随筆「東京モノローグ2007」(9−10月期)
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第243話 ドラマティックステーション / 第242話 北赤羽≧浮間&桐ヶ丘?〜「アド街ック天国」(9/22放映分)レビュー / 第241話 「漂着モノログ」スタート!〜回収干潟と台風9号増水 / 第240話 「ついつい」について〜「べからず集」番外編

第243話 ドラマティックステーション(2007.10.15)

 10月14日は鉄道の日。同日、めでたく「鉄道博物館」が開館し、何かと話題の一大記念日である。これまで、第27話 鉄道の日三昧などでこの日にちなんだ話を書いてきたが、東京モノローグまる10年を記念して、ここらで鉄道ネタを少々ふりかえってみることにした。今回お届けするは「ドラマティックステーション」。一都二県(東京都・千葉県・神奈川県)にひとまず限って、あくまで筆者の一念で「この駅はどこか劇的・・・」というのを選んでみた。過去に掲載した画像と重複する部分もあるが、「絵になる」というのをそれなりに実感していただくべく、今回はトリミングや解像度調整はせず、サムネイルをクリックすると撮影したままの画像が出るように設定。その駅に行ってみたつもりで、ひとつご鑑賞ください。

注)
・ドラマで出てきた駅、という訳ではありません。絵になるシーンがどこかしらにある駅、というのを筆者流にドラマティックとしました。
・ここ5年ほどのデジカメ撮影記録の中から選んでいるため、それ以前に訪れた中での名ステーション&名シーンは割愛しています。(行けばまだ同じ光景に遭遇できる可能性は高いと言えます。)
・「関東の駅百選」は、「特徴ある駅」というのが基準とのこと。どちらかと言うと、駅舎(建造物として)の風情というのが重視されている観はあるので、筆者選定とはまた趣が異なります。
・撮影年月日が古いものから掲載。

  • 国府台(京成本線 2002.8.26)

国府台/Copyright© 冨田行一 江戸川が駅近くを流れる。川に近いホームというのは何かと絵になるが、より静寂を湛えた感じが佳い。東急の多摩川駅・二子玉川園駅、小田急の和泉多摩川駅だとおそらくこういう風にはならない。(対岸の「江戸川」駅も悪くない。)

参考 ⇒ 第128話 2002年15大ニュース(8位の項)


  • 新宿(JR 2002.12.16/2006.4.14)

新宿/Copyright© 冨田行一

 

新宿/Copyright© 冨田行一

 駅構内やホームからの光景はドラマティックというよりはダイナミック。絵的にはやはりサザンテラス一望、ということになるだろう。(関東の駅百選 第四次選定駅)

参考 ⇒ 第208話 変化あっての新宿駅


  • ゆめが丘(相鉄いずみ野線 2003.5.29)

ゆめが丘/Copyright© 冨田行一 できて4年くらい経ったところで行ってみた。ホーム全体をこのように覆う(ガラス?)構造はなかなかお目にかかれない。(関東の駅百選 第四次選定駅)


  • 御茶ノ水(JR 2004.2.17/2007.5.4)

御茶ノ水/Copyright© 冨田行一

 

御茶ノ水/Copyright© 冨田行一

 2004年当時、丸ノ内線はまだこの旧型が走っていた。車両は変わってもここの景色は絶品だろう。聖橋、神田川、そして断崖に深々と繁る緑...(関東の駅百選 第三次選定駅)


  • 四ッ谷(東京メトロ丸ノ内線 2004.4.2)

四ッ谷/Copyright© 冨田行一 茗荷谷や後楽園でも丸ノ内線は地上に出てくるが、ここは別格。ホームで花見ができる駅はそうそうない。


  • 元町・中華街(みなとみらい線 2004.5.16)

元町・中華街/Copyright© 冨田行一 大阪市営地下鉄御堂筋線にも似たような駅があるが、首都圏ではここが最初か。地下ながら広がりを感じさせる。

参考 ⇒ 第162話 横浜週末(みなとみらい編)


  • 品川(JR 2005.1.9)

品川/Copyright© 冨田行一 品川プリンスホテルの映画館へ行った帰りに何の気なしに撮影。ひと昔前と比べると品川は本当に変わったなぁと思う。


  • 代々木八幡(小田急小田原線 2005.6.6)

代々木八幡/Copyright© 冨田行一 駅周辺もいい感じだが、何と言ってもこのカーブ、そして代々木方面の遠景がいい。

参考 ⇒ 第187話 23区内のカーブ駅


  • 万世橋(JR中央線 2006.3.19)

万世橋/Copyright© 冨田行一 現役の駅ではないが、これも立派なドラマティックステーション。交通博物館なき今、まだこういう形で残っているかどうかは定かではない。

参考 ⇒ 第206話 なくなるもの、開かれるもの


  • 王子(JR京浜東北線 2006.4.2)

王子/Copyright© 冨田行一 飛鳥山公園を一望できる。春は桜、初夏は紫陽花、秋は紅葉...


  • 南新宿(小田急小田原線 2006.9.3)

南新宿/Copyright© 冨田行一 私鉄各線の起点駅(ターミナル)の次の駅(例:北池袋、椎名町、不動前、北品川、平沼橋)というのは一抹の侘しさを漂わせていたりするが、ここはそんな風情を持ちつつも、新宿らしいダイナミズムも感じることができ、心地良い。ホームに佇んで、通過列車を見送るのにも最適。


  • 堀切(東武伊勢崎線 2006.10.7)

堀切/Copyright© 冨田行一 この界隈(堀切橋〜隅田水門)でのクリーンアップを手伝いに行った際、撮影。こじんまりした感じ、程よいカーブ。某学園ドラマで出てくる駅だけのことはある。


  • 和田浦(JR内房線 2007.4.1)

和田浦/Copyright© 冨田行一 駅舎もさることながら、波の音がよく聴こえるのがまたドラマティック。(関東の駅百選 第四次選定駅)

参考 ⇒ 第231話 JR発足20周年(後編)


  • 原宿(JR山手線 2007.6.2)

原宿/Copyright© 冨田行一 臨時ホームと代々木公園の緑。「TOYAMA NOW in 原宿」(最近は不明)の時期には、ここもチューリップで彩られる。(関東の駅百選 第一次選定駅)


  • 十条(JR埼京線 2007.6.16)

