随筆「東京モノローグ2018」(11−12月期)

 

随筆「東京モノローグ2018」(11−12月期)
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    第509話 四国一周(2018.11.19)

     

     “初乗車にして全線完乗”をテーマに掲げると、旅の設定が明確になるもので、9月の只見線に続き、今度は四国の路線でと思い立つ。

     第506話に記した通り、四国では四つの路線があてはまる。内子線、予土線、牟岐線、鳴門線である。乗ることに徹する上で有効なのは、JR四国のフリーきっぷだが、数ある中で有力視していたのは、誕生月限定の「バースデイきっぷ」。特急列車(自由席)も使えて、3日間で9,500円というのは格安だと思っていた。今秋は、これに似た企画乗車券で、「四国全線開通謝恩フリーきっぷ(フリー区間が一部異なるが、ほぼ同じ設定でこちらは1万円)というのも出て、選択肢が増える。いずれにしろ、7月の豪雨の影響で長らく不通になっていた最後の区間(予讃線の卯之町〜宇和島)が復旧したこともあり、出かけるなら誕生月(10月)と決めていた。が、しかし...

     ちょくちょくお世話になっているJR東海ツアーズで、四国関係のパンフレットを見ていたら、「バースデイきっぷ」を上回る好条件のフリーきっぷがオプションでセットできることを発見。「四国全線フリーきっぷ」というのがあって、鉄道利用に限れば、条件は同じ(JR四国+土佐くろしお鉄道が全線フリー)な上、3日間で7,710円、4日間でも8,750円…「これだ!」となる。

     


    1.「13府県ふっこう周遊割」+四国一周

     

     となれば、あわてることはない。11月でもいい訳だ。と、次にさらなる渡し舟が現われる。「13府県ふっこう周遊割」である。

     その存在は何となく承知していたが、よくよく調べると条件にピッタリ当てはまることがわかり、ふっこう割ありきで行程を組み立てることになる。10月以降の宿泊分から、出張プラン的なパッケージも対象に加わったというのがまた大きかった。ただし、ふっこう割は補助金制度。予算上限に達すれば終了という制約がある。適用期間内でかつ早めに出かけるのがポイント=早い者勝ちの世界である。11月上旬がよかろうという話になり、3泊4日で出かけることにした。

     どうせ行くなら、何かしらのイベントを組み込みたい。鉄道関係で検討したのは、11/3の「第17回ことでん電車まつり」、11/4の宇和島地区「鉄道の日ふれあい祭り」(→PDFの二つ。JR四国のフリーきっぷを使う手前、わざわざ「ことでん(高松琴平電気鉄道)のイベントに出かけるのも何なので、素直に宇和島に行くことにした。これで、アウトラインは固まった。

     11/3に宇和島入りし、11/4は宇和島運転区でのイベント後、高知へ、11/5は鉄道+バスで四国南東部を巡りつつ、徳島県に…といったプラン。内子線、予土線、牟岐線、鳴門線の完乗に加え、一大テーマとして「四国一周」というのがこのプランには含まれる。できるだけ隅々を廻る感じで一周に臨んだのは、1990年11月の九州一周以来。「平成二大一周シリーズ」とでも名付けようと思う。

    ・・・
     四国一周以外の主なテーマは、次の通り。テーマ別に綴る。

     


    2.JR四国の在来線特急

     

     今回のフリーきっぷでありがたかったのは、とにかく特急が乗り放題ということ。18きっぷ(またはそれに準ずる企画乗車券)主体の旅が多い筆者は、在来線特急とはあまりご縁がない。その反動もあって(?)、しっかり活用させてもらった。もっとも、特急を使わないと然るべき移動ができないので、JR四国のフリーきっぷではこれが当たり前なのかも知れない。

     特急に乗ったのは、岡山→松山→内子→宇和島(11/3)、窪川→高知(11/4)、池谷→栗林(11/6)の5回。四国は過去に6回訪ねているが、1989年に急行「土佐」に乗った(高知→阿波池田)のがせいぜいで、四国内で特急列車に乗ったことは一度もなかった。そういう点でも記念すべき旅だった。

     特急列車最大のメリットは、短時間で長い距離を移動できること。難点は、途中駅を細かくウォッチできないことが挙げられる。面白そうな駅があっても、素通り。普通列車であれば、駅舎、駅名標などを見る・撮るというのはある程度可能だ。その路線を楽しむという点では、特急は向かないことを今更ながら認識した。

