随筆「東京モノローグ2001」(7−8月期)
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第95話 街頭配布・夏〜マンガ喫茶が変わった / 第94話 新宿区若松町〜東京百景 予告編 / 第93話 インターネットビジネス / 第92話 7時出発、7時帰宅〜職場異動のご挨拶

第95話 街頭配布・夏(2001.8.15)

 前回は第83話で寒中街頭配布のレポートをお届けした。今回はちょうど半年後、同じくニッパチ、しかも世間はお盆休みの只中。閑散としているのは百も承知、果たして街頭配布はどの程度のものだろうか。久々に夏日の射した晴れ曇りの8月13日13時頃、同じく池袋東口35番出口から五叉路の交差点までの数10メートルで調査開始である。(6月半ば、週末の昼下がりにこの辺りを通った際は、道行く人がただでさえ多いのに加え、街頭配布も大変盛んで「あぁこの時期に調査できれば...」なんて考えながらも、第91話では別のテーマがあったので調査しなかった。ニッパチで調査してもつまらないのはわかっていたが、一応前回の追跡調査である。あしからず。)

 という訳で案の定、今回はあっさり終わってしまった。第83話での収穫は合計12個。この日はさらに少なくて7個(内訳は、(1)消費者金融系3社のポケットティッシュ5個
(2社が重複)、(2)コンタクトレンズのチラシ2枚)。もらいそこなったのはアブナイ系のティッシュ、コンタクトレンズのチラシもう1種、のみである。これ以外の業種が一切出ていなかった訳だから、みんな夏休みに入っているか、客を当て込むにはあまりに時期が悪いと判断したか、だろう。でも景気がいい時節だったら、もっと出てたかも知れないし、いや不景気でもこの時期にこれだけ出てればいいのかも知れないし、何とも評価し難いところである。どっちみち、かき入れ時に調べないと面白くないので、次回は秋か春の晴天の週末に調べてみるとしよう。

 13時05分過ぎにはひととおり集めてしまったので、東口をもうちょっと歩いてみて調べることにした。が、もらったばかりの同じ消費者金融のティッシュ
(同じ会社が[面]で展開している訳だ)と、キャンディ付きのマンガ喫茶の小型チラシ(割引券)を入手した程度だった。やはりお盆休みはこんな程度なのか。(ちなみに、14日の夕刻18時30分過ぎに同じ場所で調べてみたら、「池袋WALKING」を大々的に配っていたので驚いた。それ以外はアブナイ系(出会い系?)が3種、割引券系1種といった感じで、やはり盆休みモードだった。だが、昼と夜ではやはり配布物に違いがあることがわかった次第...)

 さて、マンガ喫茶と言えば、どうもここへ来てブームになっているようである。以前はマンガ専用の会員制図書館のような趣だったが、フリードリンクサービスやリクライニングシートなどを備え出してグレードアップしてきたと思ったら、各種雑誌の常備、2人席・3人席・禁煙席の設置、ケーブルテレビ(デジタルハイビジョン含む)にADSLインターネットも見れる、なんてなってきて、結構流行っているようだ。筆者地元 赤羽駅西口にもフリードリンクが充実していて、前述の設備を満たした「まんが&インターネット喫茶」がオープンして賑わいを見せている。1年間有効の会費が300円。後は1時間600円
(延長15分毎100円)で利用できるというシステムである。年中無休で24時間空いているから、帰りが遅くなった場合、どこかのカプセルホテルや深夜タクシーを使うよりも安上がり(6時間いたとしても2600円)だし、リクライニングシート一人席であれば、ただひたすら睡眠をとるのに利用したって差し支えない訳である。漫画だけ、インターネットだけではパッとしなかったが、この両者が融合して、さらに座席を個室化したのが受けたようだ。この日、池袋でもこうしたスポットを見つけて確信した次第である。街頭配布していた小型チラシの「まんが広場」は、赤羽に新しくできた店に比べてやや古さは感じさせるが、システム的には大差なく1時間380円(延長30分毎100円)である。6時間でたったの1380円である。安い! ここで驚いていたら、今度は池袋西口で「自遊空間」というところがティッシュを配っていて、やはりインターネット+マンガ喫茶(システムも同じ)なのだが、何と女性専用ルームがあって、そこは「アロマ+フットケア+マッサージ有」ときた。いわゆるリラクゼーション要素も組み込んでしまっている訳だ。1時間480円(延長15分毎80円)、6時間で2080円。女性にとっては重宝スペースだろう。(もっとも、インターネット、テレビ、マンガ、ドリンク、全てを満たそうとするといそがしくて仕方ない。「二兎を追う者、一兎をも得ず」の如く、何しに来たんだかわからなくなってしまう危惧はある。) カラオケ店が斜陽化している折り、そして従来型の喫茶店が低価格の新興勢力に押されている折り、今後はカラオケ店や従来型喫茶店がこの手の店に変身していくような予感がする。

