第58話 水曜クリーンキップ(2000. 2. 1)

 一定のエリア内や同じ鉄道を何度も乗り降りできる一日乗車券ほど重宝なものはない。各地を旅行する時も予め調べておくなり、まずは観光案内所などで物色したりで余念がない筆者は、当然都内をあちこち移動する時もよくお世話になっている。もちろん一日乗車券の価格以上に運賃を要すること、乗車券が有効な交通機関で目的地をカバーできることなどを確認することが欠かせないが、特に仕事で使う時は、予め同じ日に廻れるようにスケジュールを組むなどして工夫するようにしている。(ささやかながら環境負荷低減にもなることだし...)

 今年に入って早々、仕事で三田と水道橋と志村三丁目(全て都営三田線)に出かける必要が生じたので、同じ日に行けるように設定し、まさにこのためにあるような都営地下鉄・都バスの一日乗車券を買い求めることにした。環境庁や日本環境協会本部に出かける時は、自転車を走らせることも多いのだが、さすがにこうしたパターンではそうはいかないので、この日はいつもの自転車通勤をお休みし、朝から都バスに乗ってちょっとぜいたくな出勤である。渋谷駅東口バスターミナルにある東京都交通局の窓口で一日乗車券を買い、まずはお茶の水方面へ向うバスで「青山学院前」まで。ゆっくりめの徒歩で10分かかる行程をほんの3分程度で走ってしまい、頗る快適である。(仮に銀座線が渋谷と表参道の間に駅を設けてもらえるならもっと快適かも知れない。青学はもとより、国連大学もあることだから、一考の価値は十分あると思っている。)

 これでまず、200円分。この日の外出の経路は、渋谷駅東口~(田87)~田町駅、三田~(三田線)~水道橋、ここまでですでに合計610円。次は本来なら水道橋~志村三丁目と三田線で直行すればいいのだが、そうはいかないのが筆者流である。その週末に少人数でネイチャーゲームを行うことになっていたので、下見がてらその会場がある茗荷谷を経由することにして、文京区役所の手前のバス停まで行き、壱岐坂下~(都02乙)~茗荷谷駅。そして、会場の窪町東公園の端まで歩いて、その近くの湯立坂下~(上60)~大塚駅まで。一日乗車券は都電荒川線にも使えるので、大塚駅前~新庚申塚と乗り、乗り継ぎ駅の西巣鴨から再び三田線に乗って、やっとこさ志村三丁目、という経路。乗り放題三昧でありがたい限りである。(もちろんこの寄り道は、水道橋の用件を終えた時点で、志村三丁目へ行くまで時間的余裕があったためのことである。念のため。) 志村三丁目からの帰りは新板橋まで戻り、これでこの日の合計は1,590円。一日乗車券代700円の倍以上、元を取ることができた。(こうした感覚は主婦並み?と自負する筆者である。)

clean-kippu.jpg そしてつい最近、今度は荒川クリーンエイド99年次報告集の打合せのため、都営新宿線 船堀方面(東小松川)に出かける用事があったので、再び一日乗車券のお世話になることにしたのだが、ちょうど水曜日だったため、ありがたいことに「水曜クリーンキップ」の恩恵を受けることができた。(本稿はそのPRのようなものである。) 同じく渋谷駅東口の東京都交通局で、700円出して一日乗車券を買い求めようとしたら、親切なことに「今日使われるならこちらをどうぞ」と差し出されたこの「水曜クリーンキップ(環境切符)」。「水曜日は電車・バスを利用し、大気汚染防止にご協力を!」と表書きしてあって600円。おまけに東京都の庭園美術館と写真美術館の入館割引付きになっているので、感心した。何となく存在は知っていたが、使える機会が巡ってくるのはそうないことなので、感慨もひとしおである。

 この日は、渋谷駅東口~(渋88乙)~青山学院前、でまず使い、青山学院前~(茶81)~九段下~(新宿線)~船堀~(新小21)~東小松川小学校、でクリーンエイドの事務所に向い、そして帰途に船堀~新板橋、という経路をとって、合計1,170円。いやはや本当に重宝である。(東小松川小~船堀の帰途でバスを使わなかったのは、打合せが22時30分までかかり、バス便がなくなってしまい、車で送ってもらったためである。せっかくのクリーンキップの主旨(「水曜日は乗らないDAY」)を損ねてしまったようで心苦しい?!)

 茶81のバス車内で、ご婦人方がこう話していた。「地下鉄は(階段を)上ったり下りたりで大変。バスはその昇り降りがない分、楽ねぇ...」 表参道の手前から乗ってこられて、半蔵門のちょっと先で降りていかれた。半蔵門線を使えばすぐなのだが、昇り降りの時間を含めるとどうも大差ないようである。それなら楽な方がいいのは言うまでもない。バスが頻発して、かつ割安な一日乗車券があれば、特に年配の方にとっては便利で楽なことこの上ないように思う。(都電が縦横に走っていた頃は、さぞ快適だったろう。) 筆者としても、水曜クリーンキップの趣意は大賛成である。こうした工夫で余計な乗用車やタクシーが減れば、大気汚染はもとより、騒音や温暖化の抑止にもなる。地下鉄も大事だが、バスをもっと便利に使えるようにし、クリーンキップや環境定期券をもっと奨励してほしいものだと思う。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第58話 水曜クリーンキップ(2000. 2. 1)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://mt.chochoira.jp/mt-tb.cgi/61

コメントする

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.24-ja

2009年3月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリ

このアーカイブについて

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。