随筆「東京モノローグ2006」(3−4月期)
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第207話 自由席・半自由席・指定席 / 第206話 なくなるもの、開かれるもの〜交通博物館、東京駅、ゆりかもめ、環八通り etc. / 第205話 無料スポットと無料サービス(23区内編) / 第204話 悠々自適のウォームビズ

指定席も自由席も同じ標示...(^^;第207話 自由席・半自由席・指定席(2006.4.16)

*前回が長編だったこともあり、少々ペースダウンしました。一日遅れの掲載です。

 座席にまつわる気苦労などは、特に第135話に記した通りで、その後も相変わらず悩まされることは多い。一つ言えることは、空いている席に後から腰掛けに来る人物は、厚顔無恥だったりすることが少なくないこと。スペース的にゆとりがないのが明白なのに、ガッチリ体型の輩がギュウギュウ座ってくるケースは最悪。しかも無理やり背もたれに背中を押し付けに来るもんだから、こっちはたまらない。時には筆者が前屈みになって、背中を外すこともしばしば。変に隣が空いてたりすると恐々としてしまうのは、こうした苦い経験があるからなのである。

 隣席難に遭遇しても、退避可能な席が近くにあれば何とかなる。下車すると見せかけて、移動すればいい。問題はラッシュ時など、身動きがとれず、逃げようがない場合。せっかく着席できたのに、隣の客人の不行儀で居心地が悪くなってしまうとどうしようもない。(背もたれギュウギュウ以外にも、足を大きく開いたり、腕組みしたり...一層窮屈になる。他にはケータイ頻繁出し入れ系、やたら落ち着きがない系、マスクなしでゴホゴホ系、鼻をボリボリ系など。)(-_-) どんなにモミクチャになろうと、立っている方がマシだったりする。

 他人に不快感を与えることを何とも思わない人が増えているのか、それとも筆者が過敏かつ狭量なだけなのか... やはり行儀の良さそうな乗客の間を狙って着席するのが第一か。ともかく自分の裁量で席を選べる場合では、何らかの憂き目に遭ったとしてもまだ「仕方ない」と割り切れる。

 比較的ゆったりした時間帯に電車に乗っていて、気が付くと特定のロングシートに人が集中し、逆に1人2人、あるいは無人のロングシートが出てくることがある。何となく肩身が狭いと感じる時、あるいは同じ乗るならより広々と、と思う時、つまり自分が動くことでより快適に過ごせると判断した折りには、筆者はできるだけ移動するようにしている。席を選べる機会を十分に活かそう、というちょっとした心がけのつもりだが、他の乗客にとっても決して都合の悪い話ではないだろう。人を避けている?と捉えられる可能性は否めないが、これは空間的な均衡を図る実利を優先すればこそ。一般的に「自由席」というのは、こういう自由度が活かせる、つまり身の理(意図)により動ける席を指す、と筆者は考える。

 飲食店など、店員の案内によって席が指定されるケースは、自由度が下がる点で憂いが大きい。本来自由席であるはずのものが、案内を介在することで指定席になってしまうのが悩ましい。お店の都合は承知の上だが、自由席が有する裁量の幅を極度に狭めてしまうことは、避けてほしいもの。程々に混んでいる時でも、(1)空間のバランス(集中ではなく分散)、(2)客の手荷物の量(外套類を含め、量が多そうな場合は、2人客でも4人掛け席に、など...第181話参照)は最低でも考慮してもらえるとありがたい。客の裁量部分を店が預かる、という意識を持って、座席の割り振りを考える。これができる・できないは、店の格の判断材料になりそうだ。

 どこの席に通されるかは、時にドキドキに近い感覚を伴う。自分で決められないだけに、何かあった際は割り切れない面も出てくる。明らかに不快感を覚えそうな席に通されそうになったら、リスクの少なそうな席を自分で指定することもできなくはないが、結局一時しのぎだったりすることもある。(指定を受けつつ、自分で選ぶ=半自由席とでも言おうか。) こうなるとどの席もリスクは同じ。案内による座席指定は、正に指定席感覚で受けるしかないのかも知れない。(空いている時は、「お好きな席に...」となるが、隣にいつどんな客が現れるかは予測不能。電車内と同様、変に空いている場所に席を求めるよりは、行儀を弁えた方々のいる席の間などを選んだ方が無難なようだ。)

 さて、一般的に「指定席」は、着席できる安心感がウリではあるが、果たしてそれだけでいいのか、というのが今回の本旨である。前述の指定席感覚というのは、自由度の制限や隣席難(不行儀リスク)を受容する覚悟を指し、実は半ば諦めの境地を含む感覚。こうした感覚を客が持ってしまう席というのは、あまり価値がないような気がするのである。

 自由席(移動可能席)はリスク回避ができる。だが、完全な指定席はそれができない。特に予約完売の指定席の場合は、どこにも席の余裕がなく、指定の座席番号通りに着席しなければならないため、隣や周囲の客人が不快な輩だったりすると、正に居ても立ってもいられない。

 「着席できる確実性」vs「席の周囲の環境やアメニティ」、いずれをとるかが問われている訳である。だが、どちらも満たされているに越したことはない。席が予約されている安心感に加え、快適さが提供されてこそ「指定」も活きる、というもの。まして、指定料金をとる列車の場合は、席の確保以上の付加価値をつけてもいいと思われる。

 分煙(禁煙席か喫煙席か)程度の差別化では間に合わなくなっている。例示には事欠かないが、筆者的には、分煙に加え、嗅覚や聴覚に不快感を与えるもの、つまりマスクや耳栓を使ってもなお自衛しようがないものをうまく区別できる指定席があれば、とよく思う。

 とは言っても、「禁・匂いの強いもの席」とか、「禁・雑音&喧騒席」なんてのを設けるのはナンセンスなので、総合的に不快な思いをしなくて済むことを保証する「アメニティ席」(現実的には一人客専用か)といったものになるだろう。

 券の裏面などには、ビッシリと注意書き第135話に書いたような例をご法度として明記)が施されることになるだろうが、一定の行儀や作法に自信のある人なら問題はないし、自信が足りない人にとってはちょっとした指針・基準にもなる。不快な思いをさせないとはどういうことかを知る上でも有効だろう。当然のことながら、利用者の高い意識と自覚が伴わないと成立しない訳だが、これがうまく行けば、指定席の概念が変わる上、総じてマナー向上にもつながっていく気がする。(料金は通常の指定料金よりも安めにすれば、誘導策としても有意義。)

 必ずしも指定席扱いにする必要はなく、車両として特化できればいいものとしては、女性専用車両の逆、つまり男性専用とか、静かに過ごしたい人向け車両、年齢層別車両(特に成年以上(R20)車両はあってもいい)、禁ケータイ車両といったところか。あまり極端に区分すると人と人の行き来や接点が希薄になる、という見方もあるが、例えば顔を合わせて会話している最中でもケータイをカチャカチャやるような「コミュニケーションの分断」が日常化している今日では、指定席の細分化や車両の目的別分化によって、人々の交流に影響を及ぼすとは考えにくい。(では、真にリアリティを持つ交流の場というのはどこにあるだろう? 少なくともケータイに依存しなくて済むTPOが整えばいいだけのことと思われる。)

 不行儀からはアメニティ席によって解放されるとして、後は空間のバランスである。指定はするが、ある程度の移動をよしとするゾーン指定席というのを導入すれば、少しは緩和されるだろうか。

