随筆「東京モノローグ2017」(5−6月期)

 

随筆「東京モノローグ2017」(5−6月期)
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 第475話 新幹線5本、約3,600km

 第474話 犬に噛まれた話

 第473話 「PERFORMANCE 2017」東京初日〜5.11山下達郎コンサートレポート

 第472話 T・S・M・C〜四月の学食

 

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    第475話 新幹線5本、約3,600km(2017.6.17)

     

     新幹線はそれなりに利用してはいるものの、1か月の間に5回乗るというのはなかなかないこと。仕事絡み、つまり出張が相次ぐなどで、一定期間に複数回乗ったことはあったが、それが旅行でとなるとあまり記憶がない。今回特筆すべきは、その5回それぞれで乗った車両形式が違う、ということ。ちょっとした新幹線月間になった。

     乗車日、区間、列車名などをまとめると以下の通り。

     

    月日

    乗車区間

    列車名

    車両形式

    乗車距離

    5/17

    東京(19:10発)−広島(23:11着)

    のぞみ125号

    N700A

    894.2km

    5/18

    広島(8:48発)−小倉(9:38着)

    さくら545号

    N700系

    213.5km

    5/21

    博多(16:33発)−東京(21:33着)

    のぞみ50号

    N700A

    1174.9km

    6/9

    上野(7:42発)−新青森(11:00着)

    はやぶさ3号

    E5系

    710.1km

    6/11

    秋田(18:17発)−大宮(21:38着)

    こまち36号

    E6系

    632.3km

     

     移動距離は合計で3,625km。都内を基準にして直線距離で結ぶと、ベトナムのハノイに届くくらいの距離になった。

     乗車時間は概ね16時間半。距離、時間ともに「よくもまぁ…」と今は思う。

     新幹線に乗ってどこへ行ったかという話をし出すと大変なことになるので、今回はぐっと抑えて、新幹線に限ってのレポートをご紹介する。

     


     

    東京→広島 「のぞみ125号」(5/17 19:10〜23:11)

     

     九州北部をメインにした旅に出ることにしたが、例えば宇佐神宮に行って、夜は由布院で、といった行程を考えると、朝に東京を出たのでは結構厳しい。飛行機で、羽田→大分とひとっ飛びすれば無理なく廻れるのかも知れないが、できることなら鉄道で行きたい。そこで考えたのが、広島での前泊プランだった。仕事帰りに新幹線で行けば、決して着かないことはない。

     かくして、東京から4時間かけて広島へ。この時の車両はN700Aだったが、妙にピカピカしていて、(いい意味で)落ち着かなかった。そのN700A、岡山を出ると、それまであまり感じなかった揺れが出始め、同行の細君が疑問を抱く。筆者はそんなものだろうと思っていたが、「わからないことは訊く」という点で筋が通っている細君は、通りがかった乗務員に早速問うのだった。その場での明答はなく、何かを調べて乗務員が戻ってきた。その答え→「4月20日に投入された車両で、まだ台車がなじんでいないのかも知れません」といったもの。どうりでピカピカな訳だと感心する傍ら、台車がなじまない限りは揺れる?という思いがけない事実を知り、戸惑うことになる。山陽新幹線は、姫路以西では速度が上がる(最高時速300km)。速度に伴う揺れであれば、姫路〜岡山でも感じて然るべきだが、岡山を過ぎてから顕著に感じたというのがポイント。やはり台車絡みなのだろうか。

     車両が揺れれば、気分も揺れる。列車を降り、ホテルに着き、まだ何となく揺れが残る感じ。おかげですぐに眠れた。

     


    こうして見ると、確かに新車の風合い


     乗車券(都区内→福岡市内)は、一筆書きルートの大回り。経由する路線が印字しきれなかったので、手書きで足してもらった。新幹線特急券の方は、「e特急券」で東京→広島6,000円。

     

    広島→小倉 「さくら545号」(5/18 8:48〜9:38)

     

