第43話 水無月('99. 6.15)
ここ数年、6月に雨が多い年と少ない年が交互に訪れているように感じる。一昨年の6月は確か、複数の台風に見舞われたものの、晴れた夏日が占めていた。代わりに7月は梅雨に延々とたたられ、梅雨が明けたのかどうかはっきりしないまま、8月になってしまったように記憶している。今年もそんな感じになりそう、という予感がするのは、今のところ梅雨前線が南に下がったままで、梅雨らしくない日が続いているからである。どうもこの調子だと、夏を実感できない7月を迎えることになりそうである。
6月に入ってから(というより、梅雨入り宣言が出てから)、雨に降られた覚えがない。6月の第2週は、ずっと曇りか雨、そんな週間予報を6月第1週に聞かされていて、「あぁ早いもので、もう梅雨の季節かいな」と思っていたのに、当の2週目になると、月曜日を除いて、すっかり晴天(しかも夏日)続きである。連続して週末が晴れてくれるのもありがたい話ではあるが、春からいきなり盛夏になってしまった感のする今日この頃、暑いのはやはり身にこたえる。
筆者のかねてからの念願がかなって、現在、新宿駅と職場までの約4kmを自転車で往復しての通勤生活を送っている。自転車通勤を始めてみると、随分前からそうしているような錯覚に陥ってしまうが、よくよく考えるとちょうど1カ月経った程度であった。始めた当初に比べると、自転車にとって都合のいい道路もわかってきたし、足腰もなじんできて、今は確かにいい感じなのだが、6月に入ってからは、そんなに自転車も使えまいと思っていただけに、今月のこの晴天続き(しかも暑い!)には正直、肩透かしを食らっている。この時期ならではの降りそうで降らない曇り空とかだとちょうどいいのだろうけど、こう晴れ晴れと、しかも朝から陽射しが強い場合などは結構ツライものがある。新宿駅から明治通り沿いに、北参道・千駄ヶ谷小学校前・神宮前の各交差点を通り、同潤会アパート経由で表参道駅に抜けるポピュラーなルートだと、途中の起伏が2回あるため、登坂訓練するならまだしも、本当に暑い日に上り坂相手に自転車をこいだら、たまったものではない。暑くなる前にと、起伏を避けるルート(自転車にとって好都合なルート)を何とか探し出しておいて助かったと思う。そのルートとは、北参道交差点(フジタの本社ビルがあるところ)からは通称「千駄ヶ谷グリーンモール」という車両一方通行の路地に入り、鳩森八幡~観音橋(→地図)~明治公園~日本青年館~神宮球場~外苑前駅~表参道駅、というもの。これだと明治公園のあたりから、少々上り坂になるだけで、おしなべて平坦なので楽なものである。信号交差点も少ないため、足止めを食うこともあまりなく、早ければ新宿駅から職場のある国連大学の裏手まで、15分以内で到達できる。恵比寿行き直通の埼京線に乗った場合でも、新宿から渋谷まで、電車でまず5分。埼京線渋谷駅は、ほとんど「南渋谷駅」状態なので、埼京線ホームから職場まで、ゆっくり歩くとすぐ15分くらい経ってしまう。これを考えると新宿からの自転車通勤は至って快適である。もっとも、いま流行の電動アシスト自転車を使えば、起伏も関係ないから、さらに快適感が増すだろうけど、やはり自力でこぐところが自転車通勤の醍醐味だと思う。
(電動アシスト自転車は、6月5日の世界環境デーで、国連大学前の「GLOBAL ECHO」、代々木公園の「低公害車フェア」でそれぞれ体験試乗してみたが、軽快な反面、走り始めでちょっと勢いを付けると暴走するおそれがあるのが要改良点と感じた。リミッターが付いているから安心ではあるが、こいだ分だけの相応の「足応え」がないのはつまらないものである。)
このまま雨の少ない6月が続けば、まさしく「水無月」。暑いのはさておき、雨を気にせず、引き続き颯爽と自転車通勤を続けられるのはよしとしても、梅雨が7月に集中して、その間自転車に乗れない、というのが実はイヤなのである。エコロジカルな通勤を実践したい、というのも目的の一つにあるのだが、日脚も長くなることだし、帰途で夏の夕風に吹かれながら、まだ日が落ちきる前の東京の街並みを堪能したい、そしてまだ見ぬいろんな街角を探訪したい...そのために自転車通勤しているようなものだから、7月の雨降りは、どうとしても勘弁してほしい。「6月=水無月」では困ってしまう、わがままな筆者であった。(もちろん、首都圏のダムの貯水量が減って、水不足だ何だというのも困りものではあるが。)
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