     


     特急「しおかぜ」9号(岡山11:35発→松山14:13着)。アンパンマン列車だった。(こちらもどうぞ)


     松山駅での特急の乗り換えは、同じ1番線で。「しおかぜ」の先に待機していたのは、特急「宇和海」17号(松山14:28発→内子14:53着)。


     内子で2時間ほど過ごし、再び「宇和海」で宇和島へ。乗ったのは、内子16:56発(宇和島17:49着)の21号。


     窪川からは、特急「あしずり」6号に乗り、一気に高知へ。乗車時間は1時間ほど(14:02発→15:04着)。思いがけず速かった。


     池谷から栗林までの移動は、特急「うずしお」14号で。JR四国最新の特急形気動車2600系に乗れたのは幸運だった。乗車時間は1時間弱(12:33発→13:26着)。実に快適な時間を過ごせた。なお、この列車で高徳線の未乗区間を乗り通し、徳島県内の全鉄道路線の乗車を達成。また、JR四国内で乗っていない区間は、予讃線の一部を残すのみとなった。


     今回の旅はこの一枚あってこそ…「四国全線4日間フリー(乗車券・自由席特急券)」

     


    3.初乗車&完乗

     

    ■内子線…こちらをどうぞ

     


    ■予土線(宇和島11:36発→窪川13:47着)

     1989年に四国を旅した時は、松山からバスで高知に向かった。その後、松山に来ることはあっても、松山以西・以南については縁遠く、愛媛県西部・高知県西部の鉄道も未知のまま。予土線に乗るのは、長年の夢だった。

     「予土線3兄弟」など、同線を走る観光列車が充実しているのは、ひとえに川沿いの絶景あってのことだろう。今回は、普通の気動車で全線を乗車。地図を見ながら狙いを定め、川を渡る場面など大いに堪能したものの、写真の方はあまり...だった。観光列車の場合、徐行区間があるようなので、撮影に重点を置くなら、3兄弟を選ぶ方がいいと思う。

     山間部を走るので、トンネルも多い。気動車がトンネルに入ると、結構な轟音になるので、注意が必要だ。トンネルのまま、ループ区間になり、勾配を進むというのもある。そのループは、家地川と若井の間。実際はあまりループしている感じはしなかった。

     予土線の前半は、こちらに掲載の通り。同線の沿線の象徴とも言える四万十川の景観は、後半になる。四万十川と並行するのは、江川崎を出た後。列車が東に進む一方で、四万十川の流れは西というのも一興だと思う。

     

     半家〜十川では、地形の見本のようなポイントが出現。四万十川上流部では、こうした景観が度々現れる。

     


    ■牟岐線(海部15:47発→日和佐16:22着、日和佐18:08発→阿南18:54着、阿南9:17発→徳島9:59着)

     

     海沿いを走るイメージが強いが、徳島近郊路線の顔も。徳島〜阿南は、通勤通学や生活路線としての性格の方が強そうだ。全長(海部〜徳島)は79.3km。予土線(北宇和島〜若井)よりも3km長い。

     

     阿南駅での「近距離きっぷ運賃・料金」。水色が牟岐線、紫色が鳴門線、ウグイス色が高徳線。今回の旅で、この3線、無事完乗となった。

     


    ■鳴門線(池谷10:23発→鳴門10:41着、鳴門12:03発→池谷12:20着)

     

     鳴門駅とその周辺は、レンタカーで訪ねている(→第412話ので、初探訪ではなかったが、鳴門線の乗車、鳴門駅での降り乗りについては今回が初。

     総じて長閑な感じの路線だった。全長(池谷〜鳴門)は8.5km。JR四国の路線の中では、内子線(5.3km)に次いで短い。

     

     JRのほかに、初乗車・全線完乗となったのは、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線(後免〜奈半利)、阿佐海岸鉄道(甲浦〜海部)の二つ。これらの車窓や概略などについては、いずれ「駅ログ」に載せようと思う。

     


     ごめん・なはり線のオーシャンビューの一例。あかおか駅から東は、終点の奈半利まで概ね海沿いだが、特に眺望が利くのは、夜須〜赤野の7kmほど(所要時間は約10分)だそうだ。写真は、そのビュー区間内、夜須の次、西分(にしぶん)に向かう途中で撮影。


