随筆「東京モノローグ2013」(11−12月期)
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マリオカート@アキバ 第391話 変り種車両コレンクション

不発弾処理前日、現場の様子 第390話 不発弾処理にまつわるべからず集〜「べからず集」part18

初めての馬込車両基地 (11/2 「都営交通フェスタ2013 in 浅草線」) 第389話 馬込車両基地

2013.10.26の「アド街」は、東十条! 第388話 東十条〜「アド街ック天国」(10/26放映分)おさらい

第391話 変り種車両コレクション(2013.12.15)

 街を歩いていると、走行中、停車中問わず、ふと車両に目が行き、思わず足が止まることがある。勤務先が神保町だと、靖国通りと白山通りを通行する機会が何かと多いため、その通行量の多さから、風変わりな車両や普段お目にかかることのない車両に出くわすことも多々。何となく意識して、見つけては撮り、というのを繰り返していたら、ある程度の数が集まったのでここに紹介しようと思う。いずれも今年2013年に撮ったものばかり。安直だが、12月のこの時期は、こうした小ネタに限るのではないかということで。

 ひとつご笑覧ください。(筆者的には一年の振り返りネタとしてもピッタリ?!)

*エリア別、撮影日順


  • 神保町、水道橋、御茶ノ水界隈

 1月の大雪から2日後、まだ雪が残る専大前交差点をフルーティーなDoleカーが往く

 筆者地元ではおなじみの国際興業のバスがなぜか神保町交差点に出現!

 "EV TAXI"@神保町交差点。かの有名電気自動車がまさかのタクシー化...

 映画の宣伝用トラック。タイトルは「くちづけ」。何も日本教育会館の前で停車しなくても、と思う。(挑発的宣伝?)

 レトロな建物の前を東京ディズニーリゾート「GOOD NEIGHBOR HOTEL」のバスが通り行くの図。この歴史を感じさせる店舗、アド街でも「レトロな建物」として紹介された。うなぎ屋で「今荘」と言う。

 ウォーターサーバー「HAWAII WATER」。みずみずしい印象はあまり受けないが、PR的には成功か。

 知る人ぞ知る、某おかき屋さんによる言論トラックの車列。靖国通りでよく見かける。この時は九段坂に停車中。

 パッと見、乗用車を駆逐しているような図に見えるが、車線違い。神保町では、時々こうした特殊車両が現れる。

 白山通りを赤いバス(SKY BUS)が通る。たまたまだが、周りの看板や文字も赤、赤。

 水道橋西通りで見かけた「起震車」。10時前だったが、すでに体験実施中だった。

 耐圧放水試験車@明大通り。後方には「もったいない」ゴミ収集車。

 見慣れないタクシーが専大前交差点付近に停まっていたので、とりあえず撮ったのだが... どうにも実態不明な「FUJI TAXI」。

 専修大学構内に現れた移動植物園のようなトラック

 「陸上自衛隊東北方面音楽隊」のバス。目白通りを東南方面に走って行った。

 再び起震車に遭遇。今度は九段下交差点近く、北の丸スクエアの脇だった。

 ランチパック!@明大通り

 検診車@専修大学

 カギの閉じ込め等のお助け系。車体にはLOCKの文字も見えるが、ナンバープレートの下二桁は、69ではなく89。

 工事用車両がいい感じで並んでいたので記念に一枚(@専大前)

 「イマアでしょ!」「いや、アマイです」・・・2013年の流行語にうまく乗った?と思われる某社トラック


  • 都内公道

 「九州じゃんがら」カー、道路パトロールカーの異色の組み合わせ(@三越前)

 外交官車両も取り締まり対象

 ロボットレストランの宣伝カー? カーブや坂道は走れないと思われる。

 ロボットカーが行った後、今度は"リアルマリオカート"が集結。さすがはアキバである。

 イルミネーションシーズンの到来を告げる高所作業車。洗練されたイルミネーションなら何も言うことはないが、某駅前のそれは決して誇れるものではないため、このクルマが来ると、「あぁ、また・・・」と溜息モードに。

 前話、不発弾処理の一件で、処理日当日に目にした警視庁の新鋭車両。ディスプレイが上下する仕掛けになっているのが何となくわかる。


  • その他

 小学館ビルの建て替え工事が始まる前、ロビー内一般公開が開催され、8/24に入場。これは会場で人気を集めていた「ドラえもん」カー。

 12/1、南栗橋車両管区での「東武ファンフェスタ」に行く。「特殊車両展示コーナー」では、主に電気検測車が並んだ。線路も走るが、道路も走る。ナンバープレートの登録番号は、東武(とうぶ)にちなみ、「102」。