十条/Copyright© 冨田行一 夕映えがいい色だったので何気なく撮ったらこんな感じ。派手さはないが、地域も駅もいい味を出しているのが十条である。

参考 ⇒ 第91話 十条


リゾートゲートウェイ/Copyright© 冨田行一 場所が場所だけに絵にならない筈がない。リゾートライン各駅の中でも特に幻想的。


  • 武蔵境(JR中央線 2007.7.20)

武蔵境/Copyright© 冨田行一 複々線工事の最中というのも絵にはなる。下の線路が上に行ったというのがよくわかる。


  • 田浦(JR横須賀線 2007.8.5)

田浦/Copyright© 冨田行一 トンネルを出るとすぐ駅、または駅を出るとすぐトンネル、というのはそれだけでドラマティック。緑豊かなトンネル、というのがまたイイ。


  • 緑園都市(相鉄いずみ野線 2007.9.15)

緑園都市/Copyright© 冨田行一 駅を出てすぐ目に付くのがこの景色。高層マンションの見映えがいいのは、景観を考慮して配されたことの証しと思われる。ホームからはガーデンテラスのような小エリアに出入りできるようになっていて、関東の駅百選(第一次選定)駅に選ばれているのもそれが理由と思われるが、筆者としてはこの景観を推したいところである。


  • 天王町(相鉄本線 2007.9.15)

天王町/Copyright© 冨田行一 高架ホームならではの寂寥感とでも言おうか。ドラマのワンシーンで使えそう。(東急大井町線 下神明、東京メトロ千代田線 北綾瀬もこれに通じるものがある。)


  • はるひ野(小田急多摩線 2007.10.4)

はるひ野/Copyright© 冨田行一 2002年5月に開成駅で下車し、小田急線全駅での乗降を達成したものの、2004年12月に新たにこの駅が開業したおかげで全駅とは言えなくなってしまった。なかなか足を運ぶ機会がなかったが、先だってようやく行って来れた。緑がホームに迫るこの感じ。なかなかである。


  • 神泉(京王井の頭線 2007.10.4)

神泉/Copyright© 冨田行一 トンネルの間に駅がある、というのは昔から同じ。ただかつては、ホームの長さが十分確保できなかったため、一部の車両のドアが開けられないというのがこの駅の特徴だった。幼心にドラマ性を感じ、学生時代にもその不便さに心惹かれるものを覚えていたが、久しぶりに行ってみたら、ちゃんと全てのドアが開くようになっていた。それもドラマのうちか。(関東の駅百選 第四次選定駅)


  • 下北沢(小田急小田原線 2007.10.4)

下北沢/Copyright© 冨田行一 これだけ見ると何のことだかよくわからないかも知れないが、筆者幼少の頃から下北沢と言えばこの眺め、なのである。基本的な駅の構造は昔と変わらず、小田急線の上りホームから見上げると、京王井の頭線がこのように通り過ぎていくのを見送ることができる。井の頭線車両はカラーバリエーションが豊富なのが特徴。色をチェックするのも楽しみの一つだった。あと何年、このトレインビューが楽しめるか、気になるところである。


 駅は他にもまだまだ沢山あって、どの駅にも表情や趣がある。時間帯や見方によってはいくらでもドラマティックな要素はあるだろう。普段は見過ごしがちなそんな駅の情趣を鉄道の日周辺だけでも探してみては、と思う。今回はその手がかりになれば、と掲載した次第である。

  • こちらもどうぞ...⇒ ここに出てくる駅もドラマティック

第100話 東京百景(T) / 第154話 東急東横線2題 / 第192話 つくばエクスプレス開業初日レポート

 

第242話 北赤羽≧浮間&桐ヶ丘?(2007.10.1)

 とうとうネタが尽きた?とは言わないが、まさかまた赤羽が、しかも方位指定で「北赤羽」とは!である。「出没!アド街ック天国」ではこれまで2度「赤羽」が登場し、地元住民の筆者としてはこれ以上は望むべくもなかった。だが、7月中旬頃、同番組ホームページ「街の情報掲示板」にその異変は起こった。いつも通り、何気なくチェックしていたら、目が点。さりげなく「北赤羽」と出ているではないか。ここに載ったからにはいずれ番組で放映される、ということである。他にもまだまだ放映すべき街は多々あるところ、何でまた?

 赤羽編で出てこなかった準赤羽エリアは確かにある。それは赤羽の北とか西とか... だが、北赤羽にしたところで、ランキング30件を埋めるだけのコンテンツはあるのだろうか。素朴に疑問に思ったので、「浮間、桐ヶ丘、さらにはお隣、板橋区の小豆沢、志村と広域に捉えれば何とかなるのでは?」といった趣旨で、早速、掲示板に書き込んでみた。非建設的意見と思われたか、理由不明ながら、筆者の投稿は不採用。どの範囲を北赤羽とするつもりか、どこをどう採り上げるつもりか、とにかく一視聴者としておとなしく放映日を待つことにした。いざお立ち合い、である。

メガシティ外観

北区の桜は、飛鳥山のみならず

 筆者としては、JR京浜東北線から西側で、地名で言う「赤羽北」全域と、番組お得意の範囲ぼかしで、赤羽台、桐ヶ丘、浮間は一部か全部か、という読みだった。そのエリアで言うと、雪印工場の跡地に建ったメガシティ、保健所通りの桜並木、地元の古社 諏訪神社、北赤羽駅を囲む建物群(アクトピアなど)、それに北社会保険病院東京水辺ライン(水上バス) 等々はランクインするはず、それが一住民の視点だった。これといった名店・名建築も見当たらないし、あとは学校(星美学園、都立桐ヶ丘高校)か、そんな想定だったのである。ところが、放映当日、9月22日(土)に番組を観てみると...

 以下、30位から順に、その一部につき検証してみることにしよう。(放映後、9月23日(日)と28日(金)に足を運んで確認。日常的に記録していたものも含む。) ©「出没!アド街ック天国」 (2007.9.22:北赤羽) → 番組ホームページ(当該順位)とリンクさせています。


30.北赤羽駅 北赤羽駅

 プラットホームが川を跨ぐ駅(改札口はホームの端と端)、というのは珍しいそうで、もっと上位に来るかと思いきや30位。これは結構層が厚いぞ、と期待を抱かせるも...

下:新河岸川(奥が上流側)/上:駅ホームの躯体(橋梁?)

