第230話 続・自動販売機/JR発足20周年(前編)(2007.4.1→2)
自動販売機のリサーチがひと区切りついたと思いきや、行く先々で「これは!」という自販機が続出。(逆に自販機に目を付けられてしまったか?) 都合、10ばかり追加することになったので、今回は前回の続きを綴りつつ、次の話題の橋渡しも、という欲張りな構成。自動販売機リサーチの続編とJR発足20周年ネタをお届けします。
これは珍しい?
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麹町と半蔵門の間、新宿通り沿いで発見。通りすがりで利用するような代物ではないと思うが、常連客でもいるのだろうか。
神宮外苑の自販機コーナーにあるとの情報はキャッチしていたが、実在しているのを目の当たりにすると感慨深いものがある。信濃町駅から神宮球場に向かう途中にあるので、これまでも目にしていたはずだが、見過ごしていた。認識あってこその自販機、ということか。
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200円というのは高いか安いか。近くにコンビニがないので、インスタント麺を今すぐ食べたい、という人にとっては重宝なのだろう。ホットメニューと同じ並びにある。
コンビニでモナカというと150円前後のものが多いから、これは良心的な方かも知れない。それにしても神宮にはホットなものからクールなものまでバリエーション豊かなこと。スポーツ観戦のお供に、ということか。(持ち込みNGの場合、持て余しそう。)
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いにしえ(かつてはよく見かけた?)系
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北千住の宿場町通りで見つけた。旧街道だけあって、こうした「いにしえ」系も健在。
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新宿西口のコカコーラ自販機グループは厚かましい感じが強いが、このようにこじんまりと、しかも懐かしさを醸すイラスト入りだと、愛着も沸く?(西早稲田界隈にて)
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売ってるものは一般的だが、機種が特殊
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前回紹介したのと前後して、見守りは止めてしまった。隣接するビルのリフォームが終わったのに合わせて、自販機も入れ替えたようで...
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秋葉原のラジオ会館の一角にある。ホビーショップKOTOBUKIYAの専用自販機のようだが、売っているのはコーヒー缶(と思しきもの)オンリー。なぜか160円もするが、缶コーヒーではない、何か特殊なものなのだろうか。
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自動と言えば自動
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早稲田商店会はエコロジカルな取り組みが進んでいるので名高い。西友のリサイクルステーションは大げさだが、この程度の大きさなら手軽で協力しやすいし、目的やお楽しみも明確。
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これは西武国分寺駅構内で見つけたものだが、他の駅にもお目見えしていることだろう。PASMOが電子マネーに代わられることを予感させる一例。
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以上で自販機紹介はおしまい。PASMOが出たところで、お次の話題に転じるとしよう。
3月18日(日)、首都圏の交通円滑化の切り札とも言える「PASMO」がいよいよスタートした。これ1枚あれば、切符を買う手間も、他社線連絡改札で引っかかることも、手持ち現金が足りなくて途中で移動できなくなることも無縁になる。(現金無用にするには、「オートチャージ」機能を登録しておく必要があるが。) あまり「乗り気」でなかった筆者も調べるうちにいろいろわかってきて、第221話の経過の通り、用済みになったSuicaカードを復活させようか、とも思ったが、オートチャージ機能が付かないと意味が薄れてしまうので、「ビューカード」のラインアップなどから検討することにした。