 11/23は、伊豆箱根鉄道の「ふれいあフェスタ」へ(→参考PDF。「らくがきバス」というものをこの時初めて見た。

 同じくフェスタ会場では、地元企業の出展も。「軽トラ野郎」だそうで。

 以上、(一応)選りすぐりの30枚。題をつけるなら、「多車多様」だろうか。

 次に車両コレクションをやるとしたら、出たとこ勝負ではなく、定点&一定時間という手法も面白いかも知れない。狙い目は、秋葉原か渋谷か...乞うご期待。

 

  • こちらもどうぞ...⇒ (鉄道を除く)車両関係いろいろ

第87話 タクシー地名考 / 第137話 タクシー地名考(羽田空港編) / 第239話 タクシー地名考(東京駅編) / 第305話 左折か左拙か / 第340話 乗り物の秋 / 第346話 電気自動車における充電と放電 / 第361話 代行バス

 

第390話 不発弾処理にまつわるべからず集(2013.12.1)

不発弾ダイジェスト(11/16時点) 東京都北区は今年、不発弾のアタリ年。第379話の通り、6月4日に一つ処理を終えたと思ったら、ちょうど1か月後の7月4日にまた新たに出てきてひと騒ぎである。今度は、筆者地元での発見だったため、見つかってから処理が済むまでの流れを身近に追うことができたのは、物騒な中にあってちょっとした収穫ではあった。処理日は11月17日(日)だったので、ごく最近の話題。となれば、今回は不発弾レポートでキマリ、と行きたい訳だが、15話ごとのローテーションで、「べからず集」と重なるため、一捻りしないといけない。少々苦しいところではあるが、今回の件を踏まえ、不発弾にまつわる対応でのべからず云々、ということにした。一般的にはまず接することのない事態なので、あまり参考にならないかも知れないが、非常時における対応のあり方を考える上では、こういうのもアリだと思う。順不同で5つ、挙げてみる。

 

 7/6の現場。後日、「ライナープレート」と呼ばれる円柱状の囲いが組み立てられ、土嚢が積み上げられる。

 発見現場は、JR鉄橋のごく近く。処理日当日は運休に。


  • 周知した感じが不明

 発見(7/4)、発表(7/5)は、報道で知ったが、その後の警戒区域の設定、処理日が11/17(日)に決まったことなどは報道では聞かなかった。11/17の話は、列車の運休についてJR東日本が出したリリース(10/11付)でまず知る。そして、この日の夜、帰宅した際にポストに入っていた案内で、地元住民として知るべき情報を得たのだった。

 

 運休のお知らせ(@説明会会場)

 予告看板は11/1から設置開始(@環八通り)

 説明会についてもその案内で知ったが、開催日はその1週間後。1回目が10/18(金)19時〜、2回目が10/19(土)14時〜ということで、何ともあわただしい。筆者は何とか10/18の回、途中から参加し、あれこれ聞くことができたのでよかったが、この時の説明会に足を運ぶ人は決して多いとは言えず、関心の低さ、いや、こうした会の設定の難(拙速、周知不足)のようなものを感じざるを得なかった。

 これが盛会で、後は近隣住民間で情報が伝播していけば、いわゆる"周知"につながるのだと思うが、そうなってない以上、区としてはあの手この手が必要になるだろう。その辺りは、区も心得たもので、戸別訪問で以って知らせるとともに、「不発弾処理日の予定確認票」なるものの提出を求め、当日の動向を把握するというんだから恐れ入る。案の定、当方不在時に二度の訪問を受け、「お知らせ」一式を投函してもらった訳だが、せっかく来てもらったのにこれでは...というのが正直なところ。訪問履歴が付されていて、10/21午前、10/22午後とある。平日日中というのは果たして適切なのかどうか、戸別訪問での説明ができなかったのであれば、メールサービス、SNSでの配信などで補うというのは考えられなかったのか、思うところはいろいろある。

 

 戸別訪問〜確認表提出(フロー)

 「不発弾処理に関するお知らせ」一式

 図書館は、「警戒区域解除後に開館」

 「立入制限予告」の看板。これも周知方法の一つ

 周知する対象は、現場周辺住民にとどまらない。その一帯を通行する一般の人向けには、どうアナウンスしたのだろう、と思う。定期的に自家用車、タクシー等で移動する人、決まった日時に何らかの品を配達する人...さまざまである。警戒区域内は、店舗や施設も休止になるため、そこに用がある人はまともに影響を受ける。当然、業務系の通行(物流、デリバリーetc.)も規制される。こうした点についての案内や説明はなかった(と思う)。

 無事に終えた以上は、とやかく言うものでもないが、周知のあり方については幾分見直す点があるように感じる。


  • 詳細情報の出し惜しみ

 説明会では、爆弾のあれこれ、発見後〜処理準備の状況、広報、当日の流れなど事細かに説明がなされた。それらはPowerPointでまとまっていて、なかなかの出来だったと思うのだが、残念ながら投影されるのみで、手元資料はなし。不発弾処理に関する特設WEBサイトがある以上、こうした資料も当然掲載されるものと思っていたら、筆者の見た限り、載ることはなかった。(説明会終了後に、「載ります?」と問うたところ、「載ると思います」との返事だったのだが...)