埼京線の各駅が開業したのは昭和60年9月30日。今から22年前である。

29.フレッシュフーズ たけのうち フレッシュフーズ たけのうち

 駅より上位なのがいきなりこれ。筆者としては知らぬ存ぜぬだったが、行ってみるとまあまあ納得。浮間中央商店会の中では目立つ存在である。

焼き鳥が目印かつ名物

28.かぎのたつみや かぎのたつみや

 番組予告で「昭和レトロ」云々とあって、いったいどこの一帯を指すのかと思っていたら、桐ヶ丘団地の一隅にある小商店街のことだった。この限られた商店街スポットからは実に4つの店がランクインしてきてビックリ!である。この鍵屋さんはその序章。やはり層は厚くなかった北赤羽である。(ちなみに、この桐ヶ丘の一角へは北赤羽駅からは徒歩圏とは言い難く、赤羽駅からのバス便を使うのが一般的。)

随所に「やめます」の貼り紙(兼 値引き表示)

逆を言うと、売り切るまでは続けるということ(?)

27.定食の店 しん 定食の店 しん

 この店の界隈は見慣れていたが、こんな定食屋があったとは知らなんだ。(日曜は閉まっていたので、金曜に改めて行ってみたら、番組紹介通り繁盛していた。)

このラインアップ、この価格!

26.浮間装飾 浮間装飾
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25.桐ヶ丘名物朝市 桐ヶ丘名物朝市
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24.おもちゃのふくしま おもちゃのふくしま

 ココアシガレット増量!ということで行ってみたら、残りあと僅か。午前中に行けばもっとあったんだろうけど、常連さんは皆、クレーンゲームの名手だろうから、一網ならぬ一腕打尽だったことは容易に想像できる。撮ってから気付いたが、このクレーンゲーム機の上部に「ショックライター」なる宣伝が。随分と物騒なモノも扱っていたりするが、これもレトロのうちか。(誤って、ショクライターと書いて、小さいをツを後付けしていることから大した玩具ではないことはわかる?)

黒い箱がココアシガレット

23.大勝軒 MARUICHI 大勝軒 MARUICHI

 ここが最後の暖簾分け店だとか。東池袋にあった大勝軒(本家)では、第70話の通り、懲りているので、ここも別に行こうとは思わないが、23日はこの通りの行列(ちょうど13時)で、大賑わい。北赤羽で行列ができる店、という意味ではもっと上位でもいい気はする。

22.まるます家 北赤羽店 まるます家 北赤羽店

 行ってみたら、ちょっと淋しい感じ。赤羽駅東口にある本店はえらく威勢がいいだけに対照的である。(まるます家は決して敷居は高くないのだが、心理的な敷居が高く、入店した試しなし) 今回の北赤羽編では、北赤羽駅の浮間口(西側)と赤羽口(東側)のどちらに多くスポットが当たるかについても注目していたが、桐ヶ丘所在分を除き、赤羽口勢としては、ここと12位・6位・4位といったところ。浮間口の方に分があった訳だが、番組タイトルとしては「浮間」ではなく「北赤羽」。番組としては配慮したつもりかも知れないが、これだと浮間にお住まいの方々には失礼に当たる。いっそ、「北区の北西」とかでもよかった?

21.給水塔 給水塔

 桐ヶ丘を目指す際、目印になるのがこの給水塔。(要するに、道に迷う位置にあるのが桐ヶ丘なのである。これで霧が深かったりすると、キリキリ舞いになる惧れあり。いろんな意味でキリヶ丘と称する。) ランドマークとしてのランクインということで、無難な順位である。


20.川嶋湯 川嶋湯

 北赤羽一円には他にも銭湯はあるが、この銭湯を含む一帯が評価された、ということのようだ。ちなみに、第179話で紹介した爆発事故がなければ、ちょっとした天然温泉スポットが駅近くにできていて、そこが上位にランクされた可能性はある。

19.あさま屋菓子店 あさま屋菓子店

 23日に行ってみると、小学生で賑わっていた。ちょうどコインゲームで店内専用10円券をゲットするシーンにお目にかかり、大いに納得。どの子どももニコニコしているのが印象的だった。

10円玉を入れて、打つ。簡単にはスカにならないような設計になっているようだが、彼等が上手だった、ということかも。

18.ちからこぶ ちからこぶ

 浮間口から徒歩一分ほどのところにある。こういう店の存在はテレビで取り上げない限りはわからないものである。それにしても、24時間営業というのは快挙だ。

店内の棚に陳列されているのがカップ酒のレパートリー

17.しもホり製作所 しもホり製作所
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16.天ぷら 三平 天ぷら 三平

 ここも桐ヶ丘中央商店街の中の一店。23日に、揚げたてのかき揚げ(3つで百円)を買い、帰宅後にいただいた。そこそこ時間は経っていたが、アツアツ感がキープされていて、さすがは16位と感心。

撮影時は完売に近い状態だったが、程なくかき揚げが登場。即決で買い求めた。

15.丸萬 丸萬

 日曜は休業日。行ってみたらシャッターが下りていて、探し当てるのに苦労した。番組で見て知ったと思しき遠来の客(クルマで徐行しながら店前で停車)もいたが、やっていないと知るや、またノロノロと去って行った。番組で開店日の案内が一言でもあればよかったと思われるケース。

平日に行ったらこの通り。箱ごと売っているような印象を受ける。

14.ホルモン道場 松月 ホルモン道場 松月
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13.新河岸川 新河岸川

 赤羽編(1回目:2000.3.4)の第1位(2回目は2位)は「荒川」だった。では、北赤羽も同じか、いや新河岸川もあるぞ、と思っていたら、単独で13位。荒川と新河岸川が並んで流れる、というのがこの辺の特徴なので、両川併記でも良かったと思うが...

番組では映らなかったが、浮間橋から見下ろすとこんな感じで、漂着ゴミが滞留している箇所もある(これも台風9号増水の名残)

12.内山美術鋳造研究所 内山美術鋳造研究所

 環八通り沿いにあって、前を通ることもしばしば。だが、そんなに著名な仕事をしていたとは正直仰天である。林家さん(6位)のお宅もこの近所なんだそうだが、その仕事ぶりはやはりご存じなかったようだ。

11.自動販売機天国 自動販売機天国

 第229話で自販機調査をあれこれやっていた割には地元にはあまり目が行かず。(灯台下暗しとはこのことか。) 言われてみれば、確かにヘンテコな自販機が多い気はする。だが、11位にランクするほどの名物なんだろうか?