     阿佐海岸鉄道は、甲浦(高知県東洋町)と海部(徳島県海陽町)を結ぶ第三セクター。2県にまたがる路線だが、その全長は8.5kmと短い。海岸鉄道という名に相応しく、特に海側の景色は素晴らしかった。

     


    4.宇和島運転区

     

     ここ数年、車両基地イベントに足を運ぶ機会が増えている。その一環で今回は宇和島運転区へ。四国における車両基地イベントは、当地が初。会場はコンパクトながら内容は多彩で、ホスピタリティも高め。はるばるやって来た甲斐はあった。(→直筆リポート記事

     宇和島は、駅前などにワシントンヤシが並び、異国の佇まい。ヤシは高いが、建物は高いものが少ないせいか、全体的に平たい印象を受けた。いい意味で日本離れしている町だと思う。

     


     宇和島運転区での観光車両の展示シーン(→参考


     宇和島駅とワシントンヤシ。宇和島駅と宇和島運転区(ダイジェスト)については、こちらに掲載。

     


    5.バスで岬めぐり

     

     国内の名だたる「岬」というものをこれまで巡ったことがなく、最もメジャーな例は知床岬(2006年7月)といったところ。この時は船で岬に入った。バスで岬を訪れたのは、もしかすると人生初。行程の都合で一度乗り換える必要があり、来ることができたというのが実情だが、とにかく岬に来た。室戸岬である。

     高知東部交通のバスで、奈半利駅から約1時間。バス停の名称はズバリ「室戸岬」で、降りればすぐに岬という好アクセスだった。出たのは灌頂ヶ浜と呼ばれる一帯。浜と言っても岩石が主体で、その形状はインパクト大・・・ジオパークの一角にいるのだからもっともである。太平洋を大きく見渡すことができるのも当地ならではだろう。波もいい音で打ち寄せる。残念ながらその波は、漂着ごみも運んで来る。

     

     灌頂ヶ浜からの太平洋の眺め。この日は気温高めで、夏の海のようだった。

     高知東部交通の「安芸・甲浦線」。バスは、ほぼ定刻通り到着。(室戸岬停留所にて)

     

     先に乗ったバスは、岬を廻った先のジオパークセンターどまり。鉄道駅に通じるバスは本数が限られる。次に乗ったのは、阿佐海岸鉄道の甲浦駅などを経由するバスで、平日7本あるうちの一本。定刻通り14:31に室戸岬を出て、やはり定刻の15:21に、甲浦駅に着いた。途中、ジオパークセンターでの小停止はあったが、乗り降りはなく、ほかの停留所も見事なまでに通過の連続。信号で止まることもほぼなく、ノンストップだった。カーブもアップダウンもお構いなしで、バスはひた走る。そこまで急がなくても...と思ったが、結果的にはそれで時刻表通りなのだから何も言うことはない。ノンストップ(&速度維持)前提で時刻表が設定されているのだとすれば、凄い話だ。

     なお、日和佐の薬王寺(23番)から、室戸山の最御崎寺(24番)までは、八十八か所の中でも指折りの長距離区間。75km余りというから、徒歩で移動するには相当な覚悟、体力を要すると思われる。24番に近い室戸岬から23番最寄り駅の日和佐まで、今回のようにバスと列車を乗り継ぐと、所要時間のトータルは1時間45分ほど。公共交通でそれだけ時間がかかるのだから、歩くとなると... バスで北に向かう間、逆方向(室戸岬方面)を往くお遍路さんを何人か見かけた。ただ頭が下がる。

     

     以下は、観光、探訪関係。めぼしいスポットを順に紹介する。

     


    内子(11/3)

     

     2007年7月7日の「アド街ック天国」は、「今、散策したい!ニッポン懐かしい風景が残る街BEST77」だった。内子はこのランキングで、何と6位

    贅を尽くした漆喰の街並。
    愛媛県「内子」には、古いもので200年以上前に建てられたと言われる、温かい心が伝わる街。
    黄色い漆喰となまこ壁には、いにしえの贅を尽くした匠の技が見て取れます。


     との紹介文が出ていたが、こうした点以上に筆者が感じたのは、その静けさ、上品さ。観光地化が進むと、賑わいを超えて"騒々しさ"が出てしまい、居心地が悪くなるものだが、内子ではそれがなく、純粋に街を楽しむことができた。訪ねたのは、文化の日。期せずして、まちの文化やあり方について考える日となった。

     

     黄色い漆喰の建物は、本芳我家住宅の土蔵。その隣(奥)の建物は、大村家住宅。どちらも重要文化財。(→参考

     


