随筆「東京モノローグ2002」(11−12月期)
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第127話 「エコプロダクツ」レポート / 第126話 埼京線、南へ / 第125話 丼 / 第124話 看板類の誤記・誤用など

第127話 「エコプロダクツ」レポート(2002.12.15)

*「東京モノローグ」をご覧の皆さんでしたら、少なからずご存じでしょう。今回は「エコプロダクツ」のレポートです。

 例年より1週間ほど早く、12月上旬の開催となった「エコプロダクツ」。開催2日目の12月6日(金)、前回第126話でお伝えしたりんかい線に乗って颯爽と馳せ参じるつもりが、開業早々のトラブル(信号機故障?)に見舞われ、ダイヤが大荒れになってしまい、ヤレヤレ状態。国際展示場駅にやっとこさ着いた他の乗客もサエナイ表情である。おまけに追い討ちをかけるように切符の精算はごった返し&長い列。せっかくのりんかい線ブランドがこれでは台無しだろう。

 12時前に何とかたどり着く。4回目にして初めて、今回は出展者ではなく、純粋に来場者としての見学である。

 以下、記事調に綴ってみることにする。(なお、本稿の一部は「EnviroAsia」にも掲載される予定です。あわせてご一読ください。)


  • 12月の風物詩として定着

 1999年に開催されて以来、今年で4回目を迎えた「エコプロダクツ2002」が、12月5〜7日の3日間、東京都江東区有明にある「東京ビッグサイト(東棟)」で開催された。何かと気ぜわしい12月だが、環境月間でも省エネ月間でもない時期だけに、企業の環境部署等、出展者としてはむしろ対応しやすいところ。出展者側も恒例行事として受け止めているためか、年々洗練され、グレードアップしていく印象を受ける。

 「エコプロダクツ」は、「環境」をテーマとした展示会としては国内有数の規模を誇る。他の環境イベントと異なる点は、地球環境への負荷や影響を少なくすると見込まれる製品やサービスの「総合展」であること。特定の技術やトピックスに照準を当てるのではなく、出展する企業や団体が、自薦する展示物を思い思いにPRできるため、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさがある。

 出展者数は約370。家電や日用品、オフィス機器、自動車などの一般消費財から、各種素材、住宅関連、エネルギーなどの産業財まであらゆる分野の「エコプロダクツ」と、各種環境配慮型サービス、そして環境ビジネスの出展が一堂に集まる。会場内は概ね分野別に分かれているため、目的を持った来場者にとっては歩きやすいだろう。

 一つ間違えれば単なる新製品フェアになってしまうところだが、全体的なコンセプトの中に「一般・若年層への普及啓発、消費者と生産者の環境コミュニケーションを深め、教育の実践の場を提供することも本展の重要な目的」とあるため、商業面一色になることが抑えられている。社会貢献やレスポンシブルケアなど、マインド面を伝える展示を多く見られるのも特徴的。


  • 経済産業省カラー?

 過去3回は環境省が企画面でリードしていたようだが、今年は一転して経済産業省色が濃くなった。会場入口の企画展示では、エネルギーや新技術など、重厚な展示がメインで、環境配慮を工業社会の延長で考える?!同省「らしさ」を感じてしまうのであった。(会場入口だからこそ、環境と経済の新しい関係性を示すものや、ワークシェアリングやスローライフ等のこれからの生活提案のようなものがあってもいいと思うのだが。) 昨年まで前面に出ていた、一般生活者になじむ展示が会場奥に追われるような格好になってしまったのが甚だ残念。12月は温暖化防止月間なので、その趣向の企画展示があっても良かったかも知れない。

 会場全体を通して見ても、経済産業省のテコ入れか、産業振興的な出展が多く、企業連合体や各県の組合・協議会といった共同出展が目に付いたのが特徴。常連出展者が多いながらも、会場全体の見栄えに変化があったのはそのためと思われる。

