随筆「東京モノローグ2008」(3−4月期)
index 次へ 随筆「東京モノローグ2008」(1−2月期)



第255話 べからず集「逆サービス」〜「べからず集」part12 / 第254話 丸の内シャトル延伸ルート〜「千代田区さくら祭り」って... / 第253話 ホスティングサービス雑記 / 第252話 当館職員用プリペイドカード

第255話 べからず集「逆サービス」(2008.4.15)

 やるべきことがなされないケースが多々ある一方で、やり過ぎて逆効果になるケースもまた多い。今回の「べからず集」は、広くサービス業に接する中で、日常的に遭遇しがちな「逆サービス」例を列挙してみようと思う。これらはつまり、「誰のためのサービス?」という疑問符が付く事例でもある。同じような思い、体験... いかがでしょう? (と言っている手前、書き過ぎてもいけないので、通常のべからす集よりも少なめの9項目に絞りました。)(^^;

*社会的に問題視され得る、生産・供給・輸出入等の過剰や、いわゆる過剰○○(例:反応、警告、広告、包装)については除く。あくまで卑近な例として。


9.ポイント多重

 商業施設専用のポイントカードがまずあって、その中に入っている店舗専用のポイントカードもあって、この時の支払いをポイントが貯まる電子マネー(またはクレジットカード)で済ませるとすると、実に三重のポイントが付くことになる。それぞれにしっかりフォローできればいいが、有効期限はまずもってバラバラだろうから、引き換え損なったり、ということも生じ得る。これを面倒だと思う客が増えれば、正に逆サービスである。(筆者はその複雑さを楽しむ側ではあるが...)

 見直しや後退といった話もチラホラ聞くようにはなっているが、過当競争がやめられない業種では、まだまだ続くだろう。

⇒参考:第248話(次点の項)


8.ユーザビリティを欠く設備や什器

 作ったメーカー側の配慮不足というのもあるが、それを選んだ店側にも問題はあるだろう。

  • ドリンクバーの各種機械のうち、特にホット飲料用
    アイス用、ホット用兼用の場合はさらに難度が増す? 一度押せば出てくることになっているが、その押し方がわからず壊してしまう。
    *コールド系も、グラスに一定量の氷が入っていないとセンサーが働かず出てこない、という不便な設定になっているものがある。

 

  • やたら洗練された飲食店のテーブルに置かれている塩・コショウの容器
     穴の配列でSとかPとかなっている場合はまだしも、そうでない場合は見分けがつかない。

  • 洗面所の自動水栓のうち、センサー部分が不明なもの
     仕掛けがわからず、飾りで付いている蛇口をひねり過ぎて損壊、とか。

 といったのがとりあえず思いつく。よかれと思って導入したはいいものの...という例。


7.アナウンスと案内

 いいBGMがかかっていて、聴き入っていると本部からの一斉アナウンスか何かで遮られてしまうことがある。その曲に対しても客に対しても失礼極まりないと思う。BGMとは別ラインで流すか、やめるか、どちらかにしてほしいものである。

 何らかのシステムを伴う飲食店では、初めての客にあれこれ説明をするのが慣例。バイキングスタイルの店では、これは必須ではあるのだが、よくわからずに入ってしまったご年配客などに、基本料金以外の部分(例:ドリンクや特別料理など)もあれこれ説明し、当人に予期せぬチャージをかけるケースをまま見かける。断れない側の問題と言えばそれまでだが、畳み掛けられるとNOと言えなくなってしまう心理を意図的に衝いているんだとしたら、悪徳商法まがいとも言える。


6.添付品

 ファストフード店でホットコーヒーを注文すると、「お砂糖、ミルクは?」とは聞かれても、かき混ぜる用のプラスチック棒の要否を聞かれることはまずない。その成分の是非はともかく、ミルク(もどき)は付けてもらっている筆者だが、この棒を使うことはまずないので、大抵その場で辞退している。このような自動添付サービスは他にも多々あるだろうけど、物価高、資源不足が進むと自動的(?)に見直されるかも知れない。


5.頻繁な補充・交換

このカレーショップでは、水の交換頻度がウリ カウンター中心のクイックメニュー業態店では、店員の巡回激しく、紅しょうがや福神漬けなどがちょくちょく交換されていく。水をセルフで注げる店では、その容器をカラカラやって、残りが少なそうだとすぐさま補充。クイックがウリだから、それはそれでいいのだが、客としては落ち着かないことこの上ない。おそらくはマニュアルできっちり指定されているんだろうけど、それがもとで、臨機応変さを欠くことになっては元も子もない。交換や補充が頻繁な割には、台拭きや床の清掃がおろそかなケースはしばしば。アイコンタクトや入出店時の挨拶ができていない店員も本当に多い。優先順位を考えてほしいと常々思う。


