第376話 「駅Q」発売!(2013.5.1)
鉄道という一大ジャンルの中で何が好きかと問われれば「駅」と答える。漢字は昔からの得意分野、地図や路線図もまず飽きることはない、そして何かにつけデータベースで情報をあれこれやるのが日常・・・と来れば、その寄せ集めで本が出てもおかしくない、と今は思う。これまで本の中に出させてもらったり(→「海ゴミ―拡大する地球環境汚染」)、本の1コーナーを受け持ったり(第157話、第319話)というのはあったが、いわゆる「自著」はこれが初。テーマは、鉄道駅、駅名、雑学、クイズをひとまとめにしたようなもので、タイトルは「駅Q」。一応、筆者企画をもとに出版社側がシリーズものに仕立ててくれて、「鉄道クイズシリーズ」の「駅編」という形になっている。つい10日余り前、4月20日の発売で、税込価格は780円。クイズは全100問で、基本的にQとAが1ページずつ表と裏に来る体裁になっている。1問あたり約8円の計算になるが、「全国の駅名で出てくる漢字・文字はどういうのが多い?」(おそらく本邦初)といった雑学系要素も盛り込んであることを考えると、それなりにおトク感があると自負している。
書店では概ね、鉄道雑誌関係、趣味・ホビー関係などにあり、交通・鉄道コーナーがある店舗ならほぼ確実に見つかる(はず)。ひとつお探しいただいて、「これは!」となったらぜひお買い求めを、とお願いする次第。どうぞよろしくお願いします!
1.きっかけ、経過など
こういう話は滅多にあるものではないので、出版に至るまでの経緯や発売後の状況などについて、ご紹介しようと思う。
筆者の鉄道趣味は、これまでに何話も登場しているので重々ご承知のことと察するが、今回の件に近い話としてはまず、第294話がある。駅名を中心としたデータベースを自分なりにまとめ、あれこれ分析を始めたのが2009年の秋頃で、そこから思いついた駅ネタとして、以下の4つを載せている。
1−1.同じ道府県内で、駅名が同じ(乗換できる距離にない、つまり全く別々の地に同名の駅がある例)
1−2.同じ府県内で、駅名が同じ(乗換できる距離だが、何とも紛らわしい例)
2.どこが始点かわかりにくい(鉄道旅行地図帳の類でも見抜くのが難しい例)
3.兄弟分が多い駅
「駅Q」には、このうち1−1.と1−2.をもとにした出題がある。原点とも云うべき2問である。
Q10 同じ道府県内なのに全く別々の地に同名の駅がある例がいくつかあります。地名が点在していて、それに忠実に駅名を付けた結果ではありますが、その離れ方もまた様々です。次のうち、最も近接している同名駅はどれでしょう?
1.北海道にある平岸
2.長野県にある下島
3.富山県にある小杉
4.岐阜県にある明智
5.三重県にある船津
6.大阪府にある高井田(→駅ログ)
Q14 同じ地域にある複数の駅で、駅名が同じなのは当然と言えば当然。ただし、お互いに離れ過ぎていてとまどうケースも中にはあります。次のうち、最も離れているのはどれでしょう?