 しかし、経済産業省ルートによる声かけが奏功してか、りんかい線(東京臨海高速鉄道)のダイヤ不調、気温の低さ、雨天といった悪条件にもかかわらず、過去3回でなかなか達成し得なかった、3日間の来場者累計10万人突破(末尾参照)を今回果たしたのは特筆されるところである。


  • 今回の特徴など

 音や映像で来場者を極度に刺激する展示会が多い中、本展「エコプロダクツ」は比較的穏やかに見て廻れる催しの一つ。派手なパフォーマンスやステージングは少なく、コスチュームも上品。特に常連出展者の弁えを感じる。そのため、この手の展示会ではおなじみの「写真家諸兄」がウロウロ&パシャパシャしていないのも安心ポイント。「環境」がテーマである以上、快適な会場運営も必要条件として加味されて然るべきなのである。

 表立った資料配布や景品ばらまきが減ったのは、出展者の自重もあるだろうし、不況を受けてのことかも知れない。もっとも、いくら環境配慮型であっても、来場者をプロダクツまみれにしてしまうのは考え物。過去の反省もあったのだろう。今回は景品類の配布は少なくなったようだ。
にぎわう「環境NGO/NPOコーナー」
 代わりに、オシャレな配布物(PR誌)が増えた。NGO/NPOが配るものにもセンスの良いものが見受けられ、ブランド戦略がNGO/NPOにも広がっていることを感じた。隅の方で肩身の狭そうな感じのNGO/NPOコーナーだったが、それが逆に発奮材料になったようだ。大学サークル系の出展も増え、若い人達の活気を感じる一角だった。

 今回は、展示会の「エコ化」(展示会のゴミ減量・再資源化を推進)と「ゼロエミッション化(無駄の出ない展示装飾や、リサイクル可能な材料の使用、廃材の分別とリサイクル化)」という文言が前面に出てきた他、会場内の電気供給を風力発電による電力認証に基づいて行うなど、展覧イベントの新しい形が提案されたのも大きな特徴と言える。(それが目で見て実感できるようになっていなかったのが惜しい。)
アグリファニチャーの展示
 「光触媒」「ステークホルダー」など、キーワード性の高い言葉が大きく展示してあるのも目立った。実物展示では、ヒマワリの種ガラを使った机やイス(アグリファニチャー)や携帯電話を使った地域通貨などが目を引いた。

 また、国内大手電機メーカーが「コラボレーションプラザ」というコーナーに集まり、共同アトラクションを展開していたのも目に付いた。日本IBMは外資系のためか、このコーナーとは全く外れた一隅で、eビジネスに特化した出展をしていたのがかえって印象的だった。

 小・中学校の「総合的な学習の時間」のサポートとなるような見学ツアーや出展者へのインタビュープログラムなどは好評。約1,400名の児童・生徒を受入...とのことだけあって、確かに随所でこどもたちを見かけた。単なる社会科見学とは異なり、社会の一端を実感できる訳で、こどもたちの自発性を促す取り組みとして意義深いと思う。

 「エコプロダクツ」の波及効果は検証しにくいが、そのフィードバックは何らかの形で次回の「エコプロダクツ」に反映されるだろう。来年2003年12月の「エコプロダクツ」はどのような展開を見せるだろうか。

===レポート、ここまで...

 出展者の方々には知り合いの方もチラホラいらっしゃるので、いろいろと話ができるのもこの展示会ならでは。これまでは出展者側だったので、会場全体をゆっくり廻ることが難しく、なかなか話をする機会もなかったのですが、今回はある程度時間をいただき、お話を伺うことができました。(どうもおじゃましました。) 「 」書きでお話を紹介したいところですが、また長くなってしまうので、いったん筆を擱きます。ではまた、来年!