4.待ち構え等

 最近はどうかわからないが、老舗百貨店の売場では、必ずと言っていい程、お待ち構え&いきなりトークが当たり前だった。じっくり品定めしたい時にこれほどのありがた迷惑はないだろう。その手の店や売場にはすっかり足が遠のいている筆者である。(売り上げ低迷を嘆く前に考え直すことはいくらでもあると思う。) 飲食店でも店頭でやたらに声かけする例を見かけるが、あれも逆効果。むしろ、サクラ客の如く、店頭で誰かにボーと立っていてもらった方がいい。我れ先に、というせっかち客が必ず入ってくること請け合いである。


3.調味関係

フレンチフライポテト(塩味!)とでも書いてもらいたいところ フライドポテトはできることなら避けた方がいいんだろうけど、セットだとどうしてもくっついてきてしまう。悩ましいのはその塩加減だが、特にL社のポテトは、なぜかどこも塩辛くていけない。(何度か試したがいずこも同じ。) 紙ナプキンで一本一本、その「過剰塩」を拭き落としながら食べたりしていたが、もう懲り懲りである。

この時はコロッケソースはまだ良かった。メインのチキンがこの通り、コゲコゲ? ファミレスの日替わりメニューだと、手早さが勝負なので、調味料がかかった状態で出てくることがほとんど。コロッケにはソース、フライにはタルタル、チキンの某にはバーベキュー云々。皿の一角に添える感じでいいと思うのだが、スペースの都合か、本体にべっちょりだから困ってしまう。(薄味ならまだしも、いずれも濃厚なもんだから、これがまた...) かける手間を省く上ではサービスともとれるが、単なる店都合とも言えなくない。不採算店舗の店じまいも結構だが、その前に考えておいて良さそうな話だとは思う。


2.過剰高温&焼き

 タコ焼きはその性格上、仕方ないのかも知れないが、グルメ番組等で取り上げる際、レポーターは必ず「熱い熱い」といって、大騒ぎ。口内火傷は必至と思われる。この状態でおいしいか否かなどまともに伝えられるとは思えない。適温になるのを待ってから紹介すればいいものを、といつも思うが、それより何より、それほど高温で熱さないと仕上がらないものなのか、という疑問も沸く。

 お茶やコーヒーで「ひぇー!」(熱いのに冷えー?)となることは減ってきたが、高温ネタは身の回りにいくらでも存在する。筆者がよく憂き目に遭うのは、あんかけ何とかであり、揚げたてコロッケであり、ラード入りのあんまんであり、とろみ系スープであり、時にはロールキャベツ、はたまた焼き餃子、とキリがない。アツアツ=サービスと考えるとするなら、何らかの自主規制を提供者側に求めるのも手だが、ここはやはり自衛策を取るのが順当だろう。(されど、温度計か何かで事前にしっかりチェックしてから口にするというのも...)

 必ずしもアツアツではないのだが、焼き加減が好ましくない例もある。ファストフードM社の朝メニュー中、某マフィンはよく縁が焦げてるし、定食チェーンのOに至っては、ご自慢の「炭火焼」系メニューは、炭火以前に本体がよく焦げていて、とても美味しくいただけたものではない。Mはホットケーキ状の新メニューが出てきたおかげで何とかなっているが、Oについてはまず行こうと思わなくなった。焼きは程々にしないと、客離れを起こす可能性があるのである。


1.過重な情報量

 新宿と池袋が別々だった時はまだよかった。これを欲張って合体してからおかしくなったように思う。写真にある通り、R社が手がける「唐辛子」(直訳)である。配る人にとっても、受け取る人にとっても、このボリューム&扱いにくさは天下一品。正に激辛なフリーペーパーである。(この唐辛子に駆逐されてしまった優良フリーペーパー(クーポン誌)は数知れず。かつての持ち運びやすいコンパクトな冊子を返せ!と言ったところで、如何ともし難い。だが、この残り具合(写真右)からして、不振に陥っている可能性は大。自業自得だと思う。)

六本木での配布風景。

年初、池袋東口にて。(新宿・池袋編なので、ボリュームたっぷり!)