10.赤羽ゴルフ場 赤羽ゴルフ場

 第241話の通り、台風9号増水で見事に水没してしまい、そこからの回復思わしくなく、10月1日時点でまだ営業再開には至っていない。緑を保つ上でゴルフ場には一定の役割はあると思うが、農薬、土壌汚染、水質汚濁の連鎖が少なからずあるとすれば、緑地保全以前の問題。緑の質も問われる。荒川在来(原種)のものでない限りは、所詮は借り物の自然である。近在の旧建設省系事務所の職員などが公金でプレーに興じるために設けられたもの、なんて話も聞く。良くも悪くも、北赤羽名所である。

9.浮間つり堀公園 浮間つり堀公園

 存在は知っていたが、場所はよくわかっていなかった。今回の放映で認識できたのは大きいが、北赤羽駅 浮間口からは1km以上の距離にある。水上バスがここまで来てくれれば、利便性は増すと思う。(隣駅の浮間舟渡からの方がやや近い感じ) 3位の「浮間工場街」の近所である。

公営のつり堀というのは結構貴重?(北区河川公園課の所管)

8.カズン カズン

 日曜に行ったら、番組案内通り、「自分で100gピッタリに盛って無料になる『塩辛』を、200gでもチャレンジ可能」というのは出ていたが、挑戦者は見かけなかった。

赤字で「あどまちっく天国」と書かれてあるのはご愛嬌 (^^;

7.桜草 桜草

 田山花袋「東京近郊 一日の行楽」でも登場する名花。荒川在来植物の代表格とも言える。あくまで浮間のサクラソウが名高いのであって、北赤羽=桜草ではない。さくら草祭りの時期に圃場に行けば、お目にかかれる。必見!

これが浮間ヶ原野生種のサクラソウ

6.林家ペー・パー子 林家ペー・パー子

 第131話でも少々紹介したが、ご当地芸能人と言えば、やはりこのお二人だろう。ある時は駅の券売機、またある時は赤羽の商店街、地元駅のロータリーにお車で乗り付けて来たり、というのもあった。いつ見ても、あのピンクのご衣装。つまり普段着なのである。

近所に行きつけの美容室があると仰っていたが、時には赤羽にも遠征されるようだ(ピンクの衣装はとにかく目立つ)

5.水塚(みづか) 水塚(みづか)

 番組で登場した清水家の水塚は、埼京線の車窓からもよく見える。目の前にバス停があるが、その名は「浮間2丁目」。停留所名は「水塚」にしてもいいくらい。

4.北区つかこうへい劇団 北区つかこうへい劇団

 廃校になる前に出前授業で数回おじゃましたことがあるが、その北園小学校は今は劇団が主に使っている。ご当地(地域密着)劇団ゆえ、若手劇団員(研究生)が近所のファミレスなどで働いていたりすることもある。

3.浮間工場街 浮間工場街

 工場は多々あるが、バス停「浮間工場街」は実質的には「中外製薬前」。同社単独でランクインしてもいい程、中外の城下町なのが浮間五丁目界隈である。この付近については第203話、社会現象ともなったグランドステージネタで触れている通り。

これを撮った位置の背後が中外製薬 浮間工場になる。今は第2生物実験棟なるビルを建設中。(→詳細PDF

2.浮間公園 浮間公園

 板橋区側が舟渡、北区側が浮間。面積的には板橋区舟渡の方が広いはずだが、今回は強引に「北赤羽」の一部で、北区浮間の浮間公園が2位にランクイン。北赤羽のアイデンティティーがいかに乏しいかをよく物語っている。浮間在住の方はご乱心なのではなかろうか。(ちなみに、公園が区界にあるのと同様、公園最寄のJR埼京線 浮間舟渡駅も二区を跨いでいる。駅名はその名もズバリ、浮間と舟渡の合成である。) →地図参照

2003年2月9日、浮間公園でのバードウォッチングイベントにて撮影。野鳥シーズンはやはり冬だろう。

1.桐ヶ丘団地 桐ヶ丘団地

 2回目の赤羽編(2005.4.2)では、赤羽台も桐ヶ丘も、とにかく「団地」は登場しなかった。そのリベンジという訳でもないんだろうけど、まさかのまさか、桐ヶ丘団地が第1位とは!である。北赤羽駅から同地へはアップダウンはあるものの、直線的につながる道路はなし。とにかくあっちを曲がって、こっちを折れて、といった感じですんなり行き着かない。北赤羽と聞かれて、桐ヶ丘と答える人は地元民ではあまりいないと思われる。桐ヶ丘は桐ヶ丘だろう。浮間同様、在住の皆さんに失敬な話である。


 という訳で、前述した予想は大きく外れ、地名で言う「赤羽北」由来のスポットは至って少数という結果に。「北区北西」または「浮間・桐ヶ丘」の方が良かったのではないか、というのが正直な感想である。(もっとも、赤羽北ではなく北赤羽としたのは免責事項的ではあるが。) 一地元民としては、喜ばしいやら物悲しいやら、悲喜こもごものアド街放映となった。是非行ってみたいと思う店やスポットがあまりないのがまた悩ましい。今後も要「アドマチェック」である。

  • こちらもどうぞ...⇒ 赤羽界隈に関する話題

第59話 赤羽 / 第61話 (付録)「アド街ック天国」(赤羽)放映結果コメント / 第218話 浸水想定深を探る

 

第241話 「漂着モノログ」スタート!(2007.9.15)

 荒川の河川敷にすぐに出られるのが筆者宅の利点の一つ。水際に流れ着く様々なゴミの調査や収集をするにも好都合ではあるのだが、河川敷と水際とではまたアクセスのしやすさが異なる。川は容易に望めても、実際に水に触れるところまでとなると、ちょっとした気概が必要になるのである。まして、そこに転がる多量のゴミを拾って、詰め込んで、持ち帰って、となると...w(--)w 幸い、その水際近辺で定期的にクリーンアップに取り組むグループがあり、溜まる一方ではないのが救い。(筆者はそのグループのメンバーではないが、お声がかかればお手伝いに出向く感じ。) 仮に自力で収集しようとするととんでもないことになるが、漂着・散乱しているゴミの数を調べるくらいなら、30分もあれば何とかなる。そのグループでも調査はなされているが、筆者はあえて「国際海岸クリーンアップ」(ICC)のデータカード(参考⇒2006年結果に基づいて調べてみることにした。具体的にカウントを始めたのは、ゴールデンウィーク最終日、5月6日(日)のことである。