【参考情報】

  • 公式サイト ⇒ 「エコプロダクツ2002

  • 来場者数:
    12月5日(木):34,313人 / 12月6日(金):39,541人 / 12月7日(土):26,629人 ⇒ 累計:100,483人
    *2001年入場者数:88,604人 / 2000年入場者数:67,838人

  • 名称:地球と私のためのエコスタイルフェア〜エコプロダクツ2002(第4回)

  • 会期:2002年12月 5日(木)〜 7日(土) 10:00〜17:00

  • 主催:(社)産業環境管理協会、日本経済新聞社

第126話 埼京線、南へ(2002.12.1)

 営団地下鉄南北線の南進・北進については、第86話などで綴ってきた。南北線の動向と競うような動きを見せていた埼京線だが、南北線の南進に遅れること2年2カ月。ようやく池袋〜大崎までが埼京線でつながった。田端〜品川の山手線東側は、京浜東北線が日中は快速運転になるので、限られた時間ながら南北間の移動は容易だが、山手線西側の南北移動はこれまでちと不便だった。この埼京線の並行運転で、西側の南北間の移動はさらに楽になり、池袋・新宿・渋谷の三都心に向かう人の流れもより勢いづくだろうと思われる。(こうなると、この部分は埼京線というよりも、山手新線という感じ。)

 第74話でも書いたが、当初、埼京線の延伸計画では、渋谷の次は、目黒・五反田・大井町、という停車駅案もあったようだ。それが全く逆転し、恵比寿と大崎が優等列車停車駅になってしまったのだから予断を許さない。

 これは第109話で紹介した、小田急線江ノ島線の中央林間、湘南台の格上げに似た印象を受ける。後発で駅周辺開発が進んだところの方が、新系統や新列車導入時は有利に働くようである。

 筆者が北赤羽に移ってきて6年と8カ月。埼京線が南に延びることの期待感もあって、埼京線沿線を選んだのだが、恵比寿までは早々に延びてメリットを享受できたものの、その後は本当に待たされた。

 かつての出勤時、恵比寿駅で乗り換えて品川方面に向かう時は実に苦痛だった。ホームが狭いため、階段も狭く、特にラッシュ時の乗換階段での行列には泣かされた。(階段の下に来る車両の扉付近だけ異様に混んでいるのは、乗換階段での行列を避けるためである。)

 逆に帰途にも難があった。恵比寿駅で始発の下り列車を待つのだが、埼京線は昔から大崎が始発駅のようなものだったから、発車時刻の1〜2分前にならないと恵比寿駅に入線してこないのだ。始発駅なのに列車を待たされるというあまり愉快でない事態がこれで解消されることになる。(解消とは言っても、始発列車そのものが解消されてしまう訳だから、これまでの恵比寿始発利用者にとっては痛手だろう。)

 北赤羽駅にりんかい線の車両が行き来するようになるのは夢のよう。特に下り列車は、お台場の潮風を運んできてくれるような気がして、爽快である。

 これまでの埼京線の車両は完全にワンパターン(もちろん、女性専用車両や6扉車など、車両編成のバリエーションはあったが)。井の頭線のようなカラーバリエーションや小田急線のような白やらステンレスやらの多様性は期待できなかっただけに、りんかい線が入って来るのは何ともうれしい話である。

 上りの行先(地図上では下りだが)が豊富になるのがまたうれしい。大井町、品川シーサイドへ一本。天王洲アイルではモノレールにアクセス。そしてお台場の玄関口「東京テレポート」、東京ビッグサイトの最寄駅「国際展示場」、いずれも一足で行けるようになる。運賃が高い点はこの際、目をつぶるとしよう。

 埼京線とりんかい線がつながった初日の12月1日、出遅れたが新規区間の試乗に出かけた。まずは赤羽を12:52に出る快速、新木場行きに乗る。(日中は、北赤羽から新木場へ直通する各駅停車はないので、赤羽で乗り換えた。) 初日なのでいろいろあったのだろう。2分遅れで到着。好都合なことに、りんかい線オリジナルの車両が来たので、ありがたかった。(きっと、見慣れない客が多かったため、乗り降りに円滑さを欠き、遅れたんだろう。)