直近の「唐辛子」はこの通り、山積み中。(それにしても厚い≠熱い?)

 他のエリアはもうちょっとページ薄だろうから、需要もあり、それで何とか生き残っているのかも知れない。だが、二大副都心での捌き具合や評判が良くないと全体にも影響しそうな気はする。(ちなみに2008年4月号(新宿・池袋編)は、3101枚のクーポンが付いていて、ページ数は何と378! 腕力を鍛える向きには適していると言えそうだが。)(+_+)

...次回の「べからず集」は、第270話にてお届けします。お次は何が飛び出すか、一つお楽しみに。

  • こちらもどうぞ...⇒ これまでの「べからず集」

目次集よりご覧ください。

 

第254話 丸の内シャトル延伸ルート(2008.4.1)

 23区におけるコミュニティバスは、「練馬、渋谷、台東など十二区(四十四路線)のうち、区が収支を把握している八区十八路線では、杉並区の一路線以外はすべて赤字...」3/21付 東京新聞なんだそうである。渋谷区と言えばハチ公バス(→参考情報、台東区と言えばめぐりん第237話(後段)参照)。いずれも一度乗車したことがあり、その時は程々の利用状況だったので、「赤字」と聞いて少々ビックリ。やはり100円ではやってられない、ということなのだろうか。

 記事にある12区の中に、実は千代田区と中央区は含まれていない。「あれ? 有楽町や日本橋で見かけたけど...」と不思議に思うのもごもっとも。その「丸の内シャトル」と「メトロリンク」第205話(後段)参照)については、コミュニティバスっぽいが、どちらかと言うと「コミューターバス」である。バスルート上または周辺にある企業による協賛で「無料」運行されているため、扱いが異なるのだろう。区の出番なくして、地域内の移動手段が確保されてしまう。これは千代田区、中央区のお家芸みたいなもので、他の区で同じことをやろうとしてもそううまくは行くまい。(企業城下区である港区も実現可能性大だが、何故か区営の「ちぃばす」なるものが走っていて、やはり赤字) そんな千代田区が誇る「丸の内シャトル」がコミュニティバスっぽい動きを見せる日が設定された。大手町と日比谷の間を循環するだけでない、新たなルート...

丸の内シャトル「さくら祭り号」運行ルート それは3/29・30の「千代田さくら祭り」に合わせての臨時運行。つまり期間限定である。秋葉原へ出かけた際、ふとしたことでこのお祭りの「公式ガイドMAP」を手にした筆者は、その2〜3ページを開けて「おぉ」となる。おなじみ丸の内シャトルがルートを延ばし、秋葉原、九段下、神保町を通ることを示すマップがいきなり飛び込んできたのである。気がはやってしまったもんだから、「延伸」というのを読み飛ばして、てっきり秋葉原〜神田駅西口〜竹橋〜九段下〜神保町〜淡路町〜秋葉原と循環する別ルートが特別に設けられるんだろう、と早合点することになる。丸の内シャトルは、いつも通りの南北循環赤線、それにこの特別ルート青線が東西循環を担う、そんな風に見ていたら、これが大間違い。侮るなかれ、この「さくら祭り号」、千代田区東部に限るとは言え、一本の大循環ルートを描いていた。起点を九段下にある千代田区役所とすると、そこから神保町〜秋葉原〜神田駅西口〜大手町〜二重橋前〜日比谷〜有楽町〜東京駅〜千代田区役所着、となる。岩本町、神田橋、竹橋などに停留所がないなど、その設定に些か難はあるも、無料でこれだけの距離を廻るというのは一大事。そのルートからして、車窓からの花見は期待薄だが、遊覧する分には良さそうだ。祭り初日の29日、試乗に出かけることにした。(この日、桜がちょうど満開、というのは筆者的にはオマケみたいなものである。)

 万世橋界隈で昼食をとり、かつての交通博物館の脇道を通り、「淡路町老舗街」なる停留所へ到着。13:25頃にその大型のシャトルに乗り込むも、満員御礼につき入口どまり。手すりのない入口扉付近でグラグラ揺られながら、窓いっぱいのフロントビューを楽しむことになる。岩本町を廻って秋葉原駅西口へ。普通に走っている分には快適なのだが、通行人が多い辺りをゆっくり進む際はそうも言っていられない。大きい上に珍しいバスなもんだから、バス前面でフラフラしている乗客は目立つらしく、どこからともなく視線が飛び込んでくる。何とも落ち着かない最初の一区間だった。

「淡路町老舗街」の停留所はこの通り、人手で成り立つ。(さすが老舗の貫禄?)

