随筆「東京モノローグ2003」(11−12月期)
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第151話 「エコプロダクツ2003」出展レポート / 第150話 東京を大事に... / 第149話 続・割り箸コレクション / 第148話 12時出発、21時帰宅〜今度は非常勤職員

第151話 エコプロダクツ2003」出展レポート(2003.12.15)

 筆者が関わるNPO法人、荒川クリーンエイド・フォーラム。フォーラムとしての体制になってからは、7年だが、荒川クリーンエイドそのものの取り組みが始まってからは、10年目を迎えたので、これを記念して、「エコプロダクツ2003」に出展することにした。

 エコプロ1年目・2年目は、グリーン購入ネットワーク、3年目はNEC、いずれも出展者として参加。4年目は初めて一参加者として出て(第127話参照)、5年目の今年は、小さいながらも1ブースの総括担当としての出展である。エコプロ経験者ということで、とりまとめをさせてもらったが、単なるスタッフ一員として出るのとは大違い。実にいい経験になった。出展申込をしたのが、8月末日。それからの3カ月余りは、クリーンエイドの一斉開催を挟んで、出展に向けての準備(パネル制作、閲覧用資料作成を含む)に勤しんだ。クリーンエイドそのものも記念行事的な側面があるため、実施マニュアルの整備、調査カードの見直し、参加者を少しでも増やすための広報の工夫、ホームページでの情報の拡充等々、時間を割いてきた。いろいろと手を加えた成果が、そのままエコプロダクツでの出展に活かせれば、という思いもあり、先を見据えての作業である。おかげ様で成果は上々で、荒川クリーンエイドの取り組みを訴求力のある形で展示・紹介することができた。NGO/NPOは出展料無料というのが大きかったが、こうしたきっかけ・機会(活動紹介の場)というのは、成果物をまとめる上では実に有効。ISO取得やNPO法人格取得など、決まった目標があると、その成否に関わらず、事業やシステムの見直し&棚卸が進むというのがよくわかる。

 さて、エコプロでの出展を終えると、その翌日は、記念報告会。ドタバタモードではあったが、エコプロでの制作物・閲覧物・配布物をそのまま持ち込む形(写真はゴミの実物展示例)をとることができ、一連の周年行事を集中的・効率的にこなせたのは良かったと思う。エコプロの開催前日は、朝から晩まで搬入・装飾等の準備。その12月10日から、報告会&パーティー開催日の12月14日まで、荒川クリーンエイド漬けの5日間(非常勤職の方は、予めシフト調整済み)。この間の平均睡眠時間は4〜5時間だったが、充実していたので苦にならなかった。手前ミソながら、自発的使命感というのがいかに大事か、改めて思う。(ご関係の皆様、おつかれ様&ありがとうございました!

 以下、「エコプロダクツ2003」出展レポートを綴ります。ご参考まで。


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_/ 荒川クリーンエイドの出展概況
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  • 出展日時:2003年12月11日〜13日(木〜土) 3日間とも10〜17時

  • 出展位置:入口を入ってすぐ、「NGO/NPOコーナー」の”N-45”番

  • 出展内容

項目

パネル例

 10年間の活動成果(データ集)

10年間で集めた散乱ゴミの総計(ワースト21) 10年間の参加者数推移

 クリーンエイドの実際

2003年(秋)に収集した散乱ゴミの区分別割合 荒川クリーンエイドって?

 ゴミを資源にするための提言

エコプロダクツと容器包装ゴミ

 荒川下流域で収集したゴミやレジンペレットの実物展示

干潟で見つけた散乱ゴミの例 

 東京ビッグサイト近くで採取した海水の水質調査

東京湾 海水の水質調査 

 荒川下流域の市民活動の紹介

荒川をきっかけにした地域の活動の積み重ね

 荒川の概要紹介

荒川流域図 ヨシ原の生き物

 こどもたちとの活動紹介

こどもたちとともに

 その他

  • 代表的な写真パネルの展示

  • 報告集・ニュースレター・プレゼンテーションスライド・関連図書等の閲覧展示


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_/ 3日間を通じての成果、感想など
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 *注)CAはクリーンエイド(Clean Aid)の略。

  • 時間をかけて説明した人の数は、概ね、スタッフ1名につき、1時間あたり3〜5名。単純計算では、平均7名×7h×3日で、約150名の方々に対し、じっくり説明させていただきました。(応対していると、人が人を呼ぶ状態になり、時に説明員不足に。)

  • 荒川CAの名前を知っていて、訪ねてくださった方が結構いました。(知人から伝え聞いた、という方も。)