1.味美(名鉄小牧線と東海交通事業)
2.春日井(JR中央本線と名鉄小牧線)
3.春日野道(阪急神戸本線と阪神本線)(→駅ログ)
4.御影(阪急神戸本線と阪神本線)(→駅ログ)
5.白島(広島電鉄と広島高速交通)
6.郡元(JR鹿児島本線と鹿児島市電)
とこんな感じである。(正解は、ぜひ本書にて)(^^)
雑学要素をちりばめながら、クイズ形式にすると「駅本」または「駅名本」ができるのでは?と思いついたのはそれからしばらくしてから。企画を練りつつ、データベースの精度を上げつつ、前座として、2011年に入ると「駅名雑学」と題して、"はてなダイアリー"で試行的にQ&Aを綴ってみたりした(現在、クローズ中)。いわゆる出版企画の話は、20年来の知人である眞淳平さん((有)エコ・パブリッシング代表)との雑談の中で生まれ、企画書に添付できそうな形の原稿を作り出すことになる。これが2011年6月。その後、半年ほどかけ、設問を増やしたり、解説を充実させたりして、一定のページ数になったところで各出版社に当たってもらうに至る。(眞さんにはこの時点でかなりお世話になっていた訳だが、それからさらにお手間をいただくことになる。多謝深謝である。)
今から一年前、JR東日本で「駅名漢字ラリー」なるイベントが展開された。期間は、2012年4月21日(土)〜7月1日(日)、東京近郊77駅中、駅名に指定の動物と植物の漢字(馬、亀、鴨、鶯、目白、目黒、駒、駄、松、蒲、荻、柏、茶、葉、木、森)を含む24の駅を対象に、動物と植物で各2駅分のスタンプをパンフレット台紙に押して、応募するというもの。「駅名」がブームになってきたのを感じさせる出来事で、これに機を合わせるように、ある交通系有名出版社から企画を検討したい旨、一報が入る。大いに心躍ったものである。
昨年6月、その出版社との打合せに臨む。企画が通ればひととおりの原稿は年内に揃えて、来春に刊行といった話をいただく。が、その企画通過の報はいつ頃いただけるのか、というのが実は定かでなく、何だかんだで結局お流れに。眞さんに再び動いてもらうことになる。そして、11月。朗報が届く。次は実業之日本社である。
こうした話は流れがあるもので、ひと度動き出すと早い。ご担当者との打合せが11/26(月)、社内検討での企画通過(出版決定)が12/11(火)、そして原稿の仕様が決まったのが12/19(水)... 6月からの数ヶ月がブランクだったことを考えると信じ難い展開である。
仕様が決まったということは、それに合わせてひたすらQ&Aを作ることを指す。筆者が当初考えていたのが、コンパクトな感じ、つまり一問一答式のパターンだったので、それに近い仕様だったのは幸いだった。が、出題数は100! 12月時点で目処が立っていたのが30〜40程度だったので、その点不安はあったが、とにかく作り込むばかりである。年末年始にできる限り時間を割いて、1月7日までに「Q+A+解説」ができたのが45、取り急ぎQ部分だけというのが36、計80余りとなった。残りはまだ漠然としていたが、100という数字は視野に入った。1月は週末が来るごとに集中して、上乗せしていった。(第369話は、そんな合間にアップした一話、遠出したのは、せいぜい快速「おさんぽ川越号」(→動画)程度、といった状況)
1月のうちにひととおり揃える必要があったのは、刊行予定が4月下旬と決まっていたからである。(逆算するとそうなるらしい) その予定を聞いた時は「そんな短期間で果たして用意できるのか?」だったが、最初に話があった出版社のプランも4月だったことを考えれば、こちらとしては御の字である。6〜10月の空白を埋める、空いた分を追い上げる、それだけの話。いい発奮材料になった。
1/22で86、1/26で95、徐々にペースが上がってきたところでとりあえず完結。何はともあれ100問である。ただ、気がかりな点があった。初期に作っていた分と1月に新たに作った分とでテイストが異なり、全体を読み通すと表現や表記にどうしてもバラつきが...(-_-) 解説部分を分厚くしなくて済んだため、新規の方が軽め(いい意味で軽快)というのもあった。校閲も入ることだし、あとは編集に委ねる? そんな中での当初100問だった。実業之日本社に送ったのは〆切よりも前、1/29(火)のことである。
その後、各種「表」とか、駅名標や駅舎など筆者撮影の画像ファイルとかを送ったりしながら、「初校」が上がるのを待つ。そして、3月。PDF版は4日に目にし、現物は5日に手にする。この初校を以ってようやく書籍が出る実感が湧く。デザイン、字面、写真、表などが盛り込まれた版。これならチェックの甲斐もある。が、テイストの違和感などが持ち越されたままだったので、それを一気に直す必要がまずあり、加えて、前の方のAや解説で出てくる駅が、その先のQで出てきてしまうケースを対処しないといけなくなった。クイズの順序・流れは、編集の手で見事に整えてもらえたので、著者としてはその「A→Q」のねじれをなくす(=出題される駅の答えを先に出さない)ようにしながら、全体の調子を揃え、誤字・脱字等も正していくことになる。
「表」については、例えば「大学」がつく駅、日本に多い苗字と同じ駅名、「雨かんむり」の駅、標高の高い駅なども一覧で載ることを想定していたが、紙面の都合もあり多くは割愛。新書サイズでは自ずと限界がある。まぁ、よく載った方だとは思う。
初校の「戻し」は、3/12(火)。実質1週間で、チェック(赤入れ)なり、ネームごと差し替え(直し箇所が多い場合)なり、さらには、まえがき、凡例(注記)、プロフィールも、である。そんな最中にAmazonには早々と発売情報が載ってくるのだからたまらない。初校チェック中でも何でも、スケジュールが確定していれば出るのである。そうしたwebサイト上の動向チェックもあったりで、おそらくこの週が最も密度が濃かったと言える。3/10の日曜が「煙霧」(↑写真)に見舞われたのは、ちょっとした配剤だろう。身動きがとれなければ、著書に専心するばかりである。
かくして、3/11(月)の夜には、実業之日本社に出向き、赤入れ等の戻しを渡すことができた。一つ荷が下りたのはこの時。あとは、写真の追加などを考えるのみ。が、この写真がなかなかのクセモノで、いろいろと尾を引くことになる。いい勉強になった、と言えばそれまでだが...