入ってきたのはまるで観光バスのよう。(フロントビューがウリ?)

 13:30過ぎ、やっとこさ秋葉原駅前に着く。降りる客はそこそこ。乗ってくる客は少数。このまま乗っていれば、席も確保できるし、目的地の千代田区役所までのんびりできるのだが、ちょっとした所用があって、一旦下車。無料だからできる話ではあるが、この手のイベント臨時便はそこそこニーズがあったりするので、座れる時は座っておくもんだとつくづく思う。14:15過ぎに再度、秋葉原から乗り込んだ際は他に大して乗客はなかったものの、空席は得られず、20分程、立ったままとなる。秋葉原より前となると、神保町や小川町からになるが、そこから乗ってきてなお神田、大手町で降りないとなると、一体どこへ向かうつもりだろう。「公式ガイドMAP」でも手にしない限り、こんなルートでバスが通るというのはわからない筈。神保町にしろ小川町にしろ、首尾よく今回のルートを確認して、手堅く利用した人がそれだけ多かった、ということだろう。筆者が着席できたのは日比谷界隈に至ってからだった。その後、ぐるっと廻って有楽町辺りに着くと、ようやく降りる客が増え始める。決して「さくら祭り」メイン会場の区役所を目指していた訳ではなかった! 時間はかかるが、神保町や秋葉原から有楽町まで無料というのは確かに放っておけない。(参考:JRで秋葉原〜有楽町は130円、都営三田線で神保町〜日比谷は170円) この週末だけのルートとは言え、地域の足としてしっかり利用される可能性があることを示していると言えそうだ。しっかりスポンサーを付けて、定期運行してもいいのではないかと思ってしまう。

 丸の内を周遊する通常ルートのニーズも勿論ある。途中、サンケイビル前から乗ろうとして、いつもと違って遠回りなことを知らされ断念した乗客がいた。大周遊と小周遊の二つのルートを設定するか、南北+東西の組合せにするか、要は工夫次第だろう。(ちなみに今回の大周遊ルートは、一周75分だとか。観光バス並みである。)

 さて、神田橋を過ぎると、再び延伸部分に入る。だが、一向に停留所に停まる気配がない。次は「千代田区役所」と耳にしてやっと気が付く。サンケイビルからはノンストップだったのである。(「さくら祭り号」と称する割には、花見に良さそうな皇居周りに停留所がないのである。せめて竹橋駅には設けるべきではなかったか。)

 車窓から花見ができたのは、その竹橋界隈程度。お楽しみは終点の千代田区役所(旧庁舎)でどうぞ、ということだったようだ。何だかんだで秋葉原を出て約50分が経過。バスはここで十数分間停車する。乗客は否応なく、その観桜会会場へ足を向けることになる。「さくら祭り号」の面目躍如である。

牛ヶ淵、桜に隠れる武道館 区役所旧庁舎の裏手を特別に開放して設けたというだけあって、確かに桜がよく見える。ここは濠ではなく「牛ヶ淵」。武道館をこの位置から見上げられるのも当地くらいのものだろう。花見はそこそこに切り上げ、この後は新庁舎、神保町交差点、ベルギービール、という行程になる。ガイドMAPに載っていたネタを元にしてみたつもりが、これがなかなか...

 旧庁舎の設定が良かっただけに、新庁舎がどうにも冴えなかった。「さくら祭り」とのタイアップ感に欠けると言うか何と言うか。以下、5つばかり列挙してみよう。

  1. 10Fには食堂・喫茶・売店がある。専用エレベーターもあって、いかにもやってそうな印象を受けたが、残念ながら土日祝はお休み。それならエレベーター入口に一言出せばいいものを。

  2. 9Fには図書館がある。こちらも専用エレベーターで直行できる。だが、この日は年度末ゆえか「特別整理」とかで図書等は手に取れない。開放閲覧席を公開しているのみだった。シャトルバスで運んで来た客に図書館をアピールする好機ではなかったか。

  3. よく考えるとなぜ図書館がこんな上階に? ブックポストは1階にあるからまだ許されるが、専用エレベーターを設けたにしても妙な設定である。眺望を楽しんでもらうためだろうか。

  4. 内堀通りと反対側、日本橋川方面に出る通用口があって、掲示によると閉鎖時間ではなかったのだが、なぜか閉鎖中。さくら祭り期間中は逆に警備を厳重にしたかったか。

  5. そして何より驚いたのは「神保町源氏物語展」である。せっかく会場(庁舎1階 区民ホール)に着いたと思ったら、何と開場は17時から! あまり大きく紹介されていなかったので、イヤな予感はしていたが、この設定のチグハグさは何なのだろう。

「さくらと源氏物語ナイト」がオープニングイベント。それにしても初日の開場時刻が17時というのはちょっと...