  • きちんと見学していただいた方は、一様に感心されてました。「スゴイ」「広がりを感じる」「地道」「うらやましい」等々、評価をいただきました。

  • 学生さんなど、若い人は皆さん熱心でした。若い人ほど、ふだんからホームページをマメに見てくれているようでした。ありがたいことです。

  • ゴミ、水、生き物をキーワードに訪ねて来られる感じでした。企業・行政・市民の別とは関係なく、その人自身の関心に応じて、見学されてました。

  • 市民活動に理解がある(または活動している)企業関係者が増えてきた印象を受けました。(話が通る人が多かったので、こちらがビックリでした。) 人生論に及ぶ展開もありました。

  • 話をする時間が長かったのは、他の河川(利根・江戸・相模・酒匂・鶴見など)で活動されている方、荒川流域か近場に住んでいる方、水に関する事業に取り組んでいる方、が多かったです。情報交換・情報共有ができて、有意義でした。

  • 「ここに来ればわかってもらえる」といった苦労談・体験談も多く聞きました。出会いや共感の場としてのブース出展の重要性を感じます。

  • 立ち止まってしばらく眺めている人は、何らかの関係がある方々ばかりでした。何気ない人でも話をしてみると、接点があることがわかり、荒川の懐の深さを感じました。

  • あとは、荒川に関する情報がほしい方、地域で貢献したい方、CAと同じ取り組みをしたい方、流域や地域で交流したい方、講師派遣を希望する方などでした。

  • 荒川CAでお世話になっている企業では、ダイエー、マルエツ、トンボ鉛筆の方にご挨拶させていただきました。

  • その他、環境NGO/NPOの古くからのご関係各位、元職場(GPN、NEC、EPO/GEIC)の皆さんなど、多くの方々にご挨拶方々お目にかかれ、いろいろとお話できました。常時、ブースに張り付いていて、会場全体を細かく見て回る時間がなかっただけに、ありがたかったです。ブースへのご来場、どうもありがとうございました。


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_/ いただいた声
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  • 教材を探している、教材を作るためのネタを探している

  • 地域や流域の団体と交流したい

  • CAと同じ取り組みをしたい

  • CAってどんな活動? 実施方法は? 参加方法は?

  • 近所に住んでいるので何かしたい

  • 埼玉の河川が荒れているので何とかしたい

  • 荒川の上流から下流までの地図(行政区分ではない地図)がほしい

  • 里地や在来種を守りたい

  • 生物の変異や変種を調べている

  • 水質について詳しく知りたい

  • 流域で生業(1次産業)ができる場を作りたい

  • 定年後の活動を探している

  • CAに関わる人は、ふだんはどんな仕事をしている?

 などなど...


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_/ その他、反省点など
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  • 通路が狭い場所での出展だったので、通路に出ての呼び込みが難しかったです。

  • 向かい側の出展者の態度が良くなく(NPO法人だが、マインドを伴わない事業者タイプ)、ツアー見学客が来て、通路を遮ってしまった時も何の配慮もありませんでした。やりにくいことと言ったら...

  • 大きな文字の特大パネルを数枚に絞って展示する方法も検討したいと思います。(ただし、それは広めの通路に面したブースで、広くアピールする場合。今回は少数精鋭でじっくり見てもらう展示方法をとりました。)

  • 「荒川」と付く以上、どうしても川や水に関心のある人が中心になってしまう感じです。エコプロダクツの趣旨を考え、ゴミと資源についての展示を多めにしましたが、その趣旨でのアピールがもっと必要だと思いました。


【参考情報】

  • 公式サイト ⇒ 「エコプロダクツ2003

  • 来場者数:
    12月11日(木):37,092人 / 12月12日(金):45,946人 / 12月13日(土):31,022人 ⇒ 累計:114,060人 (当初目標:12万人)
    *2002年入場者数:100,483人 / 2001年入場者数:88,604人 / 2000年入場者数:67,838人...

  • 名称:地球と私のためのエコスタイルフェア〜エコプロダクツ2003(第5回)

第150話 東京を大事に...(2003.12.1)

 東京モノローグの本分に通じるテーマとして、筆者なりの私見を温めてきた。各地を転々としてきたが、あくまで東京生まれ・東京育ち。故郷である東京が憂慮すべき事態になれば、その憂いも大きくなろうというもの。「東京をもっと大事に」、これは東京人なら誰もが思うところではないだろうか。そんな思いを巡らせていたら、ポイントが見えてきたような気がする。

 第60話を起点に、15話ごとに綴ってきた「べからず集」。今回は150話という一つの節目でもあるので、ちと趣向を変えて、べからずではなく、より前向きに「できること」「心がけること」としてまとめてみることにした。毎々僭越な文調で恐縮だが、ひとつご一読の程を。


1.はじめに...