 街頭調査がメインのはずが、新型マンガ喫茶の話になってしまった。だが、これは街頭配布物から時代が読み取れてしまうことを示すエピソードなのである?!

第94話 新宿区若松町(2001.8.1)

 第81話の末尾で、牛込方面をじっくり訪れてみたいというのがかねてからの願望だったこと、そしてそう遠くないうちに、東新宿から飯田橋の間の乗り降りレポートをお伝えしたい旨、記した。半年経ってそれがようやく実現し、第94話として筆耕した次第である。

都営地下鉄土休日一日乗車券 前回は「水曜クリーンキップ」を使っての乗り降りだったが、今回は左の通り、「大江戸線開業半年記念 都営地下鉄土休日一日乗車券」なるものを用意しての小旅行である。6/16〜7/22までの土日祝日から1日選んで鋏を入れてもらうというもの(つまり有人改札用)。大江戸線限定という訳ではなく、三田線・浅草線・新宿線も共通で、大人500円。3回乗れば元が取れる
(初乗りは170円)という手軽さがいい。所用で神保町・市ヶ谷も回ったが、その後は春日を経由して、大江戸線で新宿西口に向う途中で下車することにした。飯田橋と東新宿には別の機会にすでに乗り降りしたので、今回はまさに鉄道空白地帯だった「牛込神楽坂」「牛込柳町」「若松河田」の3駅界隈をメインテーマに据えた。

 7月21日も暑かった。が、天気は概ね曇りだったので、何とか耐えられた。それでもあまり延々とは散策できないので、街路図を見ながら趣がありそうなところに当たりを付けて回ることにした。まずは牛込神楽坂から...

 他の地下鉄駅とは違い無機質な感じが全くなく、駅の雰囲気が何ともシックでいい。黄褐色系を基調としながらも落ち着きのある佇まいで、駅名に相応しいと思った。改札を出て、出口の行先表示を見ると、箪笥町・横寺町・北町・中町・袋町...と続く。この近辺は昔ながらの町名が現代まで息づいているので有名なだけにさすがである。町名を見てどの出口から出ようか心躍るのもこの駅ならでは、であろう。手っ取り早いところで、北町・中町方面の出口(A2)から出て、中町を横断して牛込中央通りを通り、牛込北町の交差点から再び同駅に戻るルートを歩くことにした。

 北町・中町・南町はちょうど長方形を平行に重ねたような感じで並んでいる。中町はその中央に位置し、街路は真っ直ぐである。比較的大きな邸宅に、昔ながらの家屋と路地が混在するような住宅地で、予想通りの好印象である。大久保通りを挟んだ反対側、お寺が軒を連ねる街区にも魅かれたが、この後の若松町方面に時間を割きたかったので、牛込神楽坂界隈は中町中心を歩いただけで、書けることもこの程度。しかしあとでよく見たら、地名としての「牛込」は残っておらず、牛込に行ったとするならこの辺か、隣駅の牛込柳町までの大久保通り沿いを指すことになるようだ。牛込をテーマに書くとしたら、もっと究める必要がある訳である。