 初日人気のせいか、何となく混雑している印象を受けたが、いつも通り、池袋で降り、新宿で降り、という客は多く、ただ逆に乗ってくる客も多かったのがいつもと少々異なる程度。こっちは池袋、新宿と下るにつれ、どんどん乗客が増えると見込んでいたので、いささか拍子抜けだった。

 ターミナル駅のホーム先端には、案の定、カメラを持った人・人...。停車中は外に目を遣るとフラッシュを浴びる始末。午後にさしかかっていたのでこんな程度で済んだのだと思うが、午前中はもっと多かったに違いない。運転士の人はさぞ大変だっただろう。

 大崎駅から先は新線部分。どこから地下に入るかとキョロキョロしていたら、程なくしてスッと潜り込んでしまった。2分遅れを引きずったまま、大井町に到着。地下5階分という深さはあまり感じなかった。大井町からは大きな直角カーブが待っているが、あまり曲がり具合は感じさせず、順当に品川シーサイドに。ここから天王洲アイルまでは、今度は北へ向け直線を快走。大崎からここまでたったの7分。どうせならこのまま終点まで乗って行っても良さそうなのだが、新規開業部分の天王洲アイルまでにして、おとなしく引き返すことにした。

 反対側のホームで待っていたら、6両編成の新木場発のりんかい線がすぐにやって来た。何となくガランとしていたが、次の品川シーサイドからは結構お客が乗り込んで来る。この調子で乗客が増えるか、と思っていたら、その次の大井町で、品川シーサイドからの客がそのまま降りてしまったような感じで、またまたガランとした状態に。要するに、品川シーサイド周辺の住民が買い物等で出かける先は、近在の青物横丁(京急)ではなく、大井町だったが、これまで利用していたバスに代えて、今日からりんかい線を使うようになった。そんなことを示しているようだ。(もちろん、品川シーサイドの駅上には、ジャスコをはじめとする新しい商業施設がオープンしたので、わざわざ大井町に出なくてもいい筈なのだが。)

 大崎駅に戻ってきて、じっくり番線の割り振りなどを調べることにした。新たに開設された埼京線などのホーム(5〜8番線)は、方面別に乗り換えできるが、大崎止まりの埼京線が5番線に入ってくると、その隣のホーム(6番線)には新木場行きのりんかい線が待機し、横浜方面からの湘南新宿ラインが8番線に着くと、やはりその隣のホーム(7番線)には新木場行きのりんかい線が待機する、といった乗り換えパターンになっているようだ。新木場方面への乗客の利便性を優先した結果と言えるが、これとは離れた山手線ホームからの乗り換え客は、新木場行きの番線が安定しないから翻弄されるかも知れない。

 乗ってきてわかったことだが、りんかい線のみを往復する列車は6両編成が中心。埼京線との直通は10両編成。これですでに4両分の差がある。さらに、湘南新宿ラインは最長で15両。湘南新宿ラインの先頭や最後尾に乗った客がりんかい線に乗り換えようとすると、15両−6両=9両分も差があるから、うかうかしてると乗りそびれてしまいそうだ。(地下鉄表参道駅の銀座線と半蔵門線の並行ホームだが、ここも車両数に大差があるので、誘導案内が大書されている。)

 それにしても、大崎駅からの下りの行先の多様なこと(↓)。京成線高砂駅の西方面(金町・印旛日本医大・京成本線の3方向)を想い起こさせる。

 さて、今回の埼京線の大幅ダイヤ改正が駅構造に如実に反映されているのが新宿駅である。11月30日まで、

 ↑こんな感じで入り組んでいたのが、12月1日から、

 色分けした形でスッキリ表示されるようになった。湘南新宿ラインは、(南へ向かう)国府津や逗子行きは全て1・2番線、(北へ向かう)籠原や小金井行きは全て3・4番線にすっきり分かれたようだ。ただし、大崎駅同様、車両編成にバラつきが出るので、15両が来ると思って、ホームの端っこで待ってたりすると、10両編成の埼京線やりんかい線に乗りそびれる、なんてハメになる。注意したい。