2.ここ1カ月半ほど
駅名や駅に関する本、そしてどちらかと言うと雑学重視だったため、写真に関してはあまり考慮していなかった筆者。逆に実業社のご担当者は、駅名標を中心とした写真に強かったため、可能な限り挿入したいとのお考え。筆者撮影分がプロフェッショナルなものならまだよかったが、そのレベルに至っていないため、どうしても想定外のものが入ってくる。その入れる・入れないの件が「再校」の前後で生じ、ひと苦労となった。
数多ある駅の中から、その駅の写真を出すのには相応な理由が必要。駅の選定でしっくり来ないのがあれば、それはキャプションでカバーするしかない。そんなこんなで、写真の数が増えたことと、追記したキャプションの十分なチェックができなかったことなどから、出来上がった本において、写真に関しては「?」と思える箇所が一部に散見される。こうした事情あってのこととご容赦いただければ幸いである。(全体を通しての正誤表等は、このPDFの通り)
本の表紙には、いくつかキャッチコピーが付いている。帯に当たる部分を上から並べると、
「駅が大好きになる100問」
「駅名標を撮らずにはいられなくなる!」
「これ一冊で駅名超マスターに」
とあり、バラバラな印象を受けなくもない。駅名標については、ここの一文が利いて、写真に説得力を持たせる恰好になっているが、著者の意図とはちと異なる。仮に筆者が3つ挙げるなら、
「駅名に詳しくなる100問」
「駅テツ向け雑学の新視点」
「漢字の学習にもピッタリ」
といったところか。この辺は出版社の裁量である。売れるように考えて設定してくれた筈である。
初校の直しを反映した「再校」は、3/25(月)夜に受け取った。限りなく現物に近い「見本紙」のようなスタイル。切って折って貼り合せると恰も本のようになる。チェックしやすくなっているのはいいが、如何せん、翌日・翌々日の2日間でしないといけない。万全を期すべく、3/27(水)は休暇をとって臨むも、別件が長引き、些か消化不良。余念を残す状態で、実業社に持って行くことになる。
出版社によっては、再校の次に「念稿」が用意されるらしい。だが、それはなかった。著者としての作業はここでひとまず終了。あとはもうご担当者を信じるのみである。出版が正式に決まってから15週。長いような短いような、だった。
表紙の見本もこの日、3/27にいただいた。いよいよ、である。
(表紙案) |
(見本版) |
嘘か本当か、4/1(エイプリルフール)に「責了」との報を得て、「駅Q」は印刷会社行きとなる。刷り上がるまでの間は、手持ち無沙汰なもので、4/6には、Amazonの著者セントラルなるページ(→参照)で、自身のプロフィールを補ってみたり、4/12には、本の表紙画像が主だったECサイト上で出てくるのを確認してみたり、といった具合。そこに例の「村上本」の新作である。
*参考記事:村上春樹新作は「駅鉄」!? 駅ブーム、到来の予感?