 とにかく不快な環境での着席を強制するような「固定席」は勘弁してほしいものだと思う。


  • 追記

     以下、タイプ別に指定席の実例を少々。
     

    • 列車

    グリーン車は全席指定! 第199話(■19.)の詳報を一つ。乗ってみないとわからないこと、というのは、こだま号のグリーン車の指定席のあり方についてである。一人客が座っている2人掛けの席の隣に、後から別の一人客がやって来た。満席御礼なら致し方ないだろうが、前後左右、かなり空席が目立つ状況での集中指定。当の二人はさぞ面食らっただろう。せっかくのグリーン車(=より高額な料金を払っている)だけに、広々と乗車したいところを、なぜわざわざ隣どうしの指定にしたのだろう? こういったアンバランスな指定が起こらないよう、柔軟な割り振りができるプログラムになっていたものと思っていただけに驚いた。筆者は妻君と並んで普通に2人掛けのシートでゆったりしていたので、どうと言うことはないが、一人客向けの変な指定を目の当たりにし、これはどこかで書かねば、と思っていた訳である。グリーン車の質が問われる事例。
     

    • 飛行機

     第171話のおまけコーナーに記したが、JALの「クラスJ」では、クラスに則さない輩が近くに席を占め、迷惑を被った。飛行機に関しては、よりアメニティ重視で、しっかり分別してほしいものだと思う。

     通常の席でも、今は自分で座席指定できるようになっているが、実は近隣の不行儀客リスクも自己責任で、ということの裏返しのサービスなのかも知れない。「自分で選んだんだから」と割り切れるものかどうか? 「快適な空の旅を!」というフレーズが空々しく聞こえる。
     

    • レストランや宴席

     予約を入れて席を確保するシチュエーションについては、交通機関の指定席と同じ。だが、予めいろいろと客の要望を伝えることができる点は異なる。アメニティの確保=サービスの基本、と弁えている店なら、まず問題はないだろう。それでも、店内人口密度が高くなる設計の店では注意が必要で、当日になってみないとわからないことも多い。せっかくの高級店でも、隣や周囲に変なのが来ると台無しになる。(本当の意味での高級店では考えられないだろうけど。)
     

    • 映画館

     第120話で示したように、電車並みに不快事例に出くわす。近年は高機能なシネコンが増えてきて、大概は座席指定型で便利だとは思うが、リスク回避がしにくい、という点では考え物。席が自由になっている方が、快適に映画を楽しめる可能性が高い、というのは何とも皮肉な話である。

    アリオ川口の館内とMOVIXの入口 第17話で紹介したサッポロビール工場の跡地に、2005年11月29日、アリオ川口がオープン。ここにあるシネコン「MOVIX川口」は、インターネット経由で自宅からでも座席指定が可能というのがポイント。12月1日の映画サービスデーに、試しにネット予約して出かけてみたが、空いた隣席に対するドキドキ感はまたひとしおだった。どんな客が隣に来るかが予約画面でわかればいいのだが、それは行き過ぎか。幸いこの時にはさほど不快な思いをせずに済んだが、館内売店で買った飲食物を二人並んだ席で置くのに使う専用のトレイの設置の仕方がわからないギャル系が現れ、もどかしい思いをするハメに。より快適に映画を楽しむための道具だが、使い方がわからないのでは意味がない。トレイの下に付いている突起(カップと同じサイズ)をイスの袖先にあるカップホルダーに嵌めれば済むものだったのだが、ギャルお二人は、床にトレイを置いて、そわそわ。声をかけようと思ったが、予告編が始まってしまったので、結局そのままになってしまった。(^^;

     他にも、コンサートや競技場など、予めチケットを買って座席の指定を受けるものも多々。娯楽の席では、さして気にするものでもないだろうが、より快適に楽しみたい、というのは誰も同じはず。どうせ席種を分けるなら、アメニティ席を設けてもバチは当たるまい。

第206話 なくなるもの、開かれるもの(2006.4.1)

 昨年は3月31日で終了してしまうものをいろいろとお届けした。(第182話参照) 3月は何かと動きが多いようで、今年は終わるものも多々あれど、新たにできるもの、拡がるものも目に付いた。どれも一つ一つ取り上げると、一話分になりそうなものばかりだが、ここは一気にまとめて(圧縮して?)のご紹介である。(長文ご容赦)(^^;

 3月に限った話ではなく、しばらくしてから閉じるもの、開くものもある。特に環八通りについては、晴れて全通したらまた詳しくお伝えしようと思う。


【なくなるもの、閉じるもの】

  • マクドナルド赤羽東口店

 筆者も何度かお世話になったが、赤羽駅東口にあったマクドナルド(以下、マック)が、31年間の歴史に幕を下ろした。(3月15日の深夜25時=16日の午前1時で閉店) 最終日には何かあるだろう、ということで、同日深夜、様子を見に行ってみた。

 店頭をちょっと離れたところで、コカコーラSサイズの無料券を配っていたが、店内では最終日サービスは特段なし。(店舗限定のご愛顧感謝セールとして、フィレオフィッシュ100円などはやっていたが。) 店員からお客に宛てた多数のメッセージカードがレジ脇に掲げられていて、感謝の気持ちは言葉で、ということのようだ。(こうした遊び心感覚がマックらしい。)

 遅い時間ではあるが、案の定、ちょっとした人だかりになっていて、店員も多い多い。店員が多ければオーダー処理もスムーズ。閉店までの時間を惜しむような空気感・一体感に浸ろうとも思っていたが、そこはファストフード店の哀しき運命。すぐにレジにたどり着いてしまった。マックシェークの期間限定品「エスプレッソーネ」がまだあったので、早速注文。

 筆者がここで受け取る最後のレシートは、23:30付。こんな時間にマックに来ることもそうそうないので、ちょっとした記念レシートになった。

 店員を労いつつ会釈して帰って行く客、笑顔で応える店員。出入口ではそんな光景も見受けられ、エスプレッソーネの味も染み入る感じ。「オレも31だなぁ」「10代の頃はよく通ったけど」なんて会話も耳に挟む。何度か振り返りながら、店を後にした。

店員さんも晴れ晴れした表情

看板が外れたら、こんな痛々しい状態に

 その後、閉店後の建物を見に行ったら、こんな感じで、すっかり寂れた態。随分と傷んでいたことがわかる。閉店当日にはわからなかったが、この掲示にあるように「しばらく休業」と書かれているので、どうやらビル建て替え後は、復活するようだ。(よくよく見ると「ビル立て替え工事」になっている。これでは建てようがないから、やはりNG?)