 さて、その牛込柳町からの散策だが、地名で辿ると、原町〜弁天町
(一部)〜喜久井町〜若松町、という設定になった。このうち祖母に連れられたのは、おそらく本稿タイトルの「若松町」界隈だろう。駅名になったおかげでメジャーになった観のある地名だが、何となく筆者の昔の記憶に残っていた地名でもある。バスを降りて、両脇に道草が生えた石敷きの裏路地を通り、石段を降り、カーブした道路を渡り、どこぞの出版社に(多分、タイプ打ちした原稿を納品するために)通っていた。幼稚園から帰ると、小田急線に乗り、新宿西口から都バスに乗り継いで、実によくついて行っていたので断片的ながらしっかり記憶されているのだが、今となってはバス路線もバス停の名前も全く不明である。という訳で、「牛込柳町」から「若松河田」まで(時間は16:30〜17:10の40分間)それらしき場所を練り歩きながらの散策となった。

 これぞ、という景観を撮影
(と言ってもイマイチだが)しながら歩いた。このあたりの特徴を列挙するなら、○車を安易に通さない幅の道路、○思いがけない袋小路、○なだらかな坂・入り組んだ坂、○未舗装の私道や石段、○空き地とそこに繁茂する草や緑、といったところか。井戸水ポンプ、トタン屋根で休む猫、豆腐の歩き売り、といったものも見かけ、この町ならではの不変の事象を実感できた。そうした要素に加え、夏のけだるい曇り空と湿った風、遠くに横たわる入道雲、緑深い児童遊園に降り注ぐ蝉の声、など季節を感じながらの徒歩き。筆者的には実に情趣深く、贅沢この上ない時の過ごし方なのである。

成城高校から大久保通りを横断した先の坂道の途中にあった空き家

夏目坂の途中で入った横道の奥(広大な空地があった)

早稲田小学校に向う途中の路地(見にくいが道の奥に井戸ポンプがある)

若松河田駅出口から大久保通りを撮影(奥の柱状の物体は新宿の高層ビル)

 弁天町まで足を延ばすつもりはなかったが、同町の端にある漱石公園まで行き着くと、実にいい景色が待っていた。ここまで来ると東西線の早稲田駅が近くになるので、その位置関係の妙に驚いた。原町・弁天町は確かに鉄道空白だったとは言え、全く鉄道が利用できないエリアではなかったのである。早稲田が近いことの証しとも言える「早稲田小学校」を曲がって、喜久井町を縦断する。

 祖母に連れられ、降りたと思しきバス停は「喜久井町」。だが、当時乗ったはずのバス路線(新宿西口〜抜弁天〜東京女子医大〜)では、この喜久井町は通らない。とすると、この路線が変わっていないことを前提として「宿74系統」を辿ると、余丁町か戸山町で降りたことになる。喜久井町を貫くバス通りは、夏目坂通りと称する。この通りから枝分かれする路地が、その記憶を彷彿とさせていたのだが、似た光景には出くわしても、確証が持てる場所に当たることはなかった。ただ、夏目坂から若松町交差点に程近いところで入った横道をしばらく行くと、実に広大な草地+崖地が残っていて、まだまだ記憶の地を辿れそう...という望みを持つことはできた。

 ゴールの若松町交差点にたどり付いたら、目前にはこれまた記憶に懐かしい東京女子医大が姿を現した。これまでバス便しかなかった東京女子医大に最寄駅ができたことを実感しつつ、その若松河田駅に着いたら、期せずして小雨が降り出した。今回の小旅行はこれでおしまいである。

 今度は自転車を駆って、余丁町、戸山を中心に探ってみようと思う。30年近く経っているが、地上げの被害には遭っていないはずだから、ある程度は記憶の原型をとどめているだろう。

 尚、本稿第94話は、「東京モノローグ」第100話の前座のような位置づけになります。100話はいったいどんな内容になるんでしょう。乞うご期待!

