第257話 外食におけるアップダウン(2008.5.16)
値上げだ、サービス低下だ、と特に4月に入ってからはその声が益々高まってきた観はあるが、サービス低下、いやもともと付帯的にサービスしていたものを減らしたり止めたり、ということであれば、すでに一年前から始まっていた。ヒタヒタと兆候は表れていた訳で、原料高騰、原油高騰で一気に、というのは見方としては一面的。サービスの低下例は外食産業で顕著だったこともあり、日常生活で多少なりとも外食にお世話になっている人であれば、その予兆に気付いていたであろうし、おそらく一年前、またはそれ以上前から来るべき状況に備えてきたのではなかろうか、と思う。買いだめ騒動などを見聞きしないのは、それだけ市民が冷静に変化を受け止め、対応してきたからだろう。値上げ自体は事実だが、あれもこれもというのは騒ぎ過ぎのように思える。
4月時点での値上げをはじめとする生活面の変化などについては、こちらの拙筆記事に譲るとして、ここでは多くを書くつもりはないが、その外食産業におけるサービスダウン&価格アップ等についてはここらでまとめておこうと思う。急なものも含まれるが、傾向は前々からあった、というのがおわかりいただけるかと。(筆者としては、サービスの今後の回復・好転を見定めるためのメモのようなもの。あくまで一例。) *店名50音順
もともとお安いので、とやかく言うものでもないが、一部店舗ではお昼に「日替わり丼」のサービスがあった。これがなくなる(並行だったか)と、大盛・特盛の無料サービスが現れるも、今はそのサービスもなくなってしまった。(都内某店の話)
ちなみに、埼玉県某店では、左写真のように「大盛り・特盛り無料!」は、まだ続行していた。県境を越えてみないとわからないこともある。
Sガスト同様、安さがウリだが、価格設定が各店で異なり始め(いつ頃からかは不明)、今は全般的にベースアップされた模様。ただし、田端店のモーニングメニューは以前から、板橋駅前店と比較して軒並み+100円で、ビックリしたことはある。山手線圏内価格とかがあるのかと思ったら、同じ頃、水道橋店は板橋と同じ。田端は今いったいいくらになってるのか、大いに気になるところである。
田端店では、モーニングプレートセットAが2007年11月時点で、税込504円だった。(上からシールを貼ってあるところが少々怪しげ) |
*ちなみに、メニューページを見ると、下記文言が付されている。
(店舗により「メニュー内容/価格」が異なる場合がありますのでご了承ください。)
モーニングプレートセットA(スクランブルエッグ)380円(税込399円)... |
ここ1〜2年での変化がいろいろ。付帯サービス過剰?と思えるくらいだったので、それが収まっただけかも知れないが、ぐるなびのクーポンが使えなくなり、ホットペッパーのクーポンも使えなくなり、4月からは遂に価格改定、である。イブニングカレー290円(今は新宿本店のみの取扱)というのは破格ではあったが、一気に350円というのもちょっと... 価格にかかわらず、カレー一皿につき一枚もらえる共通サービス券(例:10枚でポークカレーがサービス)は継続中なので、よしとしなければいけないだろう。
↑かつては、このような簡易クーポンも出ていた。 |
共通サービス券とは別に、時々「トッピングサービス券」をもらえるのも同店のいいところ。モーニングカレーB(オムレツ)に、そのトッピング2種を乗せるとこんな感じに。 |
池袋のメトロポリタンプラザ店では、ランチタイムでも小ビールがいただけて大変ありがたかったのだが、さすがにこの4月からはNG。提供時間が変更となった。(それでも、500円相当のビールが無料、というのは天晴だろう。) ちなみに、ぐるなびクーポンを見つけた当初は、グラスサイズこそ小なれど、好きな銘柄を選べたし、土日もOKだった。年月をかけてサービスが後退していくのは言い知れぬ哀感がある。
↑今年3月にプリントアウトしたクーポン部分はこの通り。「ランチタイム(11:00〜16:00)不可」といった表記はなし。 |
これが無料というのはやはりスゴイと思う。 |
実施店舗はかなり限られているが、ドリンクバー付き日替わりランチを提供する店がある。ある店では500円のところ、600円に。またある店では600円のところ、中止に。変わらないのはモーニングメニュー(これも店舗限定)くらいか。
前身はすかいらーくガーデンズ。その当時は不明ながら、J's
GARDENになってからは、一部店舗ではモーニングビュッフェをお手頃価格で扱っていて、これが実に良かった。一年前はまだビュッフェを楽しめたのだが、今はもう... (朝食メニューのグレードは価格の割に上々だと思う。)
知る人ぞ知る(?)パスタ&カフェ店。価格上昇前はよく通っていたが、今はサッパリ。最もおトクだったパターンは、ぐるなびクーポンでお好きなドリンクをつけてもらい、均一料金609円(税込)でLLサイズのパスタを注文し、ダブルスタンプ(月曜来店時)を押してもらう、というもの。スタンプは10回分でパスタ一皿サービス(M、L、LL サイズ不問)なので、月曜に5回行けば1回分無料になるという、今にして思えば途轍もないサービスだった。これがサービスダウンしていき、(1)ぐるなびクーポンの対象ドリンクが限定→そのうちクーポンも廃止、(2)価格改定により、609円が680円に(サイズ不問は継続)、(3)価格改定に合わせて、スタンプも10回分から20回分に?(よく見たら1枚で20回分貯められるようになっていただけ・・・つまりペーパーレス)と何とも激しい。その後どうなっているのやら、見に行くのが怖いくらいである。
←2007年6月はまだこのようなクーポンが存在した。(これが最後だったか) |
↑かつてお世話になったポイントカード(10スタンプたまれば、一皿無料!) |
2007年10月、店頭には「価格変更のお願い」が...(パスタの価格はまだ609円) |
2007年11月、予告通り680円に(看板もリニューアル) |
接客に難がある場合が多いので、多くを期待してはいけないのかも知れないが、朝食メニュー以外の定食で最安だった「コロッケ定食」がある日、何でもない時間に「売切」ランプ点灯状態になり、その数日後にはメニューから消え去ってしまった。そのうち500円台の定食メニューはなくなってしまいそうな予感。(おトク感を味わうのなら、朝食メニュー(380円〜)に限る?)
店舗限定なれど、ぐるなびクーポンで50円引きというのがかつてはあった。それがなくなって久しいが、そもそも経営難だったようで、赤羽店はいつしか閉店。他の店舗もどうなることやら...
こうして見てみると、今までの恩恵がそれなりだった訳で、低下とは言えない向きもある気はする。価格が上がり、サービスは下がり...それを承服しかねるのなら、ただ利用するのを減らせばいいだけのこと、とも思う。だが、一年前と変わらず頑張っている店も多々あることを考えると、「では、その差は何か?」と問いたくもなるのである。
頑張っているチェーンの一例としては、安楽亭(一時期、サワーとカクテルの類が無料クーポン対象から外れたが、今は元通り)、バーミヤン(今も昔もドリンクバー105円券はホームページからGET可能)が思い浮かぶ。逆を言うと、この二社が後退局面に入ったら、いよいよ危ない(物価の危機?)ということになりそうである。
外食各店のこうしたアップダウン(価格&サービス動向)を引き続きチェックしつつ、自身の生活防衛に少しでも役立てていければ、と思う。
|