 上りと下りの区別が確かに明確にはなった。しかしながら、埼京線下りの始発列車は相変わらずあっちこっちの番線から出るようで、この時も大崎方面の1番線に大宮行きの始発列車が入っていた。また、成田エクスプレスは渋谷方面に走るので1・2番線に来そうなものだが、上り・下り問わず、3・4番線が成田エクスプレス用に供用されているのは以前と同じ。完全にスッキリさせるには始発専用のホームを作るなどしないとダメそうである。

 今回の埼京線+りんかい線の直通によって、最長路線は川越〜新木場に。新木場から西、京葉線に直通させれば、正に首都圏大動脈になるのだが、そうはならなかった。例えば新宿と海浜幕張を往復する通勤客がいるとする。【新宿−(中央線)−東京−(京葉線)−海浜幕張】のJR線経路の定期券があれば、【新宿−(埼京線)−大崎−(りんかい線)−新木場−(京葉線)−海浜幕張】の経路をタダ乗りできてしまうことになる。直通運転すると、りんかい線部分のチェックが働かないので、同線の定期券収入が減る、とかの理由で見送られてしまったそうな。お台場で途中下車できる魅力が上回れば、正しい経路で定期券を買うと思うのだが、何だか性悪説を前提にしたような話で配慮に欠ける。仮に直通運転することによる経済効果の方が、りんかい線の巨額負債を上回ることになるなら、ここは政治的判断を以ってしても実施すべきではないだろうか。新宿からディズニーランドや幕張メッセに一発で行けるとなれば人の流れも大きく変わると思うのだが。(幕張からお台場や天王洲アイルにアクセスできる意味も小さくなかろう。)

 第115話では乗降駅数が1200を超えたことをお伝えした。その後も着々と駅数を増やして、11月17日までに1240駅まで到達した。今回のりんかい線の新駅となる、大崎、大井町、品川シーサイドも早く加えて、年内には1243駅にしようと思う。


  • おまけ...

 第124話(番外)で記した所要時間(分)の表示だが、今回めでたくリニューアルされて、このようになった(⇒ここをクリック)。通勤快速と快速の所要時間のねじれは変わっていないので、やはり戸田公園で乗り換えると快速の方が速い、ということなのだろう。

第125話 (2002.11.15)

 どんぶり屋について書いたのは、随分遡って、第39話でのこと。だが、どの駅にどんなお店があるかを記しただけなので、どんぶりの種類や傾向については触れなかった。そこで今回は、第78話の「中華まん」と同じような趣向で、丼のバリエーションについてご紹介しようと思う。(第78話の末尾を見ると、「バリエーションを調べると面白そうなネタは他にもある。おにぎり、寿司、菓子パンは言わずもがな、クレープ、大判焼、ハンバーガー、それにスパゲッティ、ピザ、カレーライスなどなど」なんて書いていたのに、すっかり後回しになってしまった。)

 第39話から早いもので3年半経っているので、通勤ルート上のどんぶり屋さんも程々に変化している。第114話では地元赤羽のどんぶり屋出店状況について記したが、もう一度おさらいしてみよう。その後の経過を書き出しながら、気になるメニューをスポット的に挙げてみることにする。

※一般的な丼(メジャー系?)と考えられる次の丼(→牛丼、カツ丼、天丼、かき揚げ丼、親子丼、玉子丼、他人丼、やきとり丼、唐揚丼、ステーキ丼、カルビ丼、カレー丼、開化丼、海鮮丼、ネギトロ丼、づけ丼・鉄火丼、いくら丼、うな丼)は除く。また、漁港近くの地元店特有の(ご当地)海鮮系、冷凍食品やコンビニ系の変種も除外。あくまでフランチャイズ店での異彩メニューに限ることにする。


