第445話 大阪&兵庫2days(2016.3.16)
東京モノローグ、久々の東京エリア外ネタ。今回は、大阪&兵庫2daysの旅についてお届けする。
思い立ったが何とやらで、プランを立て、手配をしたのが3月2日。旅行日は、その翌週3月11日〜12日(1泊2日)である。筆者単独での旅ゆえ、鉄道メイン&乗り降り三昧のいつものパターン。即ち、グルメ、レジャー等は二の次、三の次ということになる。
今回の旅は、テーマがいくつかあり、それをどこまでこなせるかがポイント、かつお楽しみ。紀行スタイルで綴るとまた大変なことになるので、そのテーマに沿って、概況+写真の形式で紹介することにした。ご高覧ご笑覧のほどを。(駅ごとの詳しいレポートは、乗り降り記録ブログ「駅ログ」に順次掲載する予定。2〜3日に1回ペースで載せていくとおそらく2か月ほどかかる見込み。こちらは気長にひとつ。)
1.つい最近役目を終えた駅舎
南海本線の浜寺公園駅は、1907年に建てられた木造駅舎(東京駅丸の内駅舎を設計した辰野金吾博士の事務所が設計したことで名高い)が長らくランドマーク的な役割を担っていたが、「南海本線(堺市)連続立体交差事業」を受けて、移築することに(駅舎としてではなく、玄関として→参考PDF)。その木造駅舎は、1月27日(水)の終電後に閉鎖され、翌日からは仮駅舎が使われるようになった。その二つの駅舎の様子を見に行った。現エキの時に訪ねていれば、と改めて思う。
浜寺公園駅に来る前には、同じ南海本線の住吉大社駅から、阪堺電気軌道の住吉公園電停跡などを眼下に見ることができた。住吉公園電停はこの通り、住吉大社駅に隣接していた訳だが、2014年のダイヤ変更で、この停留場を発着する本数が大幅に減り、おそらく利用者ももともと減少していたことも手伝って、廃止に。廃止になったのは、住吉公園電停を含め、隣の住吉電停までの約200メートルの区間。この区間での運転、1月30日(土)が最終日となった。(→参考)
フェンスで囲まれ、立ち入ることができなくなってしまった浜寺公園駅の旧駅舎。どのように移築されるのか、大いに気になるところ。 |
廃線区間の様子。線路はまだ残っているが、いずれ撤去されることだろう。左奥へ行くと住吉電停方面に出る。旧住吉公園電停は、右側に進んだ先。 |
1990年5月のことなので、今となっては昔話だが、初めての阪堺電軌で、上町線全区間(天王寺駅前〜住吉公園)を「乗り鉄」した。その後はご縁がなかったが、とにかくその時に乗っておいてよかったと思う。
2.ICカード@阪堺電気軌道
2daysの旅ということで、今回もまた「スルッとKANSAI 2dayチケット」のお世話になった。南海電車はもちろん自在だが、阪堺電軌はあいにくと対象外。とにかくどこかしらで乗ってみようということで、南海の住ノ江駅で降り、東に歩いて安立町電停から阪堺電軌阪堺線に乗り、終点の浜寺駅前電停まで行くことにした。(浜寺公園駅は、そのごく近所) 距離によらず、1乗車210円なので、100円玉2枚、10円玉1枚をキープして臨んだが、その必要はなく・・・Suicaでピピッで済んでしまった。便利になったものだ。(写真は、浜寺駅前到着時の車内の様子)
3.黒のラピート、紫の500系
南海で、特急ラピート「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」号(2015.11.21〜2016.5.8)が走れば、JR西日本では、エヴァンゲリオン新幹線「500TYPE EVA」(2015.11.7〜)が疾駆する。車両の特徴的なフォルムを活かして、その世界観を表現するというのは、なかなかのアイデアだと思う。色をベースにそれぞれを言い表すなら、「黒のラピート」と「紫の500系」。ラピートは、大まかな時刻は承知していたが、出たとこ勝負。幸運にも浜寺公園駅で遭遇できた。500系EVAは、対象列車がわかっていたので、姫路駅でキャッチ。そこに行かないと見られない車両を間近にできるというのは、テンションが上がるものである。(乗車するに越したことはないが...)