 

 6/4、西ヶ原の不発弾(長さ約40cm)とはスケールが違う。信管を抜いて処理することになるので、爆音はしない訳だが...

 「戸別訪問で伺う内容」も示された。筆者はあいにくお伺いを受けることはなかった。

 今は、特設サイトも何もなく、拾える情報は、

赤羽北1-22地先における不発弾の発見について

赤羽北1丁目22番地先で発見された不発弾について【第2報】(不発弾処理に伴う事前工事の決定)

赤羽北1丁目22番地先で発見された不発弾について【第3報】(弾種特定及び不発弾処理実施日の決定)

11月17日(日曜)、不発弾処理を実施しました

 といった程度。大っぴらにするものでないのはわかるが、説明会資料を含め、作り込んだものはできるだけ公開&キープしてほしいと思う。他の自治体にとってもきっと有益な情報になる筈だ。


  • 防犯面に不安

 広く周知すればいいという訳ではないのは、防犯面からわからないでもない。特に警戒区域の情報は、一帯が一斉に留守宅になることを知らしめてしまうことから、要注意。ただ、周知を抑えること=犯罪予防、というのは結びつかない訳で、どうあっても当日は万全の防犯体制で、と思う。

 11/17当日は、「防災北区」の広域アナウンスで起床し、9時前に「避難」を開始した。規制がかかる前に、不発弾現場を経由しつつ、警戒区域を横断しながら、赤羽岩淵駅方面に向かったが、途中、相当人数の"関係者"を見た。区職員、警官、警備員などである。これなら不安はない、と思うものの、それだけ人数がいると「なりすまし」も出てくる?と要らぬ心配をしてしまうのだった。

 

 いよいよ当日。新河岸川も現場も予想に反して静か。

 現場付近の関係者は少なめ

 9時過ぎの様子。処理は2時間後。

 「青色パトロールカー」も巡回

 その時、街は空っぽになる(関係者を除く)。道路はもとより、荒川、新河岸川の航行も止められる。ただし、上空から来る何か、というのは想定外だろう。上から急襲し、虚を衝くというのは映画の世界ではよくあるパターン。その辺りの対策、実際はどうだったのだろう。

 避難したフリ(居留守)、というのも大いに有り得る。潜伏していて、何かやらかすパターンである。居たとしても、"不発"だったことを願うばかりである。


  • 万一の場合の想定被害が不確か

 説明会で複数から質問が出たのがこの件。過去に不発弾処理が失敗した例がないらしく、答えようがないのというのはごもっともだが、同じ爆弾、または同等のものを爆破したらどうなるか、とのシミュレーションは出せたのではなかろうか。

 避難対象が現場から半径500mという数字がある以上、何らかの根拠はある。説明会では、人への被害が及ばない範囲との話だったが、となると、建物はどうなのか、大型ペットはどうすればいいのかといった具合で疑問が次々と出てくる。建造物については、万一被害が出たら「災害対策基本法」がカバー云々とのことだったが、どうも弱い。一つ明確だったのは、北区が何かを補償することはない、ということだけ。

 東京都、国土交通省など、現地に関係しそうな行政機関の名前が出てくることもなかった。総じて、想定が甘い印象を受けた。


  • リスクマネジメントなど

天候急変時の対応
救急・消防など、区域内で緊急自動車が出動する事態になった時の対応
どうしても避難したくない、避難できない人がいた場合の対応
避難途中の急病、不慮のケガなどの対応
...