     数ある新幹線のうち、「さくら」と「みずほ」の二つは乗車経験なし。この行程で、初めて「さくら」に乗り、JR九州の新幹線車両も初体験となった。

     内装の色合いはなかなかシック。テーブルなどに木が使われているのもイイ感じ。ゆったりくつろげる車両だった訳だが、そううまくは行かないのが旅の常である。ケージに入った中型犬を連れた女性客二人が通路を挟んで隣の席についた。嫌な予感はしていたが、しばらくすると犬が案の定吠え始め、喧しいのなんのって。狭いケージから早く出たい!という欲求から吠え続けていたのだと思うが、犬のご機嫌が悪くなる人物(=ひと月ほど前に噛まれたばかり)が近くにいたから、というのもあるかも知れない。

     さくら545号は途中、新山口に停まる。お犬様一行はそこで下車した。車内に静寂が戻り、ようやく旅らしい雰囲気に。が、それも束の間。新山口→小倉はたったの20分である。こういう時は、新幹線の速達性も考え物だと思う。

     

    *小倉の続きは、駅ログでどうぞ。→ 宇佐 由布院 日田 新飯塚...

     


     広島駅の発車標。さくら、こだま、ひかり、みずほと続く。新大阪以西は、列車のバリエーションが豊富。


    初めての「さくら」(@広島駅)


    広島→小倉、「e特急券」で一人3,230円也

     

    博多→東京 「のぞみ50号」(5/21 16:33〜21:33)

     

     新幹線でぴったり5時間。のぞみの運転区間を乗り通す客はあまりいないと思うが、とにかく敢行した。新大阪は19:03発なので、全行程のちょうど中間になる訳だが、時節柄、新大阪に着く手前くらいまではまだ明るく、車窓を楽しむことができた。残りの2時間半は、旅のまとめをするもよし、寝るもよしである。5時間と聞くと長く感じるが、過ごし方の異なる2時間半が二つあると考えると、いい塩梅だったりする。

     山陽新幹線区間では、時速300km運転もしっかり体感したが、往路ほどの揺れは感じなかった。熟練の台車を使った車両だったためか、単に感覚が鈍っていただけか、その辺はわからない。

     


    おそるべき高密度運転!


     のぞみ50号は、福山に停車。徐行するため、福山城もバッチリ。


     往路の乗車券と、復路の「乗車券・新幹線特急券」。EXファミリー早特で、博多→東京17,000円だった。市内→都区内ではないところがポイント。


     岡山を出たのは18:16。まだまだ明るい。岡山気動車区の朱色のキハは少々暗め。


     無事、東京駅に到着。車両は「N700A」ではなく、「N700A(スモールA)」だった。

     

    上野→新青森 「はやぶさ3号」(6/9 7:42〜11:00)

     

     「新幹線YEAR2017」と銘打って、JR東日本では、各新幹線が節目を迎えるのを記念したキャンペーンを展開中。東北新幹線は開業35周年にあたり、その一環で「お先にトクだ値スペシャル」が設定された。通常の半額で新青森に行けるというのだから、これを逃す手はない。幸運にもきっぷがとれたので、はるばる北上してきた次第。東京〜上野がつながっていないが、1か月以内に、博多〜東京〜新青森を新幹線で大移動したことになる。

     E5系に乗るのは、筆者は二度目、細君は初めて。時速320kmの世界を体感するのも二度目な訳だが、今回はあまりインパクトを受けなかった。山陽新幹線の時速300kmの感覚を体が覚えていて、単にその延長のようになったからだろうか。スピードを感じるのが感性なら、感じなくなるのは慣性か…いずれにせよ、東北新幹線は速い。盛岡〜新青森は各駅停車のはやぶさだったが、大宮からなら3時間で着くというのは凄いことだと思う。(最速達タイプのはやぶさなら、東京〜新青森が3時間)

     東北新幹線の乗車区間はこれまで八戸までだった。今回の「スペシャル」のおかげで、東北新幹線完乗を果たすことができた。(新幹線全体での未乗区間は、新青森〜新函館北斗、山形〜新庄、新高岡〜金沢、博多〜博多南、博多〜鹿児島中央の5区間。まだまだだ。)

     


     上野→新青森が8,560円! 「5割」の表記が目を惹く。


     大宮→盛岡は約2時間! 盛岡駅を出ると、秋田新幹線の高架が西へ離れていくのが見える。6/11はその高架を通って、東北新幹線に合流。


     新幹線の新青森駅は初めて。列車終点だったが、降りる客が思いのほか多く、驚いた。

     