 東京に限らず、「何か大事にしない人」が増えると、街や地域が荒れるようだ。短期的かつ「自分さえ良ければ」の考え方やスタイルが侵蝕し、まちを持続不可能にしてしまう。ただ東京は特に、[ローカル < ナショナル < グローバル]の側面があり、ローカル(地域性)が大事にされない傾向が強い。加えて、東京を故郷にしない人も多いことから、東京固有のものが失われる速度も早い気がする。

 人が多い上に、その一人一人が東京を「ふるさと」として大事に思うことがあまりなかったりすると、当然インパクトも大きくなる。東京在来の方はまだしも、仮に東京を故郷としない人が、ポイ捨てしたり、美観を損ねたり、マナーやモラルを低下させたり、といったことが当てはまるのであれば、とにかくその人が今暮らしている地域や近所にきちんと目を向けて、地元に愛着を持ってもらう(大事にしてもらう)ことを優先してもらいたいと願う。

 最近の凶行や非行を見て思うのは、

その地域の良さが見えない
(&ゴミや落書きで汚れている、快適さが乏しい、etc.)
 ⇒住んでいる土地に愛着が持てない
  ⇒地域に生きる自分の存在がない(=地域の中に居場所がない)
   ⇒職場や学校がNGの場合、その人は生きる場所を見失っている
    (存在が希薄になっている)
    ⇒不審者になってしまったり、凶行に及んでしまったり...

 というフロー。東京に限った話でないのは言うまでもないが、事の発端がもし東京にあるとしたら... 東京を通じて、日本社会の縮図、伴って負の部分が見えてくる。それはグローバリゼーション&商業主義のマイナス面の横行であり、工業製品の氾濫であり、過度な競争による疲弊だろう。東京のそうした動向が日本各地にも飛び火するようなことがあるなら、社会全体も荒れてくる。人々の心が荒れると、ゴミ投棄やポイ捨ての他に、落書き、風紀・治安の乱れ、万引き、ドラッグ、家庭内暴力・虐待などあらゆる形になって現れる。各地・地域固有の問題もあるかも知れないが、まずは東京からきちんとしていく(地域ができることをきちっと取り組む、地域全体で社会力や教育力を高める・保つ、人としての思いやりや心を地域が取り戻す、等々)必要を強く感じる。

 例えば、近所の公園がゴミや落書きであふれてたら、それを片付けることから始める、そうすると地域のパワーが目に見える状態になるので、不審者は不審な行動をとりにくくなる(&自分の存在を問い直すきっかけになる)だろう。あとは、知らない人であっても日頃から挨拶を交わすとか、軽く会釈してみる、といったこと。地域にも予防医療が求められていると思う。

 ちなみに筆者の近所は、こどもが遊ぶ姿が多く、何となく地域力も保たれているように感じる。目立つ落書きは区役所に一報を入れたらすぐに消してもらえ、その後、その場所での落書きはなくなった。怪しげな商業看板はやはり自分の手で片付けたら、後はスッキリしたまま。まずはちょっとしたことでいいのかも知れない。


2.地域回帰・地域尊重を促すための取り組み例

 地域とのつながりが得にくい人にとって、地域を象徴するものが身近にあることは重要。23区のうち、10区が接する荒川と隅田川はその一例。「ふるさと東京」のよりどころとしての存在感は大きく、荒川・隅田川をきっかけにした地域貢献、地域への回帰は期するものがある。隅田川は、河川敷がないという構造上、人が接するには不向きな面はあるが、滔々とした川の流れによって癒されるところ大だろう。荒川は、総延長が約170kmあり、日本全国の人口の約10分の1にあたる人々が流域に暮らす一大河川。隅田川と違い、河川敷が豊富で、自然地形も多く残っていることから、スポーツや散策などで川を利用する人の数も日本一。(参考⇒「河川空間利用実態」) 大事に思う人がいる一方で、その利用頻度の高さゆえ、川や郷里を大事に思わない人の手によって、流域全体で環境が損なわれているのも事実。(特に下流域は、「ふるさと東京」の原風景や在来種が一部に残っているものの、心ない不法投棄や環境破壊により、それらが日常的に脅かされているのが現状。)

 筆者が関わる「荒川クリーンエイド」では、

ゴミを拾う → 自然が本来の姿を取り戻す(→ 生態系も戻る → 荒川が浄化される) → かけがえのない荒川がよみがえる → 思いやりが広がり、地域が豊かになる...