 概ね大丈夫とわかっていても、あらゆる事態を想定するのが筋というもの。今回のとりまとめは、「北区役所危機管理室危機管理課」だった訳だが、言い換えれば「リスクマネジメント」そのものである。そのマネジメントがどこまでできていたのか、区の広報等がないので今のところはわからない。事後談でも何でもいいので、マネジメントレポート的なものを見てみたいとは思う。


 何はともあれ、処理は終わり、今は至って平穏な地元界隈である。護岸工事もとっくに再開されたことだろう。同じ場所でまた見つかったりすると厄介だが、次はより確実にやってもらえるものと思う。

 不発弾処理以前に、不発弾そのものが「べからず」であることを付け加えて、お開きとします。


(おまけ) 前日(11/16)〜処理日当日(11/17)の様子いろいろ

 

(1)

(2)

(3)

(1)〜(3):前日(11/16)の現場付近

(4)

(5)

(8)

(7)

(9)

(10)

 赤羽岩淵駅前のジョナサン。当初、ここで避難・待機するつもりだったが、10/27に店じまいしていた。(思わぬところで不発)

(4)〜(10):環八通りと赤羽交差点付近の様子

 ちょうど通行止めがかかる頃合だった。(7)は、通行止め前の最終一般車両

 赤羽駅北口改札前

 運休時間にあたる11時台は列車の発車なし

 宇都宮線、運休前最終列車。発車時刻10:52のところ、11時の発車になった。

 運休時間帯は、振替乗車が実施された。埼玉高速鉄道と東京メトロ南北線は、警戒区域にかかっていたが、地下なので対象外。

(まとめ)

不発弾:米国製2000ポンド普通爆弾(全体重量約1トン)

発見場所:北区赤羽北1−22地先

処理当日の流れ ↓

避難対象:3,200世帯、約6,800人

列車運休状況 ↓

11時過ぎから約1時間、京浜東北線、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ラインが運休。約33,000人に影響。

参考動画:「赤羽北の不発弾処理 住民一時避難し無事終了」(TOKYO MX NEWS)

不発弾に関するQ&A(北区) → PDF

 

第389話 馬込車両基地(2013.11.16)

 東京都交通局の車両基地というのがあって、都営地下鉄三田線は志村車両検修場(板橋区)、都営地下鉄浅草線は馬込車両検修場(大田区)といった具合にいくつか存在する。都営地下鉄の車庫で一般公開イベントを行うのは、この2か所ということになっているようで、2004年に馬込で始まった「都営フェスタ」は、以後、2010、2011が馬込で2年連続で開催されたのを除いては、志村と馬込とで交互に催されている。知っていながらもなかなか行く機会がないイベントというのは多々あるが、このフェスタはその代表格。志村については、たまたまその情報を得ることができたというのがまずあるが、バス一本という好アクセスにも助けられ、2009年の「都営フェスタ ’09 in 三田線」に行くことに成功。一方、馬込の方は易々とは行けない場所にあることもあり、機を逸していた。

 2011年の「都営交通100周年記念フェスタ in 浅草線」は、記念イベント的な面があったので、大いに行くつもりでいたのだが、急遽、中国・広州への出張話(→参考が持ち上がって断念。フェスタ当日の11/5、京成線には乗ったものの、向かう先はあくまで成田空港。浅草線方面に向かう列車をそれとなく眺めていたのを思い出す。あれから2年、今回ようやく馬込でのフェスタに行くことができたというのが今回の件。「都営交通フェスタ2013 in 浅草線」である。馬込でこのイベントが始まって10年目・・・一応、アニバーサリーに当たる。

西馬込到着後、行先表示は京成佐倉に 11/2(土)、朝の所用で出遅れたが、秋葉原から岩本町に出て、まずは地下鉄専用の一日乗車券「秋」のワンデーパス(500円)を購入。岩本町から西馬込は片道310円、往復すれば620円のため、単純に往復するだけでも、パスは有用。いざという時は迷わず下車できるし、心置きなく地下鉄に乗れる。岩本町は10:50発、浅草線に乗り換えて、東日本橋は10:59発で、西馬込へ。これが折りよく京成佐倉発の西馬込行きだったため、直通・直行。終点、西馬込には11:26着だった。(この列車は折り返し11:32発、京成佐倉行きに)

 フェスタ目当てと思しき客足はそれほど多くはなく、あわてる様子もないので、こちらも悠然と南口の長い通路を進む。外へ出ると、会場案内が大きく出ていて、人の流れもほぼその方向。とりあえず、その流れに従い、歩く。西馬込駅に前に来たのは果たしていつだったか、とふと思う。クルマやバスで駅近くを通ったのはそう遠くない話だが、これといった記憶があまりないので、新鮮に映るのは確か。第二京浜を曲がってから、車両基地に着くまでの100m程は趣があって、なお佳かった。

 駅前での会場案内

 横断歩道を渡り、写真右手に進むと車両基地入口

 11時半過ぎ、会場の「東京都交通局馬込車両基地」に到着。下調べはしてあったが、想像以上に見て回れるエリアは広く、作戦を立てる必要を悟る。すぐそこで、車両の見物はできるので、流れとしては「車両→グッズ→工場内→再び車両」といったところか。概ね、規模に見合った混み具合で、過ごしやすかった。以下、そのゾーン別に写真をもとにご紹介する。