回収干潟に漂着したゴミの数々 遡って3月22日(木)、半分は仕事を兼ねて、その水際(現地用語では「回収干潟」)に足を運んでみたのだが、そのあまりの惨状に思わず絶句。春先は、ヨシが枯れていて草地面積が広くなっていることもあって、その斜面と干潟とが正に回収機能を発揮したのだろう。干潟ができるということは湾曲した地形があるということである。その湾曲部は流れを受け止め、そこに漂着したゴミも見事にキャッチした訳である。これまで夏場にはここを何度か見、またクリーンアップにも参上していたのだが、斜面は青々したヨシに覆われているので、目に付くのは干潟表面のみ。(ヨシの根元まで丹念に調べればいろいろと出てくるが) パッと見た限り、ゴミはそこそこ、というのがこれまでの印象だった。それ故、この一件は衝撃だったのである。(海岸や離島への漂着ゴミに関してはこの比でないことは言うまでもない⇒「海ゴミ」(中公新書)参照)

 ここでふと思いついたのがオリジナル小説の執筆である。安直ではあるが、川ゴミの実状、現場での体験等を仮想の場所(ただし限りなく現実に近い設定)、架空の人物を通じて物語風に伝えることで、また違った訴えかけができるのではないか、というのがその動機。

 大まかに人物設定なり相関図なりを考え、週末に早速書き始めてみた。それからかれこれ半年近くが経とうとしている。早いものである。書き出してみると、案外筆が進むもの、というのがわかったのは大きかった。(今は9月編を鋭意執筆中である。そろそろ全体の折り返しを迎える。)

 3月のこの日、何が漂着していたのかについては、小説文中(下記バナーをクリック!)に記載の通り。この時は数は調べていないが、目立ったもの、珍しいものは記録しておいたので、それらをもとに話の展開を考えることができた。キャッシュカードがどうこうという話が早々に出てくるが、この日、実際に某銀行の「漂着キャッシュカード」を拾得し、翌日届け出た、という体験談を基に記したものである。これは正に思し召しだったんだと思う。漂着物から始まるストーリーと言っては大げさだが、何がきっかけでそれがどう展開していくかはわからないもの。現地での出来事に展開を委ねる時は委ねようと思ったのもそのためである。その後も回収干潟に通っては、撮ったり調べたりを繰り返し、都度書き足している。現地情報をふまえる都合上、遅筆な点はどうかご了承いただきたく。(大まかな落着点を見据えてはいるが、何がどう転ぶかわからないので、結末はまだ構想段階である。)

オリジナル小説「漂着モノログ」(9/4連載開始!)

このバナーを週に一度クリックしていただくと、「漂着モノログ」をより多くの人に知ってもらうきっかけが広がります。

 なお、キャッシュカードとともに集めたゴミ(主にプラスチック系)のサンプルは、左画像の通り。小説本文と見比べていただくとまた一興と思われる。(これらの一部は、川からのゴミの例として「トランク・ミュージアム®」に収められている。)

*調査状況やその時々の様子について、今ここで明かしてしまうと小説のネタばらしのようになってしまうので、控えます。(^^; 連載中の小説「漂着モノログ」(毎週火曜日掲載)にて追っかけで読んでいただければ幸いです。(文中用語の解説を兼ねた「漂着モノログ〜リアルversion」は別途公開予定)


 さて、9月6日から7日にかけて関東地方を直撃した台風9号の凄まじさはご既知の通り。7日はダイヤの乱れを予見して朝早くに出かけ、通常モードで出勤していたので、荒川が増水していく過程はリアルタイムで確認できなかった筆者。一夜明け、8日(土)の朝、早々に現地に行くことにした。ゴルフ場は完全水没中(散布農薬の運命やいかに?)。堤防下の河川敷道路も泥色になっている。遠目にも増水の生々しさはわかったが、やはり近づいてみないことには実感が得られない。干潟のある水際まで河川敷道路からちょっと距離はあるが、ふだんは自転車を使えばグランド脇を進むだけの単調な道程。だが、この時は、ぬかるみにタイヤをとられ、難航した。なぜぬかるんでいるかと言えば、つまりここもバッチリ水浸しになっていた、ということである。ゴルフ場然り、道路然り、グランドより低地にある隣接駐車場は、物の見事に冠水していた。水位上昇の動かぬ証拠である。前日の7日は、河川敷道路付近が即ち水際になっていたものと思われる。水が退いた後、ということではいいタイミングだった訳だが...

茶色を基調に鈍く光る河川敷道路(中央の水溜りは川ではなく水没ゴルフ場)

橋脚下は駐車場(冠水中)。グランドと駐車場の間の窪地も水路のようになっている。

発泡スチロール箱がちょうど流れてきた。この時の水位は3.8mだったとか。 果たして、荒川本流はどうだったかと言うと、遠目に見たのと違い、結構な勢いでゴーゴーやっているから吃驚! 第48話に書いた、あの1999年8月増水には及ばないものの、当時を彷彿とさせる脅威を感じた。小説(8月編)では、ある日の短時間豪雨をヒントに、こういう事態に近いものを想定して、すでに展開の中に盛り込んでいたが、そこに書いた情況に近いことになっていたので、余計にビックリである。さらに水嵩が増してくると危なっかしい予感もあったが、いつでも離れられるような態勢で身構えつつ、現場に佇む。すっかり水没してしまった干潟...水と漂流ゴミはそのずっと上を流れていく。ゴミが水面を漂流していってしまうとすると、回収干潟は機能しないことになるが、おそらくは水位が下がるに応じて、またいろいろと受け止め、漂着の終点となる筈である。(ちなみに、中流の熊谷(河口から76.5km)では、9/7の朝5時がピークで5.58m。この界隈は、9/7の夜20時がピークで5.09mだったそうな。ゾーとする増水である。)

水位比較(1):ヨシの頭部分に注目

水位比較(2):ほぼ同じ位置から橋脚付近を撮影(奥が上流側)・・・水位の差は歴然である

 漂着ゴミはどこへやら、とか安穏としていたら、干潟の上、ヨシなどの草陰に廻り込んでみて、またまた仰天。すでに上陸済みのゴミの一団があったのである。いつもなら干潟表面なり、斜面脇なりがこのような状況に見舞われるのだが、まさかこの高さでこうなるとは... 川の流れも気がかりだし、調査するには条件が悪いので撮影記録のみにとどめた。そこから先、ロープ代わりに金属線が張ってある一帯に至っては、これまたどこからか流れ着いた雑品の数々。線に草や枝が絡まり、「ゴミブロック」ができている。ゴミを絡め取っているという表現が当てはまるかも知れない。これでは大きめの物品であっても留まらざるを得ない。一例としては、ベニヤ板、ビニール傘、灯油容器、カセットコンロの段ボール箱、プラスチック製のカゴ状容器、ウォーターサーバ、「大花火大会」と称する花火セットの円筒缶、そしてどこかのスーパーの店内用カゴ、といった具合。(どこのスーパーのものかは不明だが、ゴミとして処分されてしまうのは忍びないので、これは筆者が引き取った。店内用カゴはさすがに丈夫でどこも傷んでいなかった。) 海に流れ出さなかっただけでも良しとすべきか。

要するにこの高さまで水位が上がり、水位低下とともにこのように取り残された、ということになる(漂着というよりも残留ゴミ?)

