがあって、そこの契約農場から運んだものとの答え。「さしま」を地図で調べたら、「猿島」でさしまだった。利根川の比較的近傍で、千葉・埼玉県境にも近い。どんな味がするのか、今から楽しみである。

 そう言えばバケツの重さってちゃんと差し引いてたかいな、と帰ってから心配になり、キッチンメーターで量り直したところ、1950g程度だった。ちょっと不満もあるが、一発で汲み上げた店員の技量に敬意を表することにして、矛を収めることにした。でもこれは量り売りの盲点。やはり精米後に、袋の重さを引いてビシっと決めてもらいたいものである。

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