4.JR西、2つのミニ支線
JR西日本管内には、幹線の駅から支線が出て、その支線には終端駅が一つのみという例が、大阪府と兵庫県に1路線ずつある。都市部ゆえ、その終端駅には他社線からもアクセスできるのがまたポイント。だが、そのアクセス性が裏目となり、ついつい後回しに。今回は意を決して、その支線乗車を組み入れた。
3/11はJR阪和線の支線「羽衣線」、3/12はJR山陽本線(JR神戸線)の支線「和田岬線」である。羽衣線は、東羽衣〜鳳(約1.7km)、和田岬線は、和田岬〜兵庫(約2.7km)のいずれも短距離路線。どちらも終端の方から乗った。東羽衣駅は、南海本線の羽衣駅から少々、和田岬駅は、神戸市営地下鉄海岸線の和田岬駅(地上出口)からすぐ、というアクセスだった。
東羽衣駅と103系 |
和田岬駅と103系 |
和田岬駅には券売機や改札はなく、兵庫駅に和田岬線専用の精算機と自動改札機(構内改札)があった。なかなか合理的である。 |
車両は両線とも、懐かしの国鉄型「103系」だった。羽衣線の3両編成というのも手厚い印象を受けたが、和田岬線の103系は何と6両編成。編成だけ見れば、立派な幹線である。
5.南海高野線、山陽電気鉄道の主な駅めぐり
南海本線については、出張の際などに乗り降りを敢行。優等列車が停まる駅を中心に、訪ねるべき駅は概ね訪ねてきた。一方、南海高野線の方はこれがサッパリ。とりあえず河内長野よりも手前の範囲で、優等列車停車駅を押さえるべく、3/11は高野線のプチ旅に興じた。
3/12は、山陽電気鉄道。特急には阪神系と山陽系など、複数のパターンがあり、停車駅も一部では千鳥式になっていたりするが、どの特急も必ず停まる駅というのも無論あるので、それをメインに訪ねることにした。これまで山陽電鉄で下車した駅と言えば、板宿、須磨寺、須磨浦公園、山陽明石、山陽姫路の5駅のみ。今回は少なくとも10駅は上積みしようと意気込んで臨んだ。結果はまずまず。おかげで沿線の見聞も深まった。
南海特急停車駅「金剛」(ここでの下車=大阪狭山市初上陸) |
山陽電鉄の特急停車駅「高砂」(ここでの下車=初の兵庫県高砂市入り) |
6.御堂筋線、全駅達成
大阪市営地下鉄の大動脈と言える御堂筋線。初めて乗ったのは、1982年春に遡る。大阪在住時にはもちろん数多く利用したが、利用区間が限られていたこともあり、まだ見ぬ駅の乗り降りとなると至ってスローペース。出張時などに少しずつ増やすという感じだった。3/11、南海高野線の後、中百舌鳥(南海)=なかもず(御堂筋線)の乗り換えで、残る2駅を訪ねることにし、無事達成。暗くなりかけていたが、駅周辺を探索することができた。
御堂筋線の未乗降駅、ラストは「北花田」。駅に着いたのは18:23。 |
大阪市営地下鉄全体では100駅ある(南港ポートタウン線は除く)。未乗降は残り21駅になった。
7.初めての能勢電鉄
「スルッとKANSAI」は、2dayチケットを中心にこれまで何度となく利用していたが、対象でありながら乗れない鉄道会社というのがあるもので、ずっと課題になっていた。御堂筋線の後は、何が何でも行くと決め、梅田に出て阪急に乗り換え、その路線をめざした。能勢電鉄である。ラッシュ時間帯だったので、都合よく「日生エクスプレス」(特急)に乗ることができ、一気に能勢電鉄入り。通常だと、川西能勢口で乗り換えるところ、直通である。初めての能勢電鉄(通称「のせでん」)という実感は薄くなるが、こういう入り方は決して悪くない。かくして、能勢電鉄で初めて利用した駅は、川西能勢口ではなく、山下になった。すでに暗くなっていたので、より山間にある区間(山下〜日生中央、山下〜妙見口)については、次の機会にとっておくことにした。
(梅田19:17発→山下19:53着) |
この日は山下で折り返し |
8.「さくらの阪急電車 リラックマ号」
タイムリーなことに、阪急の3路線で「さくらの阪急電車 リラックマ号」が3/10に運行を開始。各線1編成ずつなので、簡単にはお目にかかれないと思っていたが、3/11は川西能勢口〜十三で、3/12は神戸三宮〜十三でそれぞれ乗ることができ、リラックマワールドを楽しませてもらった。「まぁごゆるりと」なんて言われると、そんな気分になるもので、一度乗ると降りたくなくなってしまうから不思議なもの。ただし、3/12に乗った方は特急だったこともあり、ごゆっくりな感じは全くなかった。
9.トワイライトエクスプレス!