【表参道〜渋谷】

 宮益坂の脇道にあった「石焼ビビンパ」が閉店。宮益坂の途中に「松屋」がオープンした影響か。


【原宿〜代々木】

 自転車通勤ルート上の北参道交差点の近くに、「どんどこ丼」なるどんぶり専門店ができた。ここは変り種が多く楽しめる上、値段も650円(税込)で均一なので、利用しやすい。

⇒青椒肉絲、角煮、いわし唐揚げ、などがある。他にも季節限定で意外な丼が現われる。


【新宿】

 代々木駅の無料駐輪場を使うようになってからは、新宿駅のどんぶり屋に立ち寄ることも少なくなった。と言うより、どんぶり屋そのものが減っていて、第78話で登場した「どんどん」は閉店、「たつや」も不明という状況。その代わりに、北口にしかなかった「すき家」が、これら廃店の延長線上に新しくできて久しい。(ここはたまに利用する。) 「すき家」のおかげで、「どんどん」と「たつや」が振るわなくなってしまったのだとすると、どんぶり屋業界の熾烈さがわかる。余談だが、この界隈にあったビックカメラのパソコン館(ビックピーカン)も店を畳んでしまった。連鎖反応とは思えないが...。

⇒「すき家」は、牛丼にいろいろ乗っかるのが特徴だが、ハーブチーズ牛丼は出色である。


【十条】

 特に変化なし。どんぶり屋ではないが、大戸屋が新しくできた。


【赤羽】

 第39話当時はまだなく、出店が望まれていた吉野家が赤羽駅南口構内にオープン。連日連夜、大繁盛である。「王様の丼」はCS難のせいか、案の定なくなってしまった(今はしゃぶしゃぶの「温野菜」)が、南口に「ペッパーランチ」が、北口「なか卯」の先には新たにダスキン系の「ザ・丼」がオープンした。(ちなみに、十条に先行して、大戸屋も開店している。)

 「ザ・丼」は天井の換気設備の設計ミス?から、換気口からハエが出てきて、非衛生極まりないことが多かった。他にも受難な事態が目立ったので、ある時、ダスキン本部経由で、申し入れのメールを送ったところ、早速に店長さんが留守中にやってきて、お詫びと改善策の文書と名刺を置いていかれた。その迅速さと誠実さが奏功し、今ではすっかりいいお店になり、そこそこ流行っているようである。こうした丼の専門店があるからこそ、今回のような「どんぶりネタ」も書ける訳で、気になる点があったら、正してもらって、お店を続けてもらうに超したことないなぁ、などと改めて思う。

⇒海鮮丼が充実している「ザ・丼」だが、かつお丼(ただし初夏限定)、さけとろ丼などがオススメ。人気ランキングは、「1.ねぎとろ丼」「2.カツとじ丼」「3.カニツナ丼」「4.イクラねぎとろ丼/親子丼」「6.山かけねぎとろ」ということだが、こうした定番を除くと、海鮮系の具をベースに、玉子や山かけを組み合わせて何とかバリエーションを確保しているような感じ。


【その他】

  • あさりをベースにした深川丼は有名だが、品川にも非定型ながら品川丼がある。(詳細はこちらを参照)

  • 池袋駅北口にある軽食店「みかど」は、丼メニューが豊富だったが、最近になって、きのこ丼、にしん丼が廃止になり、ありきたりになってしまった観がある。(深川丼を最初に食べたのは確かこの店だったが、利用したのはその一度きりである。なぜかご縁がない。)

  • お台場のアクアシティに、どんぶりと流行のDELIを組み合わせた品を出すお店がある。丼飯にエビチリや豚しゃぶ&揚げナスを乗っけるなんて、いかにもお台場っぽい?