  • 車両

 「車両撮影会」は整理券が必要との話だったので、志村の時のようには撮れないものと思っていたら、特に問題なく撮影でき、拍子抜け。より至近距離で撮りたい向きには、要整理券、ということだった。左から、北総7500形、京成3700形、都営5300形が複数。

 フェスタでは、親子限定のイベントとして、「運転台見学」と「洗浄線試乗」が行われた。(右側の車両がこの後、親子連れを乗せて洗浄線を往復)

 都営浅草線5300形は、1991年のデビュー。1998年までに27編成216両が製造された。製造年度により、前面下部の「スカート」の大きさが異なる。大型化したのは1994年度以降だとか。(それにしても、「通勤特急 東成田」「快速 小岩」とはまた...)

 北総7500形は、2006年のデビュー。8両編成×3で24両が製造された。この7500形、馬込には通常は入ってこないという。(「八広」はかつて「荒川」だった。昔は「荒川」の行先表示もあったのだろうか?)

 都営大江戸線12-000形は、全424両。この「12-201」を含む編成は、4次車(1999年製造)。大江戸線は全線が地下なので、12-000形が地上で見られる機会は、こうしたイベント以外はない。

 普段は見ることのできない横並びが実現するのもイベントならでは。12-000形と北総7500形は、大門駅の地下5階と地下1階で接近することはあっても並ぶことはない

 通常ダイヤでは出てこない組み合わせ(種別×行先)が表示されると、どこからともなくどよめきが起きる。ただし、幕が回転する方式ではないため、いきなり変わってしまうこともしばしば。時には溜息も漏れる。

 保守車両の展示も行われた。これは電気検測車。黄色いので、つい「ドクターイエロー」と言ってしまいそうだが、愛称は不明。


  • グッズ

@新京成電鉄ブース。「蔵出し記念乗車券」という名称の乗車券なのかと思いきや、要するに掘り出し物のことだった、という件。

@西武鉄道ブース。とにかく品数が多く、迷う。西武が浅草線のフェスタに出展するという脈絡がよくわからないのがまた妙味。

 各社のグッズ販売ブースが並ぶ。親子連れを中心に、この一帯はとにかく盛況だった。

 これも一応、グッズ(非売品)。飲食コーナーの某チェーン店の出店で食事をすると、ついてきたんだとか。


  • 工場内

 場内を「ミニ電車」が走る。牽引車は、浅草線5300形。

 浅草線5300形台車「T-1B」。空気バネ式で、乗り心地良好といったことが書かれてある。それにしても標準軌の台車は大きい。

 標準軌をミニ電車の線路が横切るの図。車両が入っていないと、工場内はガランとした感じになる。左奥は、高所作業車。

 車両の台車(またはパーツ)を収容する「立体格納庫」。圧巻!


  • 工場外、陸橋(全容など)

 工場棟の外では保守車両の展示があり、検測車などを眺めていたら、「洗浄線試乗」の列車が動き出して、この状態。(わかりにくいが、一応洗浄中)

 通過後もまだ水の噴射が続いていた。(陸橋から見下ろすと洗浄の具合がよくわかったものと思われる)

 洗い立ての列車がまだ戻ってくることを想定して、一旦会場を出て、陸橋へ。あいにく通過してしまった後だったが、洗浄線は水気たっぷりで、余韻に浸ることはできた。

 陸橋からはこのように車両基地を見渡すことができる。線路はこの先、南西方向、国道1号線沿いに400メートル以上続く。奥は池上方面。本門寺は決して遠くない。

 陸橋からフェスタ会場側を望む。2と3のプレートの間に見えるのは、マルチプルタイタンパーと呼ばれる作業車両(愛称は「なおすくん」)。その左隣の2本は、来るべき車両が来なかったため、空いている。(もともとは京急関係が並ぶ予定だったが、10/26のダイヤ改正で運用が変わり、来れなくなってしまったという...お粗末様)(v_v)

 「この橋の上で凧をあげたり...」というのはまず考えられないと思うが、過去にそういう一件があって、こういう表記になったのだろう。(フェンスの錆び具合からして、陸橋そのものが危ない、という見方もある)

 左から、都営5300形2編成、京成3700形、北総7500形、都営12-000形、都営機関車E5000形。E5000形は、集電タイプが異なる大江戸線車両(12-000形)を浅草線内〜馬込車両検修場に引っ張ってくるために製造された「地下鉄用電気機関車」。大江戸線車両の検査はここで行う。

 都営浅草線の車両基地なので、ここは東京都の施設。都の方針(→参考に従って、工場棟の一部では「屋上緑化」が施されている。

 会場の隅に追いやられた感じの飲食コーナー(by 某チェーン店)。車両の天井部が積まれた脇でいただく丼弁当、お味はいかに?