 という考えを重視している。つまり、単なる清掃活動ではなく、ゴミを拾うことで、社会のあり方を問いつつ、地域力の向上もめざしたいというもの。

 地域でしっかり活動する人の努力の積み重ねは「地域力」になっていく。楽観的な見方だが、地域力があれば、局地的な環境問題は自ずと解決していく可能性はある。(さらにそれが波及していくことで地球環境全体の負荷も減るならいいのだが。)

 古くから、この荒川を生息域とする在来の生き物たちに敬意を示しつつ、荒川下流を故郷とする人・長年暮らしている人が誇れる流域環境を守っていきたいものである。そして「何かを大事にする心」を皆さんとともに育んでいきたいと思う次第。

*ここでちょっとPR*

 荒川クリーンエイド・フォーラム、10年目を記念して、「エコプロダクツ2003」に出展します!

 国内最大級の環境イベントとしておなじみの「エコプロダクツ」。今年も12月に東京ビッグサイトで開催されます。NGO/NPOは無料で出展できるため、荒川クリーンエイド10年目の節目行事として出展することにしました。

 上述のようなクリーンエイドの趣旨を来場者の方に知っていただくのはもちろん、これまでのゴミのデータ分析結果等を他の出展企業にご紹介することで、ゴミを出さない環境配慮型の製品開発の重要性をPRしたいと考えています。お近くの方はぜひビッグサイトにお越しください。

■日時:12月11日(木)〜13日(土) *3日間とも、10:00〜17:00

■会場:東京ビッグサイト 東展示場(1〜3ホール)(東京都江東区有明3丁目)

■入場:無料

***荒川クリーンエイドの出展について***

 入口を入ってすぐ、「NGO/NPOコーナー」の”N−45”番に出展します。

 出展内容は、10年間の活動成果/クリーンエイドの実施方法/荒川下流域で実際に収集したゴミの実物展示/東京ビッグサイト近くで採取した海水の水質調査/荒川下流域の市民活動の紹介/その他、写真パネルの展示、報告集・ニュースレターの閲覧 などを予定。

 お楽しみに!


3.市民(東京住民)としてできること

 地域力は、地域で涵養したいもの。行政や企業ではなかなか手が届かない地域の課題を自ら見出し、解決するには市民・個人が当事者意識を持って取り組むことが原点だろう。筆者なりに大まかに整理してみたのが、ここに掲げる10のポイントである。(第103話に記したようなバリアフリー的な観点は省く。)

  1. 落書きは許さない

    地域の力を示すいいチャンス。とにかく早く消し去るなり、きれいな絵を上書きしたいものである。(野放しになっていると地域力は低下してしまう。) 落書きをする人の心理を辿り、根本的に防止策を考える余地もある。

    東京の中で「地域力」(ここはブランド力?)のある恵比寿でも、線路沿い(埼京線側)の壁にはこんな落書きが・・・⇒

    渋谷や代官山の落書きが波及している例と言えるが、在来住民の減少と潜在的な地域力の低下が原因か?(もちろん、住民が自力で消すには困難な場所だが。)

     

  2. 皆で使うものを大事に

    当たり前のことのように思うが、意外と守られていない。その土地に古くからあるものはもちろん、あらゆる公共物(標識類、公園のベンチ、町内会などの掲示板、街灯...)もきちんとしておきたいところ。(器物損壊している輩を見たら、注意できる勇気もほしいが、実際は難しい?)

    ともかく、壊れてしまったものや、壊れかけのものが放置されているのを見るのはツライ。(地域住民の手で直したり、補修したり、という取り組みもグラウンドワークなどで進んでいる。)

     

  3. ポイ捨てを見逃さない

    公共の空間は、自宅の延長という認識がほしいところ。自分の家でなければ何をしてもいいということはなく、むしろその逆だろう。

    路上喫煙に関しても同じ道理が当てはまる。千代田区、品川区、杉並区などで始まっている路上禁煙地区の指定は、公共空間であればごく当たり前の話と言える。

     

  4. 外来種を持ってこない

    ペットとして飼っていた輸入動物(外来種)を持て余して捨ててしまうなんてのはもってのほか。動物自身が気の毒だし、その土地在来の生態系が壊れかねない。

    川に放流する魚も在来種を使うべき。植物にしても気を付けたいところ。思わぬ交配が進み、やはり近隣の生態系に影響が出る。その土地に適した、またはその土地固有の在来種というのが必ずある。種まきや植樹も在来種で行いたいものだ。

     

  5. いかがわしい商業広告にはNO

    違法性の高い広告はもちろん、センスのない看板や幟も目障りなこと、この上ない。配色もやたら派手で、刹那的なものが多いため、景観上も好ましくない。業者の放任を許すのでなく、時には住民が声を上げる必要もあるだろう。

     

  6. その地域の風土やデザインを損なうものにもNO

    勝手にマーケティングやらリサーチをかけて、出店する側の都合優先で新しい店ができるのは考え物。地域住民が出店者を選好する機会があってもいいだろう。(結果オーライというのがあまりに多いような気がする。)