    秋田→大宮 「こまち36号」(6/11 18:17〜21:38)

     

     秋田〜盛岡を新幹線車両で移動したのは、1998年11月が最初。その時を含め、こまち用のE3系には何度か乗ったが、その後継車両のE6系の方はなかなかご縁がなく、今回ようやく乗ることができた。(「お先にトクだ値スペシャル」で、復路(新青森→東京方面)の方もとれればよかったのだが、こちらはハズレ。五能線などで秋田に移動し、帰京することにした。)

     近くで見るとこの迫力。普通車の車内は、「鮮やかな黄金色の腰掛は豊かに実った稲穂を表現し、通路は田んぼの中の一筋のあぜ道に見立て...」ということで、「秋田感」たっぷり。在来線区間を走っている間は、田植えを終えた水田が車窓からよく見え、美観が続く。緑が主体の風景に対し、車内は秋色。その対照がまた心地よかった。


     メタリックな赤! スーパーカーを手がける人物がデザインしただけのことはあると思った。


     角館駅付近の田園風景。撮っている方角は東側だが、夕日が雲に反射し、その雲が水田に映る・・・絵画的な光景だった。


     日没は遅く、田沢湖駅を過ぎてなお、まだ景色は楽しめた。盛岡からの新幹線区間は、本領発揮の320km運転。秋田〜盛岡が「在来線特急」の走りだったので、その違いは明らかで、速さを存分に感じることができた。乗車時間は、往路の上野→新青森の時とほぼ同じ。変化に富んでいるという点では、秋田→大宮の方が上だろう。

     

    ・・・
     今年の後半も旅の計画はチラホラ。新幹線のお世話になる可能性は高い。自分なりに「新幹線YEAR」を極めるのも悪くない? そう思っている。

     


     

    こちらもどうぞ ⇒ 新幹線が出てくる話題

    第9話 雪が降る / 第207話 自由席・半自由席・指定席 / 第328話 東北新幹線全線復旧 / 第358話 放射線測定記 / 第412話 鳴門の朝日、小豆島の夕日 / 第417話 2015年3月ダイヤ改正概説(前編) / 第445話 大阪&兵庫2days

     

     

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    第474話 犬に噛まれた話(2017.6.1)

     

     筆者は犬が苦手。そんな人物には犬も思うところがあるようで、時に敵意を以って向かってくることがある。去る4月22日は、敵意に満ちた犬と遭遇し、生まれて初めて「犬に噛まれる」という経験をした。

     その日の19時になろうという時間に、アクシデントは起きた。トランクルームでひと作業(4月22日=アースデイ、ということもあって、かつてのアースデイ関係の資料を中心に片付け)を終え、自転車に乗った状態でマンションの駐輪場に入ろうとした時である。夫婦と思しき方々がそれぞれに犬を連れて近づいてくるのだが、一匹が吠えまくって動こうとしない。そのままだと駐輪場に入れないので、やり過ごすべく、当方は歩道上で待機。吠える犬は、リードに曳かれて動いてくれるものと思っていた。が、違った。

     リードが伸びていたのをいいいことに、向かい合う筆者(自転車)の後方に回り、あれよあれよで右脚(ふくらはぎの下部)にガブリ!である。噛まれた方はもちろん吃驚だが、犬を連れていた当人も「!」。噛んだのは小型犬で、犬種はペキニーズ(左イメージ)だった。雨がそれなりに降っていて、暗くなってきて、という環境要因に加え、どうやらリードが絡んでいたのが不可なかったらしい。噛んだ犬を連れていたのはご夫人の方。犬を叱り飛ばしていたが、おそらく日頃の接し方がそんな具合につき、犬にストレスがたまっていたのが最たる要因ではないか、と思わざるを得なかった。自転車や傘と一体になった人物が大きく見え、恐怖心が生じ、それが攻撃につながったという見方もあるだろう。とにかく、事故というのは複数の原因が一点に集まることで起きるもの。その一点の対象が筆者だった? いやはや、とんだ災難だ。