 陸橋からでないと見られないのが、左の線路。西馬込駅と基地を結ぶ引込線である。回送車両は、この単線から現れて、南西方向にしばらく進んでから、折り返して入庫する。

*ここに載っていない分を含め、全体をおさらいできる「フォトギャラリー」はこちら


 初めての馬込車両基地、滞在時間は2時間と比較的長めだった。展示車両は多くなくとも、それなりに見所があって充実しているということだろう。

 さて、来年の「都営交通フェスタ」はどうしたものか。順番通りなら志村での開催になるが、それほど気が向くものでもない。2014年11月最初の週末は、1日(土)、2日(日)、3日(祝)の3連休。土曜日開催なら1日だが、都内各所の他のイベントと重なる可能性も高いし、今のところ予定としては白紙状態である。むしろ、つくばエクスプレス(守谷)、関東鉄道(水海道)の2つの車両基地イベント(両会場は無料バスで連絡)の方が、優先度は高。何はともあれ、いろいろな車両基地を探訪できるよう、より入念にスケジュール調整して臨もうと思う。

  • 付記

 近々、新たな鉄道系ワンテーママガジンが出る。「私鉄全駅・全車両基地」(全32冊)である。車両基地がトレンドになっている証しだろう。筆者としては、駅ネタを含め、要チェックである。

 

第388話 東十条(2013.11.1)

 「東十条」と聞いて何を思い浮かべるか。京浜東北線を利用する方なら、東十条行きだったり、東十条始発だったり、要としての一つの駅というのがまずあるだろう。その他はどうか...実はこれと言って出てこない方が多いのではなかろうか。街としての東十条は、あまり強い印象がないのが正直なところだと思う。

 かれこれ10年前になるが、北とぴあに主に自転車で通勤していた時期があった。朝は兎も角、帰りとなれば何かしら引っかかっても良さそうだが、東十条は単なる通過点。たまに商店街を東西に行ったり来たりする程度で、買い物することも、飲食することもなかった。それ故、2006年11月11日の「アド街ック天国」(十条編)で、東十条の一部が出てきた時は「あぁ、そんな店が…」というのもあったが、逆に「十条」のおまけ扱いだったことから、やはりその程度、と妙に納得したのを思い出す。筆者としても、商店街、名物レコード店、黒松(どら焼き)がまずあって、あとは日本製紙の倉庫、トレインビュー(撮り鉄)スポット、環七通りの坂道、がやっとである。

 十条編で少なからず出てきたのだから、それで十分だろう、という見方はある。それ故、準地元でありながら、アド街的な関心を寄せていなかったのが東十条。今は、赤羽〜秋葉原〜水道橋(または御茶ノ水)が通勤ルートなので、経路上の街ではある。それでも足が向かないのは、やはり「ない」からである。直近では、アクシデント発生により、帰宅途中、東十条で足止めを食ってちょっと下車した程度。5/29(水)に遡る。いかに遠のいていたかがわかる。

 そんな東十条が、文字通り「東十条」のタイトルで、堂々の「アド街」登場である。「まさか!」と思ったのは筆者だけではないだろう。番組を観て、何となく思い出す向きもあった訳だが、十条編での既出スポットはさておき、まだまだ未知な店などが多いことを認識した次第。10/26(土)の放送を受け、翌日10/27(日)にチェックしに行くことにした。久々の東十条である。

 今回は、順当に「BEST30」だった。順位1つ分で2軒紹介というケースが3つあったので、総数は33。そのうち、26か所を巡る。庶民派の街ゆえ、飲食関係が24と矢鱈多く、となると、日曜定休の店も結構あるので、店構えだけ撮って終わりというのもチラホラ。10/28(月)の帰りに再度チェックし、日曜に行けなかった分も加え、全部で30か所を押さえることができた。

*番組のランキング順だと自分でも覚えにくいので、駅の西側(中十条)と東側(東十条)とで分け、丁目・番地でソートしてご紹介する。

順位

名称等

所在地

雑感等

5

シェルボン

中十条2-10-1

固定客がしっかりいるので、本来なら番組に出なくてもいい店。筆者のような冷やかし風のが来ると、軽くあしらわれてしまう。冷ややかなケーキ店。

十条編13位

 