 赤羽のマックはしばらく2店舗になるが、赤羽駅周辺のハンバーガーショップは、マックしかないため(KFC、ミニストップはある)、3つが2つになったところで、目ぼしい変化はない。1店減ったところで、他社が商機と睨んで出店してくれば事件だが、何とも言えないところである。


  • 交通博物館

交通博物館、いよいよ閉館へ 第176話(■6)で予告した通り、いよいよ交通博物館が閉館になってしまう。「さようならキャンペーン」は5カ月間やっているので、そのうちと思っていたら、3月になってしまったので、春休みで混雑する前に、ということで3月19日に出かけることにした。

 今回は単に入館するだけではなく、「旧万世橋駅遺構特別公開」もお目当て。閉館後にどうなるかは不明だが、少なくともこの機を逃す手はない。取り壊しになってしまうとしたら、万世橋駅の構内に入れる機会はもうないだろう。ということで、事前に予約した上での「参観」である。

 思いがけず、入口周辺は閑散としていたので、肩透かしを食ったが、中に入れば予想通りの混雑ぶり。10時20分台に着いたので、出遅れた観はあったが、何とか枚数限定(土日祝は800枚)の「再現硬券」も入手でき、ひと安心である。

「さようならキャンペーン」の概要

入館記念券と再現硬券(オモテとウラ)

 遺構の見学受付には当日予約客が列を成していた。事前予約組も受付はしないといけなかったので、一応並んで、パスを受け取る。集合時間までは、まだ小一時間。秘蔵の鉄道模型など、特別展示を眺めた後、11時45分からの見学会に参加した。交通博物館には何度か来ているが、裏側に立ち入るのは初めてである。

万世橋駅の構内の一部 先の模型展示の間を通って、特別通路に通じる扉を入る。程なく仄暗い空間に通された。ヒンヤリとした空気が立ち込め、冷暗そのもの。中央線の線路の下のはずだが、妙に静かなのがまた何とも。ここがかつての万世橋駅の構内(出札所や待合室があったところ?)とは! レンガが醸し出す独特の雰囲気に息を呑む。遺構というだけあって、重々しい。

 プロジェクタで映像が映し出される。かつては中央線の終点駅で、一大ターミナルだったが、中央線が東京駅に到達したことで、万世橋は単なる通過駅になり、ターミナルとしての地位を東京駅に譲ることに...といった解説がまた哀愁を誘う。当初は「よろずよ」と読んだそうな。万世の名とは裏腹に、早々に役目を終えることになってしまったのは何とも皮肉な話である。(神田川に架かる中央通りの橋は、今も万世橋。「肉の万世」にも名を留める。) 今から実に96年前、1912年4月1日に開業。そして1943年10月31日が営業最終日とある。(31年の歴史という点では、赤羽東口マックと同じ...) 約63年前に閉鎖されてしまった訳だから、往時の駅を知る人は、そう多くはないだろう。もし高齢の方が交通博物館に来ていたら、かつての万世橋駅について尋ねてみるのも一興。もっとも、語り部のような方を招いて話をしてもらうイベントがあっても良さそうなものである。

*余談だが、東京メトロ銀座線にも万世橋駅はあったという。駅間が短いのが銀座線の売りなんだから、そのまま残っていてもよかったような気もする。

 さて、再び特別通路を歩いていくと、逆L字の小さめの階段が出てきた。ここを上がると万世橋のホーム跡が見学できる。ホームに降り立つことはできないが、ガラス越しに外を見渡せるようになっている。電車を違った視点で眺められる、という点でも趣深い。御茶ノ水〜神田を通る間、中央線の車窓から不思議に思って見ていたガラス室の実態がこれでわかった。

ホームに上る階段の踊り場にて

右から読む駅名標というのがまた郷愁を誘う

 まだ駅として稼動していた頃、周囲はどんな景観だったのだろう。高架ホームなので、さぞいろいろ見渡せたに違いない。南に皇居、北は上野公園か...情景を思い巡らせてみた。

航空・船舶・車両・鉄道...こうした総合的な交通関係の展示は見納めになってしまう? 万世橋駅の閉鎖までが第1期だとすると、今回の博物館閉館は第2期の終わりということになるだろうか。いよいよ5月14日(日)が最終日。正確かつ精緻な表記・表示をめざす交通博物館の姿勢は大いに学ぶべきものがある。(今回のキャンペーンチラシも実に細やか。) まだの方はそうしたところも併せてご覧いただくといいだろう。


  • 東京駅復原へ

 万世橋駅の幕引きを早めた東京駅(かつては中央駅)も92年が経ったそうな。最近になって知ったのだが、その東京駅の丸の内側が工事を始めることになり、工事期間中は、駅舎内の商業施設(ステーションホテル含む)が一時閉店になるというからビックリ。「東京駅ルネッサンス」と称して、いろいろと記念イベントをやっているようなので、とにかく行ってみることにした。

 丸の内南口スペース&ドームを使った映像系の催し(3/31まで)は、それはそれとして、今回の特別イベントの目玉は何と言ってもステーションギャラリーでの「東京駅の歴史展」(これは4/9まで)だろう。呉服橋・鍛冶橋・数寄屋橋が川に架かる橋だった頃の地図、その川(堀)の脇の高架線路を走るかつての電車の写真、丸屋根かつ3階建てだった往時の東京駅の数々の写真や絵など、実に感慨深い。5・6番線には昔の架線支柱がまだ残っていること、東海道・総武・中央・東北・京葉各線の0km標が存在すること、2人の首相が殉難に遭った際の碑なるものがあること、横山大観が寄贈した絵が2枚あること、北口は降車用・南口は乗車用と当初は機能が分かれていたこと、東京中央郵便局に地下でつながる引込線があったこと、関東大震災でも駅舎が崩壊しなかったことから付近住民の避難所として活躍したこと、などなど。一大ターミナルだけあって、その歴史の懐深いことと言ったら。

ドームに映し出された、ビジネス特急「こだま」号(新幹線開通時に引退)

この東京駅の姿も見納め?(丸の内南口から北口方面)

 「次の100年へ」ということで、どう変わるのかをまとめたパンフレットは大々的に出ていたが、これまでの100年をレビューする資料は残念ながら見かけなかった。歴史展に併せ、東京駅の略史や見所をまとめたパンフレットなどを用意してもいいと思う。

東京駅アートロードパノラマ展示 「東京駅アートロードパノラマ展示」(3/31まで)というのもやっていた。連続パネルで東京駅約100年の歴史を展覧できる好企画。丸の内南口と京葉線を結ぶ地下通路の存在は、この時初めて知った。東京駅はまだまだ知らないことがありそうだ。

 2011年には、丸の内口・八重洲口に加え、日本橋口の3つのメインゲートを持つ、新・東京駅がお目見えする。丸の内側は、かつての丸屋根&3階建になると言う。(逆を言えば、現在の八角屋根&2階建ての駅舎は見納め、ということになる。) 4月からは、東京駅の顔を変える(戻す)ための工事が始まる。復元工事で良さそうだが、「復原」とするあたり、力の入れようがわかる。とにかく東京駅も一つの終幕を迎えた、ということで一筆書いた次第。


【開かれるもの、伸びるもの】

  • 日光・鬼怒川 直通特急

©JR東日本×東武鉄道 3月18日のJRダイヤ改正では、ちょっとした異変が話題になった。前々から噂には聞いていたが、まさか本当にJRと東武の相乗り特急が誕生しようとは。私鉄とJRの直通(相乗り?)は、小田急、伊豆急行、富士急行など先例はあるが、あくまでその先へのリーチを良くする(エクステンションとでも言おうか)ためのもので、競合する路線を持ちながらの相乗りは初めてと思われる。(要するに、新宿・池袋から日光へは、JRだけでも行けるのだが、ライバルの東武の線路を借りてまで運行させるようになった、という点で快挙な訳である。宇都宮と日光を結ぶJR日光線は、益々役割が低下しそう...)