大型書店などで「駅」関連の特設コーナーができた日には、「駅Q」もその中に・・・などと考えて浮かれていたら、4/13に「見本版」が届く。即ち、書店に並ぶのと同じversion、事実上の著者本である。
さて、初校を直している間も、「田子倉」(JR只見線)の廃止(駅数1つ減)、熊本電気鉄道「電波高専前」の駅名変更(3/31から「熊本高専前」)、ゆとりーとライン「守山市民病院」の駅名変更(4/1から「金屋」)があり、関連する項目をその都度直した他、遠州鉄道の「遠州上島」「遠州曳馬」が「上島」「曳馬」にそれぞれ改称(2012/11/24〜)、札幌市電の「西線」で始まる5つの電停のその「西」の読み方が「にっ」ではなく「にし」と改まっていた!など、後になってわかったことがチラホラあり、あわてて見直す有様。見本版の段になって、この手の改称なぞがあると、目も当てられない訳だが、何と天竜浜名湖鉄道で1件あったことがわかり、冷や汗状態。4/1に「浜松大学前」改め「常葉大学前」になっていたのである。
この件、同社webサイト等でのリリースもないし、出たとしても明らかに直前。出題や解説に影響がなかったのは幸いだった。
が、しかし...
ここで改めて、正誤表(PDF)についてお知らせする。見ていただくとわかる通り、「え?」というのが少なからずある。赤入れにて示した箇所が直ってなかった、という点で大目玉なのが、二つ。(本旨には影響しないかも知れないが、結構痛い)(+_+)
P.185のキャプション。正しくは、「ただし、『中呂』駅はありません」。より正確さを期すなら、「地名としての『中呂』はありますが、駅はありません」である。なぜに「中島」になってしまったのか、理解に苦しむ。
P.202には、なくなってしまった駅名漢字についての一文がある。2005〜2012年の間に廃線・廃駅で消えた漢字として、「鴬」と「槇」を挙げていたが、例えば「鴬沢」は「鶯沢」だったことがわかり、これだと「鶯谷」「鶯の森」などで「鶯」は駅名で現存しているので外れ、「槇」については、異体字の「槙」が「三河槙原」で残っているので、なくなったとは言えないとの話で外れた。なくなった漢字の数、16としていたが、2つ減って14に。一覧表の方は合っていても、本文が間違ったまま、という結果に。
P.193のキャプションでは、「遠州鉄道には、『遠州』を表記しない『西ヶ崎』『小林』『小松』などがあります」というのがある。出題内容と関連づけしにくい駅の写真が載ることになったため、この一文でカバーする心算で入れたのだが、これだと些か言葉足らず。もともとは「遠州鉄道には、『遠州』を除いて表記する駅として、『西ヶ崎』『小林』『小松』などがあります」だった。念のため。なお、この3駅、正式な駅名は「遠州西ヶ崎」「遠州小林」「遠州小松」になる。
キャプションに関しては、他にもある。当初は写真数が少なかったことから、出てくる駅名の表記は単に「 」駅としていたが、増えたことで、「駅」が付く・付かないの不揃いが生じてしまった。本文の方と同じく、駅名は全て『 』で括る形にすれば、スッキリできたと思う。JR(全角)とJR(半角)が混在しているのも、後から足したことが一因。
ルビを振ってよさそうな駅名がまだいくつかあったり、一つの駅で複数の路線がある場合の区切り方(「、」「・」)が違っていたり、あれやこれやである。やはり"再再校"は必要だと思う。
仮に重版が出ることになると、直すべきは直した形で出ることになる。待ち遠しい限りだが、そのためには不備入りの初版が売れないといけない。何とも矛盾した話だ。(ご購入いただいた方には、重々お詫び申し上げます。)
...ちなみに、イカロス出版や学研では、このような事態になっている。(→例1|例2) 気を付けたいものである。
実際の発売前に「見本版」を手にできるのは著者特典とでも言うべきものだろう。その見本版は10部あり、そこから職場等、お世話になった方にお渡しすることになる。正誤表つきで、とも思ったが、間違い探しをしてもらうのも一興と考え、取り急ぎ「著者謹呈」のミニ札を代わりに添えて配る。「鉄道コム」でもしっかりピックアップ扱いでPRを展開。4/17からは、このページへの誘導をかけてもらい、おかげで一定の人気を得た観あり。実売にどの程度結びついたかは、今後のお楽しみである。