3

お富士さん

中十条2-14-18

富士講ができる近場。富士塚自体はいいのだが、その周辺環境に難があり、野宿生活者が一部占拠していて、よろしくない。訪れた日は、銀杏シーズンにつき、また違った臭いが充満していた。長居がしづらい場所である。

十条編3位

 (←2012.6.24撮影)

26

ポークストック

中十条3-16-7

老朽家屋が連なる一帯で、この店の清新さは救い。鹿児島の肝属郡由来の「肝付豚」がウリということだが、地名をわかっていないと「レバーつきの豚?」と誤解される可能性がある。(誤表示ではない) メニューを覗き込む客が何人かいたのは、銘柄が気になるからだろう。

10

そば谷

中十条3-16-8

月曜の夜に立ち寄ったところ、開店時刻から間もなくだったせいか、お客ゼロ。正直なところ、なぜランクインしたのかがわからない店。営業時間は19時から翌日の13時まで。

 

7

みのや

中十条3-17-4

十条の富士見銀座方面に向かう時は、東十条駅北口の西側に出る。その北口と旧岩槻街道を結ぶ小径にこの店はあり、前から何となく気にはなっていた。表には、「カツカレー650円」が大きく出ていたが、番組で紹介された「まかないカレー」の発展形かどうかは不明。定番の定食(500円)から試すべきだが、カレーも気になる。

 

16

東京ラーメン マリオン

中十条3-18-1

ラーメン店だが、「にぎり」(320円)がある。店頭のメニューにも、確かにそれはあった。客の入りはまあまあといったところ。

 

29

花ぼっくり

中十条3-18-14

 不思議系な一軒。日曜、番組登場をPRする紙が早速出ていたが、なぜか「アドマティック天国」になっていて、いよいよ不思議さが増す。

19

あぶくま

中十条3-27-12-101

あぶくま=阿武隈とすると、福島方面のメニューが出てきそうだが、どうもそうではないらしい。地方都市にありそうな店。

23

きりたんぽ

中十条3-29-13

 ここは店名と内容が一致しているのでわかりやすい。駅からは少し遠く、環七通りに近い場所にある。

十条編26位

17

たぬき

中十条3-36-16

駅の自由通路を一階と見立てると、この店の位置は地下一階。線路の位置が普通なら一階なので、実際は二階に位置する。メニューの不可思議さは、そのあたりのセンスに通じる。

 

11

ひがじゅうカーブ

(中十条)

沿道のカーブ部分を中心に、数100mの範囲でカメラを構える方々を時々見かける。いわゆる「撮り鉄」の皆さんである。人出が多いのがわかると、筆者も東十条で下車して、何となく待ってみることもあるが、それができるのは京浜東北線で移動している途中。宇都宮・高崎線の普通列車や湘南新宿ラインに乗っている時に見かけた場合はどうしようもない。

 

(←2012.6.24|2010.10.25→)

25

萬印堂

東十条1-10-12

*駅から距離があったため、今回は見送り

24

味の店 いさみ

東十条1-21-3

見かけ的に、中華料理店という印象は薄い。日曜午後、月曜夜、ともにお店は稼動しておらず、実態不明。

 

8

麺処 ほん田

東十条1-22-6

夜の営業は、火・金・日、定休日は水曜日、と変則的。月曜夜に行ったので、お店はやってなかったが、仕込みか何かで少し開いていて、独特の匂いが漂っていた。少し離れた場所でも匂いはしたが、近づくとより強烈。営業時間中はどういうことになっているのか確かめてみようと思う。(実食するかどうかはその時の判断で)

12

READY OR ORDER

東十条2-13-4

工房なので、店という感じはしない。中に入るにはそれなりの決意が要る。

27

もつ鍋専門店 東十条

東十条2-13-5

隠れ家と呼ぶに相応しい立地、佇まい。表通りに面していないので、つい通り過ぎてしまうところがまたポイント。完全予約制なので、易々とは入れない。

2

黒松本舗 草月

東十条2-15-16

黒松≒どら焼き。初めていただいたのは十年前(差し入れ品)で、その時はそれなりに好印象だったが、自分で買って食べた時はさほど感動はなかった。日曜午後に、店の近くに来ると案の定の大行列で、坂の途中までざっと60〜70人規模。そこまでして...と思う訳だが、第2位となればそれも当然。東十条の層はそう厚くないのである。

十条編7位

 

18

一東菴

東十条2-16-10

草月からそう遠くない場所にある。店の構えはなかなかいいが、あまりにひっそりとしていて、入り難い。そもそも営業時間が限定的なので、行くならしっかり調べてから、だろう。かなりのこだわりを感じる蕎麦店。

 

21

天然鰻がある店つち活

東十条2-3-8

一東菴の斜め向かいにある。日曜はシャッターが下りていて何もわからなかったが、月曜夜は軒先にいろいろと出ていて賑やかだった。が、肝心のお客の方は...