直行するのはいいが、着いた先で待っているものは...

白ビール:グリゼット(左)/さくらんぼビール:ベルビュークリーク(右) 「千代田区ってこんな区だったっけ?」と疑念が募る中、とりあえず神保町交差点は岩波ホールの前へ。こちらは「神保町さくらみちフェスティバル」と言って、ちょっとした振る舞いがなされることがわかっていた。玉露と甘酒を頂戴し、少し心も静まる。傍に肝心の桜がないのが残念だが、気分次第ということだろう。時すでに16時半近く。残すはさくら祭りタイアップのベルギービールである。うろうろしたりしながら、17時半前に入店。普段は900円の「白ビール」「さくらんぼビール」が今週末は500円。3階の窓からは隣接するお茶の水小学校の桜が僅かながらも楽しめる。今回はバスよりも桜よりも、これが最も祭りっぽかったなぁ、と振り返りながらゴクリ。美味しくいただけて何よりだった。

 「神保町古書店街」から乗っても良かったが、最後は「小川町スポーツ店街」から乗車。この日、三回目のシャトルは通常ルートでおなじみの車両だった。(二回目に乗った車両は最新型、三回目はおそらく初代。一回目は完全に臨時用だったので、期せずして三種三様のバスに乗ったことになる。)

 この通常シャトル、電気自動車なのはいいが、その分、坂道駆動は苦手なんだとか。丸の内の通常ルートも、今回の延伸ルートも、日本橋・八重洲方面のメトロリンクも、確かに平地しか走らない。延伸ついでに千鳥ヶ淵だ市ヶ谷だ、と行かなかったのはそんな理由からだった。千代田区でコミュニティバスを走らせるには、環境に配慮しつつも、いかに坂道を克服するかがカギになりそうだ。(蛇足ながら、同区にはワゴン車タイプの地域福祉タクシー「風ぐるま」なるものが存在する。こちらは区内を縦横に結んでいて、一見良さそうなのだが、お世辞にも良好な交通手段とは決して言えない。一度乗ってすっかり懲りてしまった筆者である。)

 桜を通らない、名ばかり「さくら祭り号」に揺られ、秋葉原に着いたのは18:15を回ったところ。寄り道したとは言え、4時間で一周である。今度は純粋に一周(区内観光)してみたいものだとも思うが、来年も運行されるんだろうか。

第253話 ホスティングサービス雑記(2008.3.16)

 自前のドメインを取得して、まる2年。その間、このドメインを維持するためのサーバ契約、つまりホスティングサービスの事情も随分と変化してきて、サービスメニューも多様化する一途。これまでお世話になっていたホスティングサービス業者(正確にはNPO法人)の都合もあり、今年に入ってから新たな業者・コースを探していたら、容量実に2GB、月額980円なるのを見つけ、その衝撃は稲妻の如く、「ついにここまで来たか...」である。ドメイン有効期限が2月末だったため、先手先手で手続きを進め、この際、ドメイン移管も含めて乗換、と行きたかったが、いきなりは難しかったようで、結果的にホスティングサービスだけはその格安大容量に、ドメインの管理は引き続き情報系NPO法人に、と二分する格好で今は落ち着いている。whois.jpにて、chochoira.jpを検索していただくと、その状況がおわかりいただけると思います。)

 前のホスティングサービスでもやってできなくはなかったが、今回サーバチェンジした新ホスティングでのサービスメニューでは、それがプリインストールのようになっているので、取っ掛かりやすい。Movable Type(以下、MT)一つとってもそんな感じで、価格の割にはなかなか至れり尽くせりなものだから、どれをどう使うかで悩んでしまうことになる。今回はその悩み具合を一覧化しつつ、筆者としては備忘録のようなつもりで、現在関わっている作業等をまとめてみることにした。

名称等

ツール、掲載形態

経過・予定

備考

ちょちょいら

Yahoo!ホスティングサービス「ホームページ作成ツール

3月中に再構築できれば...