    高層建築物についても、その街の良さを熟慮しない行為が目に余る。在来住民が永年培ってきた景観やその保全努力は代え難いもの。そうした「地域価値」を、弁えのない業者が突如横取りし、しかもその対価を払わないとしたら、暴挙以外の何物でもない。国立や谷中をはじめ、ブランド力のある地域でのマンション建設を巡って、紛糾が絶えないのはその点に尽きる。公共空間に対する自治体のデザイン力も問われるところだろう。(規制でどうこうではなく、その地域本来のカラーを尊重する施策が求められる。)

     

  7. 美観を高める

    雑多ゆえに東京らしい、という見方もあるが、美しく快適な環境で暮らしたいと願うのは誰だって同じだろう。どんな些細なことでも目配りし、自力でできることから美観を回復していきたいものである。

     

  8. 地域との一体感を得る

    挨拶や会釈だけでも立派な地域活動だと思う。お決まりの散歩コースを決めて、日課にするだけでも地域での顔なじみは増えそうだ。町内会主催のものをはじめ、とにかく地元の行事に参加したり、手伝ったりでもいい。それが物足りず、もっと地域で何かの役に立ちたい・貢献したいという場合は、地域での市民活動を探すなり、自分で起こすなり、だろう。(荒川クリーンエイドは、そんな地域活動のほんの一例。)

     

  9. 地元を探検する、探究する

    ©吉本哲郎(地元学協会)第148話で少々触れたが、その土地にあるものを、良いものも悪いものも含めて再評価し、共有しようとする取り組みが広がっている。水俣を発祥とする「地元学」である。自作の地図に落とし込むのもいいし、市販の白地図を使ってもいい。どこに何があるかをつぶさに調べ、何気ないことでもポジティブに評価する。(「ないものねだり」ではなく「あるもの探し」) そんなプラス思考が、まちを変えていくんだと思う。

    最近では、「グリーンマップ」(各地により名称は多様)を耳にするようになった。筆者も独自にマップ作りを始めようと考えている。

    地元に長く暮らすお年寄りに「語り部」になってもらい、ご近所雑学(トリビア?)を究めるのもいいかも知れない。

     

  10. 今、あるものを大事に

    地元学に通じるところがあるが、とにかく今、住んでいる、または生まれ育った街・地域にもう一度目を向けてみるに限る。定職がある人は、「そうは言っても時間がない」と仰られるかも知れない。だが、兼業・副業の解禁やワークシェアリングが広がれば、地域で過ごす時間は十分にとれるようになるだろう。(地域のために時間を使うことが仕事上の評価にもつながる?)

    江戸開府400年をきっかけに、江戸時代に思いを馳せるのも大事だが、目を向けるべきは今、現在の東京だろう。雑木林、鎮守の森、自然緑地、干潟、自生地、湧き水などの自然環境の他、町並み、商店、人情、風情、伝承、郷土文化など、息づいているものはたくさんある。そうした東京を見直し、評価し、「東京に住んでいて良かった」「これからも住みたい・大事にしたい」と思う人が増えれば... そんな思いが集まることで、地域も社会も、より良くなるのではないだろうか。

  • 付録

 筆者が勤めることになった「北区NPO・ボランティアぷらざ」。応募した際の論文をここにご紹介します。ご参考まで。(⇒「豊かな地域社会の形成とセンターの役割」)

第149話 続・割り箸コレクション(2003.11.15)

 昨年7月、第117話にて一挙にご紹介した割り箸コレクション。おかげ様でご好評をいただいていたので、当時惜しくも選から洩れたものに、ここ1年間で新たに集まってしまったものを加え、続編をお届けすることにした。(前回ほどのインパクトはないかも知れないが、ひとつご参考まで。) 8月4日は語呂合わせで文字通り「箸の日」だが、その形状から11月11日(箸を2膳、タテに並べて11・11)を割り箸の日と見る向きもあるようだ。11月11日の近くでもあるし、また10月・11月は、間伐推進強化期間ということで、間伐材利用先としての割り箸にまた衆目が注がれている折りでもあるので、ちょうどよいかと...。(割り箸の最近の議論については、いつもの環境ニュースをご覧ください。)


 *写真(サムネイル画像)をクリックすると拡大表示されます。

  • 環境配慮系

⇒オモテ面は単なる「おてもと」。クズカゴにそのまま捨てていいかどうかは議論を要するが、ポイ捨て防止にはなりそう?


⇒京樽の割り箸。箸には防虫剤を使っていないとのふれこみ。逆を言うと、他の添加剤は使っている可能性が...