 

4

埼玉屋

東十条2-5-12

日曜はシャッター状態。月曜夜は実に明るい感じで、店の活気が伝わってくるよう。ちなみに赤羽には「埼玉家」がある。

十条編9位

 

15

持ち込みOK!千石寿司

東十条2-6-1

店名が隠れている上に、お世辞にも寿司店らしい店構えとは言えない。パッと見た限りは、なぜランクイン?な店。(右から3番目)

1

東十条商店街

(東十条)

駅北口を出て、西へ。すぐに東十条商店街の入口になり、そのまま進むと途中から東十条銀座になる。奥へ行くほど、ローカル感・レトロ感が濃くなるのを感じることだろう。

 

 ←東十条銀座

東十条銀座センター→ 

22

ブティック モア

東十条3-1-13

店の前には来たが、開いている時間には来られずじまい。

14

栄泉食品

東十条3-11-7

月曜夜に立ち寄ったところ、常にお客が入れ替わり立ち代わり状態。餃子は、8個で325円といった売り方だった。

28

ぜったい屋

東十条3-11-8

確かにお安いのだが、買う気は起きなかった。300円弁当、今はごく当たり前?

20

身守り地蔵尊

東十条3-15-6

こじんまりしているが、結構目立つ存在。提灯を見て楽しむのもいい。「アド街ック天国」提灯も必見。

30

いーぐる

東十条3-16-13

日曜はシャッター状態。月曜夜は実に賑やかで、出てきた客も楽しげだった。17時からは居酒屋だが、日中は喫茶店という変り種。

 

10

そば清

東十条3-18-26

日曜は店名不詳だったが、月曜夜に来たら、ちゃんと暖簾に店名が出ていて、そこが「そば清」であることがわかった。どのメニューも安い!

 

9

珈琲画伯

東十条4-1-8

なかなか風格があって結構なのだが、看板が其処此処に出ていて、少々落ち着かない。商店街の看板的存在ではある。

  

6

ミュージックショップ ダン

東十条4-5-25

ここも商店街代表格と言える店舗。これまで数度、店頭ステージに遭遇した覚えがある。

十条編11位

 

15

持ち込みOK!やまさと

東十条4-5-7

店頭メニューの出し方がなかなか秀逸。テレビ東京のB級グルメ番組に出た旨、貼り紙があった。(「アド街」登場の件はまだ出ていなかった)

13

よりみち

東十条5-15-16

*駅から少し距離があったため、今回は見送り

21

天然鰻がある店)レストラン長崎

東十条5-3-3

 

 

 

 

 十条と比べると、ブランド的に見劣りするのは否めないが、集めれば何とかなるといったところだろうか。いわゆる名所がない上に、めぼしいスポット(公園、寺社、大型店舗など)も乏しい中での番組登場は快挙と言っていいかも知れない。ただし、今回の街歩きでは、以下のような点がわかってしまった。街としての東十条に問われるのは、これらをどうするかだと思う。

・いい意味で「東京(23区)なのに地方都市」のような風情がある。地方都市的要素というと語弊があるかも知れないが、路上喫煙が多いのはその表れと言えなくない。
・メインストリートから外れると、夜道は暗く、時に怖さを覚える。
・中十条の旧岩槻街道は、クルマの通行量おびただしく、歩行者にとっては誠に厳しい。(↑写真)
・地域内のつながりが強い旨、番組で話があった。その裏返しで、初めて来る人(よそ者)は入りにくい可能性がある。

 番組には出てこなかったが、東十条には「北区まちづくり公社」(左地図参照)がある。まずは公社の地元から、ということで、今後の取り組みに期待するとしよう。


 

  • おまけ

筆者としては、こういうのも出してほしかった、というのがある。以下、その4点。

 惜しくも東十条エリアから外れたため、紹介されなかったが、日本製紙倉庫(奥)と専用の線路「北王子貨物線」も、ちょっとした名物。東十条駅から歩いて行ける距離にある。

 東十条駅自体もなかなかのもの。北口は、東西それぞれにエレベーターが設置され、バリアフリー対応が図られた。(写真は北口の東側。こちらにはエスカレーターも)

 東十条と言えば、西側にある「下十条運転区」も名所。

 南口から「草月」に向かう坂の途中では、こうしたシーンが撮れる。

 

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第91話 十条 / 第153話 北区踏切事情 / 第304話 LEDが眩しい / 第339話 キーワードは"衝撃"

 

 

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