     そのお二人は、代役で犬の散歩をしていた。日常的にやっていないのだから、扱いも不慣れだし、犬が言うことを聞かなければ犬のせいにしてしまうし...仕方ない面もある。飼い主の住戸は極めて近所。その場所に同行し、連絡先を聞き、ひとまず治療費等の実費を払ってもらうことで話はついた。ジーンズの上からという点ではまだよかったが、明るいところで見れば、噛まれた跡生々しく、じんわり痛みが広がってくる。出血騒ぎにはならなかったものの、痛みは痛み。そして、噛まれた以上は雑菌だ感染だの懸念はある。地元の医療機関へ急ぐことにし、救急外来で診てもらうことにした。救急を受診するのも異例の事態である。

     診療を待つ間、痛みがより広がる感じがした。所見では、皮膚の表皮、真皮と来て、次の皮下組織(脂肪層)に達するレベルと判明。その下の筋肉層に至ると... とにかく皮一枚の差で大事にならずに済んだようなもの。傷が深くはなかったというのを知り、痛みが少しひいたような、いや、そうでないような、だった。

     この時の外科的な処置としては、消毒、化膿止め、絆創膏。あとは、抗生物質を服用するなどして、様子を見るということになった。土曜の夜につき、今から薬局でというのは厳しい?と思っていたら、ズバリ「院内処方」ということで、ひと安心。かかりつけの医療機関ながら、ここでの院内処方は初である。「セファクロルカプセル」という内服薬を2日分と、過去に帯状疱疹の際に処方された「ゲンタシン軟膏」が出てきた。費用はしめて1,730円だった。

     当の「[外来]請求領収書」をもとに、続いては代役、ではなく、飼い主(正確には、飼い主により近い方)とのやりとりが待っている。と、いい頃合いに訪ねてきてくださった。玄関先では何なので、マンションのエントランスで話をする。お詫び等は十分。実費のほかに、洋菓子の詰め合わせもいただいた。犬の散歩を代役に頼んだ理由、実際の飼い主のあれこれ(訪ねてきた方は飼い主当人ではなく、飼い主に近い立場の方だった)、ふだんの犬の様子など、つい長話になり、噛まれた方はすっかり身の上話を聞くような状態に。通行人に歯を立てることが今後ないよう、こちらが思うところを述べ、ひとまず落着した。

     痛みが長引いたり、再度受診したりといった場合はまた連絡を、といった先方の配慮もあり、ご丁寧に名刺を頂戴した。今のところ、その出番はなく、はや1か月余りが経つ。

     抗生物質を服用している間(数日)は入浴を控え、噛まれた跡を保護する意味で、絆創膏は1日ごとに貼り替え、ゲンタシンもその時々で塗り...連休前の1週間は、とにかく自分なりにケアに努めた。跡は目立たなくなったが、噛まれたのがふくらはぎ、つまり弾力感がある部位ゆえ、押すと弾力とともに痛みが広がる感覚が強く、その感じが収まるまでに数週間はかかった。

     そして時が経ち、痛みはやわらぎ、という中で、九州(大分、福岡)の旅へ。5月18日は由布院、19日は原鶴温泉、20日は久留米(温泉)で、温泉三昧。3日続けて温泉となれば、噛まれた痛みもどこへやら。事実上の完治と言っていいだろう。

     


    由布院(5/18泊)・・・「ほたるの宿 仙洞」の個室風呂

    原鶴温泉(5/19泊)・・・「ホテルパーレンス小野屋」の畳風呂

    久留米温泉(5/20泊)・・・当地の温泉宿泊施設はこの「湯の坂」限り。泉質はよかった。

    噛まれた後(4/22)
    こうして見ると痛々しい

    久留米での温泉浴の後(5/21)
    当初は穴に近い感じだったが、アザ程度になった。

     


     救急外来でお世話になった医療機関は、定期的に通っていて、噛まれた日の3週間後は、採血の予約を入れていた日だった。その結果を受けての問診は、その2週間後の5月27日。電子カルテには、噛まれた件もちゃんと載っていた。かかりつけの先生曰く、「感染とかの心配はなさそうですね」・・・血液検査には、その手の項目もあったようで、こちらが訊く前に答えてくださった。いつもの検査+α。変な話だが、一石二鳥な検査になった次第。(他の数値もよかった。LとかHとかもなし…噛まれたことで、免疫アップ? まさか)