⇒駅弁の伯養軒。オモテは「天味無限」と勇ましいが、ウラ面は間伐材使用の表記と「自然環境に優しい」と実に穏やかな感じ。

 

  • 環境配慮余地あり?

⇒福井県にある越前竹人形の里。健康食品として熊笹をアピールするも、割り箸自体の健康度は? (竹箸だったら、現地材の有効利用ということで、納得できるが。)


⇒自然食居酒屋の草分けとも言える「すずめのおやど」。残念ながら、割り箸そのものの自然志向は感じられない。

  • 山並み系

⇒レストランから展望できるアルプスの山並み(上高地〜黒四ダム)を袋に表現。山で間伐した木材製ではなさそう。


⇒こちらは北アルプス。レストラン第一の袋よりもリアリティーには欠けるが、シンプルでわかりやすい。

 

  • 二次利用

⇒福岡発祥のとんこつラーメン店、一蘭。いろいろな工夫があって感心させられるが、数ある工夫の一つがこの箸袋。単なる袋だと一過性のゴミになってしまうが、こうなっていると注文票に早代わり。これなら気兼ねなく注文できそう。

  • 店名のみ

⇒小籠包で有名な鼎泰豊。名店の袋は至ってシンプル。肉汁たっぷりの小籠包を食べるのにこの箸でいいかどうかは不明。


⇒ワンポイントながら、なかなか美しいデザイン。だが単に店名だけなので、どこのどんなお店だったか...


⇒百菜(ひゃくさい)に千早(ちはや)。ともに詳細不明。千早の方は手がかりがつかめそうだが、よく見ると"CHIHAYA"ではなく、"CHAHAYA"になっている。これもご愛嬌。

 

  • 店名不明

⇒店名しか書いてなくても、名前が特定できるだけまだいい。これはいったい何と読めばいいのやら... 丸角か、丸通か?


⇒八角形が付いているので、辛うじて「八かく庵」の箸であることがわかった。亀の甲羅と間違えそうな図形。


⇒干支の卯(う)が強調されているので、店名のどこかに卯が付くんだろうけど、はて?

  • 横文字

⇒「ち」が目印のチサンホテルだが、割り箸では「ち」は控えめ。横文字でカッコ良く決めている。


⇒極めてシンプルな表記。全く記憶にないのが残念。


⇒Gourmetの系列店共通の割り箸。ロゴはいいセンスなのだが、割り箸本体は安っぽい感じ。

 

  • ファミレス

⇒前回紹介したDenny's箸は、寿バージョンだったが、こんなオシャレなものもある。清潔志向の一端だと思うが、何もここまでラッピングしなくてもねぇ。


⇒ジョナサンの場合は、ラッピングの中に紙袋までは入っていないので、一重包装。でもご丁寧に溝が付けてある。麺用の箸だったようだ。

  • 和風

⇒青山勤務の頃、本店に時々行った。この割り箸は店内で食事する際に出てくるものではなく、お弁当に付いてくる一品。一度だけ弁当を買った時のをとっておいた訳である。


第141話の後段でちょっとだけ紹介。お上品な感じがする。


前回は「月の蔵」の箸を紹介した。袋の色調が似ているが、こっちの「月の宴」はモンテローザ系列。

  • その他

⇒実にほのぼのとさせる蜜柑の絵だが、割り箸に蜜柑という意図がよくわからなかったりする。


⇒前回は、NEC保養所 下田荘の割り箸を紹介したが、今回は湖畔荘(滋賀県)。雅な色合いだと思う。その下の割り箸は、福利厚生サービス会社直営の宴会場で、向河原にある玉川クラブのものだが、会社ロゴマークが古いのがポイント。


⇒マルちゃん印のズバリ「わりばし」。小品ながら、有無を言わさぬインパクトがある。


⇒締めくくりは、富山名物「ますのすし」の割り箸。「ナイフも同封してあります」は正にコロシ文句として効果大。(^^;

 

 前回は55パターン。今回は29パターン。合わせて84(ハシ)パターンの割り箸コレクションでした。おあとがよろしいようで。(^^)

第148話 12時出発、21時帰宅(2003.11.1)

 実際にその職場の当事者になってみないとわからないことは多々あるもの。かつては対立型だった環境への取り組みが、近年は協調型に転じつつあるのは皆さんご周知の通りだし、筆者自身もそうした流れを現場で体験してきたつもり。そんな協調・協働を推進する一役を担ってきたのが、読んで字の如く「環境パートナーシップオフィス」と第三者的に眺め、捉えていた。協働作業の実践の場として、そしていかに建設的な事例を創っていくか、がここの存在意義だろう、と見ていた訳である。それだけに、実際にここで勤めてみてのギャップは大きいものがあった。(勤務開始当初は第116話の通り、期するものがあったのだが...)