 日光も鬼怒川も鉄道利用客の減少傾向が続いているので、新宿・池袋からの乗客を新たに得られるというのは魅力的。鉄道会社で競り合うのではなく、マイカーやバスで入ってくる観光客に対してのアピールが必要になったこと(=競争する相手の変化)、そして観光地そのものを盛り上げるためにも、というのが背景のようだ。

日光1号 何はともあれ、これは画期的なことなので、開業初日に何らかの記録を、ということで、新宿・池袋ではなく、地元 赤羽駅ホームで、1号列車を見送ることにした。池袋を7:18に発車した「日光1号」(JR用)は、何と10分で赤羽に入ってきた。(湘南新宿ラインだと11〜12分かかる。) これは速い。実際に通過するスピードも速く、あっと言う間に過ぎ去ってしまった。なかなか華麗である。

 同じ日、移動途中にちょうどタイミングが合ったので、再び赤羽駅ホームで、「スペーシアきぬがわ7号」(東武用)を見送った。池袋を17:41を出て、赤羽は17:51に通過。東武の特急列車が赤羽を通って行くなんてのは考えられなかったこと。時代は変わるものである。

 通過したのを見て喜んでいる場合ではない。よく考えると、赤羽には(一部列車でも)停めても良さそうなものだ。本当に利用客の増加を見込むなら、何も主要ターミナルからだけでなく、渋い(?)ところに停めてこそ意味もありそうなものだと思う。

停車駅の略図を見ると、何とも控えめな栗橋駅だが、両線をつなぐ立派な役目を負っている。 今回の直通特急実現の立役者は、何と言っても栗橋駅の存在だろう。JRと東武のホームが平行に並ぶ乗換駅だが、ここに橋渡しとなる線路をちょっとつないだことで、乗り入れが可能になった。条件は整っていたのである。だが、無慈悲にもその栗橋には特急は停まらない。特急対応の駅舎になっていないというのもあるだろうけど、停まればまた違った客を呼べるはずである。そもそも鉄道会社の変わり目の駅に停めないというのもスゴイ話ではある。大宮を出ると次は栃木。この間だけを乗車する場合でも、運賃は両社混合になる。栗橋に停まるとかえって精算が面倒になるからか。全車指定席になっているのも、両社の運賃をしっかり徴収するための措置かも知れない。

 第160話で考察したが、これで新宿駅からの行先がまた増える。これまでの日光方面は、「快速お座敷日光」「快速やすらぎの日光」に乗った場合のJR日光だったが、今回のダイヤ改正で、東武日光と鬼怒川温泉が加わったことになる。(新宿発JR日光行きは廃止?) いずれまた新宿駅でちゃんと調べてみようと思う。

 蛇足だが、湘南新宿ライン(というか最近は宇都宮線)は何かとトラブルが絶えないが、同じ線路を走る以上、リスク対応は考えておきたいところ。開業初日は何事もなかったようだが、翌3/19は、強風で宇都宮線がストップ。「JR宇都宮線も上野―宇都宮駅間で約2時間半止まった」とニュースで流れていた。直通特急も早速に憂き目に遭ったのではないだろうか。

 とにかく定着させて、いずれは新宿以南からの発着も視野に入れたいというのが思惑としてあるだろう。(小田原発、逗子発も夢じゃない。) 踊り子号を北上させる手もありそうだ。そうなると、伊豆急下田発・東武日光行き、という壮大な特急列車が実現する。熱海を夜明け前に出て、根府川辺りで一時停車して初日の出を拝み、そのまま日光へ直行して初詣、といった臨時特急も出てきそうだ。


  • ゆりかもめ延伸

 ここ数年、東京ビッグサイトに行く度に気になっていたのが、ゆりかもめの終点駅・有明の先、そしてその下を通る道路。そろって延々と工事していて、見通しが悪くなっていたが、3月27日を以て、やっとこさ晴れ晴れとなった。(⇒参考情報 道路の方はまだ続きがあるようだが、ひとまず有明北橋と晴海大橋というのができて、日比谷や勝どきから有明方面に出やすくなった。そして、ゆりかもめの延伸。これまで有明止まりで袋小路な印象が否めなかったが、今回、豊洲まで通じたことで、出口ができ、風通しが良くなった感じ。(新橋〜豊洲を通しで乗ると約30分要する。東京メトロを使えば、速いし安いが、乗り換えが面倒だったりするので、移動手段としても決して悪くはない。観光を兼ねるならなおgood。)

 その延伸開業初日の27日。東京駅でのルネッサンスイベントを見た後(アートロード経由)、有楽町まで出て、有楽町線に乗車。まずは豊洲にやって来た。有楽町線の豊洲駅とゆりかもめの豊洲駅は極めて至近ではあるけれど、地上の連絡通路部分(数メートル)に雨除けはなく、少々不親切な感じ。見上げると、まだ先を窺うような巨躯な線路(?)が迫り出していて、見応え十分。文句は言わせまい、ということか。

右下が有楽町線の出入口。ゆりかもめの改札に通じる階段口とはちょっと離れている。

何となくカーブしていて、まだ先に伸びそうなゆりかもめのレール

新豊洲と市場前の途中、晴海大橋がこのように望める。 豊洲から有明までは、2.7kmで、その間の新駅は豊洲を含めて4つ。新しい路線を乗り倒そうとすると結構な労を伴うが、今回は至ってシンプル。初乗り運賃で、有明テニスの森まで行けるので、とにかくその「有森」(パスネットに印字される略称)まで試乗することにした。

 初日にしては改札階もホームも車内も閑散としていて、少々拍子抜け。その分、ゆったりと周遊することができた。5分ほどの乗車で「有森」に到着。改札を出ては見たが、肝心のテニスの森が見当たらず、周辺はまだ発展途上。干潟(人工)が近くにあるので、都会の水辺景観を売りにした方が賑わいが出るかも知れない。ゆりかもめの車窓からは、干潟の先にレインボーブリッジが見渡せる。それもこの「有森」付近のポイントだろう。一つ戻って、お次は「市場前」。まだ何もできていないので、事情を知らない人は何で市場?と思うだろう。すでに計画が固まっていて、工事も進んでいるから為せる名なんだろうが、まだ見ぬものが早々と駅名が採用されるというのは稀なケースだと思う。とにかくここには築地市場の機能が移転してくることになっているので、先手を利かせて市場前なんだそうな。市場ができればその前にある駅だから当然、市場前。今は、市場ができる前だから市場前。どっちの解釈も可能である。(仮に市場の計画が変更になってしまったら、どうするのだろう。) 何もなかった豊洲埠頭が大きく変わろうとしている。それはこの市場の造成に駆り出されているダンプカーの車列と土埃の具合からもよくわかる。何ともダイナミックでいいのだが、一般客にとってはまだ何もないのと同然。歩行者用道路も完成途上のようで、時々足元が掬われたりするからご愛嬌。市場前は乗り降りできる駅ではあるが、今のところ、筆者のような物好きか、工事関係者が利用するばかりだろう。逆に市場ができた暁には、ゆりかもめが主力交通手段になるだろうが、それだけでは覚束ない。都バスはもちろん入ってくるだろうけど、水上バスも来るのだろうか。(荷揚げ用の船着場はできるだろうから、そこを兼用?)

工事が進む「豊洲市場」(仮称?)