これがその「大花火大会」缶である(何とも物騒な...)

金属線が枝を受け止め、そこに傘やらウォーターサーバやら...

もともと水路があったかのような見事な流れ

バックネットを砂が隠す。グランドではユリカモメが休憩中。 干潟に向かう途中では気付かなかったが、干潟から堤防方向、つまりグランドを別の角度から見ると、事前に倒しておいたと見られるバックネットには砂が堆積し、その近くは俄か湿地帯の様相。何とユリカモメの一群が羽を休めている。その隣のグランドからは溜まった水を押し出すように水路ができていて、水の捌け口では、カラスが行水中。増水で水生昆虫でも運ばれてきたか、他のカラスどもは頻りに湿った辺りで何かを啄ばんでいる。人にとっては一大事の増水だが、鳥たちはお構いなし。自然現象の産物を巧みに利用する姿勢は天晴である。

 再度、水没干潟を経由し、相変わらずの濁流に嘆息する。店内用カゴをガタガタやりながら、ぬかるみを抜け、無事帰還した筆者であった。台風一過、この日の気温はこの後、30度を超すことになる。湿地帯が干上がるのは早かったと思うが、ゴルフ場の方はその後も水浸し状態が続き、今なお再開の目処は立っていないようである。

 以上、現地から自称monologgerがお伝えしました。(今回の台風増水の一件が小説にどのように反映されるかは、しばらく先のお楽しみ。)

  • こちらもどうぞ...⇒ 荒川でのクリーンアップに関する話題

第12話 寒中クリーンアップ / 第28話 荒川クリーンエイド’98 in 荒川赤羽緑地 / 第118話 荒川流域三題 / 第217話 あらかわ号乗船レポート

 

第240話 「ついつい」について(2007.9.2)

 おかげ様を持ちまして、当「東京モノローグ」、足かけまる10年第240話を迎えることができました。(読者の皆様にはこの場を借りて、厚く厚く御礼申し上げます。ありがとうございます!)(^^)

 10年が経ったことを記念(?)して、僭越ながら以下の2つを考えつきました。

  1. 電網浮遊都市「アルファポリス」(市民サイト)への「東京モノローグ」登録(近日中)

  2. オリジナルweb小説の連載スタート(こちらも「アルファポリス」(Webコンテンツ)に登録予定)
    *詳しくは次回第241話にて!

 上記と合わせ、引き続き「東京モノローグ」、ご高配ご高覧の程、よろしくお願い致します。

 さて、今回の第240話、10年の節目の話を、というのが筋なのかも知れませんが、15話刻みの「べからず集」にも当たるため、そっちを優先することにしました。ただし、これまでのように単なるべからず集では面白くないので、過去のべからずからのちょっとしたまとめ形式(+新ネタ)にしてみました。変則的ですが、たまにはこういうのもアリ、ということで、ひとつご一読ください。(ここに挙げる例は、筆者はこうありたくない、ということの裏返し(まず、こういうことは致しません)です。読者の皆さんも大丈夫だとは思いますが、お気を悪くされたら、ご勘弁くださいね。)

(今回の参考べからず集:第60話 電車内でのマナー第75話 駅構内でのマナー第90話 ファミリーレストランでの「べからず集」第165話 エレベーターでの「べからず集」第225話 スーパーマーケットにおける「べからず集」


ついついやってませんか? こんなこと

*今回はリストアップのみ(ランキングなし)

1.特に電車、列車で

  • 複数の吊り革につかまる

 周りに乗客がいなければまだ良さそうだが、見た目的に行儀悪いし、つかまった時の姿勢次第では目前の座席にいる客に対してこの上なく迷惑になる。

  • ついもたれかかる

 中央線快速の新型車両第231話:後段参照)のようにロングシートの両端(ドア脇)に壁状の背もたれ(?)がある場合はまだ許される。中央線の新型には及ばないが、JRではいわゆるE233系車両については、比較的壁状になっているので何とかなる。だが、壁ではなく、金属棒を組み合わせた程度の車両がまだまだ多数という状況では、もたれかかるのは原則禁止、にしてほしいくらい。その圧迫感たるや、不快なことこの上なし。(その辺を弁えて、あえてシートの端に着席しない人も多いようだ。)

  • つい乱暴に網棚に荷物

 もたれかかる人とセットになっていることが多い。立って乗るのは自由、ドア脇に立つのも自由。だが、その位置に立つからには相応の配慮が求められる。「ここを確保!」とばかりにカバン等を網棚にバンと置く衆は、決まってもたれかかる角度も深かったりする。始発駅で席を確保しても、端の席だとこうした悩みがつきまとう。「どうか、配慮ある人が来ますように」と願うも空振りに終わること数知れず。気にし過ぎだろうか。(中央線新型クラスの「もたれかかり対策」を講じた良質な車両が増えることに期待した方が早い?)