 環境問題を解決するためには、市民、行政、企業の三者が手をとり、お互いを高めあいながら、力を合わせることが必要、との理念に基づき、環境庁(当時)が中心になって開設を進めた任意組織が「環境パートナーシップオフィス(EPO)」。(国連大学との協働も加え、情報提供するセンターとして開設されたのが「地球環境パートナーシッププラザ」?) 「パートナーシップ」という言葉は、今でこそ市民権を得た観があるが、オープンした1996年7月においては、まだまだ理解が得にくく、それゆえに「パートナーシップ=協働」の知名度向上、協働実践に向けてのサポート、実践例の積み上げと調査など、明確な活動目標のもとに取り組んできたんだと思う。EPO自体が、NGO、企業、行政のそれぞれの立場のスタッフの集合体となり、さながらパートナーシップの実験場となりつつ、各種の取り組みを進めてきたはずだが、時の経過とともに、設立当初の理念や目標が見えにくくなっているのが現実だろう。(それだけ、社会の動きが進展した、パートナーシップが当然視されるようになってきた、と受け止めたいところ。)

 筆者在職中は、「環境省とNPOが協働して、環境に関する市民活動を応援する各種事業を行うための組織」という位置付けだった。だが、いわゆる"NPOバブル"のあおり等で、環境省自らが直接的に様々な施策を考えなければならなくなっている(穿った見方をすれば、他省庁が環境施策を打ち出している折り、環境省のアイデンティティを確保するために躍起になっているのかも?)のことから、EPOにおいての環境省スタッフは、本省の一部のような感じになり、「NPOスタッフとの協働」という本来の形は見えにくくなっていたのもまた事実。(これは筆者が離職する時点の話だが、今ではどうだか?)

 当初予定とは異なり、今思えば何だか曖昧な経緯でEPOで働くことになったものの、NGO/NPOと企業の両方の立場が多少なりともわかる者ということで配属していただいたと僭越ながら解釈している。だが、NGO/NPOと企業の両方の立場がわかると言うのは、あくまで円滑にパートナーシップが進んでいるケースにおいて、ということだったのだろう。当所で求められたのは、協働コーディネーター(という職業があるらしい)がそうであるように、自らが矢面に立ってパートナーシップを阻害する要因を取り除いたり、低くすることだったようだ。「対立」という程の局面には到らないにしても、本当の意味でのパートナーシップが当たり前になるには、まだまだ阻害要因がたくさんあることを実感した次第。協調型の作業を裏方的にサポートするというイメージが念頭にあった筆者にとっては、そうした闘争性(?)に耐えるだけのタフさはない。むしろいかに対立を経ずに、平和的に協働していくか、どうすればお互いに敬意を以って、より高次な共通目標や社会的解決につなげていけるか... そうしたことを穏便に進めたい性分なのである。(それを再認識できたのは良かった。)

 そんな環境パートナーシップオフィス(EPO)、地球環境パートナーシッププラザ(GEIC)ともに、両者の役割の明確化、今後するべきことの見直し等、今なお進めている模様。筆者在職中からそうした状況下だったので、余計に難しい面があったのかも知れない。だが、見直しの方向性として「環境パートナーシップの専門機関」をめざす、ということになったので、専門機関だと益々矢面に立って協働を模索する必要が生じる。これでは仕事上の適性が疑しいと自認した筆者は、EPOでの任期を1年(2002年5月末〜2003年5月末)で区切ることにしたのである。

 第26話で、PRレポートを書いた「地球環境パートナーシッププラザ」との関係性は、結局わかったようなわからないような... ともかくオフィスもプラザも、「環境」+「パートナーシップ」という点では同一機関。EPO/GEICに勤めることができたのも何かのご縁ということで、良くも悪くも、今ではそこに勤めていた事実を正視しているところである。(以下は、その振り返りである。)

《これは良かった》 *概ね、第128話に記載の通り。

  • 水俣出張で、地元学に触れることができ、次の仕事につなぐことができた。(地元学については、第150話でご紹介します。)

  • 90年代アースデイ等でご縁がありながら、しばらく疎遠だった方とまたお目にかかれた。

  • より人脈が広がった。

  • お世話になったグリーン購入ネットワーク、全国地球温暖化防止活動推進センターの皆さんと同じフロアで過ごす時間を再度持てた。

  • 環境に関係する団体や施設の情報をデータベース化できた。

  • GEICホームページのリニューアルを通じて、W3Cの最新技術を多少なりとも学べた。

  • ニュースレターの編集を一応仕事にすることができた。

  • EPOで「これが足りない」と前から思っていた部分をある程度テコ入れできた(各種情報の整理、団体情報のファイリング、EPOホームページの開設、館内掲示の拡充、利用者サービスの向上、雑然とした部分の整頓...)