第93話 インターネットビジネス(2001.7.15)

 とっくに梅雨明けしていたはずなのに、なかなか宣言が出なかった今年の梅雨。そんな宣言の出す・出さないを嘲笑うかのように、7月に入ってからは、連日うだるような暑さが続いている。7月14日、炎暑の土曜日、代々木駅の無料駐輪場に停めてある自転車(GPNへの通勤用)を久々に駆り出して、参宮橋近在のオリンピック記念青少年センターに向う。筆者の隠れ公的資格 消費生活アドバイザーの資格更新講座を受けるためである。13時に始まるので、お天道様が真上に来る時間に移動することになるため、短距離ながらも大変である。それでも筆者好みのルート(代々木駅から小田急線をくぐって参宮橋駅に出るルート:何とも趣があっていい)なので、不快感はない。明治神宮の入口をかすめ、地下鉄 代々木公園駅に通ずるなだらかな坂を下りていくと、会場のオリンピック記念青少年センターに出る。しかし昔と何か様子が違うので、門のところでとまどってしまった。青少年センターはどこ? いやはやそのあまりの変貌ぶりには驚愕した。ここ何年か来ない間に、全ての施設が見違える程、立派になってしまっていたのである。(このご時世に一体どこから資金が出るのやら...) 前の建物が老朽化していたのは事実だろうが、何もここまで...という感じである。

 講座はセンター棟4Fの教室なのだが、上下階の移動がエレベーターか1F〜4F通しの階段
(写真中央の斜めの構造物)しかないので、たどり着くのにひと苦労。どうせ立派にするのなら、途中階まででもエスカレータを付ければいいのに、と思う。

 さて、入った教室は、大学さながらの段々式。アドバイザー有資格者でほぼ満席の状態。皆、熱心な面持ちで講義を待っている。さすがである。

 今回の講座はいくつかのジャンルから希望するものを2つ選ぶ、というもの。筆者は「インターネット商取引の動向と課題」「消費生活とマーケティング」を選択した。それぞれ2時間でこの日の午後、2つ続けて受講できた。何はともあれ受講すれば資格更新なのだから負担は少なくていいのだが、ありがたみの程はさて...?

 「消費生活とマーケティング」の方は、基礎教育的な話中心で、トピックスとしての面白味が今一つなので、今回はもう片方の「インターネット商取引の動向と課題」について、頭の整理を兼ねてまとめてみることにした。インターネットビジネスの入門講座的な部分もあるが、ビジネスする・しないに関わらず、インターネット上の情報提供に共通して留意すべきこと、を聞けたように思う。何かのご参考にしていただければ幸甚である。
(本サイト「東京モノローグ」も肝に銘じないといけない。)

【ワンポイントメモ】

  • eビジネスは、価格競争を激化させる一方、流通コストを減らす。

  • ネットオークションは、物品の再利用・再使用を促す点もメリットの一つ。

  • バーチャルな商売だけに、余計に「親切」「丁寧」「迅速」「ハイタッチ」を確実にする必要がある。ただし、eビジネス、eではないビジネスを問わず、これらは気を付けるべき。

  • 日本でのインターネットユーザは、現物と引き換えの代金払い(後払い)を望む、現品そのものを確かめる・評価する、個人情報が漏洩するのを危惧する、といった性向があり、これがeビジネス上の障害になっているようだ。

  • 売り手と買い手の間での取り扱い物品にギャップがある(売りたいモノと買いたいモノが違う)。

【好例サイト】

 など。いずれも (1)生活者の視点、(2)デザインの工夫(何の店かすぐわかる、目的の商品にたどり着きやすい、手続きが簡便)、(3)商品販売以上の付加価値的情報提供 が満たされている。