 「中華まん」程のバリエーションは発掘できなかったが、今回はひとまずこんなところで。お次のネタはいつになることやら...。

第124話 看板類の誤記・誤用など(2002.11.1)

 街における素朴な疑問を画像で紹介するコーナー。第103話では、自転車走行時の頭の高さの障害物について考察したが、今回は街のそこここにある掲示や看板類における表記(誤用・誤記等)について。

 とかく文字が氾濫している街中ゆえ、全てが完全な表記、という訳にはいかないのは仕方なかろう。前々からちらほらと気にはなっていたが、まぁ許容範囲か、ということで「東京モノローグ」ネタにしようという心づもりはなかった。しかし、代々木〜神宮前の自転車通勤を再開してから、不思議と目に付くようになったので、通勤ルートを中心にここ3カ月程で何となく撮りだめしてみたら、ひとまず20件、事例が集まってしまった。出し惜しみしてもしょうがないので、今回はこれらをまとめてご紹介することにした。(PCのトラブルで掲載が危ぶまれたが、デジカメ画像は別にとっておいたので、何とかなった次第。でも今度はwebサーバのトラブル?でFTPができず、掲載が3日遅れてしまいました。w(-_-)w)

 調べている中で思ったのは、総じて都心から離れる程、また人の目に触れる機会が少なそうな場所柄になる程、誤記・誤用や曖昧な表示が増えるようである。つまりその情報の鮮度が保たれている(保つ必要がある)場合はきちんと表記されるが、鮮度が求められないものは最初からいい加減か、古いまま更新されない、ということなんだろうと思う。(これは各地を旅行する中で感じてきたことでもある。とは言っても、旅先でそうしたものを撮り集めてきた訳ではないので、あしからず。)

 誤表示と言っても、いろいろなタイプがある。タイプ別に事例を並べてみよう。(★は通勤ルート上で見つけたもの)

ご注意)

画像は全て別画面になります。タイトル部分をクリックして参照いただき、本文へは[戻る]ボタン等でお戻りください。お手数かけます。


1.明らかな誤字・脱字

 都内であれど、埼京線にはローカル区間(?!)があって、十条駅の看板には、こうした誤記が平然とあったりする。これでは折角の定評が台無し? (誤:道り →正:り)

 売場面積日本一を誇る東武百貨店本店がこの状態では... 太陽光の採光システムだそうな。珍しい品なので、担当の方もあたふたしてしまったのかどうか。

 よくありがちな誤記(正しくは撤去)。主語がないのも減点か。消火栓の前でもあるので、「徹底してどかす」という強い意思の表れかも知れない。


2.紛らわしい表現、意味不明な表現

 北赤羽駅(赤羽口)を降りると目の前にあった、JR直営のコンビニ「NEWDAYS」に貼り出された閉店予告。この「□に/」で「マス」と読ませる表現は、下のらーめん店「MASU・MASU屋」と同じ。(近い時期にこの2つのマスを見つけたので、流行現象かと思った。)

...ちなみにNEWDAYS閉店後に新しくできたのは、ありがたいことに99円ショップ(しかも24時間営業)で、結構お世話になっている。

 豊島区役所の近くにあるらーめん店。読み方が併記してあるものの、面食らう(麺食らう?)人も多いだろう。

 新宿駅西口、カメラ店が集中するエリアにある。まぁ「□に/」よりはいいか。

 この横断幕にお目にかかるのは、この地図「+」で示した地点。ロイヤルホストとAPETITOは、実に400メートル先にある。すぐ近くとはよく言ったものである。

 筆者地元の北赤羽に「赤羽営業所」ならぬ「池袋営業所」がある。池袋の方が商売になるのだろう。狛江市にあるのに「成城」を語るのに似ている?

 JR新宿駅南口改札前にあるインフォメーション。○に?は、国土交通省で決められた「標準案内用図記号ガイドライン」に従うものなので、表示自体はいいのだが、シャッターがしまっていると何とも意味不明である。「?」が大書されているので、「一体このブースは何でしょう?」&「何が出てくるかお楽しみ!」といった魔法の箱のように見えてしまう。図記号ガイドラインを知らない人には、興味津々と映るか、おっかなびっくりで遠巻きにするか、だろう。

 目的語がないので、一体何にご協力なのやら...