  • 持続可能な収入(適正年収?)での生活を会得した。

  • 国家公務員の実情を垣間見ることができた。

 など

 

《これはいただけなかった》 *2003年5月までの私見です。念のため。

  • 協働の現場経験がなく、趣旨をわかっていない人が無理やりパートナーシップを進めようとする。

  • 他人の痛みを解さない人と同じ職場になるとツライ。

  • 諸事情により、組織としての態を成せないので、マネジメントが不足。

  • 総務的要素と事業的要素の両輪がない(両者のバランスが取れていない)ためか、業務品質が必ずしも高くなかった。
    ⇒組織的に事業部門と総務部門の2つの柱を設け、業務の基盤を整えたいものである。(総務的なサポートがなければ事業は円滑に進まないことを痛感した。)

  • 良いところを評価して伸ばすという空気がなく、何かと減点主義。(管理職と思しき人物からはダメ出しばかり。出る杭を打つようなマネジメント。)

  • 着任して早々、「本当はこういう人に来てもらいたかった」などと雑言を受けた。

  • 協働できるネタはあちこちから届くのに、それを実現する機会が得にくい。(EPOはせっかくの協働の場なのに、結局、環境省内で議論しているだけという感じ。)

  • 某女性公務員の職務上のモラルが高くなかった。(顧客意識が低い、組織の窓口という意識もない、何か不都合があると自分を正当化する、自分でルール化しないと納得しない、自分のルールに照らして違和感があると周囲に同調を求めて批判する、無責任かつ一過性の発言が多い、締切を守ってもらえない(約束や信頼、対外責任といった感覚に乏しい)、哄笑・雑談が大声で頻繁(こちらが集中して仕事をしたい時に煩わしいこと、この上なし)、一部のNGO関係者を平気で声に出して批判する、等々)

  • とにかく、安心して仕事が進められない状況だった。

 など

 

 結局、良かったといただけなかったのバランスが崩れる、つまりいただけない要素の比重が高まるとその場にはいられなくなるというのが道理のようである。こうして、第138話の通り、青山を去るに至ったバカ正直な筆者は、苦し紛れの中央(全国系)の仕事を志向するのは休止して、地元に目を向けることにした。すると、ありがたいことに地元北区にご縁があって、11月1日より以下の職場で正式に働くことになった次第。遅ればせながら、ここにご挨拶申し上げます。

東京都北区NPO・ボランティアぷらざ

TEL:03-5390-1771/FAX:03-5390-1778

〒114-8503 東京都北区王子1-11-1 北とぴあ11F

*専従職員ではなく、北区の非常勤職員(専門員)になります。月に16日間の出勤で、主に相談業務(兼 情報系担当)の見込み。開館時間の都合により、変則シフト勤務が多く、表題の通り「12時出発、21時帰宅」というパターンが増えそうです。

 開設準備を兼ね、10月から勤め始めていますが、非常勤という処遇は初めてなので、戸惑う部分もチラホラ。基本的に定時になったら帰れるので、予定を立てやすいのはいいものの... 例えば、これまでの経験などをふまえ、センター立ち上げや今後の運営などについて話し合いたいことがあっても、じっくり時間をとれなかったり、また、定時以降には常勤スタッフの方々との共同作業がしにくかったり。まぁ日常業務を担うというより、プロジェクト型、専任型、単発型ということなのでしょう。

 今のところ、北区と社会福祉協議会の共同設置(GEICやEPOに似ている?)なので、何かしらのギクシャクは出てきそうですが、そういう環境にはEPOの件で慣れてはいるので、あまり気を揉まず、持続可能な範囲?!で勤務しようと思ってます。(2004年4月からは、設置主体・運営体制とも変わる予定なので、そこがまた任期の区切りになるのは折り込み済みですが。)

 グリーン購入ネットワーク(GPN)出向(1998年12月)以来5年近く、辛うじて23区内勤めが続いていますが、さすがに今回のように通勤圏が区内のみ(越境なし)だとローカルな日常です。(職住近接は、環境負荷削減に寄与するんでしょうけどね。) ローカル通勤に乗じて、北区の良さやありがたさを見つめつつ、コミュニティや地域から人や環境について考える(=木から森を考える)習慣をつけたいものだと思います。

...公的な施設はややもすると、一部の方々の利用に限られる傾向がありますが、そうならないためにも「地域の誰もが存在を知っていて、気軽に足を運んでもらえる」拠点にしたいものです。という訳で、特に北区内そして近隣にお住まいの皆様、ぜひお越しくださいね。社会をより良くしようという当事者意識を持った市民・区民の取り組みを一緒に盛り上げましょう!ということで。


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