第44話 エコロジカルな歯ブラシ('99. 7. 1)
かれこれ7年程になるだろうか。エコロジーショップの草分けとしておなじみの、お茶の水GAIAで、ブラシの部分だけ交換できる歯ブラシ・・・「ECO BRUSH」を買い求めて以来、歯ブラシはずっとこれを使い続けている。ドイツの「TERRADENT」というメーカーのものだが、これと同じ仕様の歯ブラシは7年経っても、相変わらずここだけのようである。歯ブラシはブラシの部分が消耗品なので、本来ならそこだけ交換すればよさそうなものだが、ブラシとグリップは一体になっているため、ブラシが駄目になると一本まるまる廃棄せざるを得ないのがもったいない。その点、この「ECO BRUSH」はブラシがリフィル式になっているため、グリップはずっと使える、という訳である。
これまでにいくつブラシをリフィルしてきただろう。磨き方が少々雑だったため、消耗度も激しいのだが、年に5~8回程度と思われる。7年で40個は交換したことになるが、これがグリップごとの通常の歯ブラシだったら、ズバリ40本になるから、やはりちょっとした廃棄物削減にはなっているようだ。それでも、毛先が広がり、歯ブラシとしての役目を終えたものでも、普通のグリップごとのタイプなら、水まわりの隙間の掃除用などの二次使用が可能。逆にこの手のリフィルタイプだとブラシの部分だけなので、そうした二次使用には向かないのが難点である。かと言って、そのままポイというのも気が引けてしまうのが筆者の情理。という訳で、拙宅の洗面台のとある小さな器の中に、この役目を終えたブラシがひしめくことになる。洗面台の栓の部分が汚れてくると、このブラシを使ってササッとこすったりするのに重宝しているのだが、器の中にこの毛先の広がったヘンなのがたまってくると、ゲジゲジが身をすり寄せているような態なので、気持ち悪いのは否めない。(でもある日、それを見かねた妻によって処分され、今はスッキリしている。)
リフィルの仕様について言及しよう。初期の頃は、プラスチックケース入りで、何とスライドカバーを開けて取り出す、という豪華なものだった。エコブラシにしてはこれはちょっといただけないな、と思っていたが、ある自然食品店が開店した際、オープン記念で割引価格だったものだから、ついまとめ買いしてしまったのを覚えている。その後、やはり何らかの批判があったのか、間もなく紙ケースに代わったが、中味はとにかくずっと同じなのがありがたい。(ドイツ製だから為し得る長期使用と言えようか) プラスチックケースも紙ケースも、4ケ入りで500円。7年間、価格据え置きなのでご立派なのだが、高いと言えば高い。100円ショップで何本かまとめて売っているのを見ると、この手の歯ブラシはどうしても価格対抗力が弱いのが泣き所である。使い捨ての歯ブラシが圧倒的に主流なのは、総じて量産品に対する詰替品の価格優位性がないことと同じで、形勢逆転はなかなか望めそうにない。とにかく少しでも愛用者が増えることと、TERRADENT社が作り続けてくれることを祈るばかりである。
さて、このエコブラシのリフィルだが、一度買うと4ケ持つので、つい在庫意識が低くなる。つまり、切れてしまってから買いに行くことのが日常化しているのである。そして、職場の周りには、Cハウスもあれば、Nハウスもあるので、いざとなればすぐに手に入るからいいや、と思って油断していたのがいけなかった。4月頃にそろそろ取り替えようと思い、Cハウスに行ったが置いてなく、ちょっと焦って別の日にNハウスに行ってみると、型違いのリフィルしか置いてなく、冷や汗をかいた。筆者のタイプは、M31。硬さがミディアムなのでMなのだが、実は数字が問題で、31は横長六角形。Nハウスにあったのが、楕円形をつぶした形状の32シリーズだったのである。(買いに行く間隔が長いので、いつも型番がわからなくなってしまうのだが、さすがにこの日は覚えていた筆者だった。) 主流は32だったか、などと嘆息しているどころでない。すぐさま東急ハンズをあたってみたのだが、やはり置いてない! 筆者の通勤経路中、他に置いてありそうな店がなく、そう易々とGAIAに足を運ぶこともないものだから、いよいよ窮地。致し方なく、また別の日にハンズに来たついでに、本体まるごと土中分解する「エコット」と称する歯ブラシを買い求め、当座をしのぐことにしてしまった。ところがこのエコット、なかなか癖があって、磨きにくい。5月から6月頭にかけてお世話になったが、終盤は毛が抜け出して、ちと大変だった。(このまま洗面台に置いておいて、自然分解するのかどうか実験してみたい気もするが、重大な支障がある訳でもないので、しばらく補助的に使うことにしようと思う。)
エコットの誤算もあって、ともかくこれはいよいよGAIAに行かねば、と思った頃、幸い仕事で御茶ノ水へ行くことになったので、本当に助かった。新宿から四ッ谷に出て、あとはひたすら総武線沿いに自転車を繰る。(都内、というか山手線内は自転車を使うと機動性が向上するのがこの日も体感でき、嬉々とする筆者であった。) 仕事を終え、御茶ノ水駅からGAIAに向う。徒歩だとちょっとあるが、自転車ならあっと言う間である。店に着いて、地階へ駆け込むと、しばらくぶりだったせいもあるが、ややレイアウトが変わっていて、今までの場所にない! またまたヒヤリだったが、落ち着いて奥のコーナーを覗くと32と並んで31が「あったあった!」 Nハウスで32しかお目にかかれなかった時点で、31はもしや生産中止、と危惧を覚えていただけに、これを手にした時は正直とてもホッとした次第である。
(エコットで)磨き疲れた筆者は、再びECO BRUSHに戻ってからというもの、歯磨きが楽しい今日この頃を過ごしている。磨き方も丁寧に(謙虚に)なり、実にいい感じである。
余談だが、本稿を書きながら、リフィルの紙ケースをよくよく見ると、いつの間にか非木材紙普及協会のケナフマークが小さく付いている。マクドナルドの某ハンバーガーの包みにもケナフマークが付いているのを見つけた時はさすがに驚いたが、最近の非木材紙普及協会の躍進ぶりはちょっとしたものである。(同協会とは、仕事でちょっと関わりがあるのだが、なかなか連絡がとれない。ケナフマークを目にするにつけ、ご多用ぶりを推し量るばかりである。)
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