第382話 上野〜熊谷130周年(2013.8.1)
今から130年前、1883年の出来事というのを拾ってみると、
4月28日 日本銀行開業
7月4日 東京の大水害(千住大橋落橋)
7月7日 鹿鳴館落成(11月28日開館)
と続いて、
7月28日 上野〜熊谷間、鉄道開通(日本初の私設鉄道)
が出てくる。
その上野〜熊谷間の件は、2003年は開通120周年だったことになるが、どういう訳かその手の記念切符の類も持っていなければ、関連イベントに出かけた記録も残っていない。120の節目には特段盛り上げることがなかったのか、単に筆者が疎かったか、どちらかだろう。
それ故、今回の130周年のあれこれは目を見張るものがある。団体臨時列車、ラッピング列車、各種記念入場券は言うに及ばず、周年対象の駅では記念イベントが目白押し(→例)。上野駅では130にちなみ、13番線の発車ベルを発車メロディー「あゝ上野駅」に変更、てなことまで。
写真展、記念入場券、130周年記念号・・・さすがは上野駅 |
こうした大々的なのを展開できるのも上野駅ならでは |
奥が当の13番線。発車メロディ「あゝ上野駅」はまだ耳にしていない。 |
上野駅広小路口近くには「あゝ上野駅」の歌碑がある(→参考) |
日本初の私鉄、日本鉄道会社が最初に開業した区間が、上野〜熊谷の間。1883年7月26日に試運転、28日に「仮営業」とある。仮とは言え、開業は開業。だが、開業当初は6駅のみ・・・上野、王子、浦和、上尾、鴻巣、熊谷だったというから驚きである。(左図参照)
上野〜高崎がつながり、正式な「開業」を迎えたのは、1884年6月25日のこと。その後、1885年3月1日に、赤羽、桶川、吹上が、3月16日に大宮が開設。今回の130周年の対象に赤羽と大宮が入っていないのはそのためである。(→参考「高崎線130年の歴史」)
赤羽駅開業と同時に、赤羽〜品川の約21kmも開通した。今の埼京線・山手線を結ぶ区間にあたる。品川でスイッチバックする形になるが、これで高崎〜赤羽〜品川〜横浜が鉄道でつながった訳で、鉄道史、いや産業史的にもこれは大きな出来事と言える。人はもちろんのこと、物資が行き交う上でも実に重要。来る2015年は、この関係の周年行事で大いに盛り上がることが予想される。
さて、記念日にあたる7月28日(日)は盛り沢山である。全てを掛け持ちできれば大したものだが、到底ムリ。上野駅を7:53に出る「上野〜熊谷間130周年記念号」をどこかで見物するのもまず叶わず、記念入場券を買い求めるべく、朝早くから出かけるというのも億劫だった次第。事前に多々情報を得ていた割には、行動が伴わなかった一日だった。
近いところで浦和駅から行ってみて、王子、上野と下ってくるというプランはあったが、日中の暑熱を受け、すっかりダラダラ状態に。5時間近く浦和駅周辺で過ごす、というのは筆者的には前代未聞の話である。
以下、まずは浦和での状況を写真で軽くご紹介する。
開業記念日当日の浦和駅改札付近。東西通路の中では、スタンプコーナー、記念入場券セット発売コーナーが設けられ、賑わっていた。 |
見違えるようになった浦和駅。この日ばかりは"開業130周年記念"横断幕などを取り付けてもよさそうだが、ない方がスッキリしていていい、という見方もある。 |
記念入場券セット待ちの行列。一人5セットまで購入可能といった場合、はじめから希望数ごとに列を設ければ、こうはならないのでは?といつも思う。(写っていないが、写真の左側にも延々と行列は続く) |
「ゆるキャラ集合」の図(10:20〜)。コバトンの右隣は「パルコアラ」だそうな。 |
浦和駅構内ではこの通り、なかなかの力の入れよう |
さくら草通り(西口)では、高崎線とはあまり関係ないが、何かと人気のE6系「スーパーこまち」(ミニ新幹線)乗車会も |
130年という重みをあまり感じない王子駅。目立たないながらも、こうしたイベントがあった。
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「佐渡おけさ」
「ジオラマ鉄道模型展示」
「こども駅長制服撮影会」
・・・
内容はともあれ、2階テラスが開放される、というのがポイント
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浦和から京浜東北線で一本。だが、着いた時にはすでに終了。15時を回っていたんだから当然である。
もっとも、その浦和でのウラウラ、いやダラダラのおかげで、浦和駅では211系「ありがとう高崎線130周年」ラッピング列車に、王子駅ではなぜか検測車「East i-E」に遭遇できたのだからよしとしたいところ。
前日の7/27(土)は、大宮駅でE6系の「甲種輸送」を撮影。1日ずれていれば、開業記念日に華を添えることもできたろうに、と思う。(このシーンを含む7/27〜28の動画まとめは右枠の通り) |
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体調が万全でなかったこともあり、当の開業記念日(正しくは仮営業開始記念日?)での筆者の動きはここまで。上野駅には翌日、7/29の出勤途中でようやく記念日気分に浸ることになる。と言っても、イベントの一部、「上野駅開業130年を振り返る写真展」を見た程度だが。
国立科学博物館で開催中の特別展「深海」に合わせて、グランドコンコースには「ダイオウイカ」が出現。130周年にちなみ、体長13m・・・ということはない。 |
これと同じデザインのエンブレムを同駅社員・関係者は着けているんだとか。今度しっかり観察しようと思う。 |
ガレリア広場2階回廊では、「上野駅開業130周年記念写真展」を開催中。(〜8/31) |
こうした写真や年表などが展示されている。佳い企画だと思う。 |
朝の通勤時間帯、こうした写真を撮っているのは筆者くらい?! |
記念グッズ、記念メニューも多彩(これは一例) |
特に平日朝、籠原発・上野行きなどで日々お世話になっている高崎線である。乗る時は、130年の歴史に思いを馳せつつ、と行きたい訳だが、上野駅に近づくとノロノロし出すことが多いものだから、感慨よりも憤慨がつい先に立ってしまう。もっとも、往時のスピードを考えれば、そんなノロノロは全く問題にならず、赤羽→上野が仮に15分(通常は10〜11分)かかったとしても、1885年の23分(例・・・赤羽9:53発、上野10:16着)に比べればずっと早い!となる。せっかくの130周年である。走りが遅くなったら、蒸気機関車が引っ張っているんだから、と想像することにして気を紛らわそうと思う。
開業当初の列車 |
2013年3月ダイヤ
ほぼ同じ時刻の高崎線列車 |
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上野(6:00発)〜熊谷(8:24着)
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熊谷(9:00発)〜上野(11:24着)
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上野(13:30発)〜熊谷(15:54着)
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熊谷(16:30発)〜上野(18:54着)
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開業当初の駅数 |
2013年8月の駅数 |
上野、王子、浦和、上尾、鴻巣、熊谷の6つ |
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第17話 浦和・大宮・与野.../ 第62話 さいたま新都心 / 第115話 1200駅! / 第129話 SLに乗って、温泉へ / 第171話 グリーン車がやって来た / 第366話 205系→E233系 |
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