     痛みは去ったが、跡はまだ残っている。若い頃とは違う訳で、「年齢ですね。消えるのにはまだかかるでしょう。」とのこと。ごもっともである。

     犬は恐れから、吠えたり、噛みついたりする。飼い主ももちろん噛まれる。某経験者から、そんな話を聞いた。散歩中に吠え出す犬と遭遇したら、早めに退散するのがよさそうだ。

     

     ・・・ 筆者の干支は「申」。吠えても吠えなくても犬は苦手だ。 


     

     

     

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    第473話 「PERFORMANCE 2017」東京初日(2017.5.15)

     

     前に出かけたのは、2009年3月21日の大宮ソニックシティでのライブだったので、かれこれ8年ぶり。ファンクラブに入っていた間は、確実にチケットがとれていたが、この後退会してしまったため、ライブとは縁遠くなっていた。一般枠で申し込んだところで、競争率の高さゆえ、当たらないのが当たり前。今回もダメもとで申し込んだのだったが...

     NHKホールでの5月11日のチケットが、今回運よく「当選」となった。会員の時は前列の方だったが、今回は一般につき何と3階席。それでも当たっただけ幸運である。

     入場時の要領が変わったことは聞き知っていたが、その変化を体験するのは初。チケット転売防止などの観点で、今は顔写真付きの身分証明書の提示が必須…ご本人でないと入れないという訳だが、やはり大げさな感じもする。チケットと身分証明書との照合が済み、半券を手に会場に入ると、荷物チェック(これは昔から)があり、その次にリストバンドが待っている。リストバンドももちろん初めて。煩わしい観もあるが、どうもこれを付けていないといけないらしい。

     NHKホールに着いたのは、開場時間(17時半)の少し前。中に入ったのはその10分後だった。開演は18時半なので1時間ほどある。パンフレットを含むグッズのコーナーは長蛇の列につき、この時は見合わせることにし、とりあえず館内を歩きながら開演前の雰囲気を楽しむ。あとは、本人選曲のオールディーズの名曲がノンストップで流れているので、席についてゆったり耳を傾けていればいい。うとうとしていたら、ブザーが鳴り、拍手が起こる。18時半である。

     定刻には始まらないものだが、この日は18:36にスタート。筆者が初めて達郎コンサートに足を運んだのは、1986.7.26の大阪フェスティバルホールでの追加公演(「Performance'86」最終日)だったが、この時と同じ「ポケット・ミュージック」の一人多重コーラス(録音)で始まった。31年前の感動を呼び起こすもので、鳥肌が立った。

     86年の公演では、そのまま「ポケット・ミュージック」が演奏され、おなじみの「Sparkle」という流れだったが、今回はいきなり「Sparkle」。この後のラインナップや演奏時間は、ひととおりメモをとってあるが、ここに書いてしまうとネタバレになってしまうので控えることにし、以下、要点のみ記す。

     


     

    ・アルバム「ポケット・ミュージック」が発売されたのが1986年。30年が経ったので、その節目ということもあってか、同アルバムから2曲演奏された。その2曲を含め、86.7.26の公演でも登場した楽曲は13曲。今回は全24曲だったので、半分以上が、86年当時の記憶につながる曲だったことになる。

    ・2008年以降は、毎年コンサートツアーを展開。筆者がファンクラブを抜けた後も欠かさず行われていたことになる。ちょっとした機会損失のようにも思うが、今回はその間、毎年やってきた中からステージにのせやすい曲(=ライブでの完成度が高い曲?)を中心にした演目ということだったので、久々に来た身としてはありがたいものだった。待った甲斐あり、である。実際、どの曲もよかった。

    ・昨シーズンは64公演。秋から春にかけて、つまり冬をはさむツアーだったため、途中4度、風邪をひいたとか。今回の「PERFORMANCE 2017」は、そんな訳で冬を避け、3月から8月にかけての公演に。シーズン的に、かつて「夏だ海だ達郎だ」が代名詞だった頃の曲など、夏向きを意識したレパートリーにしたそうな。夏の曲は清涼剤。心地よかった。