【インターネットビジネスの要件】

  • 明確なソリューション提供(ニーズ満足)+新しい価値(例:店員のアドバイス以上の情報、他者の推薦、店主のこだわりや思い入れ)の提供

  • リッチな体験提供(バーチャルであっても満足度が高く、得した気分にできる)

  • トラブルに関するものや不都合な情報もオープンに

  • 双方向のコミュニケーションを確保(Eメールの受返信、顧客参加のサイト運営)

  • 良い品をリーズナブルな価格で求める人を念頭に

【プロモーション チェックポイント】

  • ページタイトルは書いているか

  • 三秒ルールを守っているか(トップページを3秒間で魅せる)

  • サイトのコンセプトを100字程度で要約しているか

  • サーチエンジンにきちんと登録しているか(Yahoo!含む)

  • 関連するサイトにリンク依頼を徹底したか

  • アドレス(URL)をあらゆるものに記載しているか

  • インターネット以外の従来型メディアに対する宣伝は検討したか

  • サイト立ち上げ時のニュースリリースは作ったか

  • ビジター(来店客)のメールアドレスの確保と最新情報(無料)の発信諾否はとってあるか

  • Eメールマガジンの発行やメーリングリストの活用を検討したか
    ...など

【ページデザイン チェックポイント】

  • 何を載せるか

  • 配置をどうするか

  • 優先順位と更新頻度はどうするか

  • 発信形態はどうするか(文字中心 OR グラフィック)

  • 情報相互の関連付けをどうするか

  • サイト全体のトーンをどうするか

【良い店であるために】

  • 店のコンセプトや主義主張は明確か

  • 品揃えの方針はしっかりしているか

  • 価格方針は明確か

  • 信用力・ブランド力をアップさせるような工夫をしているか

  • 店の賑わい・親しみやすさを演出しているか

  • ページ間の移動やナビゲーションは容易か

  • 目的商品への最短ルート(選択肢)を確保しているか

  • 注文のしやすさを考慮しているか

  • 決済方法や配送に関して複数の選択肢を提供しているか

  • わかりやすく、かつ利用しやすいヘルプメニュー・利用の手引きを用意しているか

  • 双方向のメニューを用意しているか

  • 顧客の声などをコンテンツに取り入れる工夫をしているか
    ...など

第92話 7時出発、7時帰宅(2001.7.1)

 何を隠そう、6月はグリーン購入ネットワーク(GPN)勤務最後の月だったので、引き継ぎはもちろんだが、例のデータベースの追い込みやら何やらで、実に充実していてよかったのだが、週末を含め本当に時間的余裕がなかった。夏至を前後して陽が延びたというのに、その恩恵に預かれない、というか、帰途に着く頃にはすでに真っ暗、というここ数週間であった。(7月1日(日)もバタバタしていて、本稿の掲載が一日遅れになってしまった、という有様...)

 月が変わって2日目、筆者晴れて出向元会社の環境推進部に復籍
(といっても初出勤)となったが、自宅を朝7時過ぎに出発し、8時30分頃着、そしてさすがに初日ゆえ、残業することもなく、実に久々に明るいうちの帰宅が実現した次第。初勤務の感慨ももちろんだが、この早い帰宅が何ともうれしいやら、小恥ずかしいやら...田町から京浜東北線で北上する。比較的空いた車内で新聞に目を通しつつ、ふと外を見れば、西陽が射し込む新橋駅のSL広場に散在する人人(表情までよく見えること)、秋葉原駅の再開発予定地に時折強く吹き付ける風の跡、線路に直交する御徒町駅前の通りとアメ横にあふれる人波...王子まで来ると、鉄道沿いの飛鳥山公園斜面に咲く紫陽花がまだ美しいこと! 19時前の沿線風景は夕日を浴びながら、どれもよく映えていて目に焼き付いた。今後もこうした7時出発、7時帰宅のペースが保てればいいのだけれど。