ダンプカー行列は圧巻だった

 ダンプ行列を横目に、次の新豊洲駅までは徒歩で移動。程なく着いてしまった。(駅間、実に500m! これは歩かねば。) 新豊洲から豊洲は再度乗車して、小旅行は終了。豊洲埠頭は何があるのか未知だったが、今回の周遊で何もなかった一帯だったことがわかり、妙な安堵感を覚えた。要するに「これからのエリア」な訳である。

 それにしても利用客が少ないからとは言え、初日につきものの時刻表の配布がなかったのは考え物。係員はチラホラいるものの、手持ち無沙汰な感じ。もっとPRなどしてほしいところだが。


  • 途上の環八通り

 環八通りがやっと全通、といったニュースを見るような見ないような、どうもハッキリしないので、この目で確かめることにした。筆者宅から自転車で20分も走れば、北区(赤羽岩淵)側からの環八通りの終点である「相生町」にたどり着けるので、いつでも見に行けたのだが、年度末・月末・週末を兼ねた3月31日になってしまってから、やっとこさで現地入りできた。

環八通り(板橋相生陸橋) 首都高速道路の下を跨ぐ新たな陸橋が目に入り、もしやと思ったら、まだまだ工事中。全通の報が届かない訳である。かつて、借りたクルマを駆って、環八通りを西に向かって走っていたら、「相生」という見慣れぬ地名とともに、環八が遮断してしまい、面食らったことがある。その当時は丘地が遮っていて、正に手付かずの状態だった訳だが、今回見に行って、その杜絶感がなくなり、道路としての展望が拓けていたのには目を疑った程である。

 車道はまだ入れないが、脇の歩行者用道路は仮設ながらできていたので、行けるところまで行ってみよう、という気になった。付近は畑地あり、未舗装ありで、野趣すら感じる。東京都板橋区に里地あり。よくわかってはいないが、いわゆる土の匂いというものが実感できてしまうところが素晴らしい。道路周辺の民家には、「環8の会」が立てた看板が主張している。「緑量アップ」「騒音ダウン」がその主旨のようだ。せっかくの「里地感」が環八のせいで台無しにされてはたまらない。板橋区若木という住所表示からもわかるように、ここは自然力(いや地域力)が豊富な土地なんだろうと思う。(相生というのも何か深い意味がありそうだ。) 自転車で走っていて清々しさを覚えたのも、ごく当然と言える。

右手に畑や樹林が見える

「自然林にかわる緑量の確保」...道路が通る前は自然林が覆っていた、ということか

 写真にあるように、ここまでできてしまっては、後には引けないだろうが、その地域が大事にするものは、都市計画の過程でも、完成した後でも、しっかりと尊重されることを望みたいと思う。全通した折りには、緑地の保全状況なども観察するとしよう。

 ⇒参考情報:詳細概略


【その他】

  • グランドステージ赤羽 【閉】 使用禁止命令と立入禁止のお知らせ
     第203話は、2/14時点での記録。2/15にはこのように囲いがされ、閉幕を迎えた。

  • 文化学院 【閉】 この建物がなくなってしまうのは、あまりに惜しい
     「老朽化した校舎の建て替えを計画しており、新校舎は、2007年末に竣工、2008年からは新校舎で授業を行う予定です。なお、工事期間中にあたる2006年4月から2007年末までの授業は、同じ千代田区内の水道橋にある研数学館の校舎を仮校舎として借用して行う予定〜」とホームページにもお知らせが出ている。神保町の事務所に通っていた頃は、よくここの前を歩いていて、この界隈の奥深さを象徴する建物として感心しながら眺めていたのだが、同潤会アパートなどと同様、老朽化には勝てない、ということか。歴史的美観がなくなってしまうのは何とも口惜しい限り。

  • 表参道ヒルズ 【開】 手前は「同潤館」
     これも最近できたものの一つ。第146話の続編を書くことになる。今回ここで書き出すと大変なことになりそうなので、またの機会に。(^^;


 これらの動向につられてか、筆者自身にもいろいろと動きが出てきそうな予感。動は動を呼ぶ、というか、不思議なものである。(年度の変わり目、皆さんの身辺も多かれ少なかれ変化があろうかと思います。なくなるもの、開かれるもの、を意識しつつ、気を引き締めたいものですね。)

第205話 無料スポット&無料サービス(23区内編)(2006.3.15)

 好況に転じつつあるとは言っても、それはマクロ経済での話だろう。市井の生活においては、根本は常に世智辛いもの。好不況に関係なく、倹しさや堅実さは保っておきたいと思う。そんな庶民にとって、無料のサービスや無料のスポットというのは、何に付けありがたいものである。度が過ぎると、単なるケチの領域になってしまうが、程々であれば、立派な節約術。お金をかけなくても、楽しめる、満たされる、というのはそれはそれで豊かであり、合理的。という訳で、無料のサービスや無料のスポットは、どれだけあって、どんな状況かを筆者なりに探ってみることにした。

 学生時代は、無料系も含め、いわゆる「マル得」情報を集めた本(当時はインターネットはまだない)を頼りに、いろいろと利用させてもらったものだが、当時の情報源を背景としつつも、その後は、それほど意識しなくなっていたのは確か。今一度、どれほどのサービスやスポットがあるものかをまとめてみようと思いついたのが、昨夏のことである。いつものことながら、トップページの予定テーマに掲げてから、半年以上が経ってしまったが、満を持しての掲載である。これらが、いずれも無料というのは、よく考えるとスゴイことである。

注)

  • 予約が必要なもの、開館期間が限定的なもの、常設展と企画展で料金の異なるもの、個人やグループの私的な展示専門(個展関係)、一般的な公共サービス、無料のコンサートやステージ、スポット的な無料配布・無料相談、飲食店などのサービス業でのクーポン券を伴うサービスは除く。都区内(23区)限定。
    *逆を言うと、予約やクーポン券などの事前準備が不要、フラっと立ち寄れて、(本来、有料であっても良さそうな)恒常的なサービスを受けられるものを掲載。(休館日などは、各ホームページにて、重々ご確認ください。)

  • 【 】は、最寄駅(アクセスしやすい駅)を示す。ホームページアドレスは、オフィシャルなもの、または確実な情報が提供されているものを選定。名称50音順。

 


1.筆者がまだ訪れていない美術館・博物館・資料館・記念館など

 いずれもまだ行ったことがない。こんなにリストアップされるとは我ながらビックリである。都内のメジャーな美術館・博物館は概ね足を運んでいるが、最近は招待券で行くことが多いので、偏ってきている。「無料」がきっかけであっても、より多様な文化に触れる動機になるならいいだろう。(もっとも、行政系の施設は、概してご都合主義なので、批評の目を多少は持って見学したいところ。) 一日乗車券などで移動する際、時間があれば立ち寄ってみたいと思う。

■美術系

■大学系

■その他いろいろ

 

  • 産業安全技術館(OSH-SQUARE 東京) 【三田、田町】

  • 山王草堂記念館 【大森、西大井、馬込】
    西大井に住んでいた頃に、前をよく通った。一度は入ったことはあるはずだが...

  • 消防博物館 【四谷三丁目】
    新宿通り沿いにある。第190話の通り、地震後にここの前を通ったが、特に目立った動きはなく...