    ・他のシンガーに提供する曲は、自身のキャラに合わないものを作れる。それをステージで演るのは以前は抵抗があったが、年を重ねて気にならなくなった。この日は、キャラに合わない系の曲が2曲演奏され、大盛況。特にアンコールで演った方は、圧巻だった。

    ・86.7.26の時もそうだし、その後のライブでも同じ。お決まりは、18曲目(つまり十八番)に「Let's Dance Baby」が来ること。昔からのファンなら、この曲の2番に入ると、歌詞にあわせてクラッカーを鳴らすのがまたお決まりなのだが、この日、席の周りでクラッカーを使ったのは筆者のみ。長年のファンのお子さんなど、若い年代の観客が増えたという話はあったが、どうやらコンサート中の決まり事までは継承されていないようだ。とりあえず全体的にクラッカーは響いていたので、ひと安心。歌の合間に達郎氏が「さすが東京」と一言挟んでいたのが印象的だった。(地方公演ではあまり鳴らないとか?)

    ・「PERFORMANCE 2017」は全49公演。5.11は、期せずして「東京初日」だった。NHKホールは、大阪フェスティバルホール、神奈川県民会館と並び、達郎コンサートでは「三大ホール」の一つなのだそうで、その名ホールでの東京初演ということで、プレッシャーがなきにしも非ずとか何とか。そんなものを感じさせない相変わらずの声量、演奏だったと思う。

    ・ラストの「Your Eyes」が終わったのは、21:51。3時間15分に及ぶコンサートとなった。達郎氏曰く、演る方も聴く方も長丁場はしんどいので、3時間を切るようにしようと思ったが、到底ムリ。3時間超のステージは即ち、「できる間はやるだけのことはやる」…本人が熱く語るその言葉、心意気の表れなのだ。

     


     

     ステージ前の席の方は、途中の見せ場から立って踊ってという観客が目に付いた。昔からの光景ではあるが、基本的に座ったままでいいのが、「PERFORMANCE」シリーズの醍醐味。筆者はこの日、ひたすら着席したままで3時間超を過ごした。が、長時間同じ態勢だったためか、終演後、腰に少々違和感が。やはり多少は立つなり踊るなりした方がいいようだ。

     

    ・・・次に行ける(当たる)のはいつになるかはわからないが、申し込むのだけはマメにしようと今は思う。

     


    チケット送付のご案内(兼 公演当日のご入場の流れ)

    開場前のNHKホール

    お祝いの花々(一例)

    充実のグッズラインナップ(→詳細

    ここで記念撮影するファンがとにかく多かった

    ツアーパンフレット、チケット、リストバンド

     


     

    こちらもどうぞ ⇒ 「Performance'98〜99」レポート(第32話

     

     

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    第472話 T・S・M・C〜四月の学食(2017.5.1)

     

     新年度、新学期が始まり、四月も半ばに入るといろいろと通常通りになってくる。通常営業でありがたいものと言えば、「学生食堂」。ご存じ「ランチパスポート」で、夜も使える店が多い場合は、それほど学食に頼らずに済むが、今シーズン(→Vol.9)は、「パスポートをパス」していることもあり、いつにも増して学食依存度がアップ。昼、夜問わず、行ける時はとにかく行くようにしている。

     今回は、通常営業に戻って以降の学食の利用状況についてご紹介する。職場に近い専修大学、明治大学のほか、初めて訪ねた東洋大学、中央大学を加え、四つの大学の学食をレポート。ひとつご参考まで。(専大、明大については、第402話もあわせてご覧ください。)

     


     

    C・・・中央大学

     

     東京メトロの後楽園駅近くに、中央大学の後楽園キャンパスがある。近くを通ることが増えたため、かねがね気になっていたが、とにかく行ってみることにした。4/25の昼である。

     この日は、5号館の地階にある生協食堂へ。メニューはなかなか豊富で目移りしたが、2種類の麻婆豆腐と春巻などがセットになっている定食(480円)にした。神保町エリアのランチパスポート価格(540円)よりはお安いので、ありがたい話ではあるが、まぁ価格相応といったところ。味噌汁については、無味に近かった。(今後利用することはあまりないと思う。)

