随筆「東京モノローグ2011」(1−2月期)
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長野電鉄長野線(村山〜柳原)で千曲川を渡る第322話 ウィークエンドパスの旅(後編)

内堀通りに忠実に走るランナー(祝田橋手前にて)第323話 皇居ウォーカー

各地でいろいろな鉄道体験をした年だった第320話 2010年15大ニュース

北向観音の手水は温泉水!(@別所温泉)第321話 ウィークエンドパスの旅(前編)

第323話 皇居ウォーカー(2011.2.15)

 本来なら少しは「走る」ということをしないといけないのだが、昔から苦手・億劫なことこの上なく、走る人を見かけることがあれば「おぉ…」と唸って見送るばかり。走る人が集う大会に遭遇することはあっても、自身が走る人になることはないので、自慢じゃないがとにかく異世界である。

 皇居ランナーという言葉が出現し、半蔵門の事務所に向かう道々でランナー向けのショップを見るようになり、半蔵門界隈で走る人を確かによく見かけるようになり、ふと思いついた。異世界かも知れないが、接しやすい環境がある以上、少しは検証してみるのもいいのではないか...。マナーがどうこうと取り沙汰されている折でもある。

 実際に皇居の周りを歩いた時に歩行者がどんな立場になるか、マナーが悪いランナーというのは実在するのか、など。もっとも、マナー云々は皇居ランナーに限った話ではなく、走る人というのはそういうもの、くらいに考えるのが丁度いいと筆者は思っている。(語弊はあるだろうが、走る(特に自分のため)=肉食系的な何か、を感じてしまう以上、仕方ないのではないかと)

 ロッカーとシャワーのサービスだけでこのラインアップ!(内堀通りからは遠いが、麹町駅には近い)

 某下着メーカーがその立地の強みを活かして出店("ランニングターミナル"というのが凄い)

 1月27日の木曜は、休み時間をシフトして千鳥ヶ淵の交差点に14時頃着くように出歩いてみた。交差点に来る手前から、ランナー数人が目に留まる。北の丸公園の方から走ってきて、左折して半蔵門方面に向かう、というのが多かった。この日は晴天。東京の最高気温は14時に記録した10℃。走るのにはいいコンディションだった訳だが、調べてみるとそれほど多くはなかった。千鳥ヶ淵から半蔵門まで内堀通りに沿って約400m、ゆっくり歩いて10分ほどの間に走って行ったのは8人どまり。筆者と同じ半蔵門方面だったのは男性4人に女性3人(男女1組を含む。他の5人は単独)で、逆方向は男性1人のみだった。道幅は広い方ではないが、狭くもない。普通に歩いていて、ランナーが邪魔!ということはまずなかった(逆もまた真なり?)。短時間・単発なので何とも言えないが、この時に限ればマナーは良好だった。

 左は千鳥ヶ淵公園。公園内を走って行くランナーも見られた。

 半蔵門の入口はこんな感じ。「ランナーの皆様へ (中略) ここは飲み物置き場・ゴミ捨て場ではありません」との掲示。今となっては過去形か?

[+]=国立劇場前 

 次は2月10日の木曜。普段は四ツ谷に出て帰途に着くところ、今回は皇居周りで帰ることにした。自身初の試みである。いわゆるアフター5の時間帯になるが、皇居ランナーは果たしてどれほどのものだろうか?

 TOKYO-FMの前に出ると、早くも何人かが走って行く姿が見える。方向は桜田門方面ばかり。何となく目で追いながら、国立劇場の前へ。ここから横断歩道を渡り、いよいよコースに合流する。一歩行者としてはちょっと緊張する場面である。

 先の千鳥ヶ淵では1分で1人のペースだったが、時間帯の為せる業か、やはりそれなりの人数が走り抜けて行く。平均すると1分に2人? それだけ聞くと大したことないように思えるが、実は一定の法則がある。「何人かが固まって走って行く」のである。もちろんお仲間と思しき何人かで走るケースも見受けられる。が、一人行くとその後から一人二人、というのが案外多いのである。固まっていた方がお互い刺激になる、というのもあるだろう。ランナーが少なくないと感じさせるのはそのためと思われる。

 こういう光景をよく見かけた

 振り返ると坂はなだらかだった(バス停はズバリ、三宅坂)

 この時の気温は8.8℃だった。風が強く吹く場面があると体感的には低くなるが、ランナーにはあまり関係なさそうだ。三宅坂の下りを猛スピードで駆け下りていくのがいる。ランナー=風の子、と考えれば合点が行く。

 視界左はずっと桜田濠である。思えばここをこうして歩くのは初めてなので、お濠がまず目新しく、また進行方向に見える霞ヶ関の官庁街も新鮮に映る。ランナーの様子を撮りながらも、あれこれ景観を撮影することになる。ランナーを数えるのは元から諦めていたが、歩行者にも抜かれるようになるとさすがにハッとなる。三宅坂の丁字交差点辺りからだろうか。何となく歩く人が増えていたのである。家路に着く人達なので、エクササイズとは違う。だが、これは「皇居ウォーカー」と言ってもいいのではなかろうか。とすれば、ランナーとウォーカーがどこかでぶつかってもおかしくはない。マナー問題の現場は、第246話(後段)に記した大手門〜気象庁前の歩道(狭め)だろうと察するが、この界隈もアフター5となれば大いに可能性はある。現に歩行者・ランナー・自転車が並列になる場面もあり、後ろから見ていてヒヤッとしたくらいである。

 道路標識はこれ→
「自転車および歩行者専用」、走行者とは書かれていない。

 やはり何となく固まっているのがわかる(来ない時は来ない)

 どこから4.0kmなのかは調べていないが、三宅坂の三叉路を過ぎた辺りにある(桜田門方面に向かって距離が増す)。フェンスはこの通り至ってシンプル。あわやお濠に...という心配もなくはない。

 東京駅八重洲口にある北と南の高いのをはじめ、丸の内エリアの一連のビル群がこのように見える。景観は悪くない。

 とにかくクルマの通行量は多い。ヘッドホンで音楽(何故かダンスミュージック♪)を聴きながら歩いていたが、時に聴こえにくくなるほど。(空気もあまりよろしくない?)

 家路を急ぐ歩行者の隣を、ストックを持った競歩系(?)のランナーが行く。ウェアも様々なら走法も実に様々。

穏やかな朝のジョギング along「内堀通り」(©東京メトロ) 上の写真に近いのが、最近の「TOKYO HEART」のこの一枚。この向きで走る人は実は少ない。

 何となく曇っているので、日が落ちてくると暗くなる度合いが強く感じる。街灯もあるし、何せ天下の内堀通りゆえ、クルマのヘッドライトも煌々としているし、遠くでは東京駅・丸の内・日比谷と連なるビル群の照明も眩い。人工的だが明るさはあるので、そのうち空の暗さは気にならなくなっていた。ランナーも増え、歩行者も増えていたが、接触する心配はなさそうだ。桜田門が見えて来た。ここまでの道程は約1km。だが実に30分かけての到着となった。

 当の桜田門に目を遣ると、意外にも門をめざして走って行くランナーが多く、「あの暗い中を?」と案じることになる。内堀通りから外れれば、当然だが暗い。門の中に消えて行くランナーを見送りながら、夜が近いことを改めて認識するのだった。

 わかりにくいが、門は一応開いている。開いていないと皇居前広場には出られない。(画像は明るめに処理)

 左が凱旋濠。その先が祝田橋。ランナーは左折。

 桜田門を過ぎると左には凱旋濠が現れ、その先に祝田橋が見えてくる。内堀通りはその橋に従って左に折れ皇居方面に向かう。内堀通りに忠実なランナーも何人かはいて、途中で抜いて行ったが、どっちみち祝田橋まで。とりあえず、半蔵門から祝田橋までの間、皇居ランナーと呼ばれる方々の中を無事歩いてくることができた。「俄か皇居ウォーカー」である。総じてマナー云々の件は感じなかった。(この後は、日比谷〜有楽町と歩き、丸の内シャトルに乗って東京駅へ。少々歩くが、帰り方としては悪くないと思った。)

