第243話 ドラマティックステーション(2007.10.15)
10月14日は鉄道の日。同日、めでたく「鉄道博物館」が開館し、何かと話題の一大記念日である。これまで、第27話 鉄道の日三昧などでこの日にちなんだ話を書いてきたが、東京モノローグまる10年を記念して、ここらで鉄道ネタを少々ふりかえってみることにした。今回お届けするは「ドラマティックステーション」。一都二県(東京都・千葉県・神奈川県)にひとまず限って、あくまで筆者の一念で「この駅はどこか劇的・・・」というのを選んでみた。過去に掲載した画像と重複する部分もあるが、「絵になる」というのをそれなりに実感していただくべく、今回はトリミングや解像度調整はせず、サムネイルをクリックすると撮影したままの画像が出るように設定。その駅に行ってみたつもりで、ひとつご鑑賞ください。
注)
・ドラマで出てきた駅、という訳ではありません。絵になるシーンがどこかしらにある駅、というのを筆者流にドラマティックとしました。
・ここ5年ほどのデジカメ撮影記録の中から選んでいるため、それ以前に訪れた中での名ステーション&名シーンは割愛しています。(行けばまだ同じ光景に遭遇できる可能性は高いと言えます。)
・「関東の駅百選」は、「特徴ある駅」というのが基準とのこと。どちらかと言うと、駅舎(建造物として)の風情というのが重視されている観はあるので、筆者選定とはまた趣が異なります。
・撮影年月日が古いものから掲載。 |
江戸川が駅近くを流れる。川に近いホームというのは何かと絵になるが、より静寂を湛えた感じが佳い。東急の多摩川駅・二子玉川園駅、小田急の和泉多摩川駅だとおそらくこういう風にはならない。(対岸の「江戸川」駅も悪くない。)
参考 ⇒ 第128話 2002年15大ニュース(8位の項)
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新宿(JR 2002.12.16/2006.4.14)
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駅構内やホームからの光景はドラマティックというよりはダイナミック。絵的にはやはりサザンテラス一望、ということになるだろう。(関東の駅百選 第四次選定駅) |
参考 ⇒ 第208話 変化あっての新宿駅
できて4年くらい経ったところで行ってみた。ホーム全体をこのように覆う(ガラス?)構造はなかなかお目にかかれない。(関東の駅百選 第四次選定駅)
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御茶ノ水(JR 2004.2.17/2007.5.4)
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2004年当時、丸ノ内線はまだこの旧型が走っていた。車両は変わってもここの景色は絶品だろう。聖橋、神田川、そして断崖に深々と繁る緑...(関東の駅百選 第三次選定駅) |
茗荷谷や後楽園でも丸ノ内線は地上に出てくるが、ここは別格。ホームで花見ができる駅はそうそうない。
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元町・中華街(みなとみらい線 2004.5.16)
大阪市営地下鉄御堂筋線にも似たような駅があるが、首都圏ではここが最初か。地下ながら広がりを感じさせる。
参考 ⇒ 第162話 横浜週末(みなとみらい編)
品川プリンスホテルの映画館へ行った帰りに何の気なしに撮影。ひと昔前と比べると品川は本当に変わったなぁと思う。
駅周辺もいい感じだが、何と言ってもこのカーブ、そして代々木方面の遠景がいい。
参考 ⇒ 第187話 23区内のカーブ駅
現役の駅ではないが、これも立派なドラマティックステーション。交通博物館なき今、まだこういう形で残っているかどうかは定かではない。
参考 ⇒ 第206話 なくなるもの、開かれるもの
飛鳥山公園を一望できる。春は桜、初夏は紫陽花、秋は紅葉...
私鉄各線の起点駅(ターミナル)の次の駅(例:北池袋、椎名町、不動前、北品川、平沼橋)というのは一抹の侘しさを漂わせていたりするが、ここはそんな風情を持ちつつも、新宿らしいダイナミズムも感じることができ、心地良い。ホームに佇んで、通過列車を見送るのにも最適。
この界隈(堀切橋〜隅田水門)でのクリーンアップを手伝いに行った際、撮影。こじんまりした感じ、程よいカーブ。某学園ドラマで出てくる駅だけのことはある。
駅舎もさることながら、波の音がよく聴こえるのがまたドラマティック。(関東の駅百選 第四次選定駅)
参考 ⇒ 第231話 JR発足20周年(後編)
臨時ホームと代々木公園の緑。「TOYAMA
NOW in 原宿」(最近は不明)の時期には、ここもチューリップで彩られる。(関東の駅百選 第一次選定駅)
夕映えがいい色だったので何気なく撮ったらこんな感じ。派手さはないが、地域も駅もいい味を出しているのが十条である。
参考 ⇒ 第91話 十条
場所が場所だけに絵にならない筈がない。リゾートライン各駅の中でも特に幻想的。
複々線工事の最中というのも絵にはなる。下の線路が上に行ったというのがよくわかる。
トンネルを出るとすぐ駅、または駅を出るとすぐトンネル、というのはそれだけでドラマティック。緑豊かなトンネル、というのがまたイイ。
駅を出てすぐ目に付くのがこの景色。高層マンションの見映えがいいのは、景観を考慮して配されたことの証しと思われる。ホームからはガーデンテラスのような小エリアに出入りできるようになっていて、関東の駅百選(第一次選定)駅に選ばれているのもそれが理由と思われるが、筆者としてはこの景観を推したいところである。
高架ホームならではの寂寥感とでも言おうか。ドラマのワンシーンで使えそう。(東急大井町線 下神明、東京メトロ千代田線 北綾瀬もこれに通じるものがある。)
2002年5月に開成駅で下車し、小田急線全駅での乗降を達成したものの、2004年12月に新たにこの駅が開業したおかげで全駅とは言えなくなってしまった。なかなか足を運ぶ機会がなかったが、先だってようやく行って来れた。緑がホームに迫るこの感じ。なかなかである。
トンネルの間に駅がある、というのは昔から同じ。ただかつては、ホームの長さが十分確保できなかったため、一部の車両のドアが開けられないというのがこの駅の特徴だった。幼心にドラマ性を感じ、学生時代にもその不便さに心惹かれるものを覚えていたが、久しぶりに行ってみたら、ちゃんと全てのドアが開くようになっていた。それもドラマのうちか。(関東の駅百選 第四次選定駅)
これだけ見ると何のことだかよくわからないかも知れないが、筆者幼少の頃から下北沢と言えばこの眺め、なのである。基本的な駅の構造は昔と変わらず、小田急線の上りホームから見上げると、京王井の頭線がこのように通り過ぎていくのを見送ることができる。井の頭線車両はカラーバリエーションが豊富なのが特徴。色をチェックするのも楽しみの一つだった。あと何年、このトレインビューが楽しめるか、気になるところである。
駅は他にもまだまだ沢山あって、どの駅にも表情や趣がある。時間帯や見方によってはいくらでもドラマティックな要素はあるだろう。普段は見過ごしがちなそんな駅の情趣を鉄道の日周辺だけでも探してみては、と思う。今回はその手がかりになれば、と掲載した次第である。
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