発売日は、4/20(土)だが、早い店では前日には並ぶ。好都合なことに、職場近所には名だたる「書泉グランデ」がある。ここの6階はズバリ「鉄道フロア」につき、出勤途中や昼休みにチェックできる。そして、夕方。18時40分台に行くと、並びたての拙著がこの通り。シリーズ同時発売の「列Q」ともどもデン!と積まれている。お店のご厚意で記念の一枚を撮らせていただくことができた。何はともあれ、保存版である。
この後の楽しみは、関係各位からの反響だったり、Amazonの「鉄道カテゴリー」での順位や動向だったり、エキナカ書店や大型書店での取り扱い状況だったり、である。4/20は、岩本町の書泉ブックマート、エキュート日暮里のLIBRO、エキュート赤羽のBOOK EXPRESSで確認、4/21は、「TOMIX WORLD」のOPEN(→参考)に際し、大宮に行き、エキナカの書店でも遭遇、4/27は、つくばエクスプレスの乗り降り旅(→駅ログ)の道中、おおたかの森S・C(紀伊国屋書店)、ららぽーと柏の葉(Books KaBoS)、ルミネ北千住店(ブックファースト)で確認できた。ありがたい限りである。
書店で端末を見つければ、自分の名前で検索して、著書の配置等を確かめては現物を探す、の繰り返し。この際、売れ行きは二の次で、「そこに本がある」というのが重要。見つける度に喜々としている一著者であった。
3.今後は?
100問も作ればもう出ない?と思えそうだが、コツがわかると沸々と出てくるもので、実はストックがそれなりにある。まずは最初の「駅Q」が売れることが先決だが、続編が出る可能性は無きにしも非ず、である。村上本の牽引で、駅ブーム(または駅名ブーム)が起きてくれれば話は早い?(ここはひとつ、乞うご期待ということで。)
地図や路線図が載せられなかった、というのが一つあり、雑学要素としての各表を充実させたい、というのもある。そして何より、今回知った一連の流れ・・・作る・書く楽しみ、ご担当者とあぁだこうだやる楽しみ、(発売日が見てきたくらいから)宣伝・紹介を始める楽しみ、それを受けて話題になる楽しみ、待つ楽しみ、出る楽しみ、再び話題になる楽しみ・・・長々とお楽しみが続く訳だから、是非に、と思うのである。
4.謝辞など
まずはお客様である読者の皆様、「鉄道コム」はじめ、職場の関係各位、実業之日本社ご担当者はじめ、関係者の方々、そして、エコ・パブリッシングの眞淳平さんに御礼申し上げる次第。細君には内助の功と言うか、叱咤激励をいただいた。重々感謝しないといけない。ほか、本著「駅Q」の執筆・出版にあたり、ご支援ご協力いただいた皆々様、ありがとうございました!!
そうそう、中学一年の副担任で、英語担当の先生がどういう形態だか、とにかく書店をやってらっしゃって、「諸君の中からいずれ本を出す人も・・・」と話していたのを思い出す。浅井先生、出しましたよ!
・・・以下、「あとがき」に代え、思うところを綴ります。
駅周辺に「何もない」と言われる場所でも、そこには駅名があり、その名が付いたきっかけや特徴がきっとあります。何かを探す手がかりが駅名には込められている、そう考えるとまた違った視点で旅ができる?...「駅Q」にはその一助となる切り口を詰め込んだガイドブックという側面があります。
ぜひ現地に足を運び、駅と駅名を味わってみてください。そして、鉄道やその沿線、地域に対してさらなる関心を持ってもらえたなら、こんなに嬉しいことはありません。
鉄道を利用することで、交通が保たれ、地域が保たれる。人がどこまで行き来できるかが地域の豊かさにつながる。公共交通としての鉄道、ひいてはローカル線が重要なのはそうした社会的観点が大きいと考えます。それでも、廃線・廃駅の流れは止まりません。これ以上、減らないようにするにはどうすればいいのか。そこで思い至ったのが、現存する駅名を大事にする、ということ。そのためには、「駅名学」的なアプローチで、その関心を高めることができれば・・・そんな思いが「駅Q」の背景にはあります。
各駅で一定の停車時間を設け、駅、駅名、地名などを楽しむことができる専用列車(ツアー企画)があればなぁ、と思う今日この頃。「駅Q」をきっかけにそうした動きが出てくれば万々歳なのですが。
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