 祝田通りの先には東京タワー。走っていると気付かないかも知れない。

 日比谷濠が鏡のようになって、日比谷通り沿道の建物を映す。都会的絶景といったところ。(皇居ランナーはここは通らない)

 2011年の東京マラソンの抽選倍率は9.2倍だったとか。その選ばれたランナーは益々だろうし、そうでない人も余念はないだろうから、この時期、お目にかかったり、すれ違ったりというのも増えるだろう。マナーの良し悪しは別にして、「おぉ」を発する機会も増えそうである。(異世界であることに変わりはないだろうが、大会を見に行く気はなくはない、そんな今日この頃である。)

  • こちらもどうぞ...⇒ これまでに遭遇した主なランナーイベント

 2005年2月13日14時頃、神保町のオフィスに休日出勤した折、白山通りで東京国際マラソンにバッタリ

 一年後の2月12日12時半、東京ドームのイベント(テーブルウェア・フェスティバル)に向かう途中、水道橋交差点で再び東京国際マラソン(先頭集団)に出くわす

 そのまた一年後。東京国際マラソンは2006年までとなり、東京マラソンに衣替え。2月18日はあいにくの雨だったが、とにかく開幕した。(浅草橋駅近く、江戸通りにて)

 この記事と同じ時に撮った一枚(西新井橋にて)。タートルマラソンと云う。

 細君のご実家から自転車で行こうと思えば行けたのが箱根駅伝。今年初めて現場に行き、藤沢橋付近(3区)で最初から見物することができた。写真は先頭の早大の選手。

 

第322話 ウィークエンドパスの旅(後編)(2011.2.1)

  • 12月26日(日) [上田〜屋代〜須坂〜小布施〜信濃吉田・北長野〜替佐〜十日町〜越後湯沢〜水上・・・]

 上田は徒歩圏での見どころが多い分、絞り込まないとどっちつかずになってしまう可能性がある。ウィークエンドパス(以下、WEP)の旅、2日目は、行程を逆算した結果、遅くとも8:57発で上田を出る必要があり、朝食時間を差し引くと、明け方にどこか一箇所、というのが関の山だった。しなの鉄道沿いにある繭倉を含む「常田館」一帯か、上田城か、はたまた千曲川か...否、ここはやはり旧北国街道、とりわけ柳町だろう。そう決めるのにさほど時間はかからなかった。

 前夜は袋町・海野町界隈までだったが、その先の原町、そして柳町へ。夜が明けようとする頃合に歩き始めたが、現地に着いた時点ではまだ暗さが残っていて、情感たっぷり。空の色の変化に合わせて、古くからの町並みが色を変える様はなかなかのものである。パン屋を除き、動きのある店はなく、ここに載っている地図を頼りに、めぼしい建物に見入っては撮影の繰り返し。コンパクトな中にも格調を感じるのは、歴史深い「街道」ゆえ、だろう。矢出沢川を越え、武田味噌工場を眺め、上田大神宮にお参りして引き返す。鳥居の手前から今来た道を望むと、赤みがかってきた空とは対照的に町はかえって仄暗く映る。映画のロケで使われるだけのことはある。画になる町なのだ。

 中央2交差点から海野町方面 AM6:25

 北国街道柳町 入口(→地図

 天然酵母パンの有名店(開店は9時〜)

 上田大神宮から柳町方面

 橋の袂には、明治期より現存するという「名残りの松」が

 日は昇れど、月も上。やはり画になる柳町。

右の一角が「保命水」 もう一度川を渡り、左手の脇道に進む。成分表付きの飲用水が目に留まったので、試飲してみた。ほんのひと口だったが、違和感がする。鉄サビ? 水の名は「保命水」というが、どうにも怪しい。手袋が役に立たない程、冷え冷えする中(この日の上田は、6〜7時が最低気温のピーク。−2.4℃!)だったので、カイロを手袋に忍ばせていたのだが、そのカイロから鉄分が付着し、水に紛れたか?とも思ったが、どうだったのだろう。すでに空は明るいので、手のひらもよく見える。何となく黒くなっている?! ギョッとしながら、ホテルに戻るのだった。(あとで調べたら、「鉄分の含有量が多いため、空気に長く触れると茶褐色の鉄錆が出たりする」との情報が...)(^^;

東横イン上田駅前での朝食は、おにぎりが充実 こんな感じのプチバイキング形式の朝食をいただき、余裕を以って上田駅へ。WEPがある以上、例えば隣の信濃国分寺へ行ってから、篠ノ井方面へ、というのも考えたが、寒いし荷物もあるしで、順当に8:31発で屋代をめざすことにした。(8:57に乗った場合、屋代には9:21に着き、長野電鉄との乗り換えは4分。8:31発だと屋代での待ち時間は、約30分。実際には4分あれば大丈夫なので、途中の戸倉で降りて、どうこうしてもよかったのだが、結局、そのまま乗車。戸倉に169系湘南色車両が停車していたことを考えると、ちと惜しまれる。)

 今は千曲市だが、かつては更埴市だった。その名残をマンホールのフタなどに見ながら、遠くに目を転じれば高雄山などの山並み。屋代駅の西側はとにかく開けている。逆に駅方向を見ると、二つの小山が迫っていて、何とも極端。新幹線が近くを走りながらも駅ができなかったのは、こうした地形的要因が大きかったのかも知れない。(新幹線は、その二つの山の中を突っ切る格好)

 屋代駅から西を望むとこんな感じ

 東側はこの通り(左:一重山/右:有明山)

わかる人にはわかる。昔の日比谷線である。 余裕があった筈だが、気が付けば発車数分前。急ぎ足になっていたが、ローカル私鉄にはそれを押しとどめる力がある。山側にある古びたホームには、懐かしのあの地下鉄車両。かつては人を詰め込んでアクセク走っていた訳だが、今は違う。こうも悠然と待たれていては、スローになるしかないのである。

 WEPのありがたみを実感する鉄旅、今度は長野電鉄(屋代線)の旅となる。上信越自動車道は比較的カーブが少ないが、長電は千曲川とシンクロするようにカーブを繰り返し、朝の陽射しが右から左からと車内に降り注ぐ。これだけの天気なら雪が見当たらないのも当然だろう。車内は暖かいくらいだった。雨宮、象山口、大室、綿内など、一風変わった名称の小駅が続き、進行方向左は、飯綱・黒姫・妙高の山々が常に一望できる。ローカル感とともに行楽気分が否応なく高まる35分だった。

 全国で「ぞ」で始まる駅は、雑司ヶ谷、雑色、蔵宿(佐賀県)、造田(香川県)とこの象山口の5つのみ。

 信州ならではの光景(井上〜須坂)

 終点の須坂には10:01着。目的地である小布施には、ここから10:04発の信州中野行きに乗り換えて2駅。さすがに3分間では下車する訳にも行かず、各地で活躍していた車両が停まっているのをホームから見物するのがせいぜい。時間があったらあったで、駅も町も盛り沢山なので、あわただしく過ごすことになっただろう。須坂は別の機会にとっておくことにして、予定通り小布施に向かった。(駅ログ「#2538 小布施」もあわせてどうぞ)

 回送されて間もない元・成田エクスプレス(253系)に遭遇(→参考

 これもどこぞの払い下げかと思いきや、長野電鉄オリジナルだった(ただし廃車留置)

 小布施駅からは、「北信五岳」が望める

 屋代からは1,000円。長野からは650円。(わかりにくいが、須坂と村山の間に「日野 320」と書き加えられている。昔からある駅なので、単に書き落としたものと見られる。)

 週間予報では、この辺りも大雪の筈だった。が、その予想は大きく外れ、歩道に少量の雪が残る程度。ただし、角材の断面を敷き詰めた格好のその歩道は、何故か滑りがよく、慎重に歩くほかなかった。見どころがコンパクトにまとまっていて、歩きやすい小布施だが、旅人を急がせる必要はない。そのための工夫だとしたら、大したものである。