    宇和島城(11/4)

     

     宇和島運転区のイベント前に、宇和島城へ。高台にあるため、天守までの道程は登山のような感覚。登頂すれば、展望が開けるが、天守の上階に行けばさらなる眺望が楽しめる。

     今に残る天守は、全国に12あって、宇和島城はその一つ。重要文化財に指定されている。(参考→「12天守」)

     

     宇和島城。開場は9時だが、5分前には入れてもらえた。入場料は200円。

     天守3階からは全方位が見渡せる。手前は宇和島港。中央の島は「九島」。

     


    はりまや橋など

     

     高知と言えば、はりまや橋。1989年8月に初めて高知に来た時以来、二度目である。いろいろな角度で撮っていたら、明治期デザインの路面電車「維新号」が通過(11/5、9:50過ぎ)。はりまや橋でガッカリではなく、ビックリの瞬間である。

     

     太鼓橋(手前)と、はりまや橋を通る「維新号」

     高知の路面電車=とさでん交通。11/4は、日没前に桟橋車庫を訪ね、車両のラインナップを見物させてもらった。こうして見てもやはり博物館である。

     


    土佐神社(11/5)

     

     高知から、土佐くろしお鉄道の車両に乗って、そのまま終点(奈半利)へというのもアリだったが、一之宮めぐりを重視して、二駅目の土佐一宮(とさいっく)で下車。駅名通り、「土佐一ノ宮」である土佐神社の最寄りなのだが、境内までの距離を十分に下調べしていなかったので、あわただしいお参りに。あとで調べたら、片道約1.5kmだった。土佐一宮着は10:24で、発は11:27。1時間あれば余裕と思っていたのだが...

     

     クジラデザインのごめん・なはり線車両。「くろしお」にちなんで、車両形式は9640。オープンデッキがあり、海沿いを走る時に本領を発揮する。

     土佐神社。楼門を入り、この鳥居と拝殿(奥)に辿り着くまでにまた距離があり、大変だった。境内で過ごした時間は15分ほど。

     


    薬王寺(11/5)

     

     特急「やくおうじ」という臨時列車があって、その列車名から気になっていたのが薬王寺。日和佐駅を降りて500mほど北に進めばアクセスでき、境内の階段(厄年の年齢に対応した段数33+42+61+...)を上ると、日和佐川、日和佐港、日和佐の町並みが一望できる。時間にゆとりはあったが、日が暮れる前ということだとギリギリ。次に来ることがあれば、ウミガメの博物館や産卵地などにも行ってみようと思う。

     

     日和佐駅に架かる陸橋から見た薬王寺方面。瑜祇塔(ゆぎとう)が目印。

     瑜祇塔の下の広場からは、日和佐一帯が望める。時刻は17時。鐘楼堂の鐘と、町の時報が重なり、山々にこだますのがわかった。

     


    栗林公園(11/6)

     

     最終日は、大まかな予定しか立てていなかったので、とりあえず栗林で降り、栗林公園に行ってみて、よさそうだったら入園、ダメそうなら高松か岡山で過ごすといった感じだった。公園に来てみると、これがなかなか壮大。時間もなくはなかったので、とにかくひととおり巡ることにした。見どころ多数で、天気がよかった分、どこを撮っても映える。さすがは「特別名勝」と思った。次は"ことでん"とセットで、春か夏に訪ねようと思う。

     

     小高くなった「飛来峰」から、南湖全体を眺める。湖に架かる「偃月橋」(えんげつきょう)は、ミシュランの一つ星評価を受けていて、「飛来峰」も一つ星。二つ星は、湖の奥に見える数寄屋風の茶室「掬月亭」(きくげつてい)と、公園全体の松林が対象。世界に誇る庭園と言える。栗林公園は"★★★"。

     


    おまけ)

     

     11/3夜は、宇和島名物の鯛めしをいただき、11/4夜は、高知の地場野菜をメインにしたビュッフェレストランでゆったり過ごした。11/5朝は、鰹のタタキを堪能。ホテルの朝食はいずれもビュッフェスタイルで、たっぷりいただいたため、お昼は軽めで済んだ。

     泊まったホテルは、いい意味でレトロ感ある「宇和島グランドホテル」、スケール感という点では抜群の「ザ クラウンパレス新阪急高知」、設備、サービスともに新鋭な印象の「ホテルルートイン阿南」。1県1泊・・・それぞれに特徴があり、違う楽しみがあった。室内やベッドの快適性は、ルートインが一番だったと思う。