  • 空いている席に無理やり座る

 もたれかかる系の人で特に厄介なのは、いわゆる横周りが大きいタイプだろう。それでも、もたれている時の方がまだマシ。こういうお方は疲れがたまりやすいためか、着席したがる傾向が強いようで、隣が空いていて、そこが狙われた時にはそりゃあもう、である。己の横周りとしっかり相談してから着席意思を示してほしいものだが、大抵はちょっとした隙間を見つけると、ムリにでも座ろうとなさるから始末が悪い。(過去に筆者は、その手の人物の急襲により着席困難となり、やむなく脱出したことが三度はある。)

  • とにかく席があればどこでもいい

 席に着くのも勿論自由。だが、どう見てもあっちのロングシートの方が空いている、というのにわざわざ密度が高いシートを選ぶ人が多いのも事実。特に太陽が入射してきて眩しいという向きでもないのに、そうなってしまうのは、単にバランス感覚がないか、人恋しいか、はてさて...と訝りたくなる。

  • ケータイOFF忘れ

 忘れているだけならまだいい。だが、鳴ったのをいいことに堂々と通話を始める不届き者が多いのは何とかならないものか。(どうも最近増えているような気がする。)

  • 優先席での非礼

優先席でのケータイ使用例(イメージ) 車内でのケータイ通話は、その人物の品位・品格を貶める、ということと、周囲に少なからぬ電磁波影響を及ぼす、という点くらいでまだ済む。だが、本来安全地帯であるはずの優先席付近でこれ見よがしに通話する愚人はどう処すればいいのだろう。(愚鈍極まりないケースは、てんで元気なのに、優先席を一人で二人分とって、大きく足を投げ出して座り、大声でケータイ通話、だろう。愚鈍というよりも気の毒に思えてくる。本人に聞いてみないとわからないが、こういうのは脆弱さ・寂しさの裏返しだったりする?)

2.特に駅(ホーム)で

  • 発車サウンド(ベル) or アナウンスで駆け込む

この光景を見ない日はない 事故例を多く見かける。これは本当に止めた方がいい。ついでに言うなら、鉄道各社側も努力して、発車サウンドもアナウンスも、いっそ止めてしまうか、ホームのごく一部で聞こえる設定にするか、とにかく「煽る」と「駆け込まないように喚起する」が並存するような状況(=矛盾)を作らないようにすべきと考える。人は「音が聞こえるから走る」のである。

  • 案内標示をしっかり見ればわかりそうなところ、あまり確認せずに迷う、間違える

 一例としては「乗車位置」がある。車両数、ドア数、グリーン車の編成など、パターンが複雑な場合でも、しっかり標示を見れば、次の列車の乗車位置はここ、とわかるようになっているのだが、人任せな人や整列意思が曖昧な人が多いことと言ったら... 変な位置で待機せず、自分で確かめて、しっかり並んでほしいものである。

3.飲食店にて

  • 店頭でメニューを見ている人をさしおいて、とっとと入店

 メニューをわかっている常連さんなら別に構わないが、単に人より先んじて「それ!」と行きたがるせっかちさんは困り者。特に食券を先に買い求めないといけない店の場合、こういう輩は券売機の前でまごつくことが多い。「並び直すべし」と声を大にして言いたい。

  • 店の前で誰かが立ち止まっているだけでつい釣られて入店

 上記と類似しているが、メニューを見ている訳でなく、単に様子を窺っている場合でさえ、という点が異なる。せっかち心理が働く人は誰かがそこに立っているだけで入ってしまうのである。筆者は店頭で調べごとをする機会が少なくないため、このパターンで千客万来にしてしまう(?)こともある。店員がビラなどを配って下手に入店を促すよりも、一般の人にただ店頭で立ってもらうだけの方が効果が大きいのではないか、と思う。そういうバイトがあっても良さそうである。

  • モーニングメニューがあるのにレギュラーメニュー

 お店にとって好都合なだけかも知れないが、いわゆるモーニングメニューというのは、早くて安いのが相場。店頭に掲示が出ていない場合、見逃してしまうのは致し方ないにしても、メニューをしっかり見るなり、チェックする習慣は持っていたいものである。某カレーショップでは、300円代でレギュラー並(+トッピング一品)のモーニングカレーが供されるが、これを知らずに普通のカレーの最低ライン400円(トッピング等なし)の一品を注文する人を見かけると、「嗚呼お可哀相に」と思ってしまったりする。好みは様々ではあるが、似たようなメニューなら、よりおトクな方を選びたい。ちょっとの気付きがあればいいのである。

  • ドリンクメニューなどをろくに確かめず、「とりあえず、ビール」(アルコール飲料提供店の場合)

 これも店側のご都合主義の可能性はあるが、食事メニューに限らず、ドリンクメニューの中にも「これがオススメ」というちょっとした逸品は必ずある。「いいやいいや」で生ビールだ、ジョッキだ、とかやらないで、時間を置いて、そういうメニューをしっかりチェックしてから注文したいものである。(ドリンクの注文を急かす店員の姿勢にも問題は大いにあるが。) 筆者はこの手の店にたまに行くと、店員が急かそうが何だろうが、まずは放っておいて、後で呼び出しボタン等で呼んでから注文することにしている。

  • ドリンクバーでついつい氷

 ファミリーレストランでは、名称は異なれど、いわゆるドリンクバー(またはフリードリンクコーナー)が設置されているのが今となっては主流。そして、もともと抽出装置(サーバ?)内で冷やしてある飲料をわざわざ氷を足して冷やす、というのも主流のようである。氷を入れるが当たり前、とでも言いたげなのだが、果たしてそうなのか? 氷が然るべき水(アルカリイオンとか)からできたものならまだいい。それがわからない場合は、せっかくの飲料を余計な水分で薄めることもなかろう、と思うのだ。ドリンクを注文する・しないに関わらず、水についてはフリー。同じコーナーの一角にセルフで注ぎ足せる仕掛けがあるが、そこに氷があるばかりに、その水にご丁寧に氷を入れてしまう人も見かける。アルカリイオン水については、氷は入れなくていいようなことがそこに書かれてあるのだが、これも「ついつい」なんだろう。

  • 灰皿があるとつい一服

 喫煙可能店(無煙な筆者は勧んでは行かないが)であっても灰皿の取り扱いには一考がほしい。「はい(または灰)、どうぞ」ということなのかはいざ知らず、わざわざ灰皿を出しておくこともなかろう、と言いたい。あればつい吸ってしまう人が現われる。喫煙するよう誘導しているようなものである。店としてはサービスのつもりが、客の健康面に対しては逆サービスになっている可能性が高い。灰皿を見たら、「はい(または肺)、気を付けて」というメッセージが隠れている、と心したい。

4.各種建物・施設等で

  • そこにある温風タオル(またはハンドドライヤー)

