第420話 カレー店食べ歩きイベントにおける「べからず」七選(2015.3.1)
神保町のカレー事情については、第364話に書いた通り。その後、それなりにカレー店をこなし、さらなる開拓を画策していた折、「神田カレー街 食べ歩きスタンプラリー」なるイベントが始まった。期間は、2014年10月24日〜2015年1月31日。ブックレットやマップを手に、掲載店を訪ね、スタンプを押してもらうというもので、店によってはちょっとしたサービス、特典が付く。カレー好きにはこたえられない企画だろう。「神田カレーグランプリ」の一環、または延長としての取り組みゆえ、とにかくエリアは広く、スタンプ対象店は53に上る(そのうち、スタンプ+特典というお店は、45)。特典目当てでも何でも、それだけお店があれば、カレー店めぐりに弾みがつくというもの。スタンプはおまけのようなものだが、集めたら集めたで、何かしらいいこともある(収集数に応じて、各賞あり→参考)。
という訳で、今回はそのスタンプラリーについて...でもいいのだが、15話周期でやって来る「べからず集」に当たるため、そのスタンプラリーに絡めた「べからず」をご紹介しようと思う。カレー店の良し悪しどうこうではなく、「せっかくのイベントなのに、なぜ...」という話である。
実際に体験した中からの7つの「べからず」。順不同ではなく、一応、ランキング形式でお届けする。(次回、少しでも改善されていればと思うが、はてさて...)
7.特設サイトが不備
カレーグランプリのガイドを兼ねた「神田カレー街 公式ガイドブック」というのがあって、スタンプラリー関連の情報は、その後半に載っている(スタンプ台紙は巻末)。スタンプ対象店、特典の有無についてはもちろん載るとして、さすがに特典の内容までは出ていないので、スタンプラリー用の特設サイトを見てみたのだが...
スタンプラリーが始まった当初のサイトは、とにかく情報が不備だった。各店のページについては、基本情報、メニューなどがちゃんと載っているもの(少数)と、そうでないもの(多数)とが混在していて、総じて「使えない」状態。特典内容がわかるようにはなっていなかったため、自ら確かめに行くしかないのだった。(足を運んでもらうために、あえて伏せていたのであれば、見上げたものだと思う。)
6.サービス内容が不確定
サイトに載せるのが間に合わなくとも、とりあえずガイドブックに出ている以上は、特典等はしっかり決めておいてほしいもの。ティーヌン(2014.10.28来店)では、どのメニューが特典対象かを店員さんがわかっておらず、店長判断で「どれでもOK」ということに。とりあえず、ライスを大盛りにしていただいた。
→ なかなかの盛り付け。お味も上々。
5.エントリーしているのに休業
ランチタイムに行ける店となると、どうしても職場の近所に限られるが、会社帰りであれば、いくらでも遠出できる。夜でもお安くいただけそうな店が載っていたので、小川町界隈まで行ってみたところ、店主が怪我(&絶対安静)ということで、休業状態。不慮のことで、致し方ないとは思うが、ちょっといただけない。スタンプラリーは終わってしまったが、お店の様子は見に行ってみようと思う。
4.店頭に掲示なし
スタンプラリーが始まって間もないうちは、まだ用意ができていないなどの理由で、関係する掲示物が出せないのはわかる。だが、一定期間が経てば、そうも言ってられないだろう。筆者が本腰を入れて廻り始めたのは1月になってから。終盤に向かいつつある中だったので、対象店の多くは幟旗を出していて、親切な店は特典に関する貼り紙などもあった。が、ここぞという店で、旗も何もなかったり、というのが何軒かあった。ガイドブックに出ているのに、店頭にその表示がないというのは、入る気が失せてしまうもの。ご縁がなかったということだろう。
「とろ肉つけ麺 魚とん」は、ボリュームがウリ。特盛が特典だった可能性あり。 |
東京蒟蒻会館の下にある「スープカレー 米KURA」。表に何かしら出ていれば、入ろうと思ったのだが...(敷居が高かった) |
3.空気を読まない店員さん
店の存在を知っていても、なかなか足が向かない店というのがある。ガイドブックが一つのきっかけとなって、ようやく店に入り、チーズのトッピングサービスつきの海老カレーをいただいた。ここまでの話であれば、何の問題もないが、古くからの店というのは、時にKYな状況が起こるもので、この時は一人の男性店員にしてやられた。隣席の女性客2名が、その店員さんとちょっとした知り合いだったようで、声をかけるとそのまま3人で談笑状態になってしまい、喧しいの何の。ゆとりのある席であれば、あまり気にならないだろうが、手狭なテーブルが並ぶ空間でのことだったので、たまらない。店員氏は立ったまま。声は決して小さくないので、上から声が降って来る感じになり、しかも長話である。他の席への移動も考えたが、さっさと食事を終え、店を出ることにした。空気が読めない店は、いずれ客(K)が寄(Y)らなくなるだろう。
2.見本と異なる(パクチー品切れ)
ガイドブックを見ても、店頭のメニュー写真を見ても、その店のカレーには、パクチーが添えてある。これは良さそうということで、入店し、特典のラッシーを飲みつつ、待っていた訳だが...