  • 相撲博物館 【両国】
    国技館に行った際に、立ち寄ればよかったのだが。

  • 墨田区「小さな博物館」運動 【墨田区全域】
    羽子板、屏風、金庫と鍵など、実に多彩。これだけあれば、どこかに行っていても良さそうだが、恥ずかしながら皆無。とてもまち歩きが趣味とは言えない。

  • 田河水泡・のらくろ館 【森下】

  • 工匠(たくみ)壱番館・工匠弐番館 【森下、菊川】

  • 田端文士村記念館 【田端】

  • 東京ゲーテ記念館 【西ヶ原】

  • 東京染ものがたり博物館 【面影橋、早稲田】

  • 東京都水道歴史館 【水道橋】
    水道だけに、水道橋が最寄駅の一つ、というのがなかなか。

  • 東京都水の科学館 【国際展示場、有明】

  • 虹の下水道館 【お台場海浜公園、有明テニスの森(3/27以降)】

  • 文具資料館 【浅草橋】
    毎年7月、東京ビッグサイトで開催され、筆者も常連の「国際文具・紙製品展」(通称:ISOT)は、社団法人全日本文具協会が主催。ISOTは、最新の文具類の情報や試供品を入手するには絶好の場だが、新しいものが常にいい訳ではない。文具ほど温故知新に適う材料はないだろう。こうした資料館にも足を運んで、古き良きを温ねたいものである。こちらは、社団法人東京文具工業連盟が所管する。ぜひ訪れたい一館。

  • 平和祈念展示資料館 【都庁前】

平和祈念展示資料館の看板


2.訪れたことのある美術館・博物館・資料館・記念館など

  • アド・ミュージアム東京 【汐留】
    汐留に行ったら、ぜひ訪れたいスポット。入場無料なのは、正に広告収入で成り立っているからだろう。

  • 荒川知水資料館 【赤羽岩淵】
    荒川知水資料館の入口第14話などで紹介している通り。決して悪くないのだが、一般的なガイドブックにはあまり載らないようで... (「出没! アド街ック天国」で、赤羽編は2度放映されているが、荒川は上位に出てきても、この知水資料館はなぜか出てこない。)

 

 

  • NHK放送博物館 【神谷町】
    リニューアルされてからはまだ訪れていない。

  • お米ギャラリー 【銀座】
    ホームページを見たら、何と近々(3/26)閉館してしまう旨、載っていてビックリ。これも何かの思し召し(飯?)。最終日に行ってみるとしよう。

  • 警察博物館 【京橋、銀座一丁目】
    最近では、2003年9月20日に入館。見学していたら、不意にグラっと来て驚いたのを覚えている。千葉県南部を震源とする地震で、都内でも震度3か4だった。警察関係の施設だから、一大事になっても安心、とこの時、思ったかどうか?

  • 国立印刷局王子展示室 【王子】
    1億円の札束模型を手にとって、その重量を実感できる展示などがある。(1階は、政府刊行物の書店も。)

  • 下町風俗資料館付設展示場(旧吉田屋酒店) 【根津、千駄木】
    京成上野、上野御徒町などから程近い、下町風俗資料館(本館)の方は有料なので、お間違いなく。(かつては無料だった気がする。) 

  • 全国伝統的工芸品センター 【池袋】
    今は奥まった感じのところにある。「伝」が目印の全国伝統的工芸品センター。かつては外苑前にあったが、今は池袋のメトロポリタンプラザにある。その存在はよく知っていたが、なぜか足を踏み入れたことはない。

 

  • TEPIAプラザ 【外苑前】
    機械産業記念事業財団の展示スペース。青山勤務時代は、土曜日出勤の際に自転車で前を通ることもあったが、人出が少なく、受付スタッフが退屈そうにしていたのを思い出す。

  • 目黒寄生虫館 【目黒】
    一度行けば十分? (^^;


3.企業関係(または企業がスポンサーについている各種施設)

*単なるショールーム・ショースペースは除く。

 なぜこの商売をしているのか、理念とともに忠実に伝えるのが、企業系博物館・資料館の本分だろう。(という訳で、アミューズメント要素が強い施設は省略した。) 以下、恵比寿麦酒記念館を除き、実はまだ訪れたことがないものばかり。

*フジタヴァンテ、マクドナルドミュージアムも企業系の施設として名高かったが、いずれも閉館してしまった。(この2つは、入館済み。)

 ちょっと異色だが、

 というのもある。ここは学生時代に一度、行った覚えがある。今にして思えば何とも悠長な。

4つの天然水から4つの味... これは一例。 ちなみに、サントリー武蔵野工場は、事前予約が必要だが、試飲できるビールのラインアップが素晴らしく、至福のひとときが楽しめる。23区内ではないが、オススメ。


4.建築物、空間

*単なる公園は除く。


5.展望

  • 新宿エルタワー 【新宿】
    TOTOとINAXのショールームが同じ建物に入っているのもポイント。ショールームの階の窓からの眺め(北〜東)は、エルタワーが建って以来、筆者のお気に入り。

  • 聖路加タワー 【築地】

  • 都庁展望室 【都庁前】

  • 文京シビックセンター 展望ラウンジ 【春日】

  • 北とぴあ 【王子】
    北とぴあ11階から南方を望む。(眼下に広がる飛鳥山公園の桜)17階に展望ロビーがあるが、他の階(11階:北区NPO・ボランティアぷらざ など)からも見渡せる。写真は、筆者が同ぷらざに在勤中に撮影したもの。

 余談だが、京浜島つばさ公園は、地上から飛行機を見上げるスポット。


6.その他の施設

  • ストップおんだん館 【神谷町】
    詳細は、この記事の通り。ここも一般的なガイドブックには載りにくいようで。

  • 駿台学園「天文講座」 【王子】
    最近はすっかりご無沙汰になってしまっているが、気になる天体ショーやトピックスが出てきたら、講座プログラムをチェックしつつ、また参加してみようと思う。(晴天時は、屋上にある望遠鏡での観測会も。)

  • 宝くじドリーム館 【宝町、京橋】
    宝くじだけに、最寄駅の一つが宝町。上出来である。

  • 日本万華鏡博物館 【渋谷】
    完全予約制となっているが、単なる見学だけなら、何とかなりそう?

  • 防災館
    池袋
    本所
    最寄駅は、同館ホームページを見ての通り。

  • 防災センター(地震の科学館) 【西ヶ原】

 これまた蛇足ながら、品川駅の臨時ホームというのも、ちょっとしたスポット。第18話などで紹介。) 現地を走るのに乗ってこその特別車両だが、遠くへ行かずとも、いち早く試乗(というか車内見学)できるのはありがたい。品川をJR線で経由する場合なら、無料。


7.サービスいろいろ

  • 環境配慮型製品の試供品
     「エコプロダクツ」に行けば、いやでもいろいろと手に入る。(あまりの大盤振る舞いに、環境配慮とは何なのかを自問自答してしまうこともある。) 大きめの買い物袋をお忘れなく。第127話などで紹介。) 2006年の開催予定は、12月14日(木)〜16日(土)。

  • 血圧計
     渋谷郵便局の2F、アルカード赤羽(生活提案館)の通路の途中で発見。探せば他にもありそう。

 

  • コーヒー試飲
     スターバックスでも店内商品を眺めていると、「本日のコーヒー」の試飲を勧めてくれることがあるが、常時サービスしてくれるという点ではなんと言っても、カルディだろう。ちょっと一杯飲みたい時には打ってつけ。

  • コインロッカー
     美術館・博物館などではお馴染み(百円玉を入れて施錠、開錠後に戻るタイプ)だが、百貨店でも、無料のコインロッカーを置く店が増えているようだ。

  • 自転車の空気入れ
     第195話で紹介した赤羽駅北口の駐輪場(2時間まで無料)には、自動空気入れが常備。(あいにく現在、故障中。) もちろん、街の自転車屋では、無料で入れてくれるところも多い。