     「鯛めし」(単品)。食し方にいろいろと工夫があり、味のバリエーションっが楽しめる。この内容で、1,200円(税抜)だった。

     地産地消メニューが揃う。ナス、シイタケを使ったメニューが目立った。四万十の赤味噌を使った味噌汁も美味だった。(→店舗情報

     朝食で出てくることは何となくわかっていたので、前日夜には食べなかったカツオ。ホテルでしっかりいただいた。産直ならではの新鮮さを感じた。

     ホテルルートイン阿南の「コンフォートツインルーム」。ベッドは「エアウィーブ」を使用。おかげでよく眠れた。

     

    ふっこう周遊割について

     

     基本的な条件としては、同一府県内(同一施設)での連泊か、2府県以上の連泊でOK。条件は緩やかだが、旅行者自らが申請する場合、用意しなければいけない書式がいくつかあって、その中には宿泊施設で書いてもらったり、発行してもらったりというものもあり、手続き的には難度は高め。今回はそれらをまとめたり、コピーをとったりなど、手間と時間がかかった訳だが、旅の余興のようなものと捉えればどうということはない。

     提出書類は愛媛が最も多く、高知、徳島はほどほど。送付先は同じ(岡山市にあるJTB岡山ビル内)で、書類の基本パターン(申請書兼請求書、個人情報同意書、宿泊証明書、行程表、宿泊に係る領収証など)も同じだが、記入内容が微妙に違っていて、より細心の注意を払うことになる。各県それぞれの事情やスタンスがあるのだろう。どのタイミングでいくら振り込まれるのか... これも旅の楽しみである。

     


     

     

     

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    第508話 60周年、多摩動物公園(2018.11.1)

     

     前回は50周年ネタだったが、今回はそれに10年加えた60周年を迎えた一大スポットについて。

     1958年5月5日開園、多摩動物公園である。還暦ということになる。

     幼少時に一度来た憶えがあるが、京王線に乗った記憶の延長でそう思っているだけかも知れないので、定かではない。目的意識を持って足を運んだのは、1988年12月10日。30年前=30周年につき、節目に合わせて出かけたのだと思う。当時の記録帳には、「Anniversary30」とメモしてあったので、入園券や案内図などにもその横文字が入っていた筈。撮った写真にそれがあればよかったが、あいにく見当たらなかった。節目の年に行くことに意義があり、節目を示すものを撮ることにはあまり関心がなかったようだ。この日の天気はパッとせず、肌寒かった。動物も大変そうに見えたのはよく覚えている。

     その次に出かけたのは2000年5月27日のこと。以来、前を通ることはあっても、 園内にはとんとご縁がなかった。ここ30年の範囲で三度目となる入園は、さる10月20日。前回から実に18年ぶりというのは、我ながら驚きだった。

     前回同様、今回も某社のウォーキングイベントの一環。いわゆる「歩け歩け大会」である。事前に案内等の配布はあったが、アニバーサリーイヤーに関する記述は特になかった。60周年云々に気が付いたのは、入園後かなり経ってから。そもそも、アニバーサリー的なムードや演出は全体的にあまりなかった気がする。

     


     「祝 多摩動物公園 開園60周年」の横断幕。位置が高過ぎて入園時には気付かなかった。

     現地で撮った園内マップ。こうして見ると、やはり広大。(参考→公式サイト

     

     多摩動物公園は広い。普通に廻っていれば、すぐに数kmになる。歩け歩けにはピッタリな訳だが、丘陵地の地形を活かした動物園ゆえ、その高低差がまた激しく、ウォーキング以上のインパクトがある。地図サイト上で試しに測ってみたら最大で50mのアップダウンがあった。歩いた距離は約4.7km。動物公園というよりは、運動公園? 自身がよく動くものと化す、という点で動物公園なのだと思う。

     本来の趣旨の動物たちは、以下の通り。比較的上手に撮れた分を中心に、見て回った順にご紹介する。

     


    ツキノワグマ

     

     天気が良かったためか、わりと活動的だった。遠目からは穏やかに見えるが、近くで見るとまた違うのだろう。

     


    ワシ類

     

     オオワシ、オジロワシ、ダルマワシなどの大型の鳥がある程度飛べるように設計されたフライングケージ。ニホンイヌワシと見られるワシがたまたま飛んでいるところを撮ることができた。いい感じで飛んでいたが、もっと自由自在に羽を伸ばしたいだろうと思う。