注文したのは、店名を冠する「カリー」。写真を撮りつつ、ふと気付いた。パクチーがないのである! 店員さんに尋ねると、「パクチーは品切れでして...」と仰るばかりで、代品も何もなし。納得が行かないので食い下がると、もともとが添え物扱いなので、品切れでもいいといったような口ぶりになり、挙句には、他のお客さんも同じ扱いなので、と云う。たとえ添え物であっても、注文を受ける際に、一言申し“添える”配慮はほしい。パクチーがないなら、また別の日にという客はきっといる筈である。
その店の名は、「チャントーヤ」。「ちゃんとーやれー」なのである。
ある夜、下見に行き、幟旗などを確認。お店の外観もイイ感じだったが... |
肝心のカリーは、“パクチーレス”だった |
1.意外とランチで使える店が少ない
「神田カレー」は、とにかく広域かつ多数。神保町エリアに限っても、もちろん数多くあるため、例えば1か月間のお昼を全て異なるカレー店で、というのも決して不可能ではないだろう。だが、正直なところ、筆者的に使えるお店は多くないことが、スタンプラリーを通じてわかってしまった。ランチタイムであっても割高感がある店が多いこと、加えて辛さ表示の方も高めの店が多いこと、あとは、店内の「煙」事情がわからないこと... 二の足を踏んでしまうケースが多く、スタンプの方も結局、賞品(抽選)応募の最低ラインである10に届かなかった。
神保町エリア(一部、小川町)のスタンプページ。この中では7店どまりだった。 |
入りやすく、居心地がそれなりで、コストパフォーマンスもよく、辛さも選べて、というカレー店は、筆者としては片手で数えるほど。今回のチャレンジで、その数が増やせればよかったのだが、新規開拓した中で、次にまた行ってみようと思う店は残念ながら、なかった。
・・・
「神田カレー街 食べ歩きスタンプラリー」は、企画としては悪くないが、改良の余地は大いにありそうである。少なくとも、イメージダウンになるような要素は、「オール神田」で改めてほしいものだと思う。
*以下は、惜しい系の三店
カレーグランプリ会場の小川広場に最も近い場所にある「一茶一会」。11時30分開店はいいが、「なくなり次第」終了。この手のお店は、行きにくい。 |
昔「メーヤウ」、今は「ばんび」。ガイドブックに記載の通り、スタンプのみの対応で特典はなし。たまたま割引券を持っていたので、特典レスでもよかったが、ちょっと戸惑う。ここのラインアップは辛いのが基本なので、辛くないのを選ぶとこの「バターチキンカリー」ということになる。 |
スタンプ対象店で、唯一「ランチ除く」だったのが、水道橋駅前の「SAPANA」。夜に行けばいい話ではあるが、何とも入りにくい。 |
当の「神田カレー街 公式ガイドブック」の店舗掲載ページから、いくつか引用させてもらって、寸評などを。何らかの参考にしていただければ幸いである。
「ピッグテイル」は、第411話に記した「豚カレー」の店。とにかく待たされたので、スタンプラリー対象でも行こうとは思わなかった。(ランチタイムに限って「喫煙可」というのも難点) 「NARU」は、カレーを食べたくても「月曜ランチのみ」という限定営業。なぜ、スタンプラリーにエントリーしたのだろう? |
「SAPANA」は前述の通り、「除くランチ」スタンプ店。「シディーク」は職場から近いこともあり、時々食べに行く。スタンプラリー特典は、ドリンクのサービスだったが、普段からドリンククーポンを使わせてもらっているので、あまりおトク感はなかった。 |
ガイドブックではパクチーが大々的に出ている。決して添え物という印象は受けない。 |
「ティーヌン」はライス大盛り、「ムアン・タイ・なべ」はドリンクサービス(左写真)だった。席は窮屈だが、比較的手頃なのが「ティーヌン」で、席はゆったりしているが、少々値が張るのが「ムアン・タイ・なべ」。違いはあっても、タイレストランという点では同じ。 |
5.に記した店が「生碼麺食道」、4.の左に載せたのが「魚とん」。どちらも今回はご縁なし。 |
「ばんび」と「共栄堂」は、スタンプのみ。「TAKEUCHI」は、行けないこともなかったが、行き損なってしまった。「チャボ」は、3.のKY店である。 |
神保町エリア以外で、スタンプ&特典を受けたただ一つのカレー店が末広町の「ジャンカレー」。ノーマルな一品を注文するも、ガイドブックに記載の通り、量は多め。特典のゆで卵がなかったら、厳しかったかも知れない。「グッドモーニングカフェ」は、カレーメニューのみが特典対象で100円引き。「エチオピア」は、ランチタイムに行くとデザートのアイスが付くが、スタンプラリー特典も同じアイスにつき、筆者は二ついただくことに。カレーで熱くなった体を冷ます上で、アイスは有効な訳だが、これでは冷やし過ぎ? |
|
|
|