  • 巡回バス
     よく利用させてもらうのは、東急東横店と東急本店などを結ぶ循環バス。文化村「ザ・ミュージアム」に行く時は欠かせない。新宿だと、エルタワーの下から出る、パークタワー行きのシャトルバスが至便。京王新線の隣駅、初台に用事がある時も使えなくはない(?)
     あとは何と言っても、メトロリンクだろう。東京ベイシャトル、丸の内シャトルに続き、日本橋・八重洲側でも走るようになったのが「メトロリンク日本橋」。3月12日(日)19時、八重洲口の停留所から乗車し、一周してみた。日本橋、三越、日銀、COREDO日本橋、島屋、ブリヂストン美術館などを経由。25分の小旅行が楽しめる。観光用としても大いに利用価値あり、である。

渋谷マークタワーの乗り場

東横店から本店に向かう途中(山手線をこんな感じで見ることができるのは、このバスならでは。)

東京駅八重洲口の停留所表示

夜の「メトロリンク日本橋」

  • 東急ハンズ
     「ハンズ・デー」イベントでは、無料修理や無料工作などが目白押し。(最近のハンズ・デーは不明) ふだんも、いろいろとイベント(ここを参照)をやっているので、見逃す手はないだろう。

  • ビックカメラ
     マッサージチェアの体験コーナーはいつも大人気。ちょっとした無料休憩所である。成人の日には、こんな無料サービス(左下)も。ちなみに今は「レシートに『当たり』が出たら、その場で100人に1人無料!」を実施中。筆者は同店で買い物することが少なくないが、未だこの恩恵に与ったことはない。(「当たり」の鐘が鳴るのはよく聞くのだが...)(^^;

2006年は1月9日が成人式。店内に無料撮影コーナーが登場。(新宿西口店にて)

「100人に1人無料」の大垂れ幕(同じく、新宿西口)

  • メガネドラッグ
    メガネドラッグの超音波洗浄器 メガネドラッグと言えば、この超音波洗浄器。メガネを常用していた頃は、よく使っていたが、最近は縁遠くなってしまった。街角の無料サービスの定番。

 

・・・

 これだけのスポットやサービスを享受できるのは、東京ならでは、と言えそうである。他にもまだまだありそうだが、東京モノローグ的(?)には、ひとまずこんなところ。無料というのはありがたい限りだが、逆にありがたみが薄くなる可能性もなくはない。感謝しつつ、じっくり活用させてもらおうと思う。


  • 付録

     ふだんは有料だが、期日限定で無料になるものもある。このありがたみはまた格別。偶然にもタイムリーな情報が多いような?

     

    • 3月21日

      上野動物園 【上野】

       開園記念日は3月20日だが、今年は月曜で休園日に当たるため、翌21日(火・祝)が無料公開日。これはチャンス!(10月1日「都民の日」も無料。)

       

    • 3月23日

      切手の博物館 【目白】

       毎月23日(ふみの日)は、入館無料。(23日が月曜日の場合は、翌24日が無料に。)

       

    • 3月26日

      *お米のギャラリー銀座、最終日

       

    • 4月29日

      新宿御苑 【新宿御苑前】

      「新宿御苑 みどりフェスタ2005」 4月29日のみどり日は、2006年が最後。2007年からは、4月29日:昭和の日、5月4日:みどりの日になるそうな。新宿御苑の無料開苑日もシフト?


       あとはしばらく先になるが、ざっと調べてみたら、こんな感じ。

       

    • 7月20日:海の日

       東京海洋大学 「海の日」記念行事では、重要文化財「明治丸」の特別公開などがある。ここで要チェック。

       

    • 10月1日:都民の日

       2005年の都民の日は、「施設無料公開及び記念行事」報道発表に掲載の通り。一日ではとても廻れない。

      2004年の都民の日、小石川後楽園(涵徳亭)にて

      2005年の都民の日、旧岩崎邸にて

       

    • 10月14日:鉄道の日

       地下鉄博物館東武博物館などが無料になる(?)

       

    • 11月3日:文化の日

       たばこと塩の博物館文京ふるさと歴史館などが無料(予想)。

       

    • 11月初旬?(都電沿線文化祭)

       第140話に記した文化祭が開催された時は、あらかわ遊園が入園無料になった。

       

    • 11月23日:一葉祭

       樋口一葉記念館が無料になる。

 

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    *独自ドメインの取得に伴い、本稿「東京モノローグ」も移転を予定しています。4月以降は、<http://www.chochoira.jp/tommy/>からもご覧いただけるよう準備中です。(より多彩な仕掛けで情報提供ができるよう、企画を練っているところです。) お楽しみに。

 

第204話 悠々自適のウォームビズ(2006.3.1)

 今冬は、実に厳しい寒さに見舞われた。ようやく少しずつ春の気配を感じられるようになったものの、厳寒後遺症とでも言おうか、外出に気後れするようになってしまい、昨年ほどではないにせよ、花粉症の兆候が再び現れ出したとあっては、いよいよ外に出るのが億劫になってきた。外出するならできるだけ用件を固めて効率良く、というのが習慣化してきたのも、自分なりにもっともだと思う。

 あまりの寒さゆえに、重ね着してどうの、という域を超え、重ね着+通常暖房、というのが世間では当たり前のようになってしまった。筆者は在宅勤務中は、できるだけ着込んで凌ぐようにはしているが、各団体の事務所へ行けば、暖を共有できるので、それほど着込む必要はない。できるだけ通勤した方がいいような気もするが、要するに移動途中の寒さがネックになっている訳である。いわゆる重ね着運動として喧伝された「ウォームビズ」は、どちらかと言うと、室内での過ごし方(暖房節約)に関する話。外出時にしっかり着込むのもウォームビズで、出先の室内でもそのままの格好で暖房不要、という設定にはならなかった。外出時のウォームビズにも力を入れてもらえれば、筆者も何かしらのヒントを得ることができ、喜々揚々として出かけることができたかも知れない。

 着込んでもなお寒々とした状態で通勤してきて、職場でも寒々、というのは気の毒。着膨れした状態では仕事も捗らないだろうから、暖房の効いた中で颯爽とした格好で、の方が業務効率も保てるというもの。(結果的に温暖化抑止にもなる?) 寒さが厳しい中では、ウォームビズは逆効果になってしまったようで、その成果も今一つ伝わってこない。

 2月24日は、「グリーン購入ネットワーク 設立10周年記念フォーラム」があった。元スタッフということで、ご招待の栄をいただき、記念講演では、小池大臣の話を聞く機会を得た。その中で、クールビズについては明快な成果報告(約96%が認知、CO約46万トン削減)があったものの、ウォームビズについては(集計中なのかも知れないが)、認知度、削減効果ともに数字で示される話はなし。やはり不発だった、ということか。

温暖化防止に向けた国民運動の展開...「WARM BIZ」もロゴ入りで紹介。

COOL BIZの効果はご覧の通り。

 11月下旬頃の店頭での概況としては、

  • イトーヨーカドー:紳士服コーナーの一角で実施。

  • 池袋東武:5F紳士服のフロアの複数店舗(パッと見で12店)で実施。靴まで対象商品に。

  • 池袋西武:5F紳士服のフロアの複数店舗(パッと見で8店)で実施。女性向けにも力を入れているのが特徴で、B1Fに特設会場あり。

  • 池袋三越:5F紳士服フロア全ての店舗で実施。さらに6Fのリビングコーナーでも「WARM BIZ at Home」とやらを併設。しかし、熱の入れ過ぎか、店内の暖房温度が高く、息苦しかったのがマイナス点。