今回の旅のテーマで、最も大きかったのが「トワイライトエクスプレス」。あの深緑の電気機関車と客車を見送ることができる機会もいよいよ終わり...ということで、3/12大阪発の「特別なトワイライトエクスプレス」(山陰コース)に照準を合わせてスケジュールを組み、大阪&兵庫2daysと相成った。大阪駅の4番線にその姿を見せたのは9:41過ぎ。発車時刻は10:05ということだったので、わりと長い時間、見物&撮影することができた。発車シーンは動画で撮りながら、終始堪能。想像していた以上に感動的だった。
大阪駅入線時の様子 |
この客車も見納め |
トワイライトエクスプレスを待つまでの間は、さまざまな特急列車を見送った。特急「スーパーはくと」も近くで見るのは初めてだった。(大阪9:24発、倉吉行き) |
この後、阪神・山陽の直通特急で、終点の山陽姫路に向かい、姫路駅で再びトワイライトエクスプレスを迎える筈だったが、途中で何らかのトラブルがあったようで、遅延(遅れ時間不明)。午後の乗り降り旅のプラン上、来るまで待つ余裕はなく、姫路でのトワイライトは見送り(違う意味で)となった。
ちなみに、「特別なトワイライトエクスプレス」のラストランは、往路(大阪発)が3/19、復路(下関発)が3/21。さぞ盛り上がることだろう。
10.姫路駅入場券
姫路駅では、12:10発の「こだま741号」(エヴァンゲリオン新幹線)、12:13〜15(着発予定)の「特別なトワイライトエクスプレス」を続けて見物することにしていた。新幹線と在来線の両方のホームに入る必要がある訳だが、入場券1枚で行けるのか、それとも... 結果は1枚(140円)で、両方入場可。普通入場券を新幹線の自動改札に入れ、それがきちんと出てきた時はちょっとした感慨を覚えた。
11.山陽電気鉄道、神戸市営地下鉄、それぞれ西の端まで
3/12は、山陽電鉄三昧。本線は何度か乗ったが、網干線は初乗車。その終点の山陽網干も初めてだったので新鮮だった。これで山陽電鉄全区間「完乗」となったが、「スルッとKANSAI」利用エリアの最西端駅下車というのも果たせた。感無量である。
西の端へ行くというテーマは、神戸市営地下鉄にもあてはまる。この日、西神・山手線の「西神」の方(新長田以西)の路線に乗り、西の終点、西神中央へ(板宿〜西神中央は初乗車)。途中、名谷でも降りたので、正式な路線区分である西神線(新長田〜名谷)、西神延伸線(名谷〜西神中央)を順に乗車したことになる。これで、神戸市営地下鉄についても「完乗」となった(完無量)。
12.子午線が通る駅
今回の山陽電鉄の乗り降りでは、特急停車駅の他に、「子午線が通る駅」に行くというのもテーマに設定。事前に調べて臨んだ訳ではなく、もしかしたら、という程度だったが、ホームに降り立ってみたら、ドンピシャだった。ホーム上を子午線(東経135度線)が通り、その線が明示されている駅というのはここだけだろう。
山陽明石駅の東隣、人丸前駅である。(副駅名で「子午線」と入れてもいいくらい)
13.車庫がある駅をめぐる
仕事上、鉄道各社のリリースに接していると、どの会社のどの車庫では定例的にイベントがあるというのがだいたい頭に入ってくる。乗り降り旅でもその車庫駅(または最寄駅)を意識するようになるため、優先度も増す。結果、南海本線の住ノ江、南海高野線の千代田、能勢電鉄の平野、山陽電鉄の東二見、神戸市営地下鉄の名谷で下車。肝心の車庫、車両基地の様子は撮れたり撮れなかったり... トピック的なのを挙げるなら、山陽電鉄の東二見車両基地か。デビューを控えた新型車両6000系(→参考)を運よく収めることができた。
6000系@東二見車両基地 |
名谷車両基地(西神・山手線の車両基地)も圧巻 |
・・・
3/11、新大阪に着いてから乗った路線を順に並べると、御堂筋線、阪急京都線、御堂筋線、四つ橋線、南海本線、阪堺電気軌道阪堺線、南海本線、JR羽衣線・阪和線、南海高野線、御堂筋線、阪急宝塚線、能勢電鉄妙見線、阪急宝塚線となる。
3/12、大阪駅でトワイライトエクスプレスを見送った後に乗った路線は、阪神本線、山陽電気鉄道(本線・網干線)、JR神戸線、神戸市営地下鉄(西神山手線・海岸線)、JR和田岬線、阪神神戸高速線、阪急神戸線...といった具合。
JRや阪堺電軌については、その通りの運賃で乗ったが、それ以外の「スルッとKANSAI」対象路線については、実際はいくら分を乗ったのか、見当がつかない(別途EXCELで集計し、振り返ってみるつもり)。とにかくよく乗り、よく降りたものだと思う。(通算の乗降駅数は、3099になった。)
東海道新幹線指定席での車内改札は3/25が最終日。このシーンもそろそろ見納めになる。(→参考PDF) |
今回の宿泊先は、十三にある大規模ホテルだった。阪急を軸に動く場合は、大変便利なのが十三。賢い選択だったと思う。 |
|