     

     

    M・・・明治大学

     

     眺めはいいが、お味の方は...というのが基本的な評価。ただし、4/18にいただいたこちらのメニュー(駿台スペシャル:480円)は、上出来だった。たまに利用する分にはいいと思う。

     

     鶏の唐揚げ黒酢あんかけをワンプレートでいただく。この日の駿台スペシャルはアタリだった。

     

    S・・・専修大学

     

     神保町にある「神田キャンパス」には、三つの食堂があり、それぞれに使いようがある。ここの学食が通常営業に入れば、ランチパスポートがなくとも何とかなる筆者。四月は3か所あわせて11回利用させてもらった。

     


     1号館地階のカフェテリア「ラ・ポルト・ノアール」でのメニュー例。本格志向でどれも概ね美味。パスタのほか、丼、カレー、サンドイッチの4種類があり、どれも単品は400円。

     1号館地下2階の食堂でのワンプレート系メニューの例。ご当地グルメが出てくることがあり、この日は「長崎風トルコライス」をいっただいた。スイートポテトもついて、お値段410円。

     地下2階食堂で最も高いのは「スペシャルセット」(510円)。普段は敬遠しているが、この日は美味しそうだったので食券を購入。ところが... 

     スペシャルは「売切れ」。筆者が食券を買った時点では、メニュー棚にも、券売機にもその表示がなかったので、「え?」である。こういうのも学食ならではのご一興か。
     という訳で、510円分のメニューにすべく、日替わりセット(410円)に、デザート盛り合わせ(100円)を組み合わせることになる。(^^;

     1号館14階の食堂は、知る人ぞ知る存在。メニューも少なく、利用頻度も至って低だが、とにかく空いているので、一人ゆっくりしたい時には適。この日の牛丼(390円)はまぁまぁだった。

     

    T・・・東洋大学

     

     白山通りを往けば、東洋大学の立派な建物が目に入る。学食も当然あるので、いつか行ってみようと思いながら、なかなか行けずにいた。初めて利用したのは、ごく最近。4/24である。

     3・4・6・8の各号館に、計5か所の食堂がある。メインは、6号館の地階にある「学生食堂」だが、これが複数の店からなるいわばフードコートのようなスタイルでまずビックリ。しかも、その六つの店、それぞれが魅力的、かつ、コスパがやたらといいものだからさらにビックリ。気を良くして、4/24、25、27の三度おじゃまし、6店のうち3店利用させてもらった。お味、ボリュームともにどのメニューも上々。これまでは専大贔屓だったが、今のイチ押しは文句なく東洋大だろう。

     


     4/24、カレー専門の「mantra」。ハーフ&ハーフのセットもあったが、「タンドリーチキンのカツカレー」にした。

     タンドリーチキンが野菜カレーで埋まる。ライスも特盛クラス。サラダ、ラッシーまでついて500円!

     4/25は、洋食メニュー中心の「Deli&Café」へ。お好みの前菜3種類+お好みのメイン料理2種類で構成される「ハーフ&ハーフセット」をいただく。ドリンクもついて500円。

     4/27は、パスタがメインの「Ciao! a Domani」。ここのハーフ&ハーフは、お好みのパスタ2種類に、サラダ、デザート、ドリンクがつく。同じく500円。食べている間はスイスイだったが、あとで少々もたれる。意外とボリュームがあった。

     

    ・・・
     今回のタイトル「T・S・M・C」は、そんな各校の学食を利用したい順に並べたもの。CとMが入れ替わる可能性はなくはないが、TとSについては当分変わらないと思われる。学期中はせいぜい利用しようと思う。

     


    おまけ

     

     学食で忘れてはいけないのが東京大学。利用経験はあっても、日常的にはご縁はない。生協の第二食堂は朝からやっているようなので、いずれ行ってみようと思う。

     


     第二食堂は、通常は午後まで。夜はイベントがあれば、オープンする。

     「日本酒まつり」開催中の第二食堂。生協だけに“大盛況”だった。(下戸な筆者は見学のみ)

     


     

     

     

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