第435話 看板広告「べからず」七選(2015.10.15)
今回の「べからず集」は、広告。と言っても、広く一般的なものではなく、@公共の場所における固定的なタイプ、A一定期間、一定人数の目に付くと思われるもの、Bディスプレイ式ではなく、主に看板など、という条件の中での話。街や駅などで、何かと目にする広告や看板の類のうち、「これはちょっと...」というのは決して少なくない。それらを7つの類型でまとめてみた。何かの参考にしていただければ幸いである。
7.短命=もったいない
お騒がせのエンブレム。今となってはすっかり過去の話になってしまった。この手の企業は、オフィシャル某とすぐに出したがる訳だが、「いつオフィシャルに?」というのが正直なところ。その決定プロセスは、エンブレム同様、不透明な感じがしなくもない。どっちみち、不透明感のあるものは、長続きしない。この広告は、その好例と言える。
それにしても、もったいない話である。
6.間違い
ディスプレイ式の広告媒体は、良くも悪くも一過性。手直しが利くという点では優れている。固定的な媒体は、一度作ればそれがしばらく持続するという点ではいいものの、間違いがあると、それも続いてしまうというデメリットがある。左下の写真は、秋葉原駅でたまたま見つけたものだが、地図や表記の酷いこと。
ダイビルのところ、なぜか「タイピル」。万世橋署は、中央通りの上(方角では西)ではなく、下(東)が正しい。複数の誤りがあると、信頼感はかなり下がる。こうなると、お店の位置も怪しい?
地図の不正確さも“リバティ”のうち? |
↑ こちらのカラオケ店の地図は、概ね正確 |
5.誇張・誇大
地図は正確かも知れないが、店に掲げる看板類には苦言を呈したくなるカラオケ大型店舗。曲数、「世界一」「世界最強」と謳うのは、果たしてどうなのか...
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←「超クリーミーコック」&「超絶うまい」、これもある意味、誇張表現だが、まだいい方? |
4.配色難
神田駅の中央快速線ホームから西側を見遣ると、某パチンコ店の広告看板が目に入る(左下)。最近はこんな感じで、不快感を覚えるような設定になっていないのでいいのだが、かつては明らかに「目に毒」なタイプが多かった。目立たせることを前提に、過激な絵柄や配色を使うためだろう。
秋葉原界隈は、その場所柄ゆえ、アニメ関係の看板が随所で見られるが、それらが集中すると、さまざまな色が乱舞する態となり、やはり目が向かなくなる。何らかのガイドラインが必要な気もする。
3.意味不明(演出過剰)
いわゆる広告ジャックというものが、電車の車内で展開されるケースがあり、たまたま乗り合わせてギョッとなることがある。昨年11月に山手線で走っていたこの車両は、何の広告かがよくわからない上に、演出が過剰。とにかく「ブサイク」なネコを集めてきて、車内外のあちこちに掲出し、中吊りに至っては紙ではなくシャツを使うという凝り様である。相当な費用をかけていることが予想されるが、得るべき成果はあったのか・・・大いに疑問である。
(おまけ)
山手線の新型車両E235系(試運転シーン)。中吊りを出さないのがウリだったが、方針が変わり、多少は出ることになった。くれぐれも珍妙な広告は扱わないでほしいと思う。(→参考情報/参考記事) |
意味不明ではあるが、明確な意図が隠されているのがこちらの広告。ブレがないという点でも評価できる。(→参考情報) |
2.見苦しい
お世辞にもビジュアル的に良好とは言えないお笑い芸人の大写しを春頃から車内や駅で見かけるようになった。大写しだけならまだしも、奇抜さが加わると、見るに堪えない代物になる。その意図も全く以って不明。何事も目立たないことには...というか、転職情報サイトの競争が激しさゆえ、と思われるが、過ぎたるは猶及ばざるが如しである。そろそろ引っ込めてもらえないだろうか...(車内の扉に貼るサイズから、中吊り、ホーム上の看板、線路際の巨大看板に至るまで、バリエーションも多様。そのなりふり構わない感じが煩わしさを増幅させるのだと思う。)
この薄青の人物、奇々怪々この上なし |
同じ転職情報サイトのディスプレイ広告。この「縁ゆかり」さんは好感が持てるだけに、左の広告が余計に残念。 |
美的センス皆無なものとしては、口臭ケア関係の小広告があった。ドア際でその不気味な一物に遭遇すると、とにかく気分を害されていたのだが、いつしか女性を起用したこのタイプに切り替わり、「車内扉の恐怖」から解放された。おそらく強い苦情等があったのだと思う。
1.公共性なし
春の花粉シーズンになると登場するこちらの広告(車内では撮らなかったので、別テイク)。車内ディスプレイでもよく流れていたので、憶えている方も多いはず。冒頭からお見苦しい点はあるものの、途中まではまぁいいとして、問題はラスト数秒間。ティッシュの大量ポイ捨てシーンが出てくる訳だが、これは許されるものなのか...(昨シーズンも設定は同じ)
クリーンアップ関係団体はじめ、全国の美化活動に取り組む方々への挑発とも受け取れてしまう。来年もまた同じパターンだったら、何らかの申し入れをしようと思う。
こうした広告類、探せばまだまだ見つかりそう・・・行楽の秋、広告の秋ということで、引き続き探ってみようと思う。
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