 小布施堂界隈の一角、桝一市村酒造場

 竹風堂の栗強飯(折詰)。650円也。

 傘風楼テラスと蔵部(酒蔵)(→地図

 きのこミックスと野菜ミックスをいただいた(この日は特価で@100円)

 皇大神社・金刀比羅宮から、桜井甘精堂、桝一市村酒造場、竹風堂本店と来て、ここで栗おこわなどを購入。傘風楼テラスに出て、栗の小径やオープンガーデンを経由し、信濃製菓で腹の足しとしておやきを買ったら、あとは駅へ。この間、だいたい90分である。しっかり見て廻るには一時間では足りない。だが、一部でも町歩きを楽しむ上ではこれで十分、そんな町。やや人工的に整えた観もあるが、「出没!アド街ック天国」、2007年7月7日放送の「今、散策したい!ニッポン懐かしい風景が残る街BEST77」にランクイン(52位だが)するだけのことはある、そう思った。

 11:43発の長野行きに乗る。今度は乗り換えなしで、信濃吉田(12:08着)へ。途中、村山で上り下りの交換があったので、少しは時間があるだろうとホームに降り立ったら、下りが入線する手前で発車のアナウンスが入り面食らう。信濃吉田駅の駅員は愛想がなかったし、小布施駅の女性駅員はWEPの日付をわざわざ再確認するし、しっくり来ない面がある長野電鉄だが、村山〜柳原で見たこの千曲川の展望に免じることにしよう。斑尾と高社の山並みの間へ、身を委ねるように川が流れる。この構図はちょっとしたおすすめである。

 この写真を撮った直後に発車のアナウンスが入った

 千曲川と飯山方面(村山〜柳原)

かつての東急の車両に乗って信濃吉田へ 駅員は駅員、駅舎は駅舎である。コンコースが広く、外観も立派なのが信濃吉田。駅前に商業施設があり、JRの駅にも隣接。旅の行程でこの乗り換えを組む客がどれだけいるかは不明だが、人の流れがある駅であることは間違いない。(この時の乗り換えレポートはこちら→「#2539+2540 信濃吉田&北長野」)

十日町まで通しで乗ると1,450円 かくして、JRの北長野へ。ここから予定通り飯山線(越後川口行き)に乗り込む。高尾〜小淵沢は140分だったが、ここから十日町はそれとほぼ同じ、139分の乗車時間である。長い分、たっぷりと車窓、特に進行方向右手に広がる川景色、即ち今回のテーマ「冬の千曲川をたどる」を堪能することになる。

小布施から越後湯沢までは、こういう行き方もあった(信越本線ルート)。十日町で合流することになるので、越後湯沢到着は同じ。 豊野辺りまでは、建設途中の北陸新幹線と川沿いの平野部がよく見渡せる。やがて千曲川が近づいてきて、あとはテーマ通り。期待の雪は、替佐ではまだまだだったが、飯山の前後から見え始め、県境に進むにつれ、深さと凄みを増していった。寒々とした景色を眺めつつ、竹風堂で買った蒸したて(当時)の栗おこわをいただく。ホカホカとは行かないまでも、まだ温度は残っていて、雪の千曲川を見ながら食べるにはちょうど良い塩梅だった。栗は大粒で甘みがあり、実に美味。外が寒々としている分、味覚が引き立つ、というのもあったかも知れない。

 立ヶ花を過ぎると、川はぐっと近くに来る

 北飯山付近の雪はまだこの程度

 この日は完璧な晴天で、山並みが低いと、直射日光が窓に突き刺さってくる感じだった。日光が雪に反射して眩しいということもありそうだが、意外とそれはなく、見えるのはただ雪解けが進む様。木々から雪が降り落ちてくるのがまた楽しく、その合間に白々とした川が姿を見せる、そんな連続である。

 上境からは雪が深くなり、どこで絶景が出てくるかわからない状態になる。カメラを常に構える必要に迫られる路線はそうそうないだろう。トンネルが少ないこともその一因。トンネルに入ったのは、乗ってから80分余り経ってから、西大滝の先でようやくだった。

 信濃白鳥の白雪

 千曲川と雪景色(横倉〜森宮野原)

 ←飯山線(上滝〜森宮野原)の周辺地図 *川の曲がり具合やトンネルの位置など、要チェック

 森宮野原を過ぎたところで、千曲川から信濃川へ。同時に新潟県入りとなる。津南を過ぎて、いよいよ積雪量は増え、川の両岸も白一色。クリスマス寒波の名残を見る思いだった。

*1月下旬、折からの豪雪で大変になっている一帯の一つである。(1/31時点で、津南の「最深積雪」336cm、十日町は311cm) 年末時点でこうだった訳だから、察するに余りある。(つくづくお見舞い申し上げる次第)

 今ではもっと凄いことになっていると思われる(津南〜越後鹿渡)

 信濃川と雪景色(越後鹿渡〜越後田沢)

 ついさっきまで強烈だった日射はいつしか弱まり、旅の終わりを告げるように照っていたのが印象的だった。やがて川も進行方向左へ去り、右の車窓からの眺めはただ雪、雪...。雪をまとった家屋が増えてくると程なく十日町に到着。まだ15時前だったが、曇っていると遅い時間に感じる。晴れたり曇ったりの中、ここからは北越急行に乗り換えて、ひたすら南下。川を追う旅は終わりだが、魚沼丘陵から先は、雪山を左、または左後方に眺めながらの旅となる。普通列車だが、北越急行のそれは快速並み。六日町から越後湯沢まではノンストップ、なかなか快適だった。

 高架を走るほくほく線は見晴らしがいいのが特長(十日町市街地)

 長〜いトンネルを抜けると魚沼丘陵駅に着く(→地図

 白銀の魚沼田圃

 この眺め、第129話での旅以来である(雪の八海山)

ホームからの眺めもどこか寂しい越後湯沢 15:09に十日町を出て、越後湯沢には15:42着。せっかく早々と着いてくれても、この先の接続がいま一つなのが、この手の旅の致し方ないところ。(WEPなら、特急料金を追加すれば新幹線にも乗れてしまう。スグレ物なのだが、筆者的にはそれはなし...) 1〜2月の土休日は、「シーハイル上越」という快速列車があって、16:32越後湯沢発で19:23大宮着という打ってつけのが走っているが、この日はそういう便利なのはなかったので、16:45発の水上行きまで待つことになる。活気がなく、寂寥感さえ感じてしまう越後湯沢の駅前をブラブラして、駅構内がんぎどおりで何とか時間を使い、再び雪列車の旅へ。細君は水上からそのまま高崎〜大宮〜と乗り継いでもらったが、筆者は沼田から別行動。時間の許す限り、乗り降りしたことのない駅巡りに興じることにした。(詳細は、駅ログ(#2543#2545)にて。)

 そんな一連のWEPの旅。赤羽に向かう快速の中で、レポートの下書きを考え、12/28のうちに提出。すでにご覧いただいているかも知れないが、おかげ様で1/20に、All About「週末旅行」に「冬の千曲川に沿って景色を楽しむ鉄道の旅」の題で掲載していただいた。

 新幹線や特急を使わない、追加料金ゼロの旅である。しかも筆者流の変則行程もしっかり載っている。All About的にどうなんだろう?と思うが、こういう旅をする人間が全くいない訳ではない。鉄旅の多様性を汲んでもらえたのなら、これ幸い。さらにこのレポートを少しでも参考にしてもらえるなら、こんなにありがたい話はない。

 肝心の千曲川だが、小海線では細い渓流、しなの鉄道ではすでに堂々たる河川、長野鉄道でも脈々とした流れ、そして飯山線では雪渓と各々変化を楽しむことができた。一つのフリー乗車券で、源流からずっと辿れる一級河川というのは実はあまりないのではないか。今、振り返ってみて、WEPの偉大さに感じ入っているところである。