 

  • 西友:店員が率先してウォームビズに取り組んでいることを示す掲示が出ている程。

日本橋島屋にて と盛んで、12月に入っても、日本橋島屋では左の写真にあるような力の入れよう。それが、今では4月からの新年度・新学期向けの展開が主で、ウォームビズはどこへやら?である。まだまだ寒さ残る折り、些少でも特設コーナーなどがあって良さそうなものだが、立春過ぎれば...というのが業界の目算だったのだろうか。(いや、寒気のおかげで早々にウォームビズ関連売上の目標をクリアしてしまったのかも。) 暖冬になれば肩透かし、との予想もあったが、今回のように厳冬の場合は、ウォームビズ以前に着衣への関心は否応なく高まり、ついでに暖房設定温度も上昇。厚着・重ね着は言うまでもないことになり、提唱するには及ばなかった(タイミングが悪かった?)、と言える。ウォームビズが本来の省エネ効果を表すのは、例年並み、つまり程々に寒い冬場に限る、ということになるのだろうか。(気候が安定しない昨今においては、現実的でないような...)

 まぁ、一人ひとりが悠々自適のウォームビズを楽しめればいいのでは? ということで、12月早々に寄稿したものが、【地球と生きる方法】「一人ひとりのウォームビズ」である。ここでは、筆者流の駄文を省いた形での掲載なので、東京モノローグ風の原文を以下に再掲することにする。今、読み返してみると、言い得て妙かな、といったところ。ただし、温度計を持ち込んで測定、というのは叶わなかった。

 2005年の夏の流行語とも言える「クールビズ」(中国にも「清涼公務」として波及)。名称としての認知度は90%以上、実に6割の企業が導入した、とも言われています。効果の程は検証中のところもありますが、電気事業連合会によれば、全国の電力会社10社全体で6〜8月の間に、合計2.1億キロワット時の電力量を節約できたと試算しています。二酸化炭素(CO)排出量では、計7.9万トンの削減効果に相当するとのこと。(規模の大きなオフィスビルに入居する企業の4割がクールビズを導入したと仮定し、それら企業が室温設定を2度上げた場合の節電量見込み。)

 相応の成果を上げたとされる、軽装キャンペーン「クールビズ」ですが、より省エネ効果が高いのは、室温を上げるよりも下げる方、とされています。夏に冷房温度を1度上げるより、冬に暖房温度を1度下げる方が、二酸化炭素排出量削減面でも望ましい。そこで新たに登場したのが、秋冬用のキャンペーン「ウォームビズ」です。

 要するに、厚着をしよう、防寒着を備えよう、といったことにつながる訳ですが、用語としての「クールビズ」が浸透したことにあやかってのネーミングと言えるでしょう。厚着だと暑苦しい、不格好という印象もあるでしょうから、逆説的ですが、言葉としての「軽涼さ」を求めた結果が「ウォームビズ」になったと言えます。

 室内が多少寒くても快適に過ごせるよう、ベストやセーターを上手く組み合わせる(重ね着する)。加えて、厚手の下着などもビジネス用衣料品として取り込むことで、暖房による電力等の消費を抑えて地球温暖化防止(省エネ)につなげようという取り組みです。

 一般家庭にも通じる取り組みではありますが、ビズと称する以上は、ビジネスシーンやオフィスワーク向け。暖かい服装で、暖房を抑えたオフィスでも快適に働けるスタイルを提案するのが主旨のようです。(過剰暖房を避け、重ね着しよう、という啓発は、以前からありました。新語を使ってPR効果を高めたものと言えます。)

 背広やネクタイを「外す」のがクールビズ。対照的にウォームビズは、Yシャツの上にセーターを、上着の下にベストを、さらには帽子をかぶる、布を首に巻くなど、とにかく「足す」のが特徴。そのため、買い替え中心のクールビズに比べて、2倍強の経済効果があるとされています。(皮算用ながら、約2323億円との試算も。(第一生命経済研究所調べ)) 重ね着に使う衣料が多いこと、冬物衣料の方が単価も高いことがその主な理由。ウォームビズは女性も参加できるため、より効果も高くなることが予想されます。業界にとっても「ウォーム」になるという訳です。(もっとも、暖冬の場合は、肩透かしになる可能性もあります。)

 ただ、経済効果面で、そのメリットが語られるのは本旨ではなく、本来なら、すでに持っている衣服を上手く活用するのが「クール」というもの。わざわざ流行化させ、購買意欲を煽るものではないはずです。(商機とばかり、熱くなり過ぎると「ホットビズ」になってしまいます。) まずは身の回りで、まだ使えそうな衣料品をしっかり見定めること、そして、上手くコーディネートして、自分なりの心温まるウォームビズを模索していきたいものです。

 ちなみに、ウォームビズの環境省サイトには、流通・小売をはじめ、ウォームビズに賛同する企業や団体が多数掲載されています。しかし、具体的にどの店でどのような売られ方(提案)がなされているのかまでは載っていません。新たに買い揃える必要がある場合は、自分の足と目で店頭で確かめるのが現実的なようです。12月から本格的なウォームビズシーズンに入ります。ですが、クリスマス商戦も本格化するので、店頭でウォームビズという表記やロゴにはまずお目にかからないかも知れません。もし見かけたら、よく品定めしましょう。

 オフィスシーンばかりでなく、外出時(移動時の公共交通、会食に利用する飲食店など)でも、着用しているウォームビズが活かされるかどうかもポイント。せっかく暖房温度を抑えるような格好をしていても、オフィスを離れたとたんにそれが無意味になってしまうようでは、看板倒れです。飲食店では、できれば着たまま入れるような温度設定になっていることが望ましいでしょう。脱いだり、着たりができる分にはまだいいですが、荷物置きが不備だったりすると、脱ぐに脱げず、ウォームビズを着たままの我慢大会のようになってしまいます。

 なお、環境省では、ウォームビズに乗じて、冬期(12月から3月)の民間企業オフィスは設定温度20度(官庁は19度)の実践を徹底する考えを示しています。ただし、室温差や体感温度差はどうしても生じてしまうので、自分で温度を測定しながら、適正・快適な着こなしを心がけるのがいいでしょう。ウォームビズを着たら、温度計も携帯!です。


  • 追記

    • チームマイナス6%のホームページ中、環境省がまとめた「WARM BIZ ポイント集」(PDF)というのがあり、着こなし方の他にもオフィス生活での工夫など細々と要領が出ていて、参考になります。ただし、ここではスタイル面のポイントが中心。例えば、ウォームビズをどのように買い揃えるか、いや買わずに済ます方法は、といった入門的な情報については残念ながら見当たりません。

    • 食べ物や飲み物を通したウォームビズや、省エネライフを含めたウォームビズも提唱されていますが、本稿では、あくまで衣生活の観点から、ウォームビズを紹介しました。

  • こちらもどうぞ ⇒ 温暖化防止に関する話題

第5話 列島縦横エコリレー in 東京 / 第6話 エコリレーのフィナーレと市民環境フェスティバル御池 / 第40話 待機時消費電力 / 第58話 水曜クリーンキップ / 第81話 水曜クリーンキップ2001 / 第112話 家電品の省エネ性 / 第144話 打ち水大作戦 / 第157話 家電品の省エネ性 2004 / 第191話 打ち水会場を探して

 

 


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