ちょちょっとしたイラストを提供するサイト。メニューの見直しを含め、リニューアル予定。

 

随筆「東京モノローグ」2001〜

自作HTML

通常掲載分は辛うじて更新中。目次全体の更新は近々にでも。

一話一話が長文なので、ブログ形式で載せるには向かないだろう、という理由で、現行スタイルを貫いて幾年月。(しばらくはこのまま行きます。)

随筆「東京モノローグ」1997〜2000

Movable Type

全79話、3月上旬には再掲予定だったが、2000年後半(第68話以降)がまだ。(^^;

あとはMTの設定を変えながら見映えや表示メニューを整えるばかり。文章校正しながら再掲しているので、そのうち「撰集」のようなものを新たに作ってもいいかな、と画策中。

 

NPO小説「漂着モノログ」

自作HTML

現在、webサイトでは折り返し点(十月の巻)を掲載中。

月ごとに一括PDFを起こすのがひと作業。次回、十月の巻全編のPDF(ヨコ書き)は、4月早々にアップする見込み。

漂着モノログ(real version)

BIGLOBE ウエブリブログ

上記掲載を追う形で週2〜3回のペースで更新中。

ブログとしての最低限の機能は備えているので、概ね良好だが、時々Googleで検索されなくなるのが弱点。

 

使用未定

Yahoo!ホスティングサービス「ブログサービス」

自前ドメインの中に〜/blog/で設置可能。Simple PHP Blogというだけあって、シンプルな感じでいいのだが、ブログは2つも3つも回せないので、利用せずじまい。

Yahoo!のIDで簡単に作れるYahoo!ブログもあるが、とてもとても。

 

某ポータルサイト

Movable Type

DNNは結局NG。自分のPC内に仮サイトを作るまでは良かったが、本番環境(webサイト)にはとうとう移行できず...(せっかくインストールマニュアルも用意してもらったものの、マニュアルに記載してある某実行プログラムがどうしても見つからず、中断。) 同じcmsなら、MTでもできなくはないだろうということで、方針転換した。MTの専門書を読み解きながら、試作を始めたところ。

経緯は、第248話の7.に記した通り。

 

日中韓環境用語集(仮称)

Movable Type

初期設定は済んでいるが、レイアウトを直す手前で中断。3月のうちには開設予定。

ENVIROASIA(日中韓環境情報サイト)の翻訳係各位の間で、翻訳しにくい用語を共有してもらい、3カ国語で適切な訳をお互いに練っていくための情報交換サイト。訳しにくい用語が出てきたら、ブログ記事として投稿。他のメンバーはそれを見て、コメントを入れたり、参考情報を追記したり、という使い方を想定。こういう仕掛けはブログならでは、か。

 

ボランティアコーディネーション系 某NPO法人

ファーストサーバ ギガント2(予定)

Yahoo!ホスティングサービスと同じサーバだが、こちらが本流(ファーストサーバ社直営)。見つけた当初は20GB、2,940円/月だったが、今は同額で何と40GBに。メンバー間協議でようやくここに乗り換えることが決まり、筆者が申込から設定から担当することに。

Yahoo!ホスティングサービスと手続き的には大差ないので、大丈夫だとは思うが... 管理画面でどこまでどう操作できるかは申込後のお楽しみ。

 

earthday.jp 「アースデイ記録集

XOOPS

筆者は管理者ではなく、あくまで投稿者。90年代アースデイの記録(記録集、ニュースレター等)を転載する作業を引き受けているのだが、1997・1999・2000年の分がまだ終わっていない。4月22日のアースデイ当日までには完了させたいところである。

第248話の6.に記した通り。

 MTなど新サービスを使えるようになって、ひと月が経つ。申し込んだ当初は、3月には新サイトも新コンテンツもそれなりに形になっているだろう、と読んでいたのだが、これがなかなか。あれこれ悩んで、で進まない訳ではない。期せずしてちょっと大がかりなアンケート集計作業を請け負うことになったのが一因である。(企業・自治体・学校・NPOの4タイプあって、回答総数800余り。設問数がまたそれなりなものだから、MS-ACCESSで入力フォームを用意しても、前半と後半に分けないと収まらないケースがあったりで、思いがけず難航...w(--)w こちらは主に入力作業の基盤(ACCESSで言う、テーブルとフォーム)作りと、入力後データのとりまとめ(各種クエリ操作)なので、回答を入力する作業はまた別にいる。何人かで手分けしてやっとこさという一大イベントとなった。「持続可能性」が大いに問われるところだが、本件何を隠そう、環境省絡みの調査だったりするから悩ましい。)