JR東日本はSuicaがそのままPASMOになるってんで、JR発足20周年の前祝いのような盛り上がり。(肝心の20周年当日の4月1日はあまり記念行事や記念グッズなどが出なかったような...) 今思うと、3月中はどの駅を通っても大騒ぎだった気がする。Suicaであちこち行ける、というJRのPRは盛んな反面、PASMOでJRに乗れる、という私鉄各社のPRは聞かない。気のせいだろうか。
改札スイスイで円滑化というのはもっともだが、交通事業者として果たすべきは、乗換や接続を改善することこそが本分だろう。SuicaとPASMO(両者あわせて「首都圏ICカード」と言うそうな)の相互利用スタートは、実はそのあたりを突っ込まれないようにするための便法というか、小手先な印象を受けなくもない。
連絡改札は、連絡切符を使う時に、そのありがたみが享受できる。パスネット+Suica、私鉄切符+Suica、JR切符+パスネットなど、組み合わせが豊富になり、入れたりタッチしたりする手順が複雑化してからは、その「連絡性」が損なわれ、かえって不便になった観もある。国分寺駅(西武<=>JR)でも新宿駅(小田急・京王<=>JR)でも、近くを通ると常にピンポンピンポン鳴り続けていて喧しい。そもそも自動改札機そのものに、タッチする手順などが表示されていないから間違いを起こす訳である。係員がつきっきりとなると、有人改札とあまり変わらないので、自動改札化がフイになる。いずれにしても、通り方がわからない客人が後を絶たない(確信犯的強行突破も見受ける)故、今回の首都圏ICカード相互利用は、それを抑制するのも主旨と考えられる。
どう変化するかお楽しみだが、逆に益々増えそうな予感もなくはない。というのも、SuicaかPASMOの1枚だけの利用なら問題ないが、両者の併用(同時タッチ)はNG、という制約がつきまとうからである。こうしたカードを入れるパスケースは単一だろうから、複数枚を入れている人がケースごとタッチすると、無自覚なまま同時タッチ→改札エラー&立ち往生、となってしまうだろう。(PASMOの複数枚タッチも有り得る。その注意は、ここに少々出ている程度で駅頭ではあまりお目にかからない。)
高田馬場駅の西武線<=>JRの連絡(のりかえ)改札での表示例(上部だが、これくらい書いてあれば、間違える客も少なかろう。) |
改札口全体はこんな感じ。壁面にもいろいろと注意書きが。 |
こうした事態を招くことを承知で、鉄道各社が我も我もとPASMO機能付きのカード発行を競うのはいかがなものかと思う。客の囲い込みのつもりかも知れないが、複数のPASMOを持たせて利便性を奪うようでは鉄道事業者の名が泣く、というもの。その人にとってオンリーワンのクレジットカードにPASMO機能が付加的に付いてくる、というのが最もシンプルで使いやすいはず。客側の視点に立ったカード発行というのを今からでも考えてほしいものである。(いっそ鉄道会社がオリジナルのクレジットカードを発行するのは控え、パスネットのように中立で一枚持てば済むような設定の方が望ましい?)
とある日、昼過ぎの京王線新宿駅改札前。カード発行の臨時カウンターの設営でバタバタ中。 |
同じ頃、小田急線の新宿駅の地下構内では、常設(?)カウンターがテキパキと稼動中。 |
ともあれ、他社線連絡改札が円滑に流れ、静かになるにはまだ時間がかかるものと思われる。
さて、「ビュー・スイカ」に絞って検討していた筆者は、ビックカメラのポイントカードの進化型を選んだ。「ビックカメラSuicaカード」である。
改札通過はスムーズだが、発行に至るまではあまりスムーズでなく、通常のおよそ倍かかってようやく手にできた。(3月11日にインターネットで申込。約10日で届くとあったが、実際に着いたのは29日。) ともあれ、ビックカメラのポイントをSuica(=PASMO)に移行できるのが何よりありがたい。今後は、このカードでオンリーワン化できそうである。
首都圏ICカードで気を付けないといけないのは、通しで乗ると、運賃が高くなるケース、その逆のケース、両方あること。高くなるケースとしては連絡改札がある駅を経由する場合(例:東急東横線 武蔵小杉、小田急線 登戸駅など)と、東京メトロ東西線(西船橋〜中野)・千代田線(西日暮里〜北千住)を通しで乗る場合が要注意。これはパンフレットなどには載っているが、ホームページでは見つからない(見つけにくい)のが難点。(安くなるケースは分が悪いためか、あまり掲載されていない。この件については、またそのうち。)