     


    コウノトリ

     

     園内に2か所あるうちの一つ。大きな巣がまず目に入り、そこに一羽いるのはあとで気付いた。今年6月に、本場の豊岡市(兵庫県)でコウノトリウォッチングをしてきたので、今回はおさらいのような感じ。


     コウノトリ保護増殖センター付近で営巣中のコウノトリ

     コウノトリの郷公園で接写。なかなか凛々しい。

     


    コアラ

     

     コアラと言えば、まぁこれが常だろう。

     


    タスマニアデビル

     

     同じオセアニア圏の動物でも、こちらは実に活発。とどまることを知らず、常に飛んだり走ったりしているので、まずうまく撮れない。

     


    レッサーパンダ

     

     草地をチョロチョロしているイメージだが、この日は木の上でお休み中だった。器用なものだと思う。

     


    ターキン

     

     過去にも対面している筈だが、どうにもなじみのない動物というのも時にはあって、その最たる例がこの「ターキン」。中国(China)の中央部辺りの山岳地帯に生息しているそうで、斜面に適応した移動が可能。この大きさで?としばらく眺めていたら、「ホイ」(♀)が近づいて来た。カメラ目線なのがまた何とも...

     


    クロツラヘラサギ

     

     2005年「愛・地球博」に出展した際、ニュースプログラムなどで取り上げ、何となくなじみがあるのがこのクロツラヘラサギ。東アジア共通の野生生物の一つであり、干潟保全の象徴でもある。飼育されているタイプ(野生以外)は、多摩動物公園が本場。上野動物園(→参考でも見たが、ここまで近くでは観察できなかった。その特徴的な嘴を盛んに動かし、水面を叩く姿は圧巻。摂餌のためと思われるが、収獲があったのかどうかはとうとうわからなかった。

     


    チンパンジー

     

     チンパンジーは、狙ったエサを手に入れるべく道具を使う。使えそうな枝を選び、狙い目となる小穴から枝を通し、それを巧みに操って果物などを落とし、出口で待つ。実はこの穴の下にはもう一段階あって、同じ動作を二回やる必要があるので根気が要る。加えて、下段の穴は二つ。二つあれば、入手しやすくなると思っては不可ない。一つは自分の足元に転がって来る口とつながっているが、もう一つは子ザル専用コーナー(大きなサルは入れないエリア)に通じているというんだから、たまらない。枝捌きと穴の見極めがポイント…よくできた仕掛けだと思う。

     


    キリン

     

     キリンが見えてきたところで、間もなく食事タイムとの案内が入る。開始は14時。最初にモミジ(緑)が振る舞われると、あれよあれよでなくなり、枯れ枝状態に。一種のもみじ狩りである。長い舌で枝や葉を器用に巻き付けて口に入れ、左右に動かしながら咀嚼する。高速で繰り返されるその様子、そして旺盛な食欲に、見物人は舌を巻くことになる。

     


    アオサギ

     

     キリン園の隣にペリカン池がある。ペリカンが主役だが、なぜかサギの姿も見られる。園内マップには載っていないから、他所から遊びに来るのだろう。池を覆うように伸びる木の枝をふと見遣ると、サギが止まっていて、微動だにしない。その堂々とした姿にはただ感服。日射の加減で色がわかりにくいが、アオサギである。

     


    アフリカゾウ

     

     動物園と言えば、やはりゾウ。さまざまな角度で眺めていたところ、一頭が動き出したので、動画で撮ってみた。鼻で柵のロープにタッチする場面があったので、その瞬間を切り出したのがこちら。筆を持たせたら、何か描いてくれそうな雰囲気を感じる。

     

    ・・・

     園内に入ったのは10時過ぎだった。滞在時間は5時間15分ほど。さすがに歩き疲れたが、得るものは大きかった。次に来るのはまたアニバーサリー年か... 健脚なうちは足を運ぼうと思う。

     


    おまけ)


    今回は「60th Anniversary」

     ウォーキング&行楽日和。とにかく天気は良かった。

     高幡不動〜多摩動物公園の往復は、このラッピングトレインに乗車。車内は動物仕様。

     多摩動物公園駅前には、京王れーるランドもある。10/11には、別館の「京王れーるランドアネックス(写真)もオープン。動物園の後は、本館、別館などでゆったり2時間ほど過ごした。

     


     

     

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