そのアンケートに関連した作業は、某財団法人オフィスでも行う。途中、湯島天神を通るも、時間押せ押せで泣く泣く素通り。(3/9(日)は、梅まつり最終日だったのだが...) で、その複合型集計や自由記述の抽出が済んだところで、筆者はようやくいつもの書き物に戻った次第。本稿第253話が遅れたのはそのためだが、もっと遅れているのはそろそろ書き始めてから一年が経とうとしている長編小説である。そろそろ結末に近づいてきたので多少ペースダウンしてもいいのだが、ストーリーはリアルタイムで設定して(組み立てて)いるので、時々の気候や環境変化を追っかける必要があり、気が抜けない。いつものペースなら「三月の巻 おまけ」にとっくに入っていて然るべきところ、未だおまけの前、3月2日時点の描写の途中で止まっている有様である。早いところ追いつきたいものだが、他の作業との兼ね合いもあるので、どうなることやら。(-_-)

 ホスティングサービスの多様メニューに振り回されてしまっては、元も子もない。うまく利用しながら、精進しながら、より良質なコンテンツを提供していきたいものだと改めて思う。引き続き、ご高覧ご声援の程、よろしくお願い致します。

*という訳で、押せ押せ中につき、いつもと違って短文なモノローグとなりましたこと、どうかひとつご諒承ください。(これならブログでもOK?)

第252話 当館職員用プリペイドカード(2008.3.1)

 プリペイド式の磁気カード(イオカード、パスネット等)が改札で通せなくなって来たので、その手のカードが自動改札機上で忘れ去られたままというのも見なくなった。なので、それらしきカードが改札機周辺に落ちてた日には「!」である。センサー式にピピッと反応してしまう筆者であった。

 何だかんだでひと月以上が経っている。その不思議な一枚を手にしたのは1月25日、18時半のこと。世間では給料日で週末、いわゆる「花金」に当たる日だった訳だが、落とした方もきっと高揚してたんだろう。JR四ッ谷駅改札の通路にプリペイドカードらしきものを発見。だが、何用なのかが皆目見当つかない。使用方法も特に書いてないし、拾得した人向けの案内もない。非売品? それにしては、結構な金額がチャージしてあるし...

当館職員用プリペイドカード(見本) 裏面には自署欄があるが、残念ながら記名はなし。届けようにもどうにも処しようがないのである。唯一の手がかりは、投入方向を示す矢印の隣に打ってある文字。「メイジキネンカン」、そう明治記念館である。なに、帰る途中にちょっと下車するだけである。とにかく行ってみることにした。

 信濃町で降りたら南へ向かう。バスでこの道、外苑東通りを通ることはあっても、記念館にはまずご用がない。所在地はわかっていても、不案内。すでに辺りは暗く、心細さすら感じる。建物が見えてひと息つくも、入口は遠い。廻り込む感じで、ようやく館内へ。思えば、2004年6月15日、(財)インターネット協会の交流会とやらに臨席して以来の入館である。

 当時と同じような催し会場が各所に設けられ、人の出入りは至って多い。斯様な立派な場所で、こんなファンシーなカード?と何となく違和感を覚えるも、この時点ではまだ、館内の売店・レストランで使える商品券カードみたいなものだろうと思っていたので、その旨の案内掲示等をとにかく探すことにした。「贈り物にぜひこの一枚」といった案内などが見つかれば、とりあえず係員に尋ねてみよう、そう思っていたのである。東新館の中に売店(ジェンティールショップ)を見つけた。贈答品はあれこれ陳列してあるが、カードがどうこうってのは全く見当たらない。はてさて?

 そもそもこの金額の減り方(700円台)からして、売っている品々とどうにも釣り合わない。菓子折りなどを買えば、4桁の額が引き去られていく筈である。おまけに、日数を置かず、同じような額が減っていくんだから、一般的な買い物ではないことはわかってきた。今は無きハイウェイカードに似ているが、このカードはチャージ式。となれば、どこかにチャージ機でもありそうなものだが、それもなし。ムムム。

 下手に売店で尋ねて怪しまれるのも不本意だし、どっかの会合に来た客にしては、やたらウロウロしているのでいずれはマークされそうだし。レストランやブライダル関係のサロンも覗いてみたが、どこにも手がかりはない。現場主義も限界があるというもの。あえなく撤退となった。

 新宿に向かう総武線車内でふと思いつく。冷静に考えれば何と言うことはない。「もしかして社員専用?」 700円台というのはおそらく社員食堂での定食代見合い、ではないのか。

 帰宅して早速、明治記念館のホームページをチェックする。どこをどう探しても、この手の磁気カードによるお買い物云々といった案内は出ていない。これで当カードが一般向けでないことが判然する。

 残額が残額なので、善は急げである。拾得届を出そう。それなら、問合せフォームが早いか。が、これがない!