 車庫=駐車スペースのはずだが、車庫で駐車禁止というのはどういうつもりだろう? 「車庫につき、出入口では駐車禁止」とすべきか。

 左から読むと、すしおけい。横書きで読むと、すおしけい。「し」の字がまた風流なことで。


3.メンテしていない表記

 この手の色落ちはよく見かけるが、打ってつけのように文字が変わってしまっているのが面白い。

 銀行の再編は今に始まったことではないので、きっとあちこちに旧行名が残っているんだと思う。


4.統一感のない表示

 午後と午后、1時と13:00...どっちかに統一した方がいいような。先生ご自身の心象がどうなってるのか気になってしまう。

 表看板は「カメイ」、横の表示は「カメヰ」。昔はヰだったけど、後で普通の表記にしたんだろう。両方そろえれば良さそうだが、古くからお店をやっていることを示したい、という店主の気持ちもわからないではない。


5.読めない、読みにくい

※フランス語、イタリア語等、外国語表記をそのまま店名にして、ルビが併記していないケースはあまりにも多いので、ここでは見送ります。

 送り仮名が不十分なので、「責任を負けかね」とも読めてしまう。きっちり「責任を負かね」にしたいところ。(ちなみに、前述の「おけいすし」「車庫につき」の事例はここの近所。類は友を呼ぶのだろうか。)

 O(オー)が重なっているので、BOTEIに見えてしまう。

 「周之家」も読みにくくて困ってしまうが、その周之系列の鉄板焼き屋さんはもっと難解。「あか・くれない・べに・コウ・ク」と「ひ・び・カ」の組み合わせになるので、何通りでも読めてしまう。店名が読めなくては、待合せはもちろん、宴会などでも使えない。名前を覚えてもらうという商売の基本はどうなってるんだろう。

 "QUOI"を「クワ」と発音できる人はいいが、カタカナだけ見ていると、「モンペトクク」とも読めてしまう。


*番外

 快速は戸田公園で乗り換えられるから速いが、通勤快速は武蔵浦和まで行かないと乗り換えられないから、武蔵浦和以北の駅への到着は、快速より通勤快速の方が遅くなってしまう、ということらしい。こうした逆転現象はどこかに注釈を付けないと理解されないだろう。(12月1日にりんかい線と相互乗り入れする際、これも書き換えられるとは思うが)


 雑誌や新聞等、紙媒体における誤記・誤用については際限ないので、取り上げようとは思わないが、最近では、

  • プレジデント誌

⇒2002.7.1号では、「大失敗」のメカニズム特集(p.50〜)ということで、一橋大学大学院の野中教授と、ご存じ「失敗学」の権威、工学院大学の畑村教授の対談が載っていた。あろう事か、お二人の写真の紹介が堂々と逆になっていたのには驚いた。まさに大失敗である。(これも演出か?)

  • ぴあ

⇒創刊30周年を機に誌面構成が新しくなったが、気負いすぎたせいか、巻末の方に移ってきた新譜CDの紹介ページの見出しの一つ「ALBUMS DOMESTIC=アルバム国内アーティスト」が「海外アーティスト」になっていてビックリ。7.8号(p.282〜)参照。

 といったとんだ誤りを見つけた。ライフサイクルが短い媒体であっても流通量が多ければインパクトはある。細心の注意が払われているはずだが、こういうこともあるのである。その場所に固定される掲示や看板類は、こうしたマス媒体ほど、人目に触れる量は少ないかも知れないが、ライフサイクルが長いことを考えれば気は抜けない。曖昧さを排し、限りなく正確に表示することを心したいものである。(直しが利くのだから、気が付いた時点ですぐに改めるのが筋でしょうね。)


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