うまく利用したいものだが、こうした乗継時以外にも、とられ過ぎ(過剰引き落とし)リスクはつきまとう。どうもまだ信用ならないので、自動でスイスイという使い方はしばらく様子見しようと思う。
3月18日は、Suica&PASMO記念日だが、JR東日本ではダイヤ改正も行われた。時刻表上の大掛かりな改正はないようだが、東日本管轄の新幹線と特急列車の全てが全面禁煙になるというのはある意味、大改正(いや大正解)だと思う。だが改正で目立つのは、ダイヤよりも車両という印象が強い。事例を2つご紹介する。
3月17日(土)、北千住に向かうにあたり、常磐線に乗る。第171話の時と同様、お試し期間が設定された常磐線グリーン車だが、ダイヤ改正前日のこの日が試乗最終日。上野駅に着くと、折りよくグリーン車併結の列車に乗れるタイミングだったので、その番線に向かう。11:52発、高萩行きの常磐線快速、グリーン車は果たして大人気。発車まではまだ時間があったが、すでに列は長く、筆者は何とか座れた感じ。程なく満員御礼となり、定刻に発車。日暮里駅でもグリーン車目当ての客は多かったが、満席なのを早々に見切ったか、乗り込んでくる乗客は数人程度だった。偕楽園に臨時停車する快速列車。行楽シーズンなので、皆さん遠くまで行くんだろうな、などと思っていたら、筆者を含め、結構な人が北千住で降りていって拍子抜け。短時間でもより快適な車両に乗りたい、という心理は実によくわかる。
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かつて京浜東北線や山手線の車両が入れ替わる際、「できれば新しい車両に乗りたい、しかし旧型はもう乗り納めかも知れないし」という、ある意味「揺れる」心境を経験した。新旧バランスが微妙な時期は、新型が来るまで見送ったこともあった。中央線はまだまだ旧型車両が多いようなので、時には見送ってでも新型!ということもあるが、比率が逆転し出すと、古い方を選ぶようになるかどうか...
国分寺に出勤する際は、できるだけ新型に乗りたいものだと思いつつも、相性が悪いのか、筆者が乗ろうとすると続けて旧型ばかり。新宿から国分寺に向かう途中、反対側の上りを見ていると、新型が連続して通り過ぎ、帰りはその逆で、旧型に揺られていると、下り方面は新型が続くといった具合で歯痒い日が続いた。(お目見えしてから、せいぜい3、4回乗った程度)
飯田橋駅にて。急カーブを曲がる時の音も静かだったような... |
新宿駅に停車中のE233系。連結部分は通り抜け不可。 |
ところがダイヤ改正後から変化してきて、3月20日は、半蔵門の市民運動全国センターに昼と夜と2回出かける用件があり、御茶ノ水〜四ツ谷〜新宿〜四ツ谷〜新宿と中央線快速に乗る機会があったが、この4回分、全て新型に。
その週、国分寺までの往復では新型に乗る機会の方が増えてきて、ようやく相性が合ってきた感じ(いや単に増えてきた、ということか?) 乗れたとしても、これまでは車内をゆったり検証する余裕がなかったが、先だってようやく見渡すことができた。
車内においては、吊り革の工夫(+優先席の明確化)、停車駅等の案内画面の精緻さ、網状でなく板状の網棚(単に棚と言うべきか)、そして何より座席のゆったり感(3cmワイドになったとか)、といった点、評価できる。隠れ機能(?)として、空気清浄機が天井空調に付いたのも新型ならではか。
その他、ホームと扉の段差減、行先表示器の高度化(カラーになった上、次の停車駅も表示)もポイントだろう。新型車両に乗車する機会があれば、必見!である。(⇒詳細)
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4月1日で20周年(注.エイプリルフールではありません)
20周年を記念する最たるものは、やはり「青春18きっぷ」(5回分で8,000円!)だろう。届きたてのビックカメラSuicaカードを使い、前回紹介したオールマイティ券売機で購入。我ながら、JR側からすれば見本のような客だと感心する。
その18きっぷ発券に際しては、自動化されたためか、領収書を含め、6枚も出てきてビックリ。クレジットカードご利用票を先頭に、ご案内が3枚続き、18きっぷ本体は、5枚目に登場。最後におまけのように領収書が出てきた。ともあれこの一式で記念品のようなものなので、大事にとっておこうと思う。
*何とも長文になってしまったので、18きっぷの詳細と旅行記、20周年に関する話題などについては次回に譲ります。
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