 日本は鉄路でつながっていて、つながっているからこそわかる地域の良さがあるということ、時刻通りの運行があったからこそ、旅程を無事全うできたこと、この2点も忘れてはならないだろう。とにかくいい旅をさせてもらった。感謝×3である。(WEPをいただき、レポートを掲載してもらい、さらにびゅう商品券、で謝意三倍)(^^)

  • こちらもどうぞ...⇒ その他の記録

1.デスティネーションキャンペーン関係

 プチ「信州デスティネーション」と洒落込んでみたが、実際に同キャンペーンに参加したのは「信州ぐるっと駅スタンプラリー」程度。指定の3駅分を押して応募するだけなので至って楽々だったが、各駅のスタンプの設置具合などがわかり、また違った楽しみがあった。・・・例:上田(改札内)、別所温泉(改札外)、大屋(窓口が閉まっていると押せない)、小布施(改札内)など

2.撮影枚数

行程を入力する画面(なかなかよくできていた) レポートは、webフォーム経由で送ることになっていて、当然のことながら画像ファイルも添付送信できるようになっている。添付できるのは30枚だったが、こういう場合、多く撮っておいたに越したことはない。いつも以上に撮影に注力した旅だった。おなじみ単3(eneloop)を持って行けるだけ持って行って正解。2本×3回、即ち6本分を使い切る勢いだった。撮影枚数は380枚ほどである。

3.運賃を計算してみると

 All Aboutでの掲載ページ「ウィークエンドパスを使って、どれだけおトクだった?」では、

「※おトク額は、お客さまのご利用方法によって異なる場合があります。」という注記とともに、ご丁寧に交通費明細を載せてもらっている。(以下、転載)

・乗車券…赤羽〜新宿〜立川〜高尾〜小淵沢〜小諸 4,620円
・乗車券…小諸〜上田 390円
・乗車券…上田〜別所温泉(往復) 1,140円
・乗車券…上田〜屋代 430円
・乗車券…屋代〜須坂〜小布施 1,000円
・乗車券…小布施〜信濃吉田 520円
・乗車券…北長野〜十日町〜(北越急行)〜越後湯沢〜赤羽 5,540円
・乗車券…高崎〜群馬八幡(往復) 380円

合計 14,020円
ウィークエンドパスだと…8,700円
おトク額 5,320円

 これを筆者の行程に忠実に計算(改札を通った駅を基準)してみると、

【12/25】
赤羽〜中込:4,310円 中込〜小諸:230円 小諸〜上田:390円
上田〜別所温泉(往復):1,140円 上田〜上田原:170円 赤坂上〜上田:170円
上田〜大屋(往復):440円
小計:6,850円

【12/26】
上田〜屋代:430円 屋代〜小布施:1,000円 小布施〜信濃吉田:520円
北長野〜替佐:320円 替佐〜十日町:1,280円 十日町〜越後湯沢:610円
越後湯沢〜沼田:950円 沼田〜後閑:180円 後閑〜高崎:820円
高崎〜群馬八幡:190円 群馬八幡〜赤羽:1,620円
小計:7,920円

 で、合計14,770円(おトク額は6,070円)になる。距離の割にはおトク度は高いと言えなくもない? ひとつご参考まで。

[+]=柳町の入口(上田市)  

[+]=傘風楼テラス(小布施町) 

[+]=魚沼丘陵駅(南魚沼市) 

 

第321話 ウィークエンドパスの旅(前編)(2011.1.15)

 新幹線と並行する在来線は、新幹線開業とともにJRから経営分離されることになっている。分離されると何が起こるか。沿線住民への影響は多々あるのは勿論だが、青春18きっぷ利用者にとっても一大事が生じる。行きにくくなる町や駅が増えてしまうのである。

 小諸は辛うじてJR(小海線)で行けるが、その東西、即ち軽井沢、上田、戸倉、屋代などは18きっぷでは行けない。下手すると何年もご無沙汰になってしまう可能性があるのがこの東信州エリア(by「信州デスティネーションキャンペーン」)なのである。

 そんな積年の一念が通じたか、幸運にも「ウィークエンドパス」の体験モニター(WEP特派員)に選んでもらえ、オリジナルの信州デスティネーション旅が実現する運びとなった。期日指定で2010年12月25〜26日の2日間。パスが支給される代わり、レポートを投稿するという条件はつくが、こういうのはお手の物。このパスがあれば、長野県内で乗れない鉄道はない。入念にスケジューリングして、レポート的要素を予習すれば事足りる。あとは天候と定刻運転を期するばかりである。

 という訳で、すでに2日分のレポート(原文)があるので、それをふくらませて旅行記として(2回に分けて)お届けしようと思う。「東京モノローグ」的には反れるが、過去にも第10話第35話第129話などで旅ネタを載せているので、たまにはいいだろうということで。

  • 12月25日(土) [赤羽〜新宿〜立川〜高尾〜小淵沢〜中込〜小諸〜上田〜別所温泉・・・]

車窓から望む富士山(@国立付近) 赤羽を7:25に出て、新宿では7:39−44の乗り換え。ホリデー快速に間に合ったので、少しでも先手先手という発想でとりあえず立川へ。ただ、もともと乗る予定だった7:52新宿発は中央特快だったので先行逃げ切りも何もない。立川で時間的余裕ができる筈もなく、単に乗換回数を増やしただけのことだった。(ホリデー快速でよかったのは、わりと乗客が少なく、車窓をのびのびと楽しむことができたこと。富士山もこの通りである。) 立川からは各停になる特快に乗って高尾へ。ネックになりがちな中央線快速区間だが、この日は至って順調だった。

 高尾での乗り換えは8:35−44。ここから小淵沢までの140分は、2日間の全行程で最長時間になるため、バッチリ席を確保してと行きたかったが、低く強い冬の日射や窓の隙間から入り込んでくる寒風に翻弄される始末。進行方向右側のクロスシートに座り直し、何とか落ち着いたのはやっとこさ甲府以西だった。(韮崎からは、線路が蛇行するような感じになるので、再び陽射しに悩まされることになる。晴天というのも考え物である。)

 週間天気予報を見る限り、小海線沿線は雪だったり、野辺山に至っては最高気温0℃だなどと脅かされていたが、これが思った程でもなかったのは、ここまでの車中で寒さに慣れてしまったためかも知れない。ともあれ初めての「冬の小海線」は、小雪舞う中を出発し、この先、雪と寒さが深まるであろう予感とともに甲斐小泉・甲斐大泉と山を分け入っていくのだった。

 今回のモニター旅では、各自でテーマを設けることになっている。長野県内の私鉄(4線中3線)を軸に、というのは「鉄道体験」的にはいいが、どちらかと言えばサブテーマ。「クリスマス寒波体感」とか「雪見旅」の方がいいだろうと心に決め、それに関係する写真を撮れるようしっかり構えて列車に揺られる。が、しかし・・・

 頼みの野辺山とその先から、逆に雪が見当たらなくなってしまった。そうこうするうち、列車は長野県に入り、千曲川と寄り添うようになる。そして信濃川上から佐久広瀬へ向かう途中、この写真を撮ったところで思いついた。寒波や雪が期待薄ならこれしかない。即ち「冬の千曲川をたどる」である。

 野辺山の積雪はこの程度

 このように「千曲川」と出ていなければわからなかった

 小海線で千曲川源流!というのが自分としては新鮮だったことも大きい。地図を改めて見ると、小諸から先も、2日目に予定していた行程も、千曲川沿い。ウィークエンドパス(以下、WEP)だからできる沿川ツアーを組んでいたのである。18きっぷでは乗車できない、しなの鉄道に長野電鉄。WEP効果を実感するには打ってつけとも言える。

 テーマを据えた割には、肝心の千曲川の写真は至っておろそか。雪を背景に、時にエメラルド色に光る流れを堪能できたものの、観望優先で撮影に手が回っていなかった。これという一枚をご紹介できないのが残念な限りである。