 余談だが、この日7月2日を以って、埼京線下り列車、恵比寿を23時前に出る編成から(終電までの約1時間)、「女性専用車両」が登場する(進行方向の最後尾=10両目)。出向が延び、仮にまだGPN勤務だったとすると、この女性専用車両のデビューにぶつかる時間の帰宅になっていたかも知れない。それはそれで話のネタになるので、この第92話は「女性専用」とかで書けたと思うが、掲載がさらに一日延びてしまうので、ともかく今回は実に素っ気ないが、復帰初日レポートということで。

 以下、本稿をお読みの方にも少なからず関係する話ですので、GPN在職中の御礼方々ご挨拶を綴ります。どうもありがとうございました。そして今後ともよろしくお願いします。


...今般、出向元である日本電気株式会社(NEC)より出向期限満了の令が下り、1998年12月半ばからの約2年半に亘る、グリーン購入ネットワーク事務局での職務から離れることとなりました。在職期間中、皆様からは格別なるご支援ご鞭撻を仰ぎ、おかげ様で大過なく業務に勤しむことができました。書中ながら衷心より御礼申し上げます。

 唐突なお知らせとなる方もいらっしゃるとは存じますが、実は当初2年間の予定が、「グリーン購入法」の施行に伴い、同法に対応した製品情報の提供業務を仰せつかったことから延期となっていたもので、7月復帰については予告済みの話ではありました。ともあれご挨拶が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。

 7月2日(月)の発令を受け、翌週9日(月)、僭越ながら主任としてNEC 環境推進部に着任します。

 尚、先だって6月29日を以って、「GPNデータベース」及び「グリーン購入法特定調達物品情報提供システム」の方も、データの更新公開ができ、GPN勤務の最終日を無事締めくくることができました。(まだ一部、データの補正が必要ですが、今週中を目処に修正完了の予定です。)


 GPNに着任する以前から、多少なりとも「環境」に関しての心得があったつもりでしたが、実務の中で「環境」に接する中で、まだまだ不勉強であったことを思い知ると同時に、環境問題の解決に向け、市場の視点から(実際の購買活動を通じて)考え、推進力となる「グリーン購入」の意義を体得でき、大変勉強になり、また励みになりました。

 「グリーン購入」の時流・前線の中で仕事ができたこと、実に様々な方とのすばらしいご縁に恵まれたこと、いわゆる「事務局」の作業を身を以って体験できたこと、外部依頼の原稿書きや講演などNECの社内ではなかなか得られない機会を与えていただいたこと、 これらはきっと自身一生の財産・誇りとなるものと信じて止みません。

 データブック・データベースをはじめ、GPNホームページのメンテナンス、「グリーン購入フォーラム」での展示会、「エコプロダクツ」での出展、小学生向けワークブック及びデータベースCD−ROM版制作、「グリーン購入情報プラザ」の立ち上げ、そして「制服・事務服・作業服」他のガイドライン制定等々、どれも貴重な経験です。NECに戻ってからは、広報関係(環境コミュニケーション)と比較的地味な仕事と手広く受け持つことになりそうですが、GPNで修得したこと、皆さんから教わったことを活かし、一層勉励したい所存です。

 皆様の益々のご健勝ご活躍を祈念し、略儀かつ粗辞ながら御礼方々ご挨拶に代えさせていただきます。GPNへの更なるご協力をお願いしつつ、グリーン購入が「社会の当たり前」になることを願って。

2001年7月


【参考】:近年のGPNデータベース掲載商品数推移

1999年度

  6285件

2000年度

  8628件

2001年度(4月、6月公開分)

 12950件

→ 合計

 27863件

*この間、データブックは23通り発行しました。7月半ばには、新たに8通り(一部合本)のデータブックが出ます。どうぞご活用ください。


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