第415話 初探訪十四景(2014.12.17)
第343話では、2011年における初探訪エリア(23区内)についてご紹介した。いずれその続編を、と思っていたものの、思いのほか動けなかったりするもので、ようやく今回に至る。2012年は1月、2月に1か所ずつめぼしいのがあったのと、5月に東急バスをIC一日乗車券で乗り継ぎつつ、戸越銀座の西側などを初めて訪ねた程度。第362話の「尾久の奥」が、唯一ハイライトである。
2013年は、第389話で西馬込を少し究めたほかは、それほど成果はなかった。続編を書こうにも書きようがなかったのである。
今年2014年は、第401話で登場した台東区のレンタサイクルが一つのきっかけになり、5月と6月に台東区の未探訪エリアを巡ることができたのが大きい。あとは、南千住の東側だったり、国道4号を挟んだ西側(南千住6丁目他)だったり、山手線沿いの未踏エリアの一つ、大塚と巣鴨の間だったり、とにかく昨年、一昨年に比べれば上々。2014年にちなみ、一つの初探訪エリアにつき2枚載せて、計14件紹介する。
5/17 東武スカイツリーライン沿線(源森橋と枕橋)
スカイツリーの開業からもうすぐ2年というこの日、ようやくスカイツリーの直下と東京ソラマチの一角を訪ねることができた。レンタサイクルのおかげである。レンタル時間の都合で、スカイツリー関係は端折って、墨田区の未踏エリアを少々。東武スカイツリーラインの「とうきょうスカイツリー」駅から西、住所で言うと、向島1丁目、吾妻橋2丁目あたりである。スカイツリーを後に、東武の高架と北十間川に沿って進む。写真は、北十間川に架かる源森(げんもり)橋から撮ったスペーシアとスカイツリー(左)、北十間川と隅田川の接点付近にある枕橋から撮った水門、首都高速、東武線(右)。
5/17 浅草通りの南側
実はスカイツリーはおまけのようなもので、この日のテーマは「三社祭」。浅草一帯は、どこもお祭り尽くしで、浅草通りの南側の路地でも神輿や山車がなおチラホラ。茶寮一松(左写真)も、提灯を下げ、女将さんと思しき女性が軒先で待機していた。お祭りならではの光景だろう。
浅草通りと春日通りの間の路地を走るのは初めてのこと。そのまま西へ向かえば、東上野界隈に出る。2013年12月14日のアド街ック天国で「上野 稲荷町」として登場したエリアがこの東上野で、何となく気になっていたので、あてずっぽうに巡ってみた。東上野3丁目25番地(右写真)では、銅板を使った建物(→参考)を見つけた。
6/19 鳥越と蔵前
1999年10月16日のアド街ック天国は、「鳥越・蔵前」だった。おそらくその時のエリアをおさらいするような感じで動いていたものと思われる。蔵前はまだしも、鳥越はどうにも行きにくい場所だったので、レンタサイクルを使ってようやくの初探訪となった。写真左の「おかず横丁」は、全長230m。昔ながらの風情が随所に残っていて、心地良かった。
鳥越神社や精華公園を経由し、第404話の中段に載せた「環境ふれあい館ひまわり」へ。その後、国際通りを走っていて目にしたのが、写真右の「タイガービル」である。登録有形文化財の建物だが、管理人さんがなかなかの強者(タイガーだけに?!)で、建物内部は頑として撮影禁止。外観しか撮れないのが残念な限りである。
10/26 隅田川駅、汐入
かねてから行きたいと思っていたスポットとエリアの組み合わせの一つが、南千住の東側にあって、やっとこさ行くことができた。JR貨物の隅田川駅と、その隣の汐入地区である。隅田川駅には、年に一度の「貨物フェスティバル」(→PDF)に行けば入れるので、その開催日、10月26日に出かけた。フェスティバルは、展開面積こそ限られているものの、それなりに工夫が凝らされていて、思いがけず長居することに。左写真は、展示車両の一部、機関車EH500とEF64の並び。コンテナの集積が見られるのも、貨物駅ならではである。
フェスティバル見物後は、隅田川駅の外周を反時計回りに歩いて、南千住駅へ。汐入という地名は、南千住8丁目のあちこちに散見され、隅田川が湾曲する一帯まで行けば、その汐の感じもわかったのだと思うが、この日はあくまで汐入の一部に足を踏み入れるにとどめた。右写真は、南千住4丁目のトミンタワーの角にあるリバーハープ公園から、スカイツリー方向を撮ったもの。左側が汐入地区になる。(参考情報→「リバーハープスクエア」)
11/7 根岸の三軒町家
上野経済新聞を見ていたら、「根岸の築100年越えの古民家解体へ」というのが目に留まった。11/4付の記事で、解体工事は11/8に始まるとある。こういうのを見ると、行ける範囲であれば行く可し、となるのが筆者の行動パターン。工事開始前日の11/7、出勤前に寄ることにした。左写真は、その古民家の並びで、左が「ギャルリー根岸」、右が「五十嵐提灯店」(右写真は同店の拡大)。この三軒を含め、提灯店の右隣、後方のアパートや住宅も合わせて、再開発がされるんだとか。解体がされる前に訪れることができたのは、せめてもの救いか。
11/8 南千住6丁目
南千住の東側を訪ねて2週間ほど後、次は西側に来る機会を得た。中央卸売市場の足立市場で、第3回「足立市場の日」イベントがあるというので朝から出かけ、その帰りに寄ったのが、南千住6丁目界隈。国道4号のさらに西側なので、南千住駅からはやや距離があるが、市場から都電荒川線の三ノ輪橋に向かう際の寄り道コースと考えれば、決して行きにくい地域ではない。
素盞雄神社に寄り、ライフ南千住店(→地図)を経て、南へ。ライフの敷地には、旧千住製絨所煉瓦塀(左写真)があり、見入ってしまった。荒川区の登録有形文化財だそうな。
南下すると、交差する道路の幅がアンバランスな交差点(五叉路?)に出る。その付近にある青木屋(右写真)で、名物のコロッケパン(250円)を購入。ボリューム満点で、美味しかった。(2001年9月22日のアド街でも登場。当時は240円だった。)
11/8 大塚〜巣鴨
三ノ輪橋まで来れば、都電荒川線に乗って帰るばかりだが、せっかく都電に乗ったのだから、たまには違うところに行ってみようと思い立ち、大塚方面へ。アトレヴィ大塚も実は初めてだったが、大塚〜巣鴨も山手線沿線シリーズとしては初。大塚寄りの500mほどは新旧入り混じる住宅街(左写真)がメインで、線路は見えない。少し右往左往すると、山手線・湘南新宿ラインの下、平松ガードに出る。そこをくぐり、線路沿いの坂道を上がれば、あとは迷う要素はない。歩き心地の良い道が続き、線路に架かる江戸橋や宮下橋からの眺めもまずまずである。(江戸橋から大塚方面を撮ったのが、右の写真で)
2015年は、台東区のレンタサイクルのような使い勝手のいいのを他の区でも探し、未探訪エリアを中心にあちこち行ってみたいものだと思う。(ちなみに、千代田区のコミュニティサイクル事業実証実験「ちよくる」のようなタイプだと、筆者は残念ながら使えない。スマホがないと利用できないのである。)
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