こんな多機能洗面台もある。(否が応でも温風が出てきてしまうので、諦める) トイレの洗面台脇に、「ブワー」とやるヘンテコな設備が付いているのを見かける。温風タオルとは言うけれど、これって本当に手を乾かすのに有効なのだろうか。単なる気休め、もっと言うなら人の心理に乗っかっているだけの代物、なのではないか。(「そこにあるから使いたくなる」という心理である。) なければないで、済むように思う。(もっとも、この設備の代わりに、手を拭く用のペーパータオルがあったりすると、二枚以上消耗したがる不届き者が頻発するので、それよりはいい、ということかも。)

  • 二階、三階に行くにもエレベーター

 さすがに二階というのは少ないかも知れないが、三階は時々いらっしゃる。階段がすぐに見つからず、エレベーターしかないような狭小ビルの場合はこれは仕方ないが、それ相応の商業施設の場合は、三階と来たらエスカレーターがベターだろう。(階段で、と言いたい気持ちもあるが、中二階があったり、二階までが結構な高さだったりすることもあるから、そこまで言うつもりはない。)

  • エレベーター集中

 「そこにあるエレベーター」を使いたい心理が働くのかどうかは不明だが、上記のような低層階利用者を含め、とにかく集中する傾向がよく見られる。一台しかない場合は集中するのは必定だが、複数台のエレベーターが並んでいる場合は、ちょっとした時間差(待機時間)でより人数の少ない快適なエレベーターに乗ることも可能。電車の駆け込み然り、電車内での座席集中然り、何かが人を駆り立て、「先に来たもの」「そこにあるもの」を選択させてしまうようである。先に来たエレベーターに押せ押せになっている間に、後から来た一台が少数の客をさっさと乗せて先発、なんてことは日常的光景だったりする。(そうした経験をお持ちの方は、今は工夫されているとは思うが。)

5.買い物時

  • 惰性でレジ袋

 マイバッグ持参(=レジ袋不要)を意思表示できるカード等がある店は、その惰性を何とか抑止できる。だが、コンビニなど、客が口頭で自己申告しないといけない店の方がまだまだ多い現状では、マイバッグを持っていても「惰性でつい」となりがち。店員がしっかり客のマイバッグ持参状況を確認してくれればいいのだが、なかなかそうはならない。どこかの代表チームではないが、「強い気持ち」が必要だ。

  • 自分の番が来て、あわてて財布など

 バスの乗車時などもそうだが、人は何かを待っている間、当事者意識が薄れてしまうことがよくあるようだ。乗車間際や入店手前ではスピードが出るんだから、先手を打つのも得意な筈。とにかく財布なりカードなりは先に用意しておきたいものである。

  • 小銭を出さない

 財布を出しておかないことと関連するが、自分の順番が来てからバタバタやっているようでは、当然のことながら小銭の扱いもおろそかになる。特に年配の男性は、偉そうにお札をホイと出して、受け取った釣銭の方は無造作にポケットに、という無作法が目に付く。その細々した釣銭はいったいいつ使うのやら? 小銭に対しても失礼な話である。(逆に年配女性は、小銭をできるだけ出そうとする余り、レジ待ちの列を長くしてしまうことがある。財布を予め出しておくところまではできているのだから、もうひと押し。小銭もしっかり備えてもらえれば、と思う。)

  • 釣銭を確認しない

 無作法な諸兄は、「いいやいいや」が習慣化しているので、釣銭をしっかり確かめる、ということもあまりなさそうである。そうした習慣を逆手にとられたのが、野球場などでの場内販売におけるお釣りの扱い。今は改善されたかも知れないが、いわゆる「釣銭ごまかし」がまかり通っていたという話を聞く。「連中は確認しない」と見くびられていた訳だ。チップもご祝儀もあったものではない。どんな時にも釣銭はしっかり確認し、もしごまかしがあったら、断固抗議すべきである。

  • レシートを受け取らない

 レシートが出る店では、とにかく出してもらうのが客の姿勢としては重要と考える。釣銭の的確さ以上に、その前段として会計が適正だったかどうか、が要。それをチェックする上でレシートは必須だからである。普通は釣銭などと一緒に渡されるので、店に対してはどうこう言うつもりはない。問題は渡されたものを受け取らない(またはその場でポイ)、という客の側である。レシートは店と客をつなぐ(つながった)証拠という考え方もできる。気に入らなかったなど特段の事情があれば話は別だが、通常時にレシートを受け取らない、というのは何とも不敬な話だと思う。(受け取らない客が多い、という理由からか、端からレシートを渡そうとしない店員に対しても疑念を覚える。)
 筆者の場合、店員が釣銭を渡す行為を省くよう努めているが、それがアダとなり、レシートが出るまでの時間を余計に持つことがよくある。だが、この待ち時間(せいぜい数秒〜十秒以内だが)は、店員にレシートの重要性を自覚してもらうための配剤のようなものである。


こういう現象の背景は?

 ざっと挙げてみたら、23。他にもいろいろ出てきそうだが、今回はこんなところだろうか。ここでいま一度、なぜこうした「ついつい」が出てくるのか、おさらいを兼ねて探ってみたいと思う。

 社会的な背景としては、スピード社会というか拙速社会というか、とにかく人を出し抜こうとする変な競争原理のようなものが露わになっていることが考えられる。加えて、物事をしっかり受け止めようとする心構えの不足、その連鎖。風潮に流される、というのは仕方ないにしても、何かと「いいや、いいや」で済ましてしまう心理、その場しのぎ感覚、短絡的かつ対症的な発想、そんなようなものが覆っていて、気付かないうちにそれが「そういうもの」という固定観念に転じているのではないか、と思う。単なる横着や無気力とはまた異なる、何か根深いものを感じざるを得ない。

より賢明により快適に、ということである。 自律性とか当事者意識とかが見えにくくなっているのも確か。そこにある便利そうなものを使いたい、というのは自主的判断ではあるが、「ついつい」という点では自主と言えるかどうか。自主ではなく、それが利己と換言されるなら、どうだろう。利己が蔓延すれば、世の中息苦しくなるのは当然の理なのである。利己<利他、そして、悪しき連鎖を断ち切る自律と自主、日常的にはほんのちょっとした工夫や配慮で十分な筈である。「ついつい」をふりかえりつつ、お互いにより快適な過ごし方ができればと願う。

 以上、東京モノローグ10年、ひと区切りの独り言(モノローグ)。どうもお粗末様でした。

  • こちらもどうぞ...⇒ その他の「べからず集」

第120話 映画館での「べからず集」 / 第180話 美術館・博物館での「べからず集」 / 第195話 自転車における「べからず集」 / 第210話 べからず集「傘」

 


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