照り焼きもさることながら、茶飯や「巨峰寒天餅」もなかなか 細君に小淵沢で調達してもらった「甲州とりめし」を食べ始めると、やがて小海(標高865m)に。この辺りから再び雪がチラつくも、深々とした感じは特になく、八千穂(標高785m)に着く頃には、晴れたり曇ったり。佐久盆地に入り、駅間隔が細かくなり、乗り降りも増え...気が付けばすっかり青空が広がり、日射もたっぷりである。沿線の住宅を見ると、屋根にソーラーパネルが取り付けられているのが大勢。この光量なら大いに納得である。

 白々とした盆地の光景を思い描いていたのが大ハズレ。いい意味で予報に裏切られたのだった。(筆者のみ、12:58−13:01の3分間の停車時間を縫って、中込駅で途中下車。降りてみてわかる空気感・清涼感というものがある。本当に晴れ晴れしていた。)

 千曲川としばし離れ、しなの鉄道が近づいてくると、一転して雲量が増えてきた。乙女駅ではこんな具合で、小諸に着いて外に出ると、雪はなくとも寒気は十分。本場、信州の寒さの一端を実感するも、寒さを表現する写真とは?という自問が生じる。旅のテーマで「寒波」はどっちみち難しかった、と思う。

 次はWEPならではの行程、しなの鉄道の旅である。再び千曲川の流れを追い、遠く海野宿を眺めたり、繭倉を見つけたりの20分余り(小諸13:52発−上田14:14着)。沿線スポットを押さえ、一応視認できたのはよかったが、写真の方はまたもNG。ここまでの道中、野辺山手前のJR最高地点標(1,375m)、海ノ口ダム、千曲川の清流と"撮りこぼし"が続いていただけに、しなの鉄道でのこの再ポカは痛い。レポート(画像必須)を控えている分、尚更である。

上田駅前 この時の気温は5℃ ともあれ無事、(18きっぷでは来ることができない町)上田に着いた。宿泊地にこれだけ早くに着くというのは筆者的には珍しいことだが、よくよく考えると、東京からの距離はそれほどでもない故、遠回りしたところでそこそこ早く着くのは道理だった。(赤羽からは新幹線経由だと176km、大宮からは新幹線で1時間もあれば着いてしまう距離。かつてのL特急あさまでも、上野〜上田は2時間半である。) それでもその遠回り、実に270km余り(乗車時間は約350分)である。通しで乗った場合の運賃は5,010円。これは、赤羽〜横川〜軽井沢〜上田と途中でJRバスを使った場合の合計3,560円を当然だが上回る。

 駅前の東横インに立ち寄り、荷物を預けつつ、インターネットを借り、「信州デスティネーションキャンペーン」情報などをチェック。余裕を以って、次の行程に臨むことができた。

 WEPあっての鉄旅、しなの鉄道の次は上田電鉄別所線の旅である。(小諸と上田の乗降レポートは、こちら「#2532+2533 小諸&上田」をどうぞ。)

 何を隠そう、この上田電鉄、乗車するのは今回が初。かつて上田近郊を東西南北に走っていた上田交通各線(または上田丸子電鉄)の中で唯一残った貴重な路線だけに、何らかの感慨もあろうと期待は大きかった。だが、出迎えた車両は東急でおなじみの1000系(二両編成)。これに面食らわない訳にはいくまい。それでもローカル私鉄はローカル私鉄。ひとたび動き出せば、旅愁のようなものが湧いて来る。不思議なものだ。

 今は「自然と友だち」号として活躍中の1000系

 扉が手動だからこそ撮れた一枚

 鉄橋の赤に阻まれてしまったが、千曲川、国道143号線(上田橋)、聖高原方面の山並みがこのように望める

 下之郷に着く前、進行方向右側の風景(雪はない)

 出て間もなく、カーブとともに千曲川を跨ぐ構図となり、進行方向の左右にまず目を奪われる。国道143号に沿う間は、建物が目立つものの、ローカル線らしい小駅が続き、国道から離れると、いよいよローカル感は深みを増す。上田原からのカーブでは減速した覚えがないくらいだったのに対し、下之郷の手前のカーブでは、最大減速。停まるか停まらないかくらいのノロノロ運転だったが、ローカル線ならではの風景をじっくり拝むことができた。そのための徐行だとしたら大したものである。

 下之郷から先は、南方に独鈷山と女神岳を背景に田園が広がる光景がしばらく続く。沿線風景の最たるものと言えるだろう。ちなみにこの平野部、塩田平と呼ぶそうだ。

 下之郷駅で「まるまどりーむ号」(→参考)と行き違う

 独鈷山と田圃と畦道(やはり雪はない)

 15:02発で終点の別所温泉には15:29着。30分も乗っていなかったのだが、沿線風景の多様さが時間をゆっくりに感じさせた。短いようで長い、そんな感覚である。

 別所温泉駅と、線路脇の旧型車両の件は、「#2534 別所温泉」を見てもらうとして、ここでは温泉街散策記を綴る。(地図としては、観光協会公式サイトのものよりも、別所温泉財産区の「案内マップ」がわかりやすく、プリントアウトしておいたのが少なからず役に立った。)

 将軍塚、七苦離地蔵堂、別所温泉センターなどを経て、まず向かったのは北向観音である。緩やかな坂道と振り返った時に望める眺望を楽しみながらの道中は10分ほど。石段を下りて上って境内に入り、温泉水の手水で清めて御堂の中へ。16時になろうとしていた時分だったが、筆者らが参拝を終えると、閉扉となってしまった。長野市内の善光寺は以前参拝したので、今回ここでお参りできて「両参り」が実現できたのはよかったが、時間ギリギリだったというのは何と云えばいいのやら。(見事なスケジューリングだった、ということにしておこう。) 程なく、誰もいない筈の鐘が鳴り、周囲一同騒然。16時の時報を兼ねた鐘つきだが、何とオートマチックだった(→参考動画クリックすると再生しますのである。4回でも16回でもなく、鐘が7回衝かれたのは、おそらく「七苦離」と関係があり、観音下の足湯場が「ななくり」なのも頷けるが、こういう設定は「ビックリ」以外の何物でもなかろう。(「苦離」つながりだからいい、ということにしよう。)

 「温泉分析書」が掲示されている手水はそうそうないだろう(冬場でも心置きなく浄めることができる)

 境内からの見晴らしもいい

 このように開放されていた御堂だったが

 程なく閉じてしまった

 細君が足湯に浸かっている間、筆者は観音近くの共同浴場「大師湯」へ。150円で名湯に入れる、というのは実にありがたい。単純硫黄温泉なので、浸かってそのまま出ると何となくイオウが匂うことになるが、流さないのが温泉浴。(ホテルに戻って湯船に入ったら、その硫黄成分が出てくるのがわかった。さすがは名湯、強力である。) この後、足湯も試して、バッチリ寒気払いができた。上田に着いた時の気温は5℃。別所温泉は山寄りで小高い土地にある分、さらに低温だったことだろう。寒々と坂を上り、温々と坂を下る。別所温泉を端的に表すとそんな感じである。

 温かさを温存しつつ、再び上田電鉄に乗り込む。16:41発である。徐々に暗くなる中だったが、往路で眺めた田園風景を違った色合いで観賞することができ、言うことなし。

 そして再び下之郷である。往路ではうっかりしていたが、復路ではちゃんと見届けることができた。かつてこの駅から南、丸子町(今は上田市)の中心地に向け、上田丸子電鉄西丸子線が延びていたのだが、そのホームの名残と廃線跡を窺うことができたのである。暗くなりきる前だったのは幸いだった。

 乗っている間は辛うじて明るさが残っていたが、上田駅お城口を出た時にはすでに夜の色。イルミネーション鮮やかな時間になっていた。クリスマス当日であることをすっかり忘れていたが、この光彩のおかげで気分はクリスマス。ただし、晩餐は洋物ではなく地物と決めているので、ムードはここまでである。信州と言えば、これしかない。そう、蕎麦である。