 「ご宴会/プライベート」コーナーの中に辛うじて、問合せ文を送れそうなフォームを見つけた。「資料請求」用だが、この際、構わないだろう。(仮に、拾得物通知用とかがあれば、見上げたものだが)(^^;

 いつどこで拾ったか/おそらく貴社社員の方専用と思われる/お心当たりの方が現われたら送る/送付先等をお知らせください

 といったところを書いて送ろうとするが、本文の文字数制限なんと全角で100字!(す、少ない) 一応、証拠画像もあった方がいいだろう、ということで当該カードをスキャンして、自前サイトに仮置き。そのURLも併記しようってんだから、100字では到底収まらない。結局、総計200字以内の下書き原稿を書いて、二回に分けて続けて送信することになる。ヤレヤレ。

 翌日の朝早く、留守電メッセージが入っていた。落とし主が見つかったというから吃驚である。(本当だろうか?) 社員専用だったことは当たっていた。また連絡すると仰るので、とりあえず待つことに。が、来ない!

 そもそも資料請求や申込以外、つまり同社に対する一般的な問合せフォームが存在しないということからして、あまりオープンな姿勢は感じられない。来た客に相応のもてなしをするのは得意だろう。だが、こうした定型外対応、いや単に窓口としての対応は強くない、ということが何となくわかってしまった。

 いつまでも手元にあっても仕方ないので、催促することにした。落とし主が拾得者に催促するならわかるが、その逆である。変な話だが、もう一度、資料請求フォームにて、一報を入れる。即ち、「1/25付で貴社プリペイドカード拾得の件で連絡した者です。翌日、早速お電話をいただいたようですが、その後、音沙汰ございません。送付先不明につき、返信用封筒か何かを送っていただければと思います。(これで96字)

 で、2月6日になって、とりあえず返信用封筒入りの封書が送られてきた。

 書信には、「当館職員用プリペイドカードを拾得いただき...」との御礼の一文に始まり、「本人がお伺いし、お礼を...」「折から体調を崩してしまい...」と経緯が記されてある。音沙汰がなくなってしまうのも無理はない。が、ついつい気が回ってしまう。もしかしてカードを落としたショックで体調不良?

 だとしたら、早く返さねばなるまい。2月8日の朝、四ツ谷から半蔵門に向かう途中、麹町の郵便局(局内ポスト)から返送し、まずは肩の荷が下りた次第。間違いなく、その日のうちに赤坂の本部(総務部)には着いたことだろう。これで落とし主が元気になってくれればいいのだが。

 その日からまる3週間が経過した。当人まだ復調してないのだろうか。それにしても、である。またしても連絡等一切なし。必ずしも本人からである必要はない。到着した時点で何かしらのレスポンスがあっても良さそうな、と思うのである。

 何かを期待しちゃいけないんだろうけど、あの格調高き記念館の対応が実はこんな程度である。カードをスキャンして、その画像をブラウザで見られるようにして、メールを数回。こっちとしても手間ヒマかかってるんだから、もう少しなぁ...

 送った先は総務部である。こういう時、大手企業だとお客様某係の出番と思われる。対顧客業務に強い部署であれば、もっと速やか、かつ拾得者に報いる手立てが取られることだろう。もしかして、送り先の総務部の人物がそのまま黙って失敬してやしないか、今回の一件はそう思われても仕方ない事例と言える。

 今後、同じようなカードを拾得した時、どう対応したらいいものか、ちょっと悩んでしまう筆者であった。

  • こちらもどうぞ...⇒ カードや拾得物に関する話題

第63話 ポイントカード / 第173話 カードの付加価値 / 第186話 拾得物預り書 / 第202話 ICテレホンカードと度数減算カード / 第230話 続・自動販売機/JR発足20周年 / 第241話 「漂着モノログ」スタート!

 


Copyright© 冨田行一<Kouichi Tomita> All Rights Reserved.

ページ先頭に戻る

ご声援用バナー *週に一度のクリック、よろしくお願いします。(^^) バナークリック、毎度ありがとうございます!(市民サイト用)