あんこ、カスタードクリームを一つずついただいた この「そばマップ」を頼りに、松尾町、袋町・仲町といった辺りを廻ってみる。が、値段が店先に出ていないので、躊躇してしまうのだった。店に迷い、道に迷い、何とか海野町に出たが、ここで見つけてしまったのが、志まん焼(@80円)。お店は富士アイスと云う。アイス屋さんで今川焼きのような一品をいただくことになってしまったが、こういう意外性があるから旅なのだ。ホットケーキのような風味と食感はなかなかだった。

何とも昭和風情な一角。この「上田映劇」、堂々現役である。 期せずしておやつが先になってしまったが、この際、順番はいい。蕎麦は蕎麦なのである。当初、距離があると思われていた「刀屋そば店」(→参考だったが、海野町から上田映劇を過ぎた辺りで、どうやらその近所にあるらしいことがわかり、とりあえず向かうことにした。("そば"屋というのはこうでなくてはならない。)(^^)

 当のマップの営業案内には、ラストオーダー17時半となっていたので、実は諦めていたのだが、現地に行ってみないとわからないことがある。すでに18時を回っていたものの、運よく通してもらえたのである。クリスマスの何とやら、と言っていいかも知れない。

 注文すべきは、何と言っても「真田そば」。もう一品は「おろしそば」という選択肢もあったが、天ぷらそばにした。珍しい味噌だれで味わう真田そばは、味噌だれの他に蕎麦つゆと薬味を自分で調整しながら味わえる逸品。天ぷらそばは上品ながらも大きめな具材を使った絶品。真田そばの冷、天ぷらそばの温、という両面を味わうこともでき、満足かつ満腹状態に。量が半端ではなかったのである。(志まん焼がなくても十分いっぱいになっただろう。)

 真田そば(900円)

 天ぷらそば(800円)

 風格漂う蕎麦湯

 店を出る際、営業時間のトリックについて訊ねてみた。オーダーストップとは、そばを打つ時間の終了を指すんだそうで、そばが切れれば即閉店。なので、18時より早く終わることもあればそうでないこともある。賭けのようなところがあるので、客によっては「賭け蕎麦」になるという話も聞かせてくれた。もちろん、普通のかけそば(650円)もちゃんとある。

 この後、細君にはホテルで休んでもらって、筆者は単独で乗り降り旅へ。どこにどういう行程で行ったのかは「駅ログ」(#2535#2537)をご覧いただきたく。

☆2日目(12月26日)のレポートへ続く。(第322話にて)

  • こちらもどうぞ...⇒ 18きっぷ以外の鉄旅関係

第9話 雪が降る / 第27話 鉄道の日三昧

 

第320話 2010年15大ニュース(2011.1.1)

 新年あけましておめでとうございます。

 2009年と比べると、2010年はいろいろなことがあった年になりました。2005年のように20大ニュースとまでは行きませんが、今回は2006年以来の15大ニュース。と言っても私事につき、至って些末。毎度の近況報告代わりということで、ご容赦・ご笑覧ください。


  • 次.ネットモニターなど

 何事も試してみないことには始まらない、ということで、クリックしてCMを視聴する「CMサイト」、モニター系の「リサーチパネル」に登録し、ポイントをコツコツ貯める生活というのを始めてみた。貯まったポイントは両者とも、「ECナビ」というポイントサイト(と呼ぶべきか)に集約され、さらに別の換金サイトにポイントを移行すると現金化されるという仕組みになっている。注意を要するのは、ここでのポイントはそのまま「円」になる訳でなく、交換レートによって、10分の1になってしまうことだろう。10,000ポイント!と喜んではいけない。実はせいぜい1,000円相当なのだ。という訳で、筆者のポイントもせいぜいそのレベル。まだ現金化していない。

 そんなポイントもあれば、エコ・アクション・ポイントなるものもある。第307話、5/31の項に書いたが、その後、無事(?)ポイント登録だけは済ませることができた。今後、どこまでポイントを増やせるかは全く以って不明だが、貯める器はとりあえず用意できた感じである。(ちなみにエコポイントの方は、残念ながら未だご縁なし)

国勢調査インターネット回答体験デモ@北とぴあ とにかくクリックしたり、入力したりというのが増えた一年だった。回答入力という点では「国勢調査オンライン」も一大ニュースだろう。9/14に街頭モニタリングをやっていて、そこで体験済みだったからまだよかったものの、それがなかったら円滑に行かなかった可能性はある。ネット経由で答える国勢調査は今回が初、しかも東京都限定。最後にアンケートがあったので答えておいた(提案として、一時保留モードを設けるetc.)が、4年後はどうなることだろう。


  • 15.デジカメ交換

 2009年の10大ニュース第296話の5.)でも触れたが、デジカメ(PENTAX Optio E60)の一件が思いがけず引きずることになった。ジョグダイヤルが故障(押しても作動しない)、というのは先に書いた通りだが、その後も故障続き。2回目:内蔵時計の暴走(下手すると撮影するごとに時刻を調整)、3回目:画像ファイルに現れる影?現象と続いたのだった。さすがに4度はないだろうと思っていたら、3回目の修理後に電源スイッチを押してもONにならない!(時々ONになる?)という不具合が起こるようになり、お手上げ。2010年7月にPENTAXホームページから問合せしたところ、同等品新機種(E90)に交換、との提案を頂戴し、事なきを得た。こういうことならもっと早く取り替えてもらうんだったが、新機種が落ち着くタイミングというのがある。どうやらちょうどよかったようで、今は何のトラブルもなく、ありがたく使わせてもらっている。そろそろ半年が経つ。E90でのこれまでの撮影枚数は2,400枚ほどである。


  • 14.コンタクトからメガネに

 初代のレンズ紛失記は、第33話の通りだが、3代目もまた紛失の憂き目に遭った。(ちなみに2代目は、手にした際にパリン!である) どうも調子が悪く、うまく入らない日々が続いていたので、レンズ自らが寿命を示してくれたのだと思うが、なくなる時は呆気ないもの。片側のレンズで半日を過ごし、帰宅後に良さそうな眼鏡店を探し、その日のうちにその一つに出向くことになった。

 今はありがたいことに、お手頃価格で相応のデザインのメガネが手に入る時代である。同じ価格帯の中からじっくり選んで、買い求めることができた。15年ほどのレンズ生活を止め、再びメガネ生活に入ったのがこの時。交換ならぬ交代である。


  • 13.見直し

 ある意味、交換だが、見直しと言うべきだろう。長らく世話になったが、非喫煙者メリットも一病息災プランも先進医療保障もなかった某大手のを見直し、複数会社による組み合わせ型の生命保険に切り替えたのが2010年の一つの目玉。ある年齢から保険料が跳ね上がる心配もなくなった。だが、保険はあくまで保険。日々の養生・摂生に努めるのが先なのは言うまでもない。

 生保の他に、「ドメイン管理指定事業者」の変更もようやく果たせた。これまでは、chochoira.jpの有効期限更新(年に一度)がどうにも心許なく、ヤキモキさせられていたが、然るべき業者にやってもらうよう手続きでき(かなり難解ではあったが)、2011年からは何の心配も要らなくなった。低料金の上、カード決済。ネットの世界の話はこうでなくてはいけない。

 メインのカードはこれまで通りだが、サブ的なカードを見直したのも2010年のこと。いざという時は役立ったが、メインのカードでなくなって久しかったJCB(オリジナル)を退会、その代わりという訳ではなかったが、6月に楽天カードを申し込んでおいたのは我ながら賢明だった。この半年間、随分とポイントを貯めさせてもらい、ポイントの本来の姿を存分に堪能することができた。JCBで逸してきた分を穴埋めするような勢い、と言っていいかも知れない。(JCBオリジナルは、ポイントというものが全く以って顧客本位でないのだ。これで東京ディズニー関係のご招待とかが当たればまだ再考の余地はあったが、20年近くで一度も当たった試しなし。もういい!というのが正直なところである。)


  • 12.メディカルYEAR

 養生・摂生はいいが、心がけていてもそうは行かないのが現実である。2010年は肛門科、眼科、整形外科、歯科の順でお世話になった。これに、かかりつけの内分泌内科があるので、通院回数は結構な数に。数えてみたら11回になっていた。(定期健康診断を加えると、計13回。月に一度は病院に行っていたことになる。)(-_-)

 病院には行かなかったが、顎関節だ、低血糖だ、というのもあった。反面、花粉症は軽度で済んだ。

 良くも悪くもメディカルな年になったが、そんな中で献血を再開第308話できたのは、快挙(暴挙?)と言えるだろう。

 10/7には、新装された有楽町献血ルームへ(2010年2度目の献血)。開所記念品、「A・MOKU」プレゼント、ハガキ引換品などをいただいた。


  • 11.ビュッフェにバイキング

 第281話を見る限り、当時もそれなりの頻度で利用していたことがわかるが、2010年を振り返ると、いわゆるビュッフェ・バイキングの類に何だかんだでご縁があったことがわかってしまった。(ちなみに、第281話で「何となく固定」としていたお店は、設定変更などもあり、最近はとんとご無沙汰状態。わたみん家は、副菜等のおかわり自由はなくなってしまって久しい。)

2/12:アパホテル金沢野町(朝食バイキング)

3/8:アパホテル日本橋駅前「レストラン四季」(ランチバイキング)*同ホテルは同月末で終了。

5/18:アパホテル東京板橋「三代目茂蔵」(ランチバイキング)*この時は980円。直近は不明。店名も変わった模様。

5/23:銀座インズ「咲かせ鮨 花回廊」(5月花回廊コース−お寿司のオーダーバイキング「ふるまい鮨」つき)

8/20夜〜22朝:那須にある保養所でビュッフェ食

9/11:トレッサ横浜「ウルフギャング・パック アメリカンキッチン」(ランチバイキング)*とある催しに参加し、ご招待扱い。

9/13:八重洲地下街「神戸屋Sandog Inn」(おかわり自由スープセット−指定のパンが食べ放題)

9/29ほか:COCO'S十条店(朝食バイキング)

10/31:XEX日本橋(ランチビュッフェ)*開店4日目、割引価格。

11/8:「千疋屋デーメテール」(フルーツ食べ放題)*細君に奮発してもらった。多謝!

 これだけ行けば、メディカル云々に影響する面も出てきそうだが、食べ過ぎで体調がおかしくなった、ということはない。体重が若干増えた、それだけである。(^^;


  • 10.気候に翻弄される

青山学院前交差点はこの通り 2月はやたら寒かった。4月には雪が降った。そしてあの連日の猛暑に酷暑。7/5第309話と9/8は、地元と渋谷でそれぞれ大雨(大水)に遭遇した。夏場は熱中症対策、つまり水分補給を心がけていたが、逆に摂り過ぎ(推定)で具合が悪くなったりもした。

 気候・気象に翻弄された年だったなぁと思う。冬場はさほど異常感はないが、何が起こるかわからない。今年も気を引き締めて(狭義の)気候変動リスクに対応するとしよう。


  • 9.RSS的情報収集

 2月までは、アメブロのマイページに取り込んでいたRSSでニュースネタを拾い読みしていたが、新着分しか表示されないので、些か不便に感じていた。アメブロでの「続 東京百景」の更新を終えてからは、マイページを見に行くことも減っていたので、この際、然るべきRSS専用ツールを使おうと決めた。行き着いたのはGoogleリーダー(画像はその一部)である。

 更新頻度や情報確度をチェックしつつ登録し、2010年末時点で登録先は43(自作コンテンツ除く)。日々の関心事や日常生活に関係する情報に特化しているので、変な新聞を購読するよりずっといい。

 ただ、マメに見に行くのではなく、まとめ読みすることが多いので、ちょっと放っておくと未読がやたら増えてしまうのが難点。中でも東京都と日経BPは情報過多の傾向があり、ここ3週間ほど見てなかったら、未読記事数160件余りと140弱。見出しが一覧表示されるので、取捨選択すればいい話ではあるが、あまりに多いとそう易々とはいかない。つい後回しにしてしまい、悪循環になることもある。


  • 8.東京ビッグサイト三昧

 例年になく、東京ビッグサイトに足を運んだ一年だった。

 3/11は、「LED Next Stage」(+セミナー「LED照明の基礎知識」)第304話参照)「グリーン・ストア」「フランチャイズ・ショー」「SECURITY SHOW」(+ワークショップ「Gumblarと不正アクセス」)〜「JAPAN SHOP」「建築・建材展」「Felica World」(+ワークショップ「WAONの現状と今後」)「VENDEX JAPAN」「リテールデジタルサイネージ」「IC CARD WORLD」「リテールテックJAPAN 2010」と盛り沢山。

 5/27は、「2010NEW環境展」(→参考記事、6/24は、「第18回3D&バーチャルリアリティ展」「第21回設計・製造ソリューション展」「第14回機械要素技術展」とハシゴした。

 12/8〜11は、毎年恒例の「エコプロダクツ2010」である。海外インフォメーションの担当は、今回で3回目。下見を含めて4Daysである。いつものようにエコプロレポートを綴ると一話分になってしまうので、ここでは番外編として、帰路の小話を一つ。

 控室の設営に必要な各種備品を持ち込む都合上、帰りは当然、事務所に寄ってから帰宅ということになる。鉄道経由だとホーム<=>地上の昇降がどうしてもネックになるため、都バスオンリーで臨むことにした。IC一日乗車券を使っての乗り継ぎプランである。

銀座四丁目停留所からは和光が見える(もうすぐ19時) 事務所までの行程は、東京ビッグサイト〜豊洲二〜銀座四〜麹町二、18時過ぎにビッグサイトを出て、麹町には1時間余りで到着。銀座四からの「都03」系統は本数が限られているため、ここを外すと元も子もなかったが、幸い程々の待ち合わせで済み、この時間で収まった。もっともこの場合、時間は二の次。スーツケースを引っ提げての移動は水平に限る。楽に移動できるかどうかが優先なのである。

 空になったスーツケースだが、フラットな方が運びやすいのは変わらない。どれだけ時間がかかるかはわからないが、とにかく都バスで自宅まで帰ろうと思えば帰れる故、チャレンジすることにした。21時になる頃合に麹町四を出て、大久保通り〜池袋駅東口〜王子駅前〜赤羽二(赤羽駅東口行き最終)と何とか乗り継ぐことに成功。大久保通り、池袋駅、王子駅でそれぞれ10分以上は待ったため、2時間近くを要したが、帰り着くことはできた。麹町での乗り継ぎは変則的ではあるが、つながってはいる。ビッグサイトから赤羽まで都バス! これは自分としてはちょっとしたトピックである。(鉄道の場合、国際展示場〜赤羽とすると、その距離は27.6km、時間は40分前後である。バスの走行距離はそれを上回るのは確実だが、果たして何kmだったんだろう?)


  • 7.アニバーサリー アースデイ

ステージから客席を撮ったらこんな具合 第184話第232話などで批評してきた「アースデイ東京」だが、年数を重ねると不思議と接点が出てくるもので、2010の同イベントでは、アースデイjp「ティーチ・IN」なるトークイベントに出させてもらうことに。90年代アースデイの年表など、最低限のネタを持って臨んだが、勝手が違う場だけに大した話はできず、冷やかし程度で済んでしまった。(その時の所感は、このページの末尾、コメントに書いた通り。)

米国で誕生してからは40年 この日はとにかく寒く、明け方まで雪が降っていたくらいだから、冷え冷えしてしまうのももっともな話。4月17日、イベント全体としてはどうだったのか? その辺はこの記事をご参照いただたければと思う。

 アースデイ東京では、そんな按配だった訳だが、2010年が日本版アースデイ誕生からまる20年だった、というのはやはり大きい。先の第319話でも書いたが、その年に「須田春海採録B 環境自治体」にアースデイニュースの件で寄稿させてもらった。節目を自覚する上でもいい機会だったと思う。


  • 6.再会(6年ぶり以上)

 須田さんの名前が出たところで、たまにはその筋で名の通った方々もご紹介しようと思う。

 グリーン購入ネットワーク(GPN)在職中にお世話になった方では、佐藤健一さん(次記、2/19のイベントでバッタリ)、藤井絢子さん(9/4イベントの他、何度か)、飯田和子さん(12/9、「エコプロダクツ2010」で当直のインフォメーションデスクに偶然いらっしゃった)、清水きよみさん(12/11、エコプロ会場を見学中、バッタリ)といった具合。GPN以来となると、少なくとも9年と数ヶ月ぶりということになる。皆さんお元気そうで何よりだった。

 次に久々だったのは、消費生活アドバイザー絡みで何かとご縁のあるS夫妻(ここでは匿名ということで)第311話、7/17の項に記した通り、お宅に伺い、スカイツリー見物に連れて行っていただいたりした。あとで調べたら、実に8年ぶりの再会だった。

 先の「須田春海採録」出版記念会では、会食時間に席を外していたため、知人探しができなかったが、7年ぶりに角田季美枝さんとお会いすることができた。

 主に「北区NPO・ボランティアぷらざ」在職中にお世話になった澤田和子さんとは、赤羽のエコー広場館でのフリーマーケットでお目にかかった。こちらは約6年ぶりである。

 会話時間に長短はあれど、会って少しでもお話できれば、何年ぶりの年云々というのは吹き飛んでしまうもの。そんなことを実感した2010年である。


  • 5.講座・セミナーあれこれ

 これまでは、映画だったり、美術館・博物館だったり、娯楽的な括りが多かったが、2010年はひと味違う括りができた。座学系である。

 年に数回ということはあっても、これだけ固まるのは珍しい。上記、ビッグサイトでの展内ワークショップなども加えると月1ペースである。

2/12:タワートリプル1会議室−NPEC「海洋ごみ対策に関する情報交換会」(→参考記事

2/19:JICA地球ひろば−シンポジウム「みんなで守り育む世界の森―企業とNGO/NPOのパートナーシップによる森林保全活動−

6/14:日本財団ビル−宮脇昭氏講演会「いのちと心と遺伝子を守る 自然・環境・経済の共生を求めて」(→第307話

7/18:オリンピック青少年センター−消費生活アドバイザー更新講座「金融商品取引法レジュームと今後の課題」「医療制度構造改革の動向」

8/14:光が丘清掃工場−見学会(→参考記事

9/4:主婦会館プラザエフ−「アジア3R推進市民フォーラム日本大会」(→参考記事

9/8:GEOC−「生物多様性に関する地域対話」(→参考記事

10/7-8:東京ボランティア・市民活動センター−NPO法人運営講座「NPO法人の会計」「NPO法人の税務」

11/28:北区中央図書館−歴史講演会「明治43年の東京大水害

12/14:衆議院第二議員会館−「須田春海採録」出版記念会(→第319話

 インプットがあれば、記事などの形でアウトプット、というのを繰り返している恰好だが、それで消化できているかと言えば、そうでもない部分もある。学習帳のようなものを用意して、そこに書きため、常々おさらいできるようにした方がいいかも知れないと今更ながら思う。(≒年頭所感?)


  • 4.コンテンツ拡充、パブーでの発刊...

 電子書籍は2009年から試してきたが、iPadが出てきた以上、それに応じたものを作らない手はない。詳しくは、第313話の通りだが、そのePub形式のコンテンツ、今は8作になっている。(→参考

 8作のうち7つは、過去公開コンテンツの編集版。新作は「全国鉄道駅名一覧」のみということになる。2010年に新たに公開、ということで言えば「駅録2010」「ワケあり」の2つがある。コンテンツ販売ということでは、フォトライブラリーを使い始めた、というのもあるが、安物デジカメで撮ったものがそう容易く審査を通る筈がなく、今のところ2作品どまり。(→「風力発電機」「ブルーインパルス展示飛行」) 「数打ちゃ某」ではないが、出品を試したい画像は多々ある。めげずに申請していこうと思う。


  • 3.羽田からソウル、そして光州へ

 光州の件を含め、第318話の通り。

オモテは11,000円分、ウラはこの通り、寄せ集めで3,000円分(収入印紙は14,000円必要)余談)韓国行きに際し、旅券を更新する必要が生じるも、運転免許証同様、ICチップ内蔵になり、十年旅券は実に16,000円と言うから、吃驚仰天。収入印紙をかき集めるなどして何とかなったが、こうした不意な支出はできれば避けたいところである。


 2009年10大ニュース第296話では、「第2回 エッセイ・ブログ大賞」につき、112作品中19位と順位のみの紹介だったが、その後、賞の発表があり、「続 東京百景」が選考作品7作の一つに挙がっていたことがわかった。(→参考 *第300話(末尾)にも記載)

 300話の区切りに華が添えられた感じで、ただただありがたい限り。ひとえに読者の皆様のおかげである。


  • 1.「15都府県」

 2009年は1都5県の域を出なかったが、2010年は一転して、「イン < アウト」。足を踏み入れた順に挙げていくと、

東京、神奈川、埼玉、大阪、和歌山、(群馬、新潟、富山:寝台特急で通過)、石川、福井、富山、栃木、静岡、愛知、千葉、山梨、長野、新潟、群馬

 の1都1府13県となり、全国の3分の1弱となった。

上野から寝台特急北陸号に乗って津幡まで 阪和と北陸3県は出張絡みだが、他は旅行系(首都圏は単なる行楽?)。先々で一日乗車券やフリー切符を使い倒し、2010年最後の週末は、ウィークエンドパスで大団円である。当然、乗降駅数もかつてない勢いで増え、「駅ログ」も大活躍。新たに乗り降りした駅、124である。(詳しくはWEB、もとい「駅ログ」で!→本編目次) *ウィークエンドパスツアーの分は、2011年1月までに載せ終わる予定。

2010年に乗った鉄道 車両コレクション(右下の長野電鉄を除き、全て初めて乗った鉄道) 振り返ってみると、どの駅・どの電停も思い出深いが、寝台特急北陸号に乗って最初に降りた津幡、ホームが雪に埋もれていた七ツ屋の石川県2駅が特に印象深い。初めて乗った鉄道(和歌山電鉄、泉北高速、北陸鉄道、福井鉄道、のと鉄道、富山ライトレール、富山地方鉄道、豊橋鉄道、しなの鉄道、上田電鉄)も結構あり、それらは沿線風景を含めて、いろいろ想い起こされる。

 人間、動く年は動くものだ、と思う。(2011年は、さらに増えるか、それとも反動が来るか...今は何とも言えない。)


  • おまけ:2010年と言えば

 スカイツリーは、第311話で紹介した通りだが、その後も可能な限り観測するようにしている。12/11は、ビッグサイトに向かう途中のバス車窓から、12/29は、新荒川大橋からそれぞれ撮影した。着々と伸びているのがわかる。

 バス停で言うと、月島駅〜日本ユニシス本社の間になる。「東16」に乗るのがオススメ。

 荒川越しに見られるというのは案外知られてないかも?

 あとはこの2つだろう。

 

 ワールドカップ(汐留の電通本社ビルにて「祝 決勝T」電光表示 →別version と はやぶさ(丸の内オアゾでの「はやぶさ応援ありがとうイベント〜おかえり、はやぶさ」にて) である。

 そう言えば、今年3月に走り始める東北新幹線の最速列車も「はやぶさ」。ブームに乗ったと言えば聞こえはいいが、